コブシ、ベニシダレ、シナミズキなどの木々が次々と満開
このところ初夏のような暖かい日が続き、早くも東京の桜開花が発表されました。この日小石川植物園を回ってきましたが、コブシ、ベニシダレ、シナミズキなどの木々が次々に満開になっていました。まさに春爛漫の季節到来の感があります。また、公開中のロックガーデンでは、カタクリやヒロハノアマナなどの春の妖精の花々も咲き出してきました。
北海道から九州まで広く分布する落葉高木コブシ(辛夷;モクレン科モクレン属 Yulania亜属)。この時期に白い花が満開になり、春の訪れを謳歌するかのように青空の中で花が乱舞します。花は小枝の先につき、ひらひらの白い6枚の花弁をもつ。開花の後、新緑が芽吹きます。
温室前の草原にそびえ立つベニシダレ(紅枝垂)が満開になっていました。枝垂桜(バラ科サクラ属サクラ亜属エドヒガン群)の淡紅色の品種。枝垂れた様子が艶やかです。
中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。細い枝がよく分枝し株立ち樹形を成しています。この時期、青空の下に無数の黄色の花が点描されるかのように一斉に咲き出し、壮観な眺めです。
林立するメタセコイア(曙杉)の風景です。まだ冬木立のメタセコイアの手前では、灌木状になったチョウセンレンギョウ(朝鮮連翹)の黄色の花が満開になっていました。
2月頃からユキワリイチゲ、フクジュソウなどの春の妖精と言われる植物が姿を見せ始めていますが、いよいよ春の妖精の代表格のカタクリ(片栗、堅香子;ユリ科カタクリ属)の花が咲き出しました。まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようにも見えます。
日本固有種で関東地方から近畿地方、四国に分布するヒロハノアマナ(広葉の甘菜;ユリ科アマナ属)の花を園内のロックガーデンで見つけました。花茎の先に6個の花弁と6本の雄しべを有する可憐な白色の花が咲いています。幅が広めの葉の中央に白線模様が特徴的。絶滅危惧II類、春の妖精の仲間。
ツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)の小さな花を見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調のスミレです。元々九州地方に分布するスミレだが、園の研究用のものが野生化したと言われています。
詳しくは
→ 季節のスケッチ(2023年3月)
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