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2021年12月

2021年12月 3日 (金)

見応えのある木々の紅葉・黄葉や季節の花々


 冬の晴天が続く12月上旬、小石川植物園を回ってきました。イロハモミジ、メグスリノキ、イチョウなど、木々の紅葉・黄葉は見応えがありました。 また、ツバキ、サザンカなどの季節の花々を園内各所で見かけました。

(木々の花)
 この時期はツバキ、サザンカなどの木々の花が目立ちます。

 わが国のツバキの原種のヤブツバキ(藪椿)。本州~沖縄に分布する常緑高木。単にツバキともいう。冬から春に真紅の花が咲きます。ツバキ科ツバキ属(椿)。


 香港の九竜半島が原産のグランサムツバキ。昆虫が盛んに密を吸っています。11月~2月に大輪の白い花が咲く。ツバキ科ツバキ属(椿)。



 常緑広葉樹のサザンカ(山茶花)。晩秋から新年にかけ、多くの園芸種の白色や赤色の花が次々と咲き出します。古典園芸植物の一つ。上の赤花は歌枕、下の白花は富士の峠の品種名がついています。ツバキ科ツバキ属(山茶花)。


(紅葉・黄葉)
 東京の都心部に位置する小石川植物園では、年末の12月が紅葉・黄葉の本番になります。

 落葉針葉樹のメタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属)。アケボノスギ(曙杉)とも呼ばれる。幹が直立し、凛として天に伸びるような見事な大樹の姿が目を引きます。


 巨木ゾーンの近くに生える精子発見の大イチョウが見事に黄葉しています。発見は、1894年植物学者の平瀬作五郎による。


 街中のイチョウの街路樹も黄金色に輝いています(2012.12)。


 東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)。秋の紅葉の代表格で、園内を散策していると、多くのイロハモミジを見かけます。


 イロハモミジは春の新緑も美しい(2010.4)。


 メグスリノキ(目薬木;ムクロジ科カエデ属)。日本固有種で東北地方中部以南に自生する落葉高木。晩秋の真赤に燃えるような紅葉は実に見事です。戦国時代の昔から樹皮を煎じて眼病に効く目薬として使用していたことから和名が由来。


 ヤクシマオナガカエデ(屋久島尾長楓;ムクロジ科カエデ属)。日本固有種で屋久島に分布し、低地〜山地の生える落葉高木。葉はあまり分裂しないで、3~5浅裂する。葉の先端部が尾状に少し突き出ているのが特徴。木枝の場所によって紅葉、黄葉の両方が見られる。


 関東地方以西~沖縄の山地に自生する落葉小高木のヤマハゼ(山櫨;ウルシ科ウルシ属)。樹姿などがハゼノキによく似ていて、山地に生えるということから和名が由来。


 コバノチョウセンエノキ(小葉の朝鮮榎;アサ科エノキ属)。近畿地方以西~九州、沖縄 の山地に自生する落葉小高木。葉は同属のエノキよりもやや小さくて細く、葉先が尾状に伸びる。


 北海道を中心としたわが国全域の山地に分布する落葉高木のハリギリ(針桐)。晩秋の黄葉。枝先に傘上の花の名残りが見られる。幹の樹皮に深く縦筋があり、葉はカエデ状になっている。


 中国東南部原産のオオバベニガシワ(大葉紅柏;トウダイグサ科オオバベニガシワ属)。春に展開する新葉は真赤で鮮やかで目を引くが、この時期の黄葉は地味であまり目立たない。


 オオバベニガシワは、春展開する新葉が紅葉のようにあざやかになる(2016.4)。


 詳しくは
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2021年12月 1日 (水)

紅葉・黄葉本番の年末、国内のコロナ禍がほぼ収束


 いよいよ年末です。嬉しいことに、わが国の新型コロナウィルスはほとんど終焉の状況になってきました。しかし、諸外国の依然として高水準な感染状況と比較すると、非常に不可思議かつ稀有な現象のようです。明確な原因が解明されていないので、モヤモヤ感が残ったままでの年越しになりそうです。


