3月下旬の特別招待日、ソメイヨシノが満開
ソメイヨシノが満開を迎えた3月28日、小石川植物園を回ってきました。休園日でしたが、この日は特別招待ということで、川北園長や邑田前園長らの方々に園内の植物について詳しくわかりやすく説明していただきました。
江戸時代の染井村の植木屋さんが、葉をつける前に沢山の小さめの花が咲くエドヒガンと、大きめの花が葉と同じ頃に咲き出すオオシマザクラを交配させて、偶然にも大きめの花が葉がつく前に咲く出す1本のソメイヨシノが誕生したとのこと。そして、そのクローン株が全国に広がったそうです。
たまたま誕生した1本のソメイヨシノのおかげで、すべての日本人が毎年春のこの時期、満開の桜に酔いしれることができるわけです。この奇跡の桜の誕生に改めて感謝! 植物園内ではサクラ並木を中心に多くのソメイヨシノが生えています。
何年か前に植えられたベニシダレ(紅枝垂)が今では大きく成長しました。シダレザクラはエドヒガンの栽培品種で、3月頃に天空を覆わんばかりの上品な白い花が美しく枝垂れます。淡紅色のシダレザクラのことをベニシダレという。
わが家のテラスから見た植物園の眺望です。ちょうど満開になったサクラ並木が横に広がっています。また、手前のイロハモミジの小径がこれから新緑に染まってきます。
ベニシダレに隣接して生えるイトヒバ(糸檜葉;ヒノキ科ヒノキ亜科ヒノキ属)。細枝や葉先が糸のように垂れ下がることから和名が由来。冬の頃は葉が茶色がかっていましたが、今は緑色に戻っています。
温室内も案内してもらいました。これは奄美大島~琉球列島に分布する常緑低木のオオシマコバンノキ(大島小判の木;コミカンソウ科オオシマコバンノキ属)。葉柄の根元をみると、緑色で小さくあまり目立たない花が咲いています。
紅色~淡紅色に熟した球形の果実(液果)も付いていました。オオシマコバンノキはハナホソガという昆虫の蛾と絶対送粉共生関係を有していて、ハナホソガの幼虫が赤い果実の中に入り込んでいるとのこと。
フィリピンの限られた熱帯雨林に自生する常緑つる性木本ヒスイカズラ(翡翠葛;マメ科マメ亜科ヒスイカズラ属)。長い花房が垂れ下がり、オウムのくちばし状の形をした翡翠色の花を多数つけていました。花がついたのは温室のリニューアル後初めてだそうです。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2022年3月)
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