新年早々の小石川植物園、冬木立に明るい陽光が差し込む
今年に入って首都圏のコロナ禍が急拡大しているということで、さらなる巣ごもり生活を強いられています。また、日本海地方への暴風雪襲来、米国の民主主義の動揺など、連日気が休まらない内外の重大ニュースが飛び込んできます。
このような状況にあって、近隣の小石川植物園の散策は心身の免疫力アップに大いに役立ちます。
新年早々(1月上旬)の小石川植物園の風景です。園内の木々はすっかり落葉し冬木立となり、新春の日差しが地表まで差し込み、林の中は明るい感じです。まもなく2月に入れば、春の妖精と呼ばれる野の花たちが陽光に誘われ、地上に出てきます。
(木々の花、木の実)
植物園の正面から入るとすぐの所に、迎春花といわれるロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の蝋細工のような黄金色の花がひっそりと咲き出していました。顔を近づけると、梅の香のような芳香を放つ。中国原産の落葉低木。
ロウバイの木の隣ではソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花が数輪だけ咲いていました。花全体が黄色で中央部の色の変化のないのが特徴です。
園内の古井戸近くに生えるカンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)の花が新年早々に咲き出しました。この時期はあまり人目につきませんが、濃い目のしっかりとした花が咲き、青空によく映えます。日本のサクラの基本野生種の一つ。オオシマザクラとカンヒザクラの自然交配種でカンヒザクラ系の品種。
三浦半島や伊豆大島などに自生する常緑高木のシロヤブツバキ(白藪椿;ツバキ科ツバキ属)。ツバキの原種のヤブツバキの白花種。巨木ゾーンの一角に大木が生えています。
タラヨウ(多羅葉;モチノキ科モチノキ属)の雌株に赤く熟した実がたくさん付いています。静岡県以西〜九州の山地に分布する常緑高木。
センリョウ(千両;センリョウ科センリョウ属)。冬に赤い果実をつける常緑小低木。マンリョウ(万両)などとともに正月の縁起物とされる。
(温室の花)
ムニンシャシャンボ(無人子子ん坊;ツツジ科スノキ属)。花期は1月~4月で、上部の枝の葉腋から総状花序を出し、釣り鐘状の小さな白い花を多数つけます。小笠原諸島の固有種で岩場に生育する常緑低木。絶滅危惧Ⅱ類。
ムニンタイトゴメ(無人大唐米;ベンケイソウ科キリンソウ属)。花期は12月~3月で、小さな黄色の5弁花を咲かせる。米粒のような葉が付く。小笠原諸島の固有種。環境の厳しい山頂部の岩場に生える多年草。絶滅危惧IB類。
ギボウシズイセン(ヒガンバナ科アマゾンユリ属)の白い花。コロンビア・ペルーのアンデス山系原産。ギボウシのような長い柄を持った光沢のある葉をもつ。
ヒイロサンジコ(緋色山慈姑;ヒガンバナ科アマリリス属)の橙色の百合のような花が咲く。南米原産の多年草。アマリリスの原種のひとつとされる。
メディニラ・マグニフィカ(ノボタン科メディニラ属)。ピンク色の大きな苞の中に小さな花がたくさん咲く。フィリピン原産の熱帯花木。
(冬木立)
ソメイヨシノのサクラ並木。すっかり落葉し閑散としています。春の桜満開時には大勢の人で賑わいます。
イチョウ (銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大樹の冬木立。正面入口のすぐ近くにそびえています。中国原産の落葉高木で裸子植物。
落葉高木フクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科モクゲンジ属)の冬木立。木枝につく無数の袋実が花のように見えます。
八重咲サルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)の冬木。通常のサルスベリのC遺伝子が欠損する珍しい変異種。小石川植物園の旧東京医学校の赤い建物の前に池の周りに生えています。
中国南部原産の落葉高木のキジュ(喜樹; ヌマミズキ科カンレンボク属)の冬木に黄葉が少し残っています。カンレンボク(旱蓮木)とも呼ばれる。キジュの果実や根には制癌作用を有するカンプトテシンというアルカロイドを含む
落葉中高木カシワ(柏;ブナ科コナラ属)。冬木に褐色の鋸歯がある大きな柏葉がまだ残っています
メタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属、別名アケボノスギ)の冬木立。凛として天に伸びるような見事な樹形が目を引きます。
本州中部~九州に分布する針葉樹のヒノキ(檜;ヒノキ科ヒノキ属)。常緑樹なので日差しがあまり入ってきません。植物園の深奥部にヒノキ林が広がっています。
メタセコイア林を少し先のところの小さな池の風景。シダレヤナギ、ラクウショウなどの木々の冬木が池の周りに生えています。
詳しくは、
…> 季節のスケッチ(2021年1月)
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