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2020年3月

2020年3月25日 (水)

春本番の小石川植物園、ソメイヨシノが満開


 春本番の3/25、小石川植物園ではソメイヨシノが満開になりました。昨年は4/2が満開でしたので、1週間ほど早めです。コロナ感染が広がってはいますが、野外にある広大な植物園は特に混み合うわけでもなく、密閉・密集空間ではありません。皆さん思い思いに花見を楽しんでいました。


 3月下旬(3/25)の小石川植物園の風景です。ソメイヨシノが例年より早めに満開になるなど、園内ではサクラの花々をはじめ、一気に春の花々が咲き出してきました。



 植物園の桜並木に立ち並ぶサクラの木は多くがソメイヨシノで壮観の眺めです。ソメイヨシノは圧倒的なボリュームで優雅な桜色の花が木全体を覆い、春の青空の中に美しく広がっていきます。まさにソメイヨシノは桜の中で王者の風格を有しています。



 園内では桜並木を始め、散策路の所々で満開になったソメイヨシノを楽しむことができます。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンとの交雑種です。江戸時代の染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木屋さんが作り出したもので、これが全国に広まったと言われています。


 これはエドヒガンの枝垂れ品種のベニシダレです。薄紅色の花が見事に枝垂れています。




 ソメイヨシノから多くの品種が生まれています。上から伊豆吉野@ソメイヨシノ、天城吉野@ソメイヨシノ、帝吉野@ソメイヨシノ。これらの品種は研究過程や実生から作られたといわれています。



 日本の桜の野生種の一つのヤマザクラ(山桜)も満開になっていました。古井戸の近くにヤマザクラの大木が生えています。赤みがかった若葉とともに開花します。


 長州緋桜@サトザクラ。半八重咲きの大柄な花。明治時代に荒川堤から全国に広まったとのことです。


 オンツツジ の変種のタンナアカツツジ(耽羅赤躑躅;ツツジ亜属ミツバツツジ節)が満開になっていました。韓国の済州島に分布。後方に精子発見の大イチョウやウルムス・プロセアの高木の木立が立ち並んでいます。


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。青空の下に無数の黄色の花が一斉に咲き出しています。


 中国原産の落葉低木ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ハナズオウ属)。密生した赤紫色の花が枝から吹く出すような感じで鮮やかに咲いていました。

(春の野の花)

 ニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)の小さな白い花が所々に咲き出してきました。北海道、本州、四国、九州に分布し、主に湿潤な山地の林床や周辺部に生育する多年草。スプリング・エフェメラルの一つ。


 ハナニラ(花韮;ヒガンバナ科ハナニラ属、別名:西洋甘菜)の清楚な白い花が園内各所に咲き広がってきました。


 オオアラセイトウ(大紫羅欄花;アブラナ科オオアラセイトウ属、別名:諸葛菜、紫花菜)。草むらに紫色の花が群生していました。


 ムスカリ(キジカクシ科ムスカリ属)。濃い青紫の小さな花がブドウの房を逆さにしたように並んで咲くので、ブドウヒアシンスとも呼ばれる。


 薄紫色のサギゴケ(鷺苔;サギゴケ科サギゴケ属)。匍匐茎で広がり、やがて苔のように地面を葉がびっしりと覆うようになります。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2020年3月)

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2020年3月 1日 (日)

3月初旬の小石川植物園、早咲きのサクラや春の妖精の花々で色づく

 現在、わが国では中国武漢発の新型コロナウィルスの感染が広がり、全国の小中高校に対して一斉休校要請が出るなど大変な事態になっています。一致協力して国難を克服する覚悟が必要です。
 このような状況の中、3月初旬(3/1)小石川植物園を回ってきました。暖冬の影響もあって、園内では早咲きのサクラや春の妖精の花々など例年より早めに咲き出し、少しずつ色づいてきました。


 園内のサクラ並木とイロハモミジ並木の間の広々とした芝生の風景です。春暖の候ともあって、親子連れで楽しそうに集っていました。


 周りの冬木立の中で、早咲きのサクラの花々が咲き出してきました。これはサクラの原種の一つのカンヒザクラ(寒緋桜;サクラ亜属)です。濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えます。ムクドリが盛んに花を啄んでいます。



 早春桜@マメザクラ(豆桜;サクラ亜属)。古井戸の近くで小振りのあざやかなピンク色の小さな花を一斉に咲き出し、華やいだ雰囲気を醸し出していました。早春桜は、富士山や箱根などの山地に分布する富士桜(マメザクラのこと)の園芸種です。


 寒咲大島@オオシマザクラ(大島桜;サクラ亜属)。オオシマザクラは野生種のサクラの一種で、伊豆大島などに多く自生します。


 薬草園の近くでシナミザクラ(支那実桜;サクラ亜属)がひそやかな落ち着いた感じで咲いていました。シナミザクラは中国原産で実が食用になるのでカラミザクラ(唐実桜)の別名があります。


 薩摩地方を中心に分布するハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅;ツツジ亜属ミツバツツジ節)。優雅な花をツツジ園で見かけました。


 黄色の花々も多く見かけました。これはトサミズキ(土佐水木; マンサク科トサミズキ属)。シナミズキの仲間で高知県の蛇紋岩地帯に自生する落葉低木・小高木。数多くの黄緑色の小さな花が木枝から一斉に吹き出してきました。


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の花が盛んに咲いていました。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから周りに吹き出している感じで、まさに春の訪れを実感します。


 紅梅、白梅、黄金色のサンシュユの三重奏の梅林の風景です。今年は多くの品種のウメの花が咲き終えていました。園の木々の花の主役はウメからサクラへ交代です。


 2月初旬に咲き始めたユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科 イチリンソウ属)の可憐な白い花が多く咲き出していました。植物園内にユキワリイチゲの群生地があります。春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間で、春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、残りは地下で過ごします。


 やはり春の妖精の仲間のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)。ユキワリイチゲの群生地から少し離れた草むらで見かけました。小さな白い花なので、うっかり見過ごしてしまいます。アマナは本州東北地方南部以南、四国、九州、奄美大島に分布し、水田の畦や河川の堤防などに生育。


 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢;オオバコ科クワガタソウ属)の星くずのように可憐な青い小さな花が咲き広がってきました。春の野を美しく彩っています。


 黄色のタンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)の花。オオイヌノフグリと隣接して咲いていました。


 スミレ(菫)の花も咲き出してきました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地などに普通に見られます。


  詳しくは
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