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2020年11月22日 (日)

小石川植物園の11月の風景(まとめ)


 11月に入って、再びコロナの陽性・感染者数が増加し始め、ここ1年ずっと耐えてきた国民の心が折れそうになっています。政府にはワクチンの迅速な供給を切望します。

 さて、立冬が過ぎ各地から紅葉の便りが相次ぐようになってきました。東京都心部の平地でも確実に紅葉・黄葉が進んでいます。

 今回は今までの小石川植物園の11月の風景をまとめてみました。

(園内の風景)

 精子発見で有名なイチョウの大樹(右)の見事な黄葉。かつて平瀬作五郎博士が、この大イチョウを観察して動く精子を発見し、世界的に有名な研究業績になりました。左はウルムス・プロセア(ニレ科)の高木。2014.11


 イチョウの大樹の奥の方に進むと、スズカケノキ、ユリノキ、ケヤキなどの巨木が数多く立ち並ぶ巨木並木の秋風景です。徐々に色づいてきました。2019.11


 園内の池の水面を覗いてみると、池の周りの高木(ラクウショウ)の紅葉がくっきりと逆さに映っています。2017.11

(木々の紅葉・黄葉)
 小石川植物園は東京都心部の平地に広がっていますが、この頃になると木々の紅葉・黄葉が確実に進んできています。アメリカスズカケノキやシナユリノキ等の巨木の黄葉の風景は圧巻です。


 スズカケノキ科の落葉高木のアメリカスズカケノキです。黄色、橙色、褐色と色とりどりに染まっていて空中を舞っているようです。2012.11


 中国原産の落葉高木シナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)です。黄色や褐色に輝く無数の木の葉が大樹を覆っていました。2016.11


 日本庭園の近くのナンキンハゼ(トウダイクサ科ナンキンハゼ属)の大樹が紅葉していました。キラキラと秋の日差しの中で無数の木の葉が輝いていました。2015.11


 ソメイヨシノの桜並木もかなり染まってきました。春には桜花が満開になりますが、この季節も紅葉が楽しめます。2013.11


 北アメリカの東部から南東部の湿地に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)です。美しい紅葉が見られます。2016.11


 ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)も真赤に紅葉していました。後方のイチョウの黄葉との組合わせが妙。2017.11


 東日本を中心に分布し、特に東北地方に多く見られるトチノキ(栃の木;ムクロジ科トチノキ属)。落葉性の高木で、温帯の落葉広葉樹林を構成します。長い柄のある大形の掌状複葉が鮮やかに色づいていました。2019.11


 シナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の黄葉。園入口付近で目立ちます。2017.11


 ラクウショウ(落羽松;ヒノキ科ヌマスギ属:右)とメタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属:左)の高木が共に鮮やかな褐色に輝いていました。2016.11

(色づく木の実)
 園内の木々を見やると、色とりどりの木の実が付いています。


 柴田記念館の近くのピラカンサ(バラ科トキワサンザシ属、品種名ローズデール)の中高木です。毎年同じように真っ赤な実をたわわに付けてくれます。2017.11


 ピラカンサのすぐ近くにオオカナメモチ(バラ科カナメモチ属)の高木が生えています。多くの黄土色の実を付けていますが、次第に赤みが増します。2017.11


 イイギリ(飯桐;ヤナギ科(旧イイギリ科)イイギリ属)の樹上に房状の赤い実がいくつも垂れ下がっていました。ヒヨドリの大好物です。2012.11


 ハゼノキ(黄櫨;ウルシ科ウルシ属)。紅葉の中に房状の実が垂れ下がっています。2013.11


 シソ科ムラサキシキブ属の落葉低木ムラサキシキブ(紫式部)。その名のとおり紫色の小粒の実を房状に連ねています。日本各地の林などに自生し、また実が紫色で美しいので観賞用に栽培されています。2014.11


 バラ科カリン属の落葉高木カリン(花梨)の樹上に、ちょうどリンゴの大きさの果実が沢山成っていました。もう少し経つとボタボタと頭上に落ちてきます。カリンの果実は生食には適さず、砂糖漬けや果実酒に加工されます。2014.11

(季節の花々)
この時期はキク科の花が中心になります。特に草丈が高く堂々と空中に咲く咲くコダチダリア(皇帝ダリア)の姿は見事です。また、サザンカ、シロヤブツバキ等のツバキ科の木々の花も咲き始めます。


 青空にそそり立ち、優雅な花を咲かせているのは、草丈が3~4メートルのコダチダリア(木立ダリア;キク科ダリア属)です。花は風にたなびいています。皇帝ダリアともいう。2006.11


 葉がツヤツヤと特徴のあるツワブキ(キク科ツワブキ属)の黄色の花です。2007.11


 チョクザキヨメナ(猪口咲き嫁菜;キク科シオン属)が盛んに咲いていました。舌状花が円筒状の特徴的な形状をしています。オビトケコンギク(帯解紺菊)の別名があります。本州から四国・九州の平地にかけてふつうに見られる。ノコンギクの変種と言われる。2019.11


 鹿児島県や熊本県に分布するサツマノギク(薩摩野菊;キク科キク属)です。2019.11


 青紫色の小さな可憐な花が咲き並んでいるのはコンギク(紺菊;キク科シオン属)です。自然に自生している野生ギクの栽培品種で、シオンの仲間。2007.11


 この青紫色の花は、トリカブト(鳥兜;キンポウゲ科トリカブト属)です。この花の形が舞楽のかぶり物である鳥兜に似ています。花はきれいですが、強力な毒を全草に含みます。2006.11


 三浦半島や伊豆大島などに自生する常緑高木のシロヤブツバキ(白藪椿;ツバキ科ツバキ属)。わが国のツバキの原種のヤブツバキの白花種。2019.11


 サザンカは日本原産の花木で、いろんな園芸種があります。この赤いサザンカの花は、「歌枕」の名前が付いています。2009.11


 チャノキの園芸品種のベニバナチャ(紅花茶;ツバキ科ツバキ属)。10月~12月に淡いピンク色の花を咲かせる。主に観賞用に栽培される。2011.11


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2020年11月)


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