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2019年11月

2019年11月20日 (水)

小笠原の植物などを展示した小石川植物園新温室がオープン



 小石川植物園の従前の温室が老朽化したため、建て替え工事が行われていましたが、このたび完成し、新温室の公開が始まりました。早速見学してきましたが、かなり広くなったスペースの中に小笠原諸島の植物などが整然と展示されていて、植物園散策の探訪メニューが増えました。


 新公開温室は温室1から6までの6室構造で、総床面積は旧温室の約4倍となっていて、小笠原諸島の植物などが展示されています。また高山植物などの栽培・展示のための冷温室が新設されています。以下、新温室内で開花していた植物をいくつか紹介します。


 ユズリハワダン(キク科アゼトウナ属)。常緑小高木、小笠原固有種。


 コバトベラ(小葉扉;トベラ科)。常緑小低木、小笠原原産で父島にのみ生息する。


 シマザクラ(島桜;アカネ科シマザクラ属)。常緑低木、小笠原固有種。


 多年草のシマカコソウ(島夏枯草;シソ科キランソウ属)。小笠原固有種。


 多年草のダイトウワダン(大東海菜;キク科アゼトウナ属)。大東諸島固有種。


 ホンコンツバキ(香港椿;ツバキ科ツバキ属)。香港・広東原産。


 ゲンペイクサギ(源平臭木;シソ科クサギ属)。蔓性常緑低木、熱帯アフリカ西部原産。


 インドジャボク(印度蛇木;キョウチクトウ科)。常緑低木、インド~マレーシアに自生。


 ベニマツリ(紅茉莉;アカネ科ベニマツリ属)。常緑低木、キューバ、パナマ、南アフリカ原産。


 サンタンカ(アカネ科サンタンカ属)。常緑低木、中国南部~マレー半島原産。


 ベニヒモノキ(紅紐の木;トウダイグサ科エノキグサ属)。常緑低木、マレー諸島原産。


 ニンニクカズラ(ノウゼンカズラ科ニンニクカズラ属)。つる性常緑低木、熱帯アメリカ原産。


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2019年11月17日 (日)

11月中旬の皇居東御苑、二の丸庭園や雑木林を散策



 秋晴れが続く11月中旬の週末 (11/17)、皇居東御苑を散策してきました。即位礼関係儀式が先日の大嘗祭で一応終了したわけですが、その関連でこの日は東御苑の本丸ゾーンが立ち入り禁止となっていたため、二の丸庭園や雑木林を中心に回ってきました。


 皇居東御苑への出入り門は大手門、平川門及び北桔橋門の3つです。この日は皇居の都合で北桔橋門は退出のみとなっていました。大手門では大勢の外国人観光客を見かけました。


 東御苑に入って大手門から平川門に通じる道沿いに立派な石垣が築かれています。


 この石垣を汐見坂などから上っていくと天守台などがある本丸ゾーンにたどり着きますが、この日は即位礼関係行事のため立ち入りが禁止になっていました。


 道の途中で、真赤なクコ(枸杞;ナス科クコ属)の実を見つけました。クコは薬効が高く、クコ茶やクコ酒等に用いられます。


 二の丸ゾーンの中央部に二の丸庭園が配置されています。庭園の池の周りにケヤキの高木が生えていて、二の丸雑木林の方からケヤキを眺めると、ちょうど丸の内の高層ビル群が背景になります。


 ツワブキ(石蕗;キク科ツワブキ属)の鮮やかな黄色の花が庭園の小さな滝の辺で群生していました。


 二の丸庭園の一角にたたずむ諏訪の茶屋。いくつもの懸崖菊が展示されています。


 庭園の池の周りのサルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)が見事に紅葉していました。


 以下、二の丸雑木林近辺の風景です。ケヤキの高木の近くで紅葉している樹木を見つけました。


 近づいてみたら、ヤマボウシ(山法師;ミズキ科ミズキ属)でした。同属のハナミズキ(花水木)と葉の紋様が似ています。


 落葉低木のゴンズイ(ミツバウツギ科ゴンズイ属)の赤い袋果です。やがて黒い種が出てきます。


 ガマズミ(莢蒾;レンプクソウ科ガマズミ属)の紅葉。よく見ると赤黒い実が付いています。


 繊細な感じのシラヤマギク(白山菊;キク科シオン属、別名:ムコナ)。山地や丘陵などに見られる。


 大手門近くのジュウガツザクラ(十月桜)が白い花を付けていました。繊細な感じで、うっかり見過ごしてしまいます。


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2019年11月16日 (土)

秋晴れ下の小石川植物園、次第に深まる秋を楽しむ


 秋晴れ下の11月中旬、小石川植物園の次第に深まる秋を楽しみながら散策してきました。園内の巨木ゾーンでは、ユリノキやアメリカスズカケノキなどの紅葉・黄葉が進んできました。また、草本では草丈の高いコダチダリアが咲き広がり、様々な野菊の花も散見されました。

(木々の紅葉・黄葉)


 巨木ゾーンの風景です。これは北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。かなり黄葉が進んできました。巨木の下から見上げると迫力があります。



