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2022年1月

2022年1月16日 (日)

1月中旬、ようやくロウバイの花が満開


 新年に入って寒い日が続いています。15日夜、日本から約8千キロ離れた南太平洋の島国トンガの海底火山が大噴火し、この影響で翌朝のわが国沿岸に高さ1m前後の津波が押し寄せました。当初この津波は気象庁でも予測することが出来ず、まったく経験したことのない未知の現象だったと発表。大噴火により周囲の大気圧が波のように振動し、その空振の衝撃波が遠く離れた各国の沿岸まで到達。それが海面に作用して津波を増幅させたようです。幸い、今回は大きな被害が出ませんでしたが、今後の防災対策に課題が残りました。

 さて、小石川植物園では、1月中旬になってようやくロウバイの花が満開になってきました。また、前のブログ記事でも取り上げた常緑の木立とともに園内の様子を紹介します。

 ロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花は迎春花ともいわれ、芳香を放つ蝋細工のような黄金色の花を咲かせます。


 ソシンロウバイ(蝋梅素心)。花の中心部も透きとおっています。近郊には、秩父長瀞町の宝登山安中市のろうばいの郷などのロウバイの名所がありますが、コロナ禍の現状ではなかなか出かけることが出来ません。


 九州や沖縄に分布する常緑高木ヒゼンマユミ(肥前真弓;ニシキギ科ニシキギ属)。この時期は橙黄色の果実の殻が木枝に多く残っていて、まるで花が盛んに咲いているように見えます。これから4月~6月にかけて新芽が出て、目立たない小さな黄緑色の花がつく。


 果実の殻が裂け、中から赤い種が露出しています。


 温室でヒメサザンカ(姫山茶花;ツバキ科ツバキ属)の花を見かけました。琉球列島の固有種の常緑小高木。沖縄本島、久米島、石垣島、西表島、沖永良部島に見られ、山地の森林の川辺りに生育する。冬に小さな白い花をつけ、花には芳香がある。花木として栽培されるとともに、香りのあるツバキを作出するための交配親として用いられる。


 常緑低木モクセンナ(マメ科センナ属)。やはり、温室で花をつけていました。熱帯アジア原産の常緑低木。沖縄では各島の庭園で栽培されている。花の形がスクランブルエッグに似ることから、海外では
Scrambled eggs tree と呼ばれる。


(常緑の木立)

 タイワンアカマツ(台湾赤松;マツ科マツ属)。台湾、中国南部に広く分布する常緑針葉樹。日本の アカマツに似て幹が赤っぽい。針状の葉が長く、ウマの尾を連想させることからバビショウ(馬尾松)とも呼ばれる。中国では松脂を採取するため計画的に植林されている。


 タカネゴヨウ(高嶺五葉;マツ科マツ属)。台湾、中国原産の常緑針葉高木。標高1200m~3500mの高山に自生する。五葉松系なので、線形の葉が1ケ所から5本束生し、長く枝垂れる。雌雄異花で4月~5月頃目立たない花をつけ、果実(松笠状の球果)が翌年秋に結実します。


 常緑針葉高木のアイグロマツ(間黒松;マツ科マツ属)。アカマツクロマツの交雑種で、両者の中間的な形態をしている。赤褐色の樹皮はアカマツに、濃緑色で硬直な葉はクロマツに似る。東日本大震災で生き残った「奇跡の一本松」(岩手県陸前高田市)はアイグロマツです。


 エンピツビャクシン(鉛筆柏槇;ヒノキ科ビャクシン属)。北アメリカ東部に分布する常緑針葉高木。幹は直立し、樹形は円錐形。葉は十字対生し、針葉と鱗葉が混生する。公園樹、庭園樹、庭木として植えられ、木材は装飾材や鉛筆の材料として用いられる。


