11月上旬の小石川植物園、秋が進む
11月に入ってようやく秋晴れが続くようになりました。散歩を兼ねて小石川植物園をぶらぶらと回ってきましたが、園内は木々の紅葉・黄葉、木の実をあちこちで見かけるようになり、徐々に深まる秋の季節を楽しむことができました。上図はカツラ(桂;カツラ科カツラ属)の黄葉とヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉のコラボの風景です。
(木々の花)
この時期になるとサザンカ(山茶花;ツバキ科ツバキ属)の花が咲き出します。大イチョウの巨樹の近くのツバキ園では、いろんな品種のサザンカの花を見かけました。根岸紅(上)、雪月花(下)の品種名が付いています。
淡紅色の花を咲かせるベニバナチャ(紅花茶;ツバキ科)も咲き出していました。
先月から咲き出したオオモクセイ(大木犀;モクセイ科モクセイ属)。盛んに白い花を咲かせていました。
(草本の花)
日陰の薄暗いところに鮮やかな黄色のツワブキ(石蕗; キク科ツワブキ属)の花が咲いていました。ツヤツヤとした葉が特徴です。
コンギク(紺菊;キク科シオン属)の美しい青紫色の花が群がって咲いていました。自然に自生する野生ギクの栽培品種です。
灌木に絡んでいたセンニンソウ(仙人草;キンポウゲ科センニンソウ属)の花が枯れ、冠毛と痩果(種)の姿になっていました。この後、種は風で飛んでいきます。
(木々の果実・木の実)
いろんな木の実・果実を見かけました。これはウチムラサキ(内紫)。ミカン科ミカン属の常緑果樹で最も大きな果実をつける柑橘類です。
常緑小高木で柑橘類のユズ(柚;ミカン科ミカン属)。ホンユズとも呼ばれ、消費量・生産量ともに日本が最大。
柴田記念館近くの常緑低木ピラカンサ(バラ科、品種名ローズデール)。先月から依然としてたわわに赤い実を付けています。
ピラカンサのすぐ近くのオオカナメモチ(バラ科カナメモチ属)の常緑高木。無数の多くの黄土色の実を付けています。次第に赤くなります。
イイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)。緑葉の間からブドウのように房状にたわわに垂れ下がる実が次第に赤くなってきました。
関東地方の照葉樹林帯に多くみられる常緑樹シラカシ(白樫;ブナ科 コナラ属)。ドングリの実が付いています。
落葉高木ハゼノキ(櫨の木;ウルシ科ウルシ属)に数多くの黒い実が垂れ下がっています。周りの木の葉も紅葉になりつつあります。
北海道から九州、琉球列島まで各地の林地に自生する落葉低木のムラサキシキブ(紫式部; シソ科ムラサキシキブ属)。紫色の実を付けます。
(木々の紅葉・黄葉)
木々の紅葉・黄葉も徐々に進んでいます。この紅葉は北米原産の落葉高木のハナミズキ(花水木; ミズキ科ミズキ属)のものです。
北アメリカの東部から南東部に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)。美しく紅葉します。
日本各地、中国、朝鮮半島に分布する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の葉が黄葉しています。
ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)も黄葉が進んでいます。日本固有種の落葉高木。カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴。
ヒッコリー(クルミ科クルミ属)。美しい黄葉の姿ですが、次第に落葉が進んでいます。ヒッコリーは北米に広く分布する落葉広葉樹。材質が良く、建築、家具、工芸材やスキー用材として使用されています。
東アジアに分布する落葉高木のエノキ(榎;アサ科エノキ属)。全体的に緑葉ですが、黄葉が部分的に進んでいました。
セイタン(青檀;アサ科エノキ属)の黄葉が池面に美しく映っています。セイタンの木は中国安徽省の宣州に自生し、樹皮が良質な書画紙の原料になっています。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2019年11月)
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