季節・風景・植物

2017年2月12日 (日)

梅林ではメジロが飛び回り、枯葉の下からユキワリイチゲが地表へ


 三寒四温と言われるように寒暖の差が大きいこの頃ですが、2月中旬のこの日(2/12)は青空が広がる春暖の一日でした。


 梅の香りに誘われて小石川植物園の梅林に立ち寄ってみると、多くの梅の木に紅梅、白梅の花が賑やかに咲き出していました。メジロも盛んに花を求めて飛び回っていました。この白梅の品種名は都錦(みやこにしき)。


 珍しい梅の花も咲いていました。ふわふわした形状の黄色の花を付ける黄梅(おうばい)です。花の形は梅でなくてマンサクに似ていますが、木の枝ぶりを見るとやはり梅の木です。


 梅林では新年からいろんな梅の花が次々と咲き出しています。この白梅は玉英(ぎょくえい)。


 唐梅(とうばい)。木枝の曲がり具合に独特な趣があります。


 大盃(おおさかずき)。


 豊後(ぶんご)。


 月宮殿(げっきゅうでん)。


 春の野の花も少しずつ増えてきました。この日は、スプリング・エフェメラル(春の妖精)の仲間を見つけました。ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属、別名:ルリイチゲ)の可憐な白い花が、春の陽光を受けソロリソロリと枯葉の下から咲き出してきました。


 オオキバナカタバミ (大黄花片喰;カタバミ科カタバミ属)が園入口近くに群生しています。その場所を覗いてみると、大きめの黄色の花が明るく咲いていました。オオキバナカタバミは葉の紫の斑点に特徴があります。


 散策路で一輪のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)の花がひっそりと咲いていました。これから薄紫色の可憐な花が園内のあちこちに咲き出します。コスミレは全国各地に自生する多年草で草丈は低く、5cm~10cm程度です。


 ハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花を草むらで見つけました。春の七草の一つのハコベは、「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 と島崎藤村の千曲川旅情の詩にも登場します。


 この時期はまだまだ冬木立が見られます。この高木ははヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)です。5月頃になると白い花で満開となり、まるで白い粉雪で覆われているような壮観からナンジャモンジャの異名があります。


 中国原産の落葉高木キジュ(喜樹; ヌマミズキ科カンレンボク属)の冬木立。緑衣の夏木立も趣があります。キジュの果実や根に含まれるカンプトテシンというアルカロイドには制癌作用があるとのこと。


 これ以外にも、いろんな園内の写真があります。
    …> 季節のスケッチ(29年2月)




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2017年1月 7日 (土)

新年の青空の下にロウバイ、ウメ、ツバキなどの早春の花々



 新年に入って最初の週末の土曜日、小石川植物園に出かけてきました。快晴の冬空が広がり清々しい冬の香りが満ちあふれる園内では、一面に冬木立が立ち並んでいましたが、その中でロウバイ、ツバキ、ウメなどの早春の花々が咲き出していました。

(立ち並ぶ冬木立)
 園内には落葉樹の大樹、巨木が数多く生えていますが、この季節はこれらの立ち並ぶ冬木立の風景を楽しむことが出来ます。すっかり落葉しているので、木々の樹形や木枝の付き具合、木肌の色合いなどの樹木の素顔がよく分かります。冬木立からやがて新緑、万緑、紅葉そして再び冬木立へと木々のサイクルが動き始めます。


 園入口付近の坂道からの眺望です。冬木立のソメイヨシノの後方には高層ビルなどの街並みが広がっています。


 入口から日本庭園の方へ向かうと、真っ先に直立して天空めざして伸びるようなメタセコイア林が目に飛び込んできます。一ヶ月前の褐色の様相とは様変わりです。


 メタセコイア林から少し先に進んだ所にある小さな池の周りの冬木立の風景。左からラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属)、イタリアヤマナラシ(ヤナギ科ヤマナラシ属、別名セイヨウハコヤナギ;いわゆるポプラ)、常緑樹ユーカリ(フトモモ科ユーカリ属)の高木です。


 古井戸付近のツツジ園から見える精子発見のイチョウ(右)とニレ科のウルムス・プロセア(左)の大樹の冬木立。4月に入ると新緑に覆われるようになります。


 ツツジ園の奥の方の巨木並木にあるモミジバスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)の冬木立。壮観な眺めです。右手前は、まだ残っているロウヤガキの果実。

