西多摩の瑞穂町に群生するカタクリの花
3月下旬になり、東京都ではようやくコロナ禍の緊急事態宣言が解除になりました。解除になったとはいえ、感染者数はまだ毎日数千人規模ですので用心に越したことはありません。マスクを付けながら、近郊の西多摩郡瑞穂町のカタクリの群生地までドライブしてきました。


瑞穂町に広がる「さやま花多来里(カタクリ)の郷」では約3,000㎡の斜面の一面に20万株以上ものカタクリが群生しています。まだ全体的に4分咲きといった感じでしたが、それでも多くの可憐な赤紫色のカタクリの花が咲き並んでいました。


カタクリ(ユリ科カタクリ属)は落葉広葉樹林の林床などに生育する球根植物です。春になると6枚の花弁が反り返った赤紫色の可憐な花が咲き出します。まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようにも見えます。カタクリの鱗茎(球根)は澱粉を含み、片栗粉の原料になり、若葉は食用に供されます。春の妖精の代表格。

カタクリの群生地を回った後は、屋敷森に囲まれ、武蔵野の旧家の佇まいを残す近くの耕心館(町が運営)で昼食。耕心館の庭園では、季節ごとに花をつける140種類ほどの山野草等を楽しむことができるようになっています。この日は珍しい春の野草を多く見かけました。

ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。本州中部以西の暖かい地域の林内に生える多年草。春の妖精の仲間。

ミスミソウ(三角草;キンポウゲ科ミスミソウ属)。本州の中部以西の山間地に多く生育する常緑の多年草。三角形状の葉が三つに分かれているのが特徴。


キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属) 。北海道~近畿地方の落葉広葉樹林の林床などに生育する多年草。菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴で、菊咲一輪草とも呼ばれる。春の妖精の仲間。


ショウジョウバカマ(猩々袴;シュロソウ科ショウジョウバカマ属)。北海道から九州までのやや湿った場所に分布し、人里近くの田んぼの畦道から高山帯の高層湿原まで生える多年草。根生葉の重なりが袴(ハカマ)に似る。春の妖精の仲間。

キケマン(黄華鬘;ケシ科ケマンソウ亜科キケマン属)。関東から沖縄の海岸や低地に生える多年草。細長い形状の黄色の花が穂先に多く並んで咲く。全草に毒性あり。

庭園の一角にある土蔵に豪華なひな人形が飾られていました。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2022年3月)
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