ノーベル化学賞に旭化成名誉フェローの吉野彰氏が受賞決定
この週末に非常に強い台風19号の襲来するといった重苦しいニュースが流れていた最中、本年のノーベル化学賞に旭化成名誉フェローの吉野彰氏が受賞決定したという大変うれしいニュースが飛び込んできました。
2019年ノーベル化学賞受賞の3氏(吉野彰氏は右)
スウェーデン王立科学アカデミーは、本年のノーベル化学賞を、リチウムイオン電池を発明した旭化成名誉フェローの吉野彰氏(71才)ら3氏に授与すると発表しました。小型で高性能の充電池として携帯型の電子機器を急速に普及させ、IT社会の発展に大きく貢献した功績が評価されたとのことです。
リチウムイオン電池は、従来充電できる2次電池として使用されていたニッケル・カドミウム電池などの性能を飛躍的に高めたもので、この登場により携帯電話やノートパソコンなどの普及が加速され、現在のIT・モバイル社会の実現に大きな役割を果たしたと言えます。リチウムイオン電池の市場規模は世界で4兆円超に拡大しています。現在、電気自動車、スマートグリッドなどへの実用化も精力的に進められていて、未来社会のエネルギー基幹デバイスとしての活躍が大いに期待されます。
今回の吉野彰氏の受賞により、日本人のノーベル賞受賞は、昨年の生理学・医学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授に続いて27人目になります。また、企業研究者からの受賞は2002年の田中耕一氏(島津製作所)以来2人目です。日本人としては大変誇らしい気持ちです。
しかしながら、最近は、資金面などでわが国の研究環境が年々厳しくなっていると言われています。わが国が引き続き世界の研究開発を先導していくことが出来るような枠組みを再構築してもらいたいと切望します。
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