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2021年4月

2021年4月21日 (水)

4月下旬の小石川植物園、珍しいエゴノキの花に出会う

 晴天が続く4月下旬、運動も兼ねて小石川植物園をめぐっています。園内では、珍しいエゴノキの花(アルニフィラム・フォーチュネイ)をはじめこの季節ならではの花々が咲き、新緑が一層鮮やかになってきました。

(季節の花々)




 中国、インド、ミャンマー等が原産の落葉高木アルニフィラム・フォーチュネイ(Alniphyllum fortunei;エゴノキ科アルニフィラム属)。枝先の葉腋に円錐花序が形成され、多数の白い花が盛んに咲いていました。枝に互生する葉の表面には光沢がある。植物園の周りの坂道の途中からよく見えるのですが、今まで全然気がつきませんでした。今回が初めての出会いです。


 やはりエゴノキ科の仲間のヒョウスイボク(秤錘木;エゴノキ科シノジャキア属)。中国原産の落葉小高木。植物園の林地の奥まったところにエゴノキの花に似た美しい白い5弁の花が静かに咲いていました。花の後に熟す黒い実が秤(はかり)に使う錘(おもり)に似ることから和名が由来。木幹は株立ちの形状。



 中国南部からベトナム北部にかけての山間部などに分布する落葉高木のブレッシュネイデラ・シネンシス(アカニア科ブレッシュネイデラ属)。沢山の小さい白い花を付けた総状花序が枝から直立する。遠方から見るとトチノキの花穂によく似る。


 日本に自生する落葉低木サクラバラ(桜薔薇;バラ科バラ属)サクラの花に似た薄紅色の大きめの花から甘い香りが漂ってきます。原種バラの一つ。


 北海道や本州の日本海側の山野に自生する落葉小低木タニウツギ(谷空木;スイカズラ科タニウツギ属)。新緑の中、美しい淡紅色の漏斗状の花を付ける。


 北海道から九州までの各地に広く分布する落葉高木ミズキ(水木;ミズキ科ミズキ属)。新しい枝先に白い細かい花が盛んに咲き出しています。東京から山形に帰省する際、東北自動車道を使うのですが、車窓から山の中に咲いているミズキの花をよく見かけます。

(新緑の木々)


 インド北部、タイ、中国南部などが原産の落葉高木チャンチンモドキ(香椿擬)。国内では熊本県、鹿児島県にわずかに自生する。新葉の間に赤紫色の花が見られる。


 秋の紅葉が美しいハゼノキ(櫨の木;ウルシ科ウルシ属)。 関東以西~沖縄に自生する落葉小高木。新緑の奇数羽状複葉のつけ根から黄緑色の小さな花がついています。


 ムクノキ(椋木;アサ科ムクノキ属)。 関東以西~沖縄に分布し、主に山地~低地の森林に生育する落葉高木。新葉の展開とともに葉のつけ根に淡緑色の小さな花がつく。


 ウルムス・プロセア(ニレ科ニレ属)。ヨーロッパ原産の落葉高木でオウシュウニレやエルムとも呼ばれる。新葉の間に小さな花が少しだけ見える。


 東アジアに分布する落葉高木イイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)の雌株。小さな花穂が出ています。秋になると真っ赤な房状の実をつける。


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2021年4月 3日 (土)

小石川植物園、桜満開の後は爽やかな新緑が広がる



 3月末~4月初旬の小石川植物園の風景です。今年は暖かい日が多かったため、3月末には小石川植物園のソメイヨシノは満開を過ぎ、はらはらと花吹雪が見られるようになってきました。桜のアトは爽やかな新緑が広がります。上の写真は日本庭園近くの小さな池の様子です。


 イロハモミジ並木の新緑が鮮やかになってきました。後方に温室がうっすらと見えます。


 カラフルになってきたツツジ園からの眺望です。イチョウ(右)やウルムス・プロセア(左)の高木が新緑に染まってきました。

(新緑の木々)

 園入口付近のイチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大樹の新緑。中国原産の落葉高木。裸子植物。


 中央アジアのコーカサス地方を原産とする落葉高木コーカサスサワグルミ(クルミ科サワグルミ属)。葉の形や幹の文様が特徴的。


 北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木)。大樹の姿形が美しく、全国に街路樹や公園樹として利用される。


 対馬地方、木曽川流域、岐阜県東濃地方などに限定的に自生する落葉高木ヒトツバタゴ(一つ葉タゴ;モクセイ科ヒトツバタゴ属)。

(木々の花)

 色鮮やかなキリシマツツジ(霧島躑躅;ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)>日の出霧島。


 奄美大島に自生する アマミセイシカ(奄美聖紫花;ツツジ科ツツジ属セイシカ亜属)。


 台湾、中国が原産のマルババイカツツジ(丸葉梅花躑躅;ツツジ科ツツジ属ツツジ亜属バイカツツジ節)。


 中国雲南省原産の常緑小高木ウンナンオガタマ(雲南招霊;モクレン科モクレン属)。山地に自生する。


 北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属。庭木や街路樹として利用されている。


 北米原産の落葉小高木アメリカアサガラ(エゴノキ科アメリカアサガラ属)。小さな白いつり鐘状の花が空間を覆い尽くしています。

(初夏の野の花)

