立春が過ぎ、紅白の梅の花やユキワリイチゲが咲き出す
2月初旬の立春の後、春暖の小石川植物園を回ってきました。このところ三寒四温のような天気が続き、本格的な春の到来が間近です。園内の梅林では紅白の梅の花が咲き出し、草むらではスプリングエフェメラル(春の妖精)の仲間のユキワリイチゲを見かけました。以下、園内の風景を紹介します。
暖かい日差しに誘われ、ソメイヨシノの桜並木では、小さな子どもたちが楽しげに遊んでいます。
多くの品種の梅の木が生える梅林は少し賑やかになってきました。全体としては1~2分咲きといった感じです。この紅梅の品種は緋の司(ひのつかさ)です。良い香りを放っています。これ以外にも色々な梅の花が開花していました。
白梅の長寿(ちょうじゅ)。勢いがあります。
紅梅の八重寒紅(やえかんこう)。
紅梅の寒衣(かんごろも)。
白梅の甲州最小(こうしゅうさいしょう)。
シナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)。ひらひらの黄色い花の勢いが増してきました。
アテツマンサク(阿哲満作;マンサク科マンサク属)。中国地方から四国、九州に分布し、石灰岩地帯を好む。
ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科 イチリンソウ属)。春の陽光を受け、可憐な白い花が枯葉の中から顔を出しています。散歩道沿いの群生地にひっそりと咲く小さな数輪の花を見つけました。春先に花をつけ、夏まで葉をつけると、残りは地下で過ごすスプリング・エフェメラル(春の妖精)の仲間です。本州中部以西の暖かい地域の林内に生える多年草。
タンポポ(蒲公英;キク科タンポポ属)の花が少しずつ増えてきました。総苞片が反り返っていないので、在来種の日本タンポポです。野に多く見かける西洋タンポポは総苞片が反り返える。タンポポは全国の至る所の草地に生育する多年草。
最後に温室の植物です。この温室は2019年11月にリニューアルオープンし、小笠原諸島の植物や高山植物などが展示されています。
シコクフクジュソウ(四国福寿草; キンポウゲ科フクジュソウ属 )。四国と九州に分布し、山地の林の中などに生える。日本固有種。わが国に自生するフクジュソウは、フクジュソウ、キタミフクジュソウ、ミチノクフクジュソウ、シコクフクジュソウの4種に分類され、本種はそのうちの1種です。
小笠原固有種の常緑小低木 シラゲテンノウメ(白毛天の梅;バラ科テンノウメ属)。枝先の葉腋にウメの花に白い似た5弁の花をつける。葉や実が白い軟毛に覆われる。
温室でサクララン(ホヤ)の仲間の花を見かけました。サクララン(ホヤ)はガガイモ科サクララン属(ホヤ属)のつる性木本植物で、日本の南部から熱帯アジア、オーストラリア、太平洋諸島などに約200種ほどが分布します。多肉質の花や芳香などから最近人気が高い。ただ、受粉の仕組みなど未解明の部分も多い。この花は Hoya rosita 。
センカクツツジ(尖閣躑躅;ツツジ亜属ツツジ節サツキ列)。その名の通りわが国の尖閣諸島魚釣島の固有種で山頂付近の岩地に生育する。センカクツツジは戦後、琉球政府(沖縄返還前の統治機構)の数次の調査団により採取されたものです。
アメリカシャガ(アヤメ科ネオマリカ属)。白筋が入った青色の小さな花が咲き、花の基部に茶色の斑がついています。ブラジル原産の常緑多年草。
詳しくは、
…> 季節のスケッチ(2021年2月)
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