猛暑去り、秋の香りが広がる小石川植物園

10月中旬、園内をぶらぶら散歩してきました。長く続いた厳しい残暑がようやく去り、小石川植物園の園内に秋の香りが広がってきました。日本庭園の大池辺りにキンモクセイの大樹が生えています。緑葉の中の橙色の花はあまり目立たないのですが、近づいてよく見ると満開になっていて、心地良い芳香を周りに漂わせていました。まさに秋の香りです。また、イチョウ、マチバチシャノキ、ハゼノキなどの秋の木の実をあちこちで見かけました。

植物学者の平瀬作五郎による精子発見で有名な精子発見の大イチョウの大樹は、まだ夏木立の様相です。ただよく見てみると、黄葉やイチョウの実が散見されます。イチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)は中国原産の落葉高木。晩秋の黄葉は見事で街中が黄金色に輝きます。各地で公園木や街路樹として多く用いられる。

緑葉の木枝につく黄色のイチョウの実。秋に実が熟し、木の下に落ちた臭い実から美味しい銀杏(ぎんなん)ができる。

マルバチシャノキ(丸葉萵苣の木;ムラサキ科チシャノキ属)。関東以西の本州、四国、九州及び沖縄に自生する落葉小高木。この季節、多くの黄色の実が塊状になって木枝の随所に付く。この実はバナナような風味があり、食用になる。

ハゼノキ(櫨の木;ウルシ科ウルシ属)。関東以西の本州、四国、九州・沖縄、小笠原諸島に自生する落葉小高木。木枝からたわわに垂れ下がる房状の黒い実から木蝋を採る。 ハゼノキの葉はこのアト美しく紅葉する。

モッコク(木斛;モッコク科モッコク属)。千葉県以西~九州、南西諸島に分布し、暖地の海岸近くの山地に自生する常緑高木。花の後の果実は秋になると赤く熟す。熟すと厚い果皮が不規則に裂けて、橙赤色の種子が露出する。

北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)。わが国のヤマボウシに似ることからアメリカヤマボウシともいう。この頃になると、木枝に赤い実がつく。

サイカチ(皀莢;マメ科ジャケツイバラ亜科サイカチ属)。日本固有種で本州から九州の山野や川原に自生する落葉高木。秋の豆果の種子は漢方の皀角子(さいかくし)として利尿や去痰の薬に用られる。サイカチの和名は皀角子に由来。
詳しくは
→ 季節のスケッチ(2023年10月)
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