3月初旬の小石川植物園、早咲きのサクラや春の妖精の花々で色づく
現在、わが国では中国武漢発の新型コロナウィルスの感染が広がり、全国の小中高校に対して一斉休校要請が出るなど大変な事態になっています。一致協力して国難を克服する覚悟が必要です。
このような状況の中、3月初旬(3/1)小石川植物園を回ってきました。暖冬の影響もあって、園内では早咲きのサクラや春の妖精の花々など例年より早めに咲き出し、少しずつ色づいてきました。
園内のサクラ並木とイロハモミジ並木の間の広々とした芝生の風景です。春暖の候ともあって、親子連れで楽しそうに集っていました。
周りの冬木立の中で、早咲きのサクラの花々が咲き出してきました。これはサクラの原種の一つのカンヒザクラ(寒緋桜;サクラ亜属)です。濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えます。ムクドリが盛んに花を啄んでいます。
あざやかなピンク色の小さな花を一斉に低木全体に下向きに咲かせ、華やいだ雰囲気を醸し出すオカメザクラ(阿亀桜;サクラ亜属)。 英国の桜研究家のコリングウッド・イングラムがカンヒザクラとマメザクラを交配して作出し、わが国に持ち込まれた。低木で華やかな雰囲気を醸し出すことから各地の街路樹や庭木などに用いられている。
寒咲大島@オオシマザクラ(大島桜;サクラ亜属)。オオシマザクラは野生種のサクラの一種で、伊豆大島などに多く自生します。
薬草園の近くでシナミザクラ(支那実桜;サクラ亜属)がひそやかな落ち着いた感じで咲いていました。シナミザクラは中国原産で実が食用になるのでカラミザクラ(唐実桜)の別名があります。
薩摩地方を中心に分布するハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅;ツツジ亜属ミツバツツジ節)。優雅な花をツツジ園で見かけました。
黄色の花々も多く見かけました。これはトサミズキ(土佐水木; マンサク科トサミズキ属)。シナミズキの仲間で高知県の蛇紋岩地帯に自生する落葉低木・小高木。数多くの黄緑色の小さな花が木枝から一斉に吹き出してきました。
サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の花が盛んに咲いていました。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから周りに吹き出している感じで、まさに春の訪れを実感します。
紅梅、白梅、黄金色のサンシュユの三重奏の梅林の風景です。今年は多くの品種のウメの花が咲き終えていました。園の木々の花の主役はウメからサクラへ交代です。
2月初旬に咲き始めたユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科 イチリンソウ属)の可憐な白い花が多く咲き出していました。植物園内にユキワリイチゲの群生地があります。春の妖精(スプリング・エフェメラル)の仲間で、春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、残りは地下で過ごします。
やはり春の妖精の仲間のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)。ユキワリイチゲの群生地から少し離れた草むらで見かけました。小さな白い花なので、うっかり見過ごしてしまいます。アマナは本州東北地方南部以南、四国、九州、奄美大島に分布し、水田の畦や河川の堤防などに生育。
オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢;オオバコ科クワガタソウ属)の星くずのように可憐な青い小さな花が咲き広がってきました。春の野を美しく彩っています。
黄色のタンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)の花。オオイヌノフグリと隣接して咲いていました。
スミレ(菫)の花も咲き出してきました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地などに普通に見られます。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2020年3月)
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