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2022年11月

2022年11月25日 (金)

11月下旬の小石川植物園の紅葉・黄葉風景


 青空が広がった11月下旬(11/25)、小石川植物園を散歩してきました。そして、園内のラクウショウ、シナユリノキ、ベニコブシ、ハリギリなどの木々の進みゆく紅葉・黄葉を楽しんできました。


 11月下旬の小石川植物園の風景です。木々の紅葉・黄葉がだいぶ進んできました。秋晴れ下の日本庭園の赤い建物(旧東京医学校)ですが、右上のコナラの大樹は褐色に紅葉しています。


 園内の古井戸(小石川養生所の井戸)近くのツツジ園から精子発見の大イチョウウルムス・プロセア(ニレ科)などの高木・大樹の雄姿が眺望できます。イチョウはすっかり黄葉しています。


 褐色に紅葉したラクウショウ(落羽松;ヒノキ科スギ亜科ヌマスギ属)の大樹。北米原産の落葉針葉樹ラクウショウは湿地に生育し、木元が少し水につかった状態で自生することが多く、ヌマスギ(沼杉)とも呼ばれる。


 園入口に立つ一本のメタセコイア(曙杉;ヒノキ科セコイア亜科メタセコイア属)の高木。高度の低い太陽が樹木の陰に入っています。メタセコイアはスギの先祖の落葉針葉樹。絶滅したとされていたが、戦後中国四川省で生息が確認され、その後わが国に伝来。


 黄葉のシナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)。中国中南部からベトナム高地に自生する落葉高木。ユリノキ属はユリノキとシナユリノキの2種のみで北アメリカと中国に隔離分布する。


 ベニコブシ(紅辛夷;モクレン科モクレン属 Yulania亜属)の晩秋の黄葉です。ベニコブシは本州中部の東海地方などに分布する落葉小高木。日本に自生するシデコブシの変種。3月~4月、葉の展開に先立って淡紅色の花が咲く。


 鮮やかに紅葉したヤマハゼ(山櫨;ウルシ科ウルシ属)。関東地方以西~沖縄の山地に自生する落葉小高木。樹姿などがハゼノキによく似ていて、山地に生えるハゼノキということから和名が由来。


 中国、台湾及び東南アジアを原産とし、東アジアの温暖な地域に自生する落葉高木のカイノキ(楷樹;ウルシ科カイノキ属)。枝ぶりが整っていることから、楷書にちなんで名がついたとされる。秋には美しく紅葉します。


 北海道を中心としたわが国全域の山地に分布する落葉高木のハリギリ(針桐;ウコギ科ハリギリ属)。かつては下駄材として北海道から本州に出荷されてきた。カエデ状の葉が黄葉していました。


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2022年11月19日 (土)

中伊豆の旅(修善寺、浄蓮の滝、韮山など)


 このたび修善寺温泉に宿泊し、中伊豆地方(修善寺、浄蓮の滝、韮山など)をドライブしてきました。長いコロナ禍で巣ごもり生活が続いていたので久しぶり遠出になりました。やはり旅行はいいですね。気分が晴れます。これからはコロナの状況を見ながらも、少しずつ足を延ばして行きたいと思います。
 以下、ドライブで回った中伊豆(修善寺温泉、浄蓮の滝、韮山反射炉)の風景を紹介します。

<修善寺温泉>

 伊豆市修善寺に建つ曹洞宗の名刹修禅寺。修禅寺の周りに修善寺温泉郷が広がる。もともと修禅寺は807年弘法大師に依って真言宗の寺院として開創されたもの。鎌倉幕府2代将軍の源頼家が当寺に幽閉されたとしても知られています。


 修善寺温泉の宿泊は新井旅館。明治初期の1872年に開業し、建物の多くが国の登録文化財に指定されている。芥川龍之介 、島崎藤村、川端康成、正岡子規、横山大観、前田青邨などの多くの文人墨客たちが訪れています。


 修善寺温泉郷は伊豆半島ジオパークの一つ。温泉郷を流れる桂川の川床には火山活動による大きめ岩がゴロゴロしています。


 温泉郷には散策路が設営されていて多くの観光客や宿泊客で賑わっています。散策路の中に背の高い青竹が立ち並んぶ竹の小径は京都嵐山の竹林を彷彿させます。

<浄蓮の滝>

 約1万7000年前の伊豆東部火山群の噴火による溶岩流の末端部(伊豆市湯ヶ島)にできた名瀑、浄蓮の滝。伊豆半島ジオパークの一つです。滝の横には溶岩が冷えて収縮する際にできる柱状の岩(柱状節理)がくっきりと見えます。迫力ある滝と柱状節理がおりなす景観は見事です。


