小石川植物園の4月の風景(まとめ)
新型コロナウィルスの感染の広がりにより国内外が大変な状況になっています。わが国では本日緊急事態宣言が発令されました。もうしばらく不要不急の外出を避け、我慢の生活が続きそうです。
いつも出掛ける小石川植物園が3月末から休園が続いていますので、今月のスケッチは、これまでの風景写真を利用することにします。
(園内の風景)
日本庭園に旧東京医学校本館(国の重要文化財に指定)の赤い建物が移築保存されていて、よく目立ちます。この建物の前方には季節ごとに楽しめるようにいろんな植物が配置されています。4月には池に満開のサクラの花枝がかかっています。2018.4
丘の上から見た日本庭園の眺望です。美しい新緑やツツジの花に囲まれ、芝生で多くの人がくつろいでいます。2019.4
園内の散策路の両側には、色とりどりにハナズオウ(左)やサクラ(右)の花などが咲き並んできました。本当に良い季節です。 2018.4
日本庭園手前の小さな池の周りの風景です。サクラ、イロハモミジなどの木々が生えていて、池の水面が四季折々に美しく変化します。2017.4
(木々の花)
4月はいろんな木々の花が咲き出す美しい季節です。まず、サクラ(バラ科サクラ亜属サクラ節)の花の代表格のソメイヨシノ(染井吉野)です。3月末から4月上旬にかけて満開になります。白い楚々とした花ですが、今にもこぼれ落ちんばかりの圧倒的なボリュームに感動してしまいます。2005.4
ソメイヨシノ以外に4月に入って咲き出す幾つかのサクラを紹介します。これは作並山@カスミザクラ(霞桜)。サクラの野生種の一つ。北海道や本州、四国の山地などに分布し、花と葉が同時に開きます。白っぽい色をして霞がかかっているように見えることから和名が由来。花や葉に毛が生えています。2013.4
珍しいモスグリーン色のサクラの花が咲く仁科蔵王(にしなざおう)@サトザクラ。2007年に理研の加速器から発生する重イオンビームをサトザクラの栽培品種の御衣黄(ギョイコウ)に照射して突然変異を誘発させてつくり出した新種のサクラ。2019.4
園内に咲くサクラのいろんな風景を、「サクラの風景」として取りまとめています。
サクラの宴の後、新緑とツツジ(躑躅;ツツジ科ツツジ属)に主役交代となります。この時期は、多くの種類のツツジが燃えるように鮮やかに咲き出します。2009.4
シャクナゲ(石楠花;ツツジ科ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属)もツツジの仲間です。高山性の常緑低木で、日本全土の亜高山帯や周辺の渓谷に自生します。これはアカボシシャクナゲ(赤星石楠花)で台湾原産。2010.4
園内に咲き出す色々なツツジの花を、「ツツジの花々」として取りまとめています。
白色や薄紅色のハナミズキ(花水木;ミズキ科ヤマボウシ亜属)の花が、4月中旬を過ぎると賑やかに開花します。紅白の美しい花がしばらく咲き続けます。青空にもよく調和しています。最近では街路樹にもよく用いられます。郷里の東根市の市の花になっています。2010.4
高木のハンカチノキ(ヌマミズキ科ハンカチノキ属)を見上げると、ヒラヒラとした無数の白いハンカチのような花が春風にゆれています。たくさんの白鳩が飛び出そうとするようにも見えます。4月後半に見頃になる。2008.4
トキワマンサク(常磐満作;マンサク科)の大木が園内の林地に生えています。ごく薄い白色の無数の小さな花が満開になっていました。国内での自生地は非常に少ない。2011.4
(新葉・新緑)
4月に入り園内の木々を見渡すと、みずみずしい新録の世界が徐々に広がってきています。これはイロハモミジ(ムクロジ科(旧カエデ科)カエデ属)の大樹。東アジアに自生する落葉高木。秋の紅葉の代表格ですが、初夏の緑葉も美しい。2017.4
ユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。北米中部原産の落葉高木。初夏に咲く花の形は百合の花というよりもチューリップに似ていて、チューリップ・ツリーの別名もあります。2019.4
ニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)。中国原産の落葉小高木。欧米では街路樹や庭園樹に用いられる。ニッサボクはニシキギ、スズランノキと並んで世界三大紅葉樹ともいわれるように秋の紅葉は見事です。この時期は新葉が吹き出しています。2019.4
スギの先祖のメタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属、別名アケボノスギ)。全国各地の公園、並木道、校庭などに使用されています。冬木立の時期を終え、ようやく新緑が吹き出してきました。2019.4
(野の花)
野の花もにぎやかです。これはオオアマナ(大甘菜;キジカクシ科(旧ユリ科)オオアマナ属)の星型の白い花です。小さい花ですが群生し、春の陽射しを浴びてとまぶしく輝いていて園内のあちこちの林床を一面の白に染めています。明治の末頃、ヨーロッパから入ってきた帰化植物です。2006.4
イチリンソウ(一輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)を見つけました。イチリンソウはひとつの茎に花をひとつだけ咲かせ、ニリンソウと比べて大柄の花です。スプリング・エフェメラルの一つ。2012.4
山麓の林の縁や林の中、土手などに生える多年草のニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)です。ひとつの茎に通常2輪の花が咲くことからこの名がついています。スプリング・エフェメラルの一つ。2006.4
薄い赤紫色のイカリソウ(錨草;メギ科イカリソウ属)は滋養・強壮に効果がある薬草です。ふわふわと遊泳しているような感じがします。名前は、花の形が錨に似ていることに由来します。2006.4
野辺によく見かける多年草のオドリコソウ(踊り子草;シソ科オドリコソウ属)の白い花。花の形が笠をかぶった踊り子に見えます。小振りの似たような花はヒメオドリコソウです。2014.4
全国の山野に生える多年草のセントウソウ(仙洞草;セリ科セントウソウ属)が小さく細かな白い花をひっそりと咲かせていました。ニンジンのような葉が特徴的です。2010.4
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2020年4月)
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