 メキシコラクウショウ(ヒノキ科ヌマスギ属)。米国南部、メキシコなどに分布する常緑針葉樹。河岸や湿地などに生える。樹皮は褐色で縦の裂け目がある。枝は横に伸び、広い樹冠を形成する。小枝は下垂し、羽状の葉は互生する。
メキシコの国の木。


 カンニンガムモクマオウ(モクマオウ科モクマオウ属)。豪州原産で沖縄の海岸にも多く見られる。灰色がかった緑色の針様群葉を持つ常緑高木(針葉樹ではない)。雌雄異株で秋に開花し、小さな球果がつく。川岸や沼沢地の日当たりのよい場所で見られる。


 関東地方~九州、沖縄の暖地に分布する常緑高木バクチノキ(博打の木;バラ科バクチノキ亜属)。絶えず古い灰白色の樹皮がうろこ状に剥がれ落ち、黄赤色の幹肌が現れる。この様子を博打に負けて衣を剥がれることに例え、和名が由来。


 クロキ(黒木;ハイノキ科ハイノキ属)。関東地方南部~トカラ列島に分布する常緑小高木。海岸近くの照葉樹林内に生える。葉の間についた新芽(花の蕾)は開花が近づくと徐々に白っぽくなり、3月~4月頃にハイノキに似た花が咲く。枝葉を燃やした後の灰汁を黒の染料に用いることから和名が由来したとも言われる


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2022年1月 7日 (金)

正月の雪景色(小石川植物園)


 今年の東京都心では、新年早々に初冠雪が見られました。上空の厳しい寒気と太平洋岸を東進する南岸低気圧が重なって、1/6の正午頃からチラホラと雪が降り始め、夕刻には積雪5cmまでになりました。郷里の山形などの日本海地方の積雪と比べると何のことない程度の雪なのですが、備えのない都心ではこれでも交通は大混乱です。幸い今朝(1/7)は晴れ上がり、気温も上がる予想ですので、夕方位には積雪も消えるものと思われます。

 さて、いい機会ということでわが家のテラスから眺望した小石川植物園の雪景色を写真に収めましたので、以下に紹介します。

 左からヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)&モミジバスズカケノキ(紅葉鈴懸の木)&クスノキ(楠)の大樹群。


 中央は米国原産のテーダマツ(タエダ松、Loblolly Pine)、右はヒマラヤ地方原産のヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)。


 同じアングル、前日の降雪時の景色。


 ブナ(橅)の若木。


 後方は桜並木のソメイヨシノ(染井吉野)、前方はイロハモミジ小径のイロハモミジ(イロハ紅葉)。


 雪に染まる木々の雪模様です。


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2022年1月 4日 (火)

新年の小石川植物園、目立つ冬木立の雄姿や青々と茂る常緑樹

 

 小石川植物園は正月明けの4日から開園です。健康維持も兼ね、新年早々に園内を回ってきました。木々の落葉が進んだ園内は、スッキリとして見晴らしが良くなっていて、高木・大樹の冬木立の雄姿や青々と茂る常緑樹が目立っていました。

(冬木立の雄姿)
 スズカケノキユリノキケヤキなどの巨木が数多く立ち並ぶ巨木並木の風景。四季折々の風景が楽しめます。今は冬木立の雄姿が見事です。

 メタセコイア林。園入口から左方に曲がって少し進むと、天空に向かって直伸するメタセコイアが林立しています。秋の褐色の紅葉がわずかに残っていますが、今や素顔の冬木立になっています。

 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がった所に立ち並ぶソメイヨシノの桜並木。春の満開時には大勢の人出で賑わい、緑葉や紅葉も見応えがありますが、この時期は閑散としています。


(青々と茂る常緑樹)
 本州西部の太平洋側、四国、九州に広く分布する常緑高木ククスノキ(樟、楠;クスノキ科ニッケイ属)。鎮守の森の主のようにクスノキの巨木がそびえ立っています。クスノキは常緑樹ですが、5月頃に新葉と入れ替わります。

