新緑の森林公園、ヤマシャクヤクとヤマブキソウが咲き広がる

4月中旬、武蔵丘陵森林公園までドライブしてきました。ちょうど3年前のこの季節に出会ったヤマシャクヤクとヤマブキソウが美しく咲き広がる花畑の光景が忘れられず、今回の再訪となりました。

武蔵丘陵森林公園は、東京都心から60kmの奥武蔵連山や荒川に囲まれた恵まれた自然環境の中にあって、わが国初の国営公園として1974年7月に開設されました。面積約304haに武蔵野を代表する木々が生茂り、疎林地、広場、池沼が点在しています。この日は中央口から入園しました。

公園内は散策路が張り巡らされていますが、あまりに広大なためうっかりすると迷子になりそうです。新緑の木々の間に紅色の花をつけたヤマツツジが所々に生えていて、新緑の風景のいいアクセントになっています。

中央口から約15分ほど歩くと野草コースの入口に着きます。野草コースは雑木林や沼辺をめぐる一周約1kmの小道です。四季を通じて、さまざまな山野草を楽しむことができるようになっています。

この日の野草コースのお目当てのヤマシャクヤク(山芍薬)とヤマブキソウ(山吹草)が一面に咲き広がる花畑です。別世界のような美しい光景に再会することができ、大満足です。

花畑の斜面の土手を見ると、ヤマブキソウ(山吹草)やトキワイカリソウ(常盤錨草)が群生しています。左下方にはマムシグサ(蝮草)も見えます。
以下、野草コースでこの日見かけた主な花々を紹介します。

ヤマシャクヤク(山芍薬;ボタン科ボタン属)です。北海道~九州の落葉広葉樹林下などの山地帯に生え、石灰岩地を好む山野草。山地帯に生え、草本全体がシャクヤクに似ていることから和名が由来。

ヤマブキソウ(山吹草;ケシ科ヤマブキソウ属)。本州、四国、九州に分布、山野の樹林地に群生する多年草。木本のヤマブキ(山吹;バラ科ヤマブキ属)と花の形状が酷似するが、科目が異なる。

トキワイカリソウ(常盤錨草;メギ科イカリソウ属)。常緑多年草で落葉樹林の林床に生育する。花の形状はイカリソウに似ていて、ふわふわした白~薄い赤紫色の花を咲かせます。

マムシグサ(蝮草;サトイモ科テンナンショウ属)。北海道から九州にかけて分布し、山地や原野の湿った林床に生える多年草。花茎は直立し、紫褐色のまだらな模様があって、この模様が和名の由来。全草に毒性あり。

ムサシアブミ(武蔵鐙;サトイモ科テンナンショウ属)。関東以西、四国、九州、沖縄に分布し、やや湿った林下、特に海岸近くの林で多く見られる多年草。2個の長い葉柄、その先の大きな3個の小葉が特徴。花(仏炎苞)の形が鐙に似ていることから和名が由来。

ジロボウエンゴサク(次郎坊延胡索;ケシ科ケマンソウ亜科キケマン属)。関東地方以西の本州、四国、九州に分布し、川岸や低地の草原などに生える多年草。全草が白みを帯び、小型で繊細な感じを受ける。ジロボウエンゴサクは根茎をもち、スプリング・エフェメラル(春の妖精)の仲間。

ヒトリシズカ(一人静;センリョウ科チャラン属)。北海道、本州、四国、九州に分布し、山地の林内、林縁に自生する多年草。4月~5月、茎の先に1本の穂状花序を出し、ブラシ状の小さな白い花をつけて群生する。

ジュウニヒトエ(十二単;シソ科キランソウ属)。日本固有種で本州、四国の丘陵地の落葉樹林内や道端に生える多年草。4月~5月、淡紫色から白色の花穂が直立する。全体の姿は同属のセイヨウキランソウによく似る。
詳しくは
…> 季節のスケッチ(2022年4月)
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