秋晴れ下の小石川植物園、金木犀の香り広がる
先月は、7年9ヶ月の長きにわたり指導力を発揮した安倍前総理が持病悪化のため退陣となり、代わって菅内閣が発足しました。これだけでも大ニュースでしたが、10月に入っても驚きのニュースが次々と飛び込んできました。東京証券取引所にシステム障害が生じ終日売買が停止(10/1)、大統領選挙を目前に控えたトランプ米大統領が新型コロナウイルスに感染・入院(10/2)です。内外情勢の不安定化の兆しでなければいいのですが。
さて、10月上旬の秋晴れの一日、小石川植物園を回ってきました。キンモクセイ(金木犀)の大樹がちょうど満開になっていて、秋の香りが辺り一面に広がっていました。また、八重咲サルスベリ、ヒガンバナ、スイフヨウなどの季節の花々も見かけました。
日本庭園の一角に生えるキンモクセイ(金木犀;モクセイ科モクセイ属)の大樹。鮮やかなオレンジ色の花がちょうど所狭しと咲き出していて、満開になっていました(左1~3)。独特の金木犀の香りが周辺に広がり、秋の季節を実感させてくれます。キンモクセイの花期は非常に短いので、この日はラッキーでした。
キンモクセイの近縁種のウスギモクセイ(薄黄木犀;モクセイ科モクセイ属)。淡黄色の花が咲いています。香りはキンモクセイより乏しくなります。
小石川植物園の旧東京医学校の赤い建物の前の池のほとりに生える珍しい八重咲サルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)。先月から咲き始めていましたが、この日はちょうど満開になっていました。木の葉は少しずつ黄葉が進んでいます。八重咲サルスベリは通常のサルスベリの遺伝子変異体で、サルスベリの花の雄しべが付く部分が花弁となり、2次花から5次花まで形成され八重咲の形状になります。
小石川植物園では、いつも秋の彼岸の頃に妖美に燃えるようなヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)が咲き広がります。群生地のメタセコイア林近くの林地をはじめ、園内の随所が真赤に染まります。しかし今年は8月の暑さが長く厳しかったためか、例年より遅れて9月末にようやく満開になり、10月に入ったこの日もかなりのヒガンバナが咲き残っていました。
中国原産の落葉高木フクロミモクゲンジ(袋実木欒子;ムクロジ科モクゲンジ属)。木枝の細かい黄色の花がそろそろ花期を終え、その後に袋果が沢山付いてきました。遠方からは袋果がベージュ色の花のように見えます。
八重咲きのスイフヨウ(酔芙蓉;アオイ科フヨウ属)。日本や中国、台湾などに自生する落葉低木フヨウの園芸品種。花は一日花で、白色からピンク色に徐々に変化してしぼみます。この様子がちょうど酔って赤くなるかのように見えます。
白いシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が一輪だけ咲いていました。秋の風情を感じさせる優雅な花です。貴船菊、秋牡丹の別名あり。
薄い紫色のシオン(紫苑;キク科シオン属)の花。古くは薬草として渡来したが、花が美しいので薬草より観賞用としての栽培が盛んになった。東アジア原産で九州の山間部に自生する多年草。
沖縄、台湾に分布するタイワンホトトギス(台湾杜鵑草)。小さな花に紫色の斑点があり、鳥のホトトギスの胸模様に似ている。ユリ科ホトトギス属の多年草。
北海道~九州の山地に自生する多年草カリガネソウ(雁金草;シソ科カリガネソウ属)。薄青紫色の小さく優雅な花の形が水鳥の雁に似ている。
関東、中部地方に分布するトネアザミ(利根薊;キク科)。10月になってから咲き出す晩秋の花。特に利根川流域に多く見かけることからこの名が付く。
最後に、10月1日にわが家のベランダから見えた今年の中秋の名月です。晴れ上がった夜空にくっきりと見えました。ちょうど東京スカイツリーとコラボしています。中秋の名月とは、旧暦の8月15日(今年は新暦の10月1日)に出る月のことを指します。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2020年10月)
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