 タラヨウ(多羅葉;モチノキ科モチノキ属)。静岡県以西~四国、九州に分布する常緑高木。雌雄異株ですが、雄株は負担が少ないので上方に伸びやすく、樹形が見事な三角錐になります。

 タラヨウのすぐ隣にトキワマンサク(常磐満作;マンサク科トキワマンサク属)の大樹が生えています。日本、中国などが原産の常緑高木。静岡県、三重県、熊本県などに分布。絶滅危惧IB類。

 4月~5月、大樹がひも状の白色、淡黄色の無数の小さな4弁花に覆われます。満開時には、まるで滝のように花が流れている感じになります。(2011年4月)

 福島・新潟県〜九州の山地に生える常緑高木シラカシ(白樫;ブナ科コナラ属)。関東地方の照葉樹林帯に多くみられる。互生する厚い葉は長楕円形でつやがある。秋にはドングリの実(堅果)がつき、公園樹、庭木、防風林などに用いられる。

 九州南部に自生する常緑高木シュロ(棕櫚;ヤシ科シュロ属)。ワジュロともいう。円柱形の幹が分岐せずに垂直に伸びる。幹の先端に扇状に葉柄を広げ、熊手型の葉を多数つける。南国風の雰囲気を持つことから、洋風庭園、公園などに多く用いられる。

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2022年1月 1日 (土)

謹賀新年2022

 

 2022年の新春のお慶びを申し上げます。皆さまのご健勝とご多幸を祈念申し上げます。
 早くコロナが終息し、遊自然、趣味の活動、孫の世話などを楽しむことのできる平穏な日常が戻ってほしいと望んでおります。

 さて、東京の新年は寒空ながらも穏やかな冬晴れが続きます。小石川植物園では迎春花のロウバイや早咲きのカンザクラの花々が咲き出し、青空に突き出す巨木・大樹の雄大な冬木立を楽しむことができます。以下、四季の植物:1月セレクションからの抜粋です。

(木々の花・木の実)

 中国原産の落葉低木ロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)。ロウバイの花は迎春花ともいわれ、新年に芳香を放つ蝋細工のような黄金色の花を咲かせます。わが国へは江戸時代に渡来し、生け花や茶花、庭木として利用されてきている。2006.1


 カンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)。日本のサクラの基本野生種の一つ。オオシマザクラカンヒザクラの自然交配種でカンヒザクラ系の品種。早春に咲き出し、青空によく映える。2021.1


 カンツバキ(寒椿;ツバキ科ツバキ属)。12月~2月に淡紅色の八重咲きの花が咲く。 矮小な横広がり傘形の樹形になり、枝葉はよく茂るので、庭木として多く用いられる。サザンカ(山茶花)の園芸品種。2008.1


 マンリョウ(万両;サクラソウ科ヤブコウジ亜科ヤブコウジ属)。たわわに小さな赤い実を付けます。関東地方以西~九州、沖縄に自生する常緑小低木。名前がめでたいので、正月の縁起物とされる。2017.1

(巨木・大樹の冬木立)

 メタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属)。スギの先祖のメタセコイヤは、かつて化石しか見つからず絶滅したとされていたが、戦後、中国四川省で生息が確認され。その後わが国にも伝来。凛として天に伸びるような見事な樹形が目を引きます。2017.1


 スズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属、別名プラタナス)。ヨーロッパ南東部からアジア西部原産の落葉広葉樹。成長が早く街路樹や公園樹、庭園樹として利用されている。枝先をよく見ると、多数の鈴のような実が木枝から垂れ下がっています。2019.1


 古井戸(小石川養生所の井戸)近くのツツジ園からの眺望 です。右の精子発見の大イチョウ(イチョウ科イチョウ属)や左のウルムス・プロセア(ニレ科ニレ属)などの大樹の雄姿が立ち並んでいます。2018.1


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