梅雨前の小石川植物園、アジサイやハナショウブ、タイザンボクなどの季節の花々
6月に入り、小石川植物園を回ってきました。沖縄や鹿児島などが早々と梅雨入りしましたが、東京では例年通りの6月上旬に梅雨入りが予想されています。梅雨入りを前にした園内では、この時期ならではのアジサイやハナショウブ、タイザンボクなどの花々が咲き出していました。
梅雨入りを目前にした6月初旬の小石川植物園の風景です。全体的にしっとりとした緑の世界の中で、日本庭園ではツツジの赤い花やハナキササゲの白い花が咲いていました。
(季節の花々)
園の各所に梅雨空によく似合うアジサイ(紫陽花;アジサイ科アジサイ属)の花が咲き出してきました。右は西洋アジサイの花。観賞用には美しいアジサイですが、毒性があり摂食すると中毒を起こすので要注意。
日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花)。
葉に斑が入っているフイリガクアジサイ(斑入り額紫陽花)。
山中の沢に多く生えるヤマアジサイ(山紫陽花)。
タイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の大樹を見上げると大輪の白い花が咲き始めていました。威風堂々として神々しく感じます。わが家の子どもたちが通った高校のシンボルの花でしたので、開花の時期になるといつも林地の奥の方まで足を運びます。
琉球や対馬に分布する落葉高木のフシノハアワブキ(節の葉泡吹;アワブキ科アワブキ属)。園入口付近の大木が緑がかった白い花で覆われていました。
中国産の常緑小高木ガビハナミズキ(峨眉花水木;ミズキ科ミズキ属)。びっしりと白い花に覆われていました。ヤマボウシの花とよく似ています。
ハナキササゲ(花木大角豆;ノウゼンカズラ科キササゲ属)。北米原産の落葉高木。別名はオオアメリカキササゲ。初秋に付く果実が細長いササゲ(大角豆)に似ていることからキササゲ(木大角豆)と呼ばれます。
初夏に咲く白い花は、縁が縮れて中に紫の斑点と黄色の筋が入る。
この時期の風物詩のハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花が菖蒲田で咲き始めました。
ドクダミ(毒溜;ドクダミ科ドクダミ属)の白い花が草むらに群生するようになってきました。
(木々の緑葉)
植物園内は一面に緑が広がり、まさに万緑の世界です。この日は万緑の中、樹木毎に個性的な形状をもち魅力的な木々の緑葉を中心に楽しんできました。
カジカエデ(梶楓;ムクロジ科カエデ属)。日本固有種で本州の宮城県以南、四国および九州の山地に分布する落葉高木。木の葉は掌のように大きく、オニカエデ、オニモミジともいわれます。
欧州の街路樹に多く見られる落葉高木のヨーロッパカエデ(ムクロジ科カエデ属)。ノルウェ-カエデとも呼ばれます。
エノキ(榎;アサ科エノキ属)。本州から九州まで広範囲に自生する落葉高木で、社寺の境内、公園、山地にきわめて普通に見ることができます。漢字の「榎」は夏に日陰を作る樹を意味する和製漢字です。
シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。中国原産の落葉低木。細い枝がよく分枝し株立ち樹形を成す。3月頃、青空の下に無数の黄色の花が点描されるかのように一斉に咲き出します。
モミジバスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。スズカケノキとアメリカスズカケノキとの交配種。街路樹や公園樹に用いられることが多い。
ユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。北米中部原産の落葉高木。初夏に咲く花の形は百合の花というよりもチューリップに似ていて、チューリップ・ツリーの別名もあります。
ホオノキ (朴木;モクレン科モクレン属)。北海道から九州まで分布する落葉高木。日本産の広葉樹で最も大きくい朴葉は香りも良く、昔から食物を盛る器として用いられてきました。
コーカサスサワグルミ(クルミ科サワグルミ属)。中央アジアのコーカサス地方を原産とする落葉高木。葉の形や幹の文様が特徴的です。谷地に生えるサワグルミと比べて、葉、果穂が大き目。
ソメイヨシノ(バラ科サクラ属サクラ亜属)。春に桜といえばソメイヨシノのことを指します。
カキノキ(柿の木;カキノキ科カキノキ属)。東アジア固有種の落葉樹。 秋の果実の柿は代表的な秋の味覚です。また、ポリフェノールやタンニン、ビタミンCなどを多く含む柿の葉には様々な効能があります。
ニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)。中国原産の落葉小高木。欧米では街路樹や庭園樹に用いられる。ニシキギ、スズランノキと並んで世界三大紅葉樹ともいわれるように秋の紅葉は見事です。
アサダ(カバノキ科アサダ属)。北海道中南部から九州の南部辺りまでの地域に生育する落葉広葉樹。他の落葉広葉樹に混じって散生します。
ミズメ(水目;カバノキ科カバノキ属)。本州の岩手県以南、四国、九州 に分布する落葉高木。別名は梓。樹皮や材観がサクラに似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)とも呼ばれる。
ラクウショウ(落羽松;ヒノキ科ヌマスギ属)。水湿地に生育し気根を有する北米原産の落葉針葉樹。木元が少し水につかった状態で自生することが多く、ヌマスギとも呼ばれます。
メタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属、別名アケボノスギ)。凛として天に伸びるような見事な樹形が目を引きます。全国各地の公園、並木道、校庭などに使用されています。
これ以外にも多くの写真をアップしています。
…> 季節のスケッチ(2019年6月)
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