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2021年3月

2021年3月24日 (水)

小石川植物園、いよいよソメイヨシノが満開に近づく

 


 先月から次々といろんな桜の花が咲き出してきていますが、いよいよ真打のソメイヨシノ(染井吉野;サクラ亜属エドヒガン群)が満開に近づいてきました。植物園の見頃になったソメイヨシノや新緑のイロハモミジの木々がわが家のベランダから見渡せます。


 園内は平日にもかかわらず、多くの人で賑わっていました(密にはほど遠い……)。いつもながら満開になったソメイヨシノの景観は圧倒的です。つくづく日本に生まれた幸せを実感します。桜並木を散策する人、木の下に集う人、みなさんが思い思いに桜の花見を楽しんでいます。

(ソメイヨシノ以外の桜)

 ソメイヨシノ以外のいろんな桜も見頃になっていました。これはベニシダレ(サクラ亜属エドヒガン群)。淡紅色のシダレザクラです。


 ヤマザクラ(山桜;サクラ亜属ヤマザクラ群)。昔から親しまれ、和歌にも数多く詠まれている。サクラの基本野生種の一つ。


 伊豆大島などに多く自生するオオシマザクラ(大島桜;サクラ亜属ヤマザクラ群)。緑色の若葉と同時に白色の花を多数つけます。基本野生種のサクラ。


 東北の太平洋側、関東、中部の山地などに多く分布チョウジザクラ(丁字桜;サクラ亜属チョウジザクラ群)。花を横から見ると丁字のように見える。

(桜以外の木々の花)

 桜以外の木々の花々です。これはベニコブシ(紅辛夷;モクレン科モクレン属)。日本固有種のシデコブシの変種で淡紅色の花が咲く。満開になったベニコブシを遠方から眺めると、サクラの花のように見えます。


 中国原産の落葉低木オオリキュウバナ(大利休梅;バラ科ヤナギザクラ属)。枝先に総状花序を出し、白い5弁の花をつける。


 本州から九州にかけて分布する落葉低木ヤマブキ(山吹;バラ科ヤマブキ属)。絵の具のヤマブキイロと同じ鮮やかな黄色の花を咲かせる。


 ユスラウメ(山桜桃梅;バラ科サクラ属ニワウメ亜属)。中国北西部、朝鮮半島などが原産の落葉低木。果樹や庭木に利用される。


 ニワウメ(庭梅;バラ科サクラ属ニワウメ亜属)。中国の山地に自生する落葉低木。観賞用に広く栽培されている。


 九州の霧島山系に自生する落葉低木キリシマミズキ(霧島水木;マンサク科トサミズキ属)。木枝に垂れる穂状花序に黄緑色の小さな花が点々と付く。


 中国原産の落葉低木ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ジャケツイバラ亜科ハナズオウ属)。密生した鮮やかな赤紫色の花が枝から吹き出すような感じになる。

(春の野の花)

 この日もいろんな野の花を見かけました。これはニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)。全国に分布する多年草。春の妖精


 全国の木陰地に生育する多年草ムラサキケマン(紫華鬘;ケシ科キケマン属)。特徴的な筒状の花を咲かせています。春の妖精


 ウラシマソウ(浦島草;サトイモ科テンナンショウ属)。開花した形は、まるで浦島太郎が釣り糸を垂らしているかのようです。


 ラショウモンカズラ(羅生門葛;シソ科ラショウモンカズラ属)。山地の林内の湿った場所や渓流沿いに自生する多年草。

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都心のサクラ風景(千鳥ヶ淵、文京区播磨坂)


 このところポカポカ陽気が続き、東京では各地でサクラが見頃になってきました。今回はコロナ禍が続いていることもあって遠出を避け、都心の千鳥ヶ淵、播磨坂を回ってきました。

(千鳥ヶ淵)