 11月末頃から冷え込みがグッと厳しくなってきました。東京の平地での紅葉・黄葉はこれから本番となり、晴れ上がる青空の下で枯葉を踏みしめながらの散策は最高の気分です。

 四季の植物12月セレクションに小石川植物園の12月の風景が収めていますが、その中から木々の紅葉・黄葉、色づく木の実、季節の花など目につくものを選んで紹介します。

(木々の紅葉・黄葉)

 イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)は東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木。秋の紅葉の代表格です。隣接する大樹の黒い幹を、まるで無数のイロハモミジの紅葉が覆い尽くし、ラップアップしているようです。
2017.12


 植物園の各所に赤色、橙色、黄色など色とりどりのイロハモミジを見かけます。鮮やかな黄金色に輝くイロハモミジもあります。2015.12


 落葉高木メグスリノキ(ムクロジ科カエデ属)の鮮やかな紅葉が始まっています。奥まった場所に生えているため気が付く人も少ないようです。メグスリノキは日本に自生し、その名のごとく葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に良いとのことです。
2017.12


 植物園正門の近くで見事に黄葉している大樹イチョウ(イチョウ科イチョウ属)の迫力に圧倒されます。イチョウは中国原産の落葉高木で裸子植物。街路樹など全国で普通に見かけ、晩秋には見事に黄葉し、街中が黄金色に輝き出します。2017.12


 落葉高木ヘラノキ(箆の木;アオイ科シナノキ属)の黄葉が空中に点在しています。本州(紀伊半島、中国地方)、四国、九州に分布する日本固有種。ボダイジュやアメリカシナノキと同じ仲間で、ヘラ型の苞が付くことから和名が由来。2007.12


 ドウダンツツジ(灯台躑躅、満天星;ツツジ科ドウダンツツジ属)。日本原産の落葉性花木。初夏に小さな鈴状の白い花が満天星のように咲き、秋には美しく紅葉する。刈り込みに耐え小枝が密に出るので、生け垣等に多用されます。2012.12

(木々の花・木の実)

 インド、中国、ビルマなどのヒマラヤ付近の高地に分布するヒマラヤザクラ(バラ科サクラ属)。サクラの野生種の一つ。わが国にはネパール王室から贈られ、熱海市に植樹された。年末に可憐な花が咲き出す。2010.12


 香港の九竜半島が原産のグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)。メタセコイア林に隣接した場所で大輪の白い花が咲いています。1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられた。2004.12


 東アジアに分布する落葉高木イイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)の赤い実がまだかなり残っています。年によっては、小鳥たちに食べ尽くされている時もあります。2018.12


 ムラサキシキブ(紫式部; シソ科ムラサキシキブ属)の紫色の木の実。北海道から九州、沖縄まで広く分布し、各地の林などに自生する落葉低木。初夏に散房花序になった淡紫色の小花が咲く。秋の紫色の果実は美しく、観賞用に栽培される。2018.12


 常緑低木コトネアスター(バラ科コトネアスター属)。5月~6月に白い花が盛んに咲き、晩秋に赤い実が付く。葉の部分に鋸歯がない、枝に棘が生えないなどが特徴。コトネアスターの栽培は比較的容易で生け垣などに用いられる。2005.12

(年末の野の花)

 黄金色のシマカンギク(島寒菊;キク科キク属)の無数の小輪の花が陽光を受け、ゆらゆらと輝いていました。近畿地方から九州の山麓の日当たりのよいところに生える野菊。九州北部一帯の海岸や島々などに大きな群落が見られたことから和名が由来。2004.12


 ワジキギク(鷲敷菊;キク科キク属)の小さな白い花が群れて咲いています。ナカガワノギクとシマカンギクの雑種。那珂川流域の鷲敷で発見されたのでこの和名が付く。2004.12


  詳しくは
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