 浄蓮の滝から流れ出る水流は狩野川として伊豆半島を縦走しています。浄蓮の滝付近の渓流ではアマゴとニジマスの釣りが盛んです。また、滝の下流に少し進むと、湧水を利用したわさび沢が広がっています。

<韮山反射炉>

 江戸幕末期、外国の脅威に対すべく中伊豆の韮山の地に建造が進められた韮山反射炉。反射炉とは、銑鉄などの金属を溶かし大砲などを鋳造するための溶解炉のことで、韮山反射炉は、実際に稼働した反射炉として国内で唯一現存するもの。


 韮山反射炉の建造は江戸湾海防の実務責任者だった韮山代官の江川英龍とその子英敏によって進められ、安政4年(1857年)に竣工。鉄製18ポンドカノン砲や青銅製野戦砲などの西洋式大砲が鋳造されました。韮山反射炉は明治日本の産業革命遺産として世界遺産に登録されました。明治以降のわが国の製鉄業の発展の礎を築いたもので、先人の多大な尽力に頭が下がる思いです。

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2022年11月11日 (金)

11月の小石川植物園、徐々に紅葉・黄葉始まる

 11月に入って朝晩は冷え込みを感じるようになってきましたが、日中は比較的暖かめの天気が続いています。11/10に小石川植物園を回ってきました。木々の紅葉・黄葉は例年に比べ、やや遅めの感じでしたが、それでも、アメリカスズカケノキ、ナンキンハゼ、カツラなど徐々に紅葉・黄葉が始まっていました。


 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がるとソメイヨシノの桜並木が広がっています。春の満開時には大勢の人出で賑わいますが、晩秋の紅葉も見応えがあります。


 ヨーロッパ原産の落葉高木イタリアヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属)の黄葉。わが国では北海道~九州に分布する。 セイヨウハコヤナギ(西洋箱柳)やポプラとも呼ばれる。美しい箒状の樹形が特徴的で、街路樹、庭園木、防風林などに多く用いられる。晩秋の植物園では、ポプラの黄葉と樹木に絡むナツヅタの紅葉のコラボが見られる。


 北米東部原産の落葉高木のアメリカスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。わが国へは明治時代に渡来し、巨木が多い。花期は4月~5月で球形の花序がぶら下がる。互生する広卵形で掌状の大きな葉は切れ込みが浅い。晩秋の褐色の紅葉の景観は迫力があります。


 中国・台湾原産の落葉高木ナンキンハゼ(南京櫨;トウダイグサ科ナンキンハゼ属)の紅葉。夏にあまり目立たないの花序がツンツンと木枝から飛び出し、晩秋に美しく紅葉します。庭木、街路樹、公園樹に用いられる。木の実は種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)。初夏には紅白の花、秋には紅葉を楽しむことが出来ます。庭木や街路樹として利用されている。北米原産でわが国のヤマボウシに似ることからアメリカヤマボウシともいう。


 ハゼノキ(櫨の木;ウルシ科ウルシ属)の紅葉。ハゼノキは関東以西の本州、四国、九州・沖縄、小笠原諸島に自生する落葉小高木。木枝から垂れ下がる房状の黒い実から木蝋を採り、それまで木蝋の主原料であったウルシの果実に取って代わるようになった。


 中国原産の落葉中高木サルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)。代表的な夏の花木で花期が長く、炎暑下の強い日差しの下であざやかな深紅の花が咲き続けます。花の後に実が付き、秋には黄葉が見られる。


 日本各地に分布する落葉高木カツラ(桂;カツラ科カツラ属)。開花期は3月~5月で雌雄異株。葉は対生でハート形の円い形状が特徴的。秋には美しく黄葉し、落葉になると甘い香りを呈する。少し離れた所からでもカツラの存在に気がつきます。街路樹や公園樹に利用される。


 氷河期生き残りの樹木といわれるハナノキ(花の木;ムクロジ科カエデ属)。日本固有種で雌雄異株の落葉高木。3月下旬~4月初旬にかけて葉の展開に先立って開花し、紅色の雌雄の花が早春の里山を美しく彩る。秋に美しい黄葉が見られる。


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