 北米原産の落葉広葉樹のアメリカスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。緑葉の中で、褐色の黄葉がだいぶ広がってきました。



 巨木ゾーン以外でも、木々の紅葉・黄葉が徐々に進んできました。これは本州の岩手県以南、四国、九州 に分布する落葉高木のミズメ(水目;カバノキ科カバノキ属、別名は梓)の黄葉。樹皮や材観がサクラに似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)とも呼ばれる。



 東日本を中心に分布し、特に東北地方に多く見られるトチノキ(栃の木;トチノキ科トチノキ属)。落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹林を構成します。長い柄のある大形の掌状複葉が鮮やかに色づいていました。


 木の下を見ると多くの栃の実が落ちていました。あく抜きして栃みちなどの食用に供します。


 日本固有種の落葉高木ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)も黄葉が青空に映えています。カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴。


 日本各地、中国、朝鮮半島に分布する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の葉が見事に黄葉しています。


 中国・台湾原産の落葉高木のナンキンハゼ(南京櫨;トウダイグサ科ナンキンハゼ属)。美しく紅葉が始まりました。木の実は種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 東アジア固有種の落葉樹カキノキ(柿の木;カキノキ科カキノキ属)の紅葉です。果実の柿は代表的な秋の味覚です。



 マンサク科マンサク属の初春にふわふわとした迎春花を咲かせるシナマンサク(支那満作;上)や岡山県阿哲地方で発見されたアテツマンサク(阿哲満作;下)の黄葉が目立つようになってきました。


 北米から中南米原産の落葉高木のモミジバフウ(紅葉葉楓;フウ科フウ属)。葉の形がモミジに似ています。


 ムクノキ(椋木;アサ科ムクノキ属)。日本、朝鮮、台湾、中国に分布する落葉高木。


 ハンノキ(榛の木、赤楊;カバノキ科ハンノキ属)。全国の山野の低地や湿地、沼に自生し河畔林を形成する落葉高木。

(草本の花)

 草丈が3~4メートルのコダチダリア(木立ダリア;キク科ダリア属、別名:皇帝ダリア)の花が風に揺られ、悠々と咲き広がっていました。


 チョクザキヨメナ(猪口咲き嫁菜;キク科シオン属)が咲いていました。舌状花が円筒状の特徴的な形状をしています。オビトケコンギク(帯解紺菊)の別名があります。本州から四国・九州にかけてふつうに見られるノコンギクの栽培変種と言われる。




 いろんな野生ギクの花が散見されました。上から鹿児島県や熊本県に分布するサツマノギク(薩摩野菊;キク科キク属)、那珂川流域の鷲敷で発見されたワジキギク(鷲敷菊)、島根県の岩場などに分布するオッタチカンギク(乙立寒菊)。いずれもキク科キク属の野生ギクの花です。


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2019年11月 7日 (木)

11月上旬の小石川植物園、秋が進む



 11月に入ってようやく秋晴れが続くようになりました。散歩を兼ねて小石川植物園をぶらぶらと回ってきましたが、園内は木々の紅葉・黄葉、木の実をあちこちで見かけるようになり、徐々に深まる秋の季節を楽しむことができました。上図はカツラ(桂;カツラ科カツラ属)の黄葉とヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉のコラボの風景です。

(木々の花)



 この時期になるとサザンカ(山茶花;ツバキ科ツバキ属)の花が咲き出します。大イチョウの巨樹の近くのツバキ園では、いろんな品種のサザンカの花を見かけました。根岸紅(上)、雪月花(下)の品種名が付いています。


 淡紅色の花を咲かせるベニバナチャ(紅花茶;ツバキ科)も咲き出していました。


 先月から咲き出したオオモクセイ(大木犀;モクセイ科モクセイ属)。盛んに白い花を咲かせていました。

(草本の花)


 日陰の薄暗いところに鮮やかな黄色のツワブキ(石蕗; キク科ツワブキ属)の花が咲いていました。ツヤツヤとした葉が特徴です。


 コンギク(紺菊;キク科シオン属)の美しい青紫色の花が群がって咲いていました。自然に自生する野生ギクの栽培品種です。


 灌木に絡んでいたセンニンソウ(仙人草;キンポウゲ科センニンソウ属)の花が枯れ、冠毛と痩果(種)の姿になっていました。この後、種は風で飛んでいきます。

(木々の果実・木の実)


 いろんな木の実・果実を見かけました。これはウチムラサキ(内紫)。ミカン科ミカン属の常緑果樹で最も大きな果実をつける柑橘類です。


 常緑小高木で柑橘類のユズ(柚;ミカン科ミカン属)。ホンユズとも呼ばれ、消費量・生産量ともに日本が最大。


 柴田記念館近くの常緑低木ピラカンサ(バラ科、品種名ローズデール)。先月から依然としてたわわに赤い実を付けています。


 ピラカンサのすぐ近くのオオカナメモチ(バラ科カナメモチ属)の常緑高木。無数の多くの黄土色の実を付けています。次第に赤くなります。


 イイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)。緑葉の間からブドウのように房状にたわわに垂れ下がる実が次第に赤くなってきました。


