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2024年4月

2024年4月24日 (水)

ソメイヨシノ満開の後、色とりどりのツツジが主役


 ソメイヨシノ満開の後の主役はツツジになります。日本庭園の赤い建物の周りの植込みのツツジも美しく咲き出しています。この時季、ツツジ園や散策の道沿いなど園内至る所で満開のツツジを見かけます。


 園内では色とりどりのツツジ(ツツジ科ツツジ属)が沢山咲いていました。この植込みはヒラドツツジ(平戸躑躅)の園芸品種の大紫(おおむらさき)です。ヒラドツツジはケラマツツジキシツツジなどいくつかのツツジから長崎県の平戸地方で作出された園芸品種群。


 キリシマツツジ(霧島躑躅)の園芸品種の日の出霧島(ひのできりしま)です。キリシマツツジは4月から5月頃に小ぶりの花を開花させる常緑低木のツツジ。鹿児島県下の霧島山の山中に自生するツツジの中から江戸時代初期に作出され、園芸品種が多い。


 オオヤマツツジ(大山躑躅)の園芸品種の錦の司(にしきのつかさ)。オオヤマツツジは関東周辺の日当たりのいい山地に自生する常緑低木のツツジ。ヤマツツジよりも花や葉が大きい。ヤマツツジの仲間。


 ジングウツツジ(神宮躑躅)。東海地方の蛇紋岩地帯に生息する落葉低木のツツジ。伊勢神宮の神域から発見されたことから和名が由来。浜松市内の渋川に群生地があるため、シブカワツツジ(渋川躑躅)の別名あり。春に気品ある花を咲かせることから庭木として利用される。ミツバツツジの仲間。


 ランダイヒカゲツツジ(巒大日陰躑躅)。台湾原産で高雄山などの高山の林地に生える常緑低木のツツジ。4月~5月にかけて赤い斑点が入った淡い赤紫色の花を咲かせ、長い雄しべが5本付く。ヒカゲツツジゲンカイツツジと同じ仲間。


 セイシカ(聖紫花、八重山聖紫花)。沖縄の八重山地方(石垣島や西表島)に自生するツツジ。八重山聖紫花ともいう。川沿いの林内や林縁の岩上に生育する。巨樹のクスノキの緑を後景にして、沢山の花が木全体に咲き広がって壮観です。これ以外にも園内では多くのツツジが美しく咲いていました。


 巨木並木の春の風景です。日に日に緑が濃くなってきます。スズカケノキユリノキケヤキなどの巨木が数多く立ち並んでいます。林立する巨木の下から大空を見上げる風景は圧巻で、まさにパワースポットそのものです。


 巨木並木の区域から少し奥に進むと、ヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)が満開になっていました。対馬地方、木曽川流域、岐阜県東濃地方などに限定的に自生する落葉高木。この時季に開花し、枝先に集散花序をつけ多数の花が咲きます。まるで高木全体が雪で覆われているような景観です。


 イヌザクラ(犬桜;バラ科サクラ属ウワミズザクラ亜属)。山地に生育する落葉高木。5月頃に枝先のブラシ状の総状花序に多くの白い花を付けます。サクラ亜属のいわゆるサクラの仲間とは花の形状が異なります。シロザクラの別名があります。


 タブノキ(椨の木;クスノキ科タブノキ属)。東北地方~九州・沖縄に分布する常緑高木。潮風、強風、大気汚染に強く、海岸近くに多く見られる。枝先の葉腋に円錐花序を出し、あまり目立たない黄緑色の花がたくさん咲いています。


 詳しくは
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2024年4月11日 (木)

4月上旬の小石川植物園、ソメイヨシノがやや遅めの満開



 今年はソメイヨシノの開花を目前にした3月下旬になって冷え込みが続くようになり、開花時期が遅れ、ソメイヨシノの満開は4月上旬になりました。花見を待ちかねた大勢の人たちが桜の木の下に集っています。最近は災害とか戦争とか穏やかならざる出来事が頻発しているので、このような見慣れた花見の光景に出会うと、ふと心が和みます。小石川植物園ではサクラ以外にもいろんな木々の花々や新緑があふれ、美しい季節の到来を実感します。


 ようやく満開になった4/4のソメイヨシノ(染井吉野;サクラ亜属エドヒガン群)。あいにく曇天でしたが、多くの人が押しかけていました。いつもながらサクラの花の圧倒的なボリュームには感動させられます。


 ベニシダレ(サクラ亜属エドヒガン群)の見事な景観です。シダレザクラの淡紅色の品種。ここに植えられて、まだ10年未満だと思うのですが、順調に生育しています。


 4/4の満開の後、強風が吹く悪天候の日があって心配でしたが、4/10時点のサクラ並木には、まだ花がかなり残っていました。


 しかしサクラ並木の樹下を見渡すと、このように散った桜の花が絨毯のように地面に敷き詰められていました。


 日本、中国などが原産の常緑高木トキワマンサク(常盤満作;マンサク科トキワマンサク属)。満開になった大樹がひも状の白色、淡黄色の無数の小さな4弁花に覆われます。樹木を見上げると、まるで滝のように花が流れている感じになります。


 東北地方南部~沖縄まで分布する常緑高木モチノキ(黐の木;モチノキ科モチノキ属)。大樹の木枝に無数の黄緑色の花が束になって咲いています。


 イロハモミジ(いろは紅葉;ムクロジ科カエデ属 )の鮮やかな新緑です。東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木。秋の紅葉の代表格ですが、この時期の新緑も見事です。


 イロハモミジの新緑に覆われた木枝をよく見ると、暗紫色の小さな花がたくさん咲いています。この花は風媒花で5弁花。俳句では花楓とかもみじ咲くなどと詠む。


 園内を散策していると、林の中で珍しい樹木を見かけました。コブシモドキ(辛夷擬、這辛夷;モクレン科モクレン属シモクレン節)が数輪の花を付けていました。日本固有種の落葉低木でコブシの品種とされる。葉の展開に先立って大きめの白い花を咲かせています。


 コブシモドキは1948年に徳島県相生町で1個体のみが発見されたが、その後、野生種が見つからず野生絶滅(EW)とされている。コブシが2倍体であるのに対し、コブシモドキは3倍体で結実しないので、現在は挿し木で増やしたクローン株が国内数ヶ所に生えているに過ぎないとのこと。


 本州西部の太平洋側、四国、九州に広く分布する常緑高木クスノキ(樟、楠;クスノキ科ニッケイ属)の巨木。鎮守の森の主のようにそびえ立っています。常緑樹ですが、そろそろ新葉と入れ替わります。


 メタセコイア林の春の風景です。園入口から左方に曲がって少し進むと、天空に向かって直伸するメタセコイアが林立しています。この時期、うっすらと新緑が吹き出してきました。


 詳しくは
  → 季節のスケッチ(2024年4月) Archive

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