 千鳥ヶ淵のサクラが見頃になっているということで、人の少ない午前の早い時間に出掛けてきました。千鳥ヶ淵緑道は皇居西側の千鳥ヶ淵に沿う全長約700mの遊歩道で、約260本の桜が立ち並んでいます。この時期は桜のトンネルの中を歩いているような感じになります。また、向岸の北の丸の土手に生えるサクラの眺めも見事です。遊歩道から見える皇居の堀には多くの観桜のためのボートが繰り出しています。


 人が少ない時間帯とはいえ、やはりそこそこの人出でした。


 遊歩道沿いにはムラサキハナナ(紫花菜)やシャガ(著莪)、ナノハナ(菜の花)などの花も咲いていて、サクラの風景に色を添えています。


 また、近くの千鳥ヶ淵戦没者墓苑内では平成天皇の句碑に傍でベニシダレ(紅枝垂れ)が満開になっていました。


(文京区播磨坂)

 文京区播磨坂の桜並木のサクラも満開に近づいてきました。播磨坂は環状3号線の一角として整備された約40mの短い区間ですが、ここに約150本もの桜の木が立ち並んでいて、サクラ並木の下は小川がせせらぐ遊歩道になっています。この時期は美しい景観になります。いつもであれば、文京区さくら祭りが開催されるのですが、今年はどうかな。


 播磨坂の散歩道や道路沿いにいろんな花木が植えられていて、サクラとともに花々を楽しむことができます。上から、ハナモモ(花桃)、チョウセンレンギョウ(朝鮮連翹)、ジンチョウゲ(沈丁花)。

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2021年3月16日 (火)

3月中旬の小石川植物園、シダレザクラが満開


 東京では桜の開花宣言が出されましたが、小石川植物園のソメイヨシノの開花はまだこれからです。その代わり、シダレザクラ(枝垂れ桜;バラ科サクラ属サクラ亜属エドヒガン群)が満開になっていました。


 上品な白い花が天空を覆わんばかりに枝垂れています。樹を見上げると、つくづく極致の美に圧倒されます。このシダレザクラの木は桜並木を通り越してかなり奥まった所に生えていますので、気がつかない人も多いかと思います。

 シダレザクラ以外にも、満開になったいろんな木々を見かけました。

 何本ものコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属)の木が随所に生えていて、次々に咲き出しています。ひらひらの白い6枚の花弁をもつ多数の白い花が、春の訪れを謳歌するかのように青空に広がっています。北海道から九州まで広く分布する落葉高木。


 ツツジ園の近くに生えるシナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。青空の下に無数の黄色の花が点描されるかのように一斉に咲き出してきました。細い枝がよく分枝し株立ち樹形を成す中国原産の落葉低木。


 中国原産の落葉低木ハナモモ(花桃;バラ科サクラ属モモ亜属)。花を観賞するため、モモ(桃)から品種改良され、庭木などに多く利用される。華やかな桃色の花が盛んに咲き出してきました。わが家のベランダの目の前に生えています。


 日本原産の落葉低木ユキヤナギ(雪柳;バラ科シモツケ属)。白い花が枝いっぱいに連綿と咲き、円弧状に枝垂れています。白雪が枝にかかっているようです。


 ハチジョウキブシ(八丈木五倍子;キブシ科キブシ属)。木枝から黄緑色の小さな花が房状になって垂れ下がっています。八丈島などの伊豆七島の山中に多く自生する落葉低木。やはり日本固有種のキブシの変種。


 草むらでは、春の野の花も次々に咲き出しています。

 カタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の6枚の花弁が反り返った赤紫色の可憐な花が群生地で咲き始めました。まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようにも見えます。スプリング・エフェメラルの代表格。


 ツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)の花を見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したと言われています。花が非常に小さいので、うっかり見過ごしてしまいそうです。


 中国原産の一年草オオアラセイトウ(大紫羅欄花)。園内の草むらに群生しているのを見つけました。紫色の菜の花のような花が咲き広がっています。諸葛菜、紫花菜の別名あり。アブラナ科オオアラセイトウ属。


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2021年3月 3日 (水)