 北海道、本州、四国、九州に分布し、山麓の林の縁や林の中、土手などに生えるニリンソウ(二輪草)。キンポウゲ科イチリンソウ属の多年草。春の妖精


 欧州からアジア南西部が原産の多年草オオアマナ(大甘菜;キジカクシ科オオアマナ属)。星型の白い花が各所の草むらで咲き広がっています。


 群生するシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の花が咲き並んでいます。中国四川省原産で谷沿いの陰地や竹林などに群生する常緑多年草。


 全国に分布し、日当たりのよい山野に生える多年草ホタルカズラ(蛍蔓;ムラサキ科ムラサキ属)。花の中央部の白い星形が蛍の光のようです。


 サギゴケ(鷺苔;サギゴケ科サギゴケ属)。日当たりの良い草地やあぜ道に生育する多年草。匍匐茎で広がり、苔のように地面を葉がびっしりと覆う。

(温室の花々)

 小笠原固有の多年草ツルワダン(蔓海菜;キク科ニガナ属)。海岸の崖や砂地、草地に生える。細長い葉が輪生し、花茎の先に黄色の花を付けた頭状花序をなす。絶滅危惧Ⅱ類。


 小笠原固有の越年草オオハマボッス(大浜払子;サクラソウ科オカトラノオ属)。小笠原諸島のほぼ全域に分布。茎先の総状花序に筒状の白い花を密につける。花序の姿が仏具の払子に似る。


 小笠原固有の常緑低木オガサワラクチナシ(小笠原梔子;アカネ科クチナシ属)。4月~5月頃、枝先に白い6弁の大きい花が咲き、いい香りがします。光沢のある厚い葉が対生する。




 オオバコ科ルリトラノオ属の仲間の植物たち。茎に総状花序を出し、4裂した青紫色の多くの花がまばらに付く。雄しべと雌しべが花から突き出す。上から、北海道に分布する多年草シラゲキクバクワガタ(白毛菊葉鍬形)、東北地方に分布する多年草ミチノククワガタ(陸奥鍬形)、北海道、北方領土に分布するホソバノキクバクワガタ(細葉の菊葉鍬形)。


 北海道~本州北部に分布する多年草ユキワリコザクラ(雪割小桜;サクラソウ科サクラソウ属)。深山の岩場や崩壊斜面に生育します。


 日本固有種のナエバキスミレ(苗場黄菫;スミレ科スミレ属)。上越地方~東北地方の山地に分布し、岩場や礫地で6月頃に黄色い花を咲かせる。


 沖縄県の尖閣諸島魚釣島のみに分布するセンカクオトギリ(尖閣弟切;オトギリソウ科オトギリソウ属)。断崖の風衝地に生育する常緑低木。夏に雄しべが長い5弁の黄色の花が咲く。


 九州南部から沖縄に分布する常緑低木ギョクシンカ(玉心花;アカネ科 ギョクシンカ属)。ひらひらした形状の花弁をもつ純白の花が咲き、近づくとほのかにいい香りがする。


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2021年4月 1日 (木)

久しぶりの皇居外苑、氷河期生き残りのハナノキを探して


 皇居外苑馬場先地区のお濠側の土手に氷河期の生き残りといわれるハナノキが生えているいうことを知り、早速出かけてきました。この日はハナノキのほか、満開の桜、新緑のケヤキやクスノキが対比する美しい景観が見られました。


 皇居外苑の馬場先地区は土手下の道沿いに桜の木が立ち並んでいて、多くの人がベンチに座ってのんびりと花見や日光浴を楽しんでいました


 土手の草むらにはオオキバナカタバミカラスノエンドウなど春の野の花が勢揃いです。


 北の方向を見やると、満開のサクラ、新緑のケヤキクスノキの対比が美しい景観です。パレスホテルや東京海上ビルの高層ビル群が背景になっています。


 さて、お目当てのハナノキは探すのに苦労しましたが、外苑管理事務所の方に教えていただき、ようやく木の上半分がうっすらと赤みがかった樹木がハナノキの雌株だと分かりました(左)。歩きながら眺めると単に枯葉が残っているような感じで、うっかり通り過ぎていました。



 拡大写真で見てみると紅色の雌花が枝先に多数集まって付いています。このアト熟して翼果になります。雄花が咲く雄株もあるはずですが、見当たりません。葉も花も付いていない冬木立のままのもう1本のハナノキがありましたので、その木が雄株かも知れません。


 小石川植物園にもハナノキが2本生えていますが、不思議なことに花が付く前に赤みを帯びた新葉が展開してきました。もう少し観察を続けたいと思います。


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