 関東地方の照葉樹林帯に多くみられる常緑樹シラカシ(白樫;ブナ科 コナラ属)。ドングリの実が付いています。


 落葉高木ハゼノキ(櫨の木;ウルシ科ウルシ属)に数多くの黒い実が垂れ下がっています。周りの木の葉も紅葉になりつつあります。


 北海道から九州、琉球列島まで各地の林地に自生する落葉低木のムラサキシキブ(紫式部; シソ科ムラサキシキブ属)。紫色の実を付けます。

(木々の紅葉・黄葉)


 木々の紅葉・黄葉も徐々に進んでいます。この紅葉は北米原産の落葉高木のハナミズキ(花水木; ミズキ科ミズキ属)のものです。


 北アメリカの東部から南東部に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)。美しく紅葉します。


 日本各地、中国、朝鮮半島に分布する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の葉が黄葉しています。


 ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)も黄葉が進んでいます。日本固有種の落葉高木。カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴。


 ヒッコリー(クルミ科クルミ属)。美しい黄葉の姿ですが、次第に落葉が進んでいます。ヒッコリーは北米に広く分布する落葉広葉樹。材質が良く、建築、家具、工芸材やスキー用材として使用されています。


 東アジアに分布する落葉高木のエノキ(榎;アサ科エノキ属)。全体的に緑葉ですが、黄葉が部分的に進んでいました。


 セイタン(青檀;アサ科エノキ属)の黄葉が池面に美しく映っています。セイタンの木は中国安徽省の宣州に自生し、樹皮が良質な書画紙の原料になっています。


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2019年11月 2日 (土)

世界文化遺産の三保松原・富士五湖を周遊

 好天に恵まれた11月に入ってすぐの週末、世界文化遺産の三保松原、富士五湖を車で周遊してきました。

(三保松原)

 11/1は都心から東名道を走って三保松原へ。晴れ上がっていたので、松原の上方にお目当ての富士山がくっきりと遠望できました。今年3月にオープンしたばかりの三保松原文化創造センター「みほしるべ」の屋上からこの素晴らしい富士山の眺望が得られます。


 三保松原は約7kmの海岸に約3万本の松が生い茂り、松林の緑、打ち寄せる白波、海の青さと富士山が織りなす風景は歌川広重の浮世絵や数々の絵画・和歌に表現されてきました。


 三保松原の参道のゆるやかな階段を上っていくと、天女伝説で知られる羽衣の松が生えています。


 羽衣の松を過ぎるとすぐに海岸です。


 海岸から左手を見ると、松原の先の方に霊峰富士山がくっきりと浮かんでいます。


 三保松原、駿河湾、富士山のコラボが見事です。


 松原の中に海岸に並行して遊歩道がつくられています。閑静で涼しい環境の中で散策ができるようになっています。

(富士五湖 本栖湖)

 今回の富士五湖巡りのスタートは西側の本栖湖からです。このアト、精進湖、西湖、河口湖、山中湖と進みます。


 本栖湖は富士五湖の中で最も深く、透明度の高い湖です。北岸が富士山の展望スポットになっています。まだ午前中の早い時間でしたので、富士山はうっすらと靄がかかった感じでした。


 湖畔ではナナカマドの赤い実などを見かけました。

(富士五湖 精進湖)

 本栖湖の次は五湖の中で最も小さい精進湖です。精進湖は両隣の本栖湖、西湖と地下でつながっていて、水位が連動していると推測されています。


 精進湖から見る富士山は、手前にある小さな山(大室山)が子供のように見えることから「子抱き富士」と呼ばれます。さらに、大室山の手前には国の天然記念物に指定されている「青木ヶ原樹海」が広がっています。


 富士五湖周辺の紅葉は全体的にまだまだでしたが、精進湖の湖畔ではカエデやイロハモミジなどが赤く染まっていました。精進湖の次の西湖では、残念ながら、富士山はすっぽりと雲に覆われていました。

(富士五湖 河口湖)

 河口湖の紅葉まつりがちょうど11/1から始まっていました。円形ホール近くの紅葉まつり会場に駐車してブラ散歩してみました。ただ、木々の紅葉はまだまだの状況でした。




 湖畔に出て富士山を眺めてみると、幸いにも冠雪した山頂部分の雲が晴れていました。河口湖北岸からは目の前に美しい富士山の姿が大きくそびえ、晴れ上がると圧巻の富士山ビューが楽しむことが出来ます。この日は何とか富士山の雄姿を撮ることができ、やれやれでした。

(富士五湖 山中湖)

 富士五湖の最後は山中湖です。山中湖東岸の長池親水公園が富士山のビューポイントです。湖畔の木々はうっすらと色づいていました。ただ、富士山の眺望がどうなっているかが気がかりです。


 やはり富士山を覆う雲が厚かったのですが、白い山頂がかすかに顔を出していました。この後の帰路は東富士五湖道路、中央道を経て約2時間のドライブでした。


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