色鮮やかな早春桜、カンヒザクラ、サンシュユ等の花々が賑わう


 好天の3月初旬(3/3)、散歩をかねて小石川植物園を回ってきました。このところ暖かい日が続き、植物園内は紅梅、白梅、早春桜、カンヒザクラ、サンシュユなどの色鮮やかな木々の花が目立ってきました。また、アマナ、ハナニラ、スミレなどの春の野の花も草むらの各所に咲き出しています。

(樹木の花)

 3月初旬の梅林の風景です。紅梅、白梅の花に加えて、黄金色のサンシュユの花も咲き出してきました。


 梅林では次々に紅梅、白梅の花が咲き出しています。これは紅梅の品種は紅千鳥(べにちどり)です。


 白梅の春日野(かすがの)。


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)。無数の黄金色の花が大空に吹き出すように広がっています。


 沖縄に自生するカンヒザクラ(寒緋桜;バラ科サクラ属サクラ亜属カンヒザクラ群)が満開です。濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えます。日本のサクラの基本野生種の一つ。


 富士山や箱根などの山地に分布するマメザクラ(豆桜、富士桜;バラ科サクラ属サクラ亜属マメザクラ群)の園芸品種の早春桜。早春にあざやかなピンク色の小さな花を一斉に低木全体に咲かせ、華やいだ雰囲気を醸し出します。花を啄むヒヨドリが見えます。


 鹿児島県原産のハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅;ツツジ科ツツジ属)。葉のない枝先に淡い赤紫色の花が元気に咲き出します。


 北海道から九州まで広く分布する落葉高木のコブシ(辛夷;モクレン科モクレン属 )。春の訪れを謳歌するかのように青空の中で無数の白い花が乱舞していて、春の野趣にあふれています。


 中国原産の常緑中高木ミヤマガンショウ(深山含笑; モクレン科モクレン属/オガタマノキ属 )。白い花が枝中に盛んに咲いています。


 東日本の山野に生える落葉低木モミジイチゴ(紅葉苺;バラ科キイチゴ属)。白い花が連なって木枝から下向きに咲く。いわゆる野イチゴの一種で、葉の形がモミジに似る。


 九州や沖縄に分布する常緑樹のヒゼンマユミ(肥前真弓;ニシキギ科ニシキギ属)。諫早地方で発見されたことから故牧野富太郎博士が命名。たくさんの橙黄色の実の殻が木枝に残っていています。一見すると花のようです。

(春の野の花)

 先月咲き出した春の妖精ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科 イチリンソウ属)。群生地の草むらに可憐な白い花が沢山咲いています。


 やはり春の妖精の仲間のアマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)。数輪の小さな白い花が草むらの枯葉のすき間から顔を出しているのを見つけました。


 ハナニラ(花韮;ヒガンバナ科イフェイオン属)。清楚な白い花が草むらに咲き出してきました。南米原産で明治時代に観賞用として帰化した球根植物。


 スミレの仲間のタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地などに普通に見られる多年草のスミレです。


 多年草のオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢;オオバコ科クワガタソウ属)。可憐な小さい青い花が咲き、星の瞳ともいわれます。

(温室の花々)

 ロードデンドロン・アルボレウム(ツツジ科ツツジ属)。中国南部からブータン、ネパール等に分布する常緑高木。鐘形の大きな花の内側に黒色の斑点がある。気品ある花でネパールの国花となっています。


 沖縄本島固有種の常緑低木リュウキュウアセビ(琉球馬酔木;ツツジ科アセビ属)。乱獲で個体数が減少し、絶滅危惧IA類(CR)に登録されている。


 中国、インド、マレー半島などが原産の落葉高木のソシンカ(マメ科ハカマカズラ属)の赤紫色の大きな花。沖縄では街路樹や公園木に用いられる。


 ハナコミカンボク(花小蜜柑木;コミカンソウ科コミカンソウ属)。よく見ると微小な花が付いています。わが国では沖縄中部にのみ生息する落葉小低木。


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