貴重な山野草が生えるロックガーデンが期間限定公開中

天気が良くなってきた3月初旬、小石川植物園をぶらぶらと散策してきました。 普段は立入禁止区域になっている園内のロックガーデン(山地植物栽培場)がたまたま期間限定の公開中になっていてラッキーでした。ロックガーデンの公開はおそらく今回が初めてだろうと思います。この日はフクジュソウ、セリバオウレン、キクザキイチゲなどが開花していました。また、園内の他の区域ではカンヒザクラ、シナミザクラ、サンシュユなども木々の花々も咲き出していました。

ロックガーデンの様子です。これは北海道から九州にかけて分布し山林に生育する球根植物のフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)。早春に忘れずに咲き出し、まぶしいような黄金色を放ちます。寄せ合って咲くので、ほのぼのとした家族のようにも見えます。春の妖精の仲間。

セリバオウレン(芹葉黄蓮;キンポウゲ科オウレン属)。日本固有種で本州、四国に分布し、山地の樹下に自生する山野草。早春に8~10個の花弁をもつ小さな白い花が咲きます。小葉がセリ(芹)の葉に似ることから和名が由来。

本州近畿地方以北から北海道に分布し、落葉広葉樹林の林床などに生育するキクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。葉が元気に上向いている感じで、ちょうど菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴。キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)とも呼ばれる。春の妖精の仲間。

ロックガーデン以外の草むらでも多くの春の野の花を見かけるようになってきました。アマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)が咲き出してきました。個体数は多くないのですが、園内散策路の道ばたで花を見かけました。まるで小さなチューリップのように可憐な花です。本州東北地方南部以南、四国、九州、奄美大島に分布する球根植物。春の妖精の仲間。

ハナニラ(花韮、西洋甘菜;ヒガンバナ科イフェイオン属 or ハナニラ属)。南米原産、明治時代に観賞用として帰化した球根植物。ハナニラの清楚な白い花が咲き出してきました。これから植物園内の各所に咲き広がります。花の形がアマナに似ることから、セイヨウアマナ(西洋甘菜)とも呼ばれます。

中国原産の一年草オオアラセイトウ(諸葛菜、紫花菜;アブラナ科オオアラセイトウ属)の紫色も花を数輪見かけました。4月頃には紫色の菜の花のような花が草むらを覆うようになります。わが国へは江戸時代に栽培用として導入されたが、繁殖力が強く野生化しています。

木々の花もにぎやかになってきました。これはカンヒザクラ(寒緋桜;バラ科サクラ属サクラ亜属カンヒザクラ群)です。盛んに咲き出していました。沖縄に自生し、日本のサクラの基本野生種の一つ。満開になった濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えます。

中国原産のシナミザクラ(支那実桜;バラ科サクラ属サクラ亜属シナミザクラ群)。関東以南の暖地に分布する落葉商工ボク。カラミザクラ(唐実桜)ともいう。3月頃にひそやかな落ち着いた感じのウメに似た花が咲き、普通のサクラとは少し趣が異なる。薬草園の近くで見られる。

サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)の黄色の花を林の中で見つけました。中国及び朝鮮半島を原産とする落葉小高木。新葉の展開前、3月に無数の黄金色の花が大空に吹き出すように広がり、ハルコガネバナとも呼ばれます。観賞用として庭木などに利用される。
詳しくは
→ 季節のスケッチ(2023年3月)
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