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2019年11月16日 (土)

秋晴れ下の小石川植物園、次第に深まる秋を楽しむ


 秋晴れ下の11月中旬、小石川植物園の次第に深まる秋を楽しみながら散策してきました。園内の巨木ゾーンでは、ユリノキやアメリカスズカケノキなどの紅葉・黄葉が進んできました。また、草本では草丈の高いコダチダリアが咲き広がり、様々な野菊の花も散見されました。

(木々の紅葉・黄葉)


 巨木ゾーンの風景です。これは北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。かなり黄葉が進んできました。巨木の下から見上げると迫力があります。



 北米原産の落葉広葉樹のアメリカスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。緑葉の中で、褐色の黄葉がだいぶ広がってきました。



 巨木ゾーン以外でも、木々の紅葉・黄葉が徐々に進んできました。これは本州の岩手県以南、四国、九州 に分布する落葉高木のミズメ(水目;カバノキ科カバノキ属、別名は梓)の黄葉。樹皮や材観がサクラに似ていることから、ミズメザクラ(水目桜)とも呼ばれる。



 東日本を中心に分布し、特に東北地方に多く見られるトチノキ(栃の木;トチノキ科トチノキ属)。落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹林を構成します。長い柄のある大形の掌状複葉が鮮やかに色づいていました。


 木の下を見ると多くの栃の実が落ちていました。あく抜きして栃みちなどの食用に供します。


 日本固有種の落葉高木ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)も黄葉が青空に映えています。カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴。


 日本各地、中国、朝鮮半島に分布する落葉高木のカツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の葉が見事に黄葉しています。


 中国・台湾原産の落葉高木のナンキンハゼ(南京櫨;トウダイグサ科ナンキンハゼ属)。美しく紅葉が始まりました。木の実は種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 東アジア固有種の落葉樹カキノキ(柿の木;カキノキ科カキノキ属)の紅葉です。果実の柿は代表的な秋の味覚です。



 マンサク科マンサク属の初春にふわふわとした迎春花を咲かせるシナマンサク(支那満作;上)や岡山県阿哲地方で発見されたアテツマンサク(阿哲満作;下)の黄葉が目立つようになってきました。


 北米から中南米原産の落葉高木のモミジバフウ(紅葉葉楓;フウ科フウ属)。葉の形がモミジに似ています。


 ムクノキ(椋木;アサ科ムクノキ属)。日本、朝鮮、台湾、中国に分布する落葉高木。


 ハンノキ(榛の木、赤楊;カバノキ科ハンノキ属)。全国の山野の低地や湿地、沼に自生し河畔林を形成する落葉高木。

(草本の花)

 草丈が3~4メートルのコダチダリア(木立ダリア;キク科ダリア属、別名:皇帝ダリア)の花が風に揺られ、悠々と咲き広がっていました。


 チョクザキヨメナ(猪口咲き嫁菜;キク科シオン属)が咲いていました。舌状花が円筒状の特徴的な形状をしています。オビトケコンギク(帯解紺菊)の別名があります。本州から四国・九州にかけてふつうに見られるノコンギクの栽培変種と言われる。




 いろんな野生ギクの花が散見されました。上から鹿児島県や熊本県に分布するサツマノギク(薩摩野菊;キク科キク属)、那珂川流域の鷲敷で発見されたワジキギク(鷲敷菊)、島根県の岩場などに分布するオッタチカンギク(乙立寒菊)。いずれもキク科キク属の野生ギクの花です。


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2019年11月)


 

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