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2020年5月 1日 (金)

小石川植物園の5月の風景(まとめ)


 風薫る初夏のまばゆい陽光の下、大型連休が始まりました。しかしながら、今年は新型コロナウィルス感染拡大のための緊急事態宣言が発令中で、ステイホーム週間になっています。

 小石川植物園も東京都の休業要請を受け、依然として休園が続いていますので、今月のスケッチもこれまでの風景写真を利用することにします。

(園内の風景)

 小石川植物園の日本庭園に立つ旧東京医学校本館の赤い建物がよく目立ちます。この建物の前方には季節ごとに楽しめるようにいろんな植物が配置されています。この時期は植栽のツツジが美しく咲き出しています。2012.5
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 鎮守の森の巨木のようなクスノキ(楠木)。常緑樹ですが、新葉に入れ替わって緑が鮮やかです。手前のツツジ園ではカラフルなツツジの花が鮮やかに万緑の世界を彩っています。2013.5


 日本庭園手前の小さな池の周りの万緑の風景。サクラ、イロハモミジなどの木々が生えていて、池の水面が四季折々に美しく変化します。2018.5
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(木々の花)
 園内では色とりどりのツツジの花や原種のバラの花、季節の風物詩の卯の花(ウツギ)などが咲き出しています。また、高木の樹木を見上げると、ハナミズキ、トチノキ、ユリノキ、ヒトツバタゴなどのこの時期ならではの木々の花を見かけます。


 5月に入ってもいろんなツツジ(躑躅;ツツジ科ツツジ属)の花が咲き続けています。八重霧島という品種のキリシマツツジ(霧島躑躅)。キリシマツツジはヤマツツジ系の栽培種で別名はクルメツツジ。2011.5


 白色や薄紅色のハナミズキ(花水木;ミズキ科ヤマボウシ亜属)の花が、美しく咲き出しています。少々寂しげな林間部が一気に華やかになります。ハナミズキは街路樹にも用いられます。2006.5
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 北米原産の落葉高木のアカバナトチノキ(赤花栃の木;トチノキ科トチノキ属)。円錐状の花穂を付けます。トチノキやマロニエ(西洋トチノキ)が同属の仲間で矮小種。2012.5


 北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。大樹にユリノキの花が咲いていました。かなりの高所に咲いているので今まで気がつかずに通り過ぎていました。花の形は、百合の花というよりもチューリップに似ています。2015.5
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 対馬地方、木曽川流域、岐阜県東濃地方に限定的に自生する落葉高木のヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)。白い花で満開になっています。満開になると、まるで白い粉雪で覆われているように見え壮観です。ナンジャモンジャの別名があります。2008.5
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 ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)。北海道に多く自生する。果実はジャムや果実酒にも利用される。浜に生え、果実がナシに似た形をしていることから名が由来。2012.5


 ウツギ(空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)。全国に広く分布する落葉低木。「夏は来ぬ」の唱歌の卯の花(うのはな)のことです。この季節随所に見かけます。2019.5


 北海道や本州の日本海側の山野に自生する落葉小低木のタニウツギ(谷空木;スイカズラ科タニウツギ属 )。山地の谷沿いや斜面に多く見られる。新緑の中、美しいピンク色の花を付けます。2004.4

(若葉・万緑)
 木々の緑は新緑から若葉・万緑へと移り変わり、一層鮮やかになってきます。イロハモミジの緑のトンネルやスズカケノキ、ウルムス・プロセアなどの大樹の緑の木立は見ごたえがあります。


 イロハモミジ(いろは紅葉;ムクロジ科カエデ属)の並木が緑のトンネルのようです。紅葉も綺麗ですが、この時期の緑葉もいいもので、心身をリフレッシュしてくれます。2018.5GW
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 スズカケノキ(鈴懸の木;スズカケノキ科スズカケノキ属)。ヨーロッパ南東部からアジア西部原産の落葉広葉樹。木枝に鈴のような実が付きます。成長が早く街路樹や公園樹、庭園樹として利用されています。2018.5GW
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 ウルムス・プロセア の名が付くニレ科の大樹。ヨーロッパ原産の落葉高木でオウシュウニレやエルムとも呼ばれます。精子発見のイチョウの巨木の隣に立ち並んでいます。2018.5GW
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 日本、朝鮮半島、台湾、中国に分布する落葉中高木のカシワ(柏;ブナ科コナラ属) 。葉が大きく、縁に沿って丸く大きな鋸歯があるのが特徴。端午の節句で食べる柏餅を包むのに用いられる。春に新芽が出るまで枯葉が枝に残っていることから、家系が途絶えることなく続き子孫が繁栄する縁起のいい木とされています。
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(初夏の野の花)
 園内を散策すると、いろんな初夏の野の花を楽しむことが出来ます。カマヤマショウブなどのアヤメ科の仲間を始め、シャクヤク、クサノオウ、ウマノアシガタ、ナルコユリなどの花々がしっとりと美しく咲いています。


 庭園の池辺にカマヤマショウブ(蒲山菖蒲;アヤメ科アヤメジク属)の花が群生して咲いていました。花の色は濃い紫色で、外側の大きい花びら(外花被)の中央に網目模様がある。名前は韓国の釜山から由来。2009.5


 アジア大陸北東部が原産の多年草のシャクヤク(芍薬;ボタン科ボタン属)。同属の木本のボタンとよく似た美しい立派な花を付けます。根は消炎・鎮痛・抗菌などの薬効あり。開花時期は初夏。
2010.5


 日当たりのよいところに見られる多年生草本植物、クサノオウ(ケシ科クサノオウ属)の黄色の花です。皮膚病の湿疹(くさ)を治す薬効があるために、「瘡(くさ)の王(おう)」と呼ばれます。2008.5


 北海道から沖縄の日当たりのよい山野に普通に生える多年草のウマノアシガタ(馬の蹄;キンポウゲ科キンポウゲ属)。小さな黄色の花は陽光を浴びてキラキラ光っています。根生葉が馬の蹄に似る。開花時期は4月~6月。2009.5


 本州から九州の山地や草原に自生する多年草のナルコユリ(鳴子百合;キジカクシ科(旧ユリ科)アマドコロ属)が可憐な花を付けていました。茎が丸く稜がないので、よく似たアマドコロと区別がつきます。2018.5


 淡紅紫色の花をつけているオドリコソウ(踊り子草;シソ科オドリコソウ属)です。野辺によく見かける多年草で、花の形が笠をかぶった踊り子のようです。小振りの似たような花はヒメオドリコソウです。2006.5


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2020年5月)


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