(早春の季節の花々)
 冬木立が園内一面に立ち並ぶ白黒の世界のようですが、その中でロウバイ、ウメ、ツバキなどの早春の季節の花々が咲き出していました。

 新年早々に咲き出す迎春花のロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花が今年も可憐に咲いていました。まるでロウ細工のような黄色の小さな花です。園入口付近に咲いているのですが、小さい花なので気が付かないで通り過ぎてしまう人も多いようです。


 ロウバイの隣にソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花もポツポツと咲いていました。花全体が黄色で中央部の色の変化のないのが特徴です。


 日本庭園の一角に園芸品種約50種100株が植えられている梅林があります。大部分の梅の木はまだつぼみの状態ですが、少しづつ開花し始めてきました。この咲き出した白梅の園芸種には長寿(ちょうじゅ)の名が付いています。


 扇流し(おうぎながし)の名が付くうす紅色のウメの花。


 紅梅の寒衣(かんごろも)。


 古井戸の近くのカンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)も開花し始めていました。カンザクラの仲間ですのでそもそも早咲きの桜ですが、高めの気温が続いたせいか今年は少々早めの開花だと思います。


 古井戸の近辺にツバキ園があります。中央部に常緑のクスノキの巨木が生えています。ツバキ園にはいろんな品種のツバキの花が年明け頃から咲き出します。この白いツバキの花は大城冠(だいじょうかん)の品種名がついています。


 この真紅のツバキの花の品種名は朝鮮椿(ちょうせんつばき)です。これ以外にも、多くのツバキの花が咲いていました。


 ニホンズイセン(日本水仙;ヒガンバナ科スイセン属)も新春の花です。柴田記念館の裏側の空き地に群生して咲いていました。真ん中の黄色の部分がアクセントになっています。

 これ以外にも、いろんな園内の写真をアップしました。
    …> 季節のスケッチ(29年1月)

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2016年12月 4日 (日)

12月初旬の小石川植物園は鮮やかな紅葉・黄葉風景


 いよいよ年末の12月に入りました。最初の週末(12/3-4)は、先月下旬に初雪をもたらした寒波も遠ざかり、温暖な小春日和の天候でした。絶好の散策日和ということで、自宅近辺の紅葉見物に出かけてきました。小石川植物園や丸の内、本郷などの都心の街中は、ちょうど紅葉・黄葉の真っ最中で美しい風景との出会いに感動の連続でした。


 園の入口付近のメタセコイア林の風景です。相当にメタセコイア(スギ科メタセコイア属)の褐色が濃くなってきました。


 この日はイロハモミジ(いろは楓;カエデ科カエデ属)の紅葉が目を見張るように鮮やかでした。ここは大温室(工事中)の近くのイロハモミジの小径です。真赤なトンネルに変貌していました。


 古井戸の奥の方の林間地にもイロハモミジの木が生えています。すぐ近くの大樹の幹を背景にしてモミジの紅葉が空中に点描されているようです。


 また、周りの黄葉とのコラボレーションも見事です。



 日本庭園の手前の池の周りのメグスリノキ(カエデ科カエデ属)の大樹が生えています。散策路から少し外れているので気が付きにくいのですが、この日は驚くほど真赤に染まっていました。日本に自生するメグスリノキは、その名の如く葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に良いと言われています。


 メグスリノキの近くの空間の風景です。橙色のイヌブナ、黄色のヨーロッパカエデ、真紅のイロハモミジが調和して輝いていました。


 ハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)もまだ紅葉が残っていました。


 サクラの木々の紅葉も見事です。イロハモミジの小径にオオシマザクラの木も交じっているのですが、鮮やかな橙色に紅葉していました。


 サクラの木の下はこのように褐色、黄色の落葉で一面覆われていました。重なった落葉を踏みしめてサクサクと歩くのも心地よいものです。


 フウ(楓;マンサク科フウ属)の高木の黄葉も鮮やかでした。黄葉が宙を舞っているようです。フウは中国・台湾原産の落葉高木で、木の葉の形が同じ漢字名をもつカエデに似ています。


 フウの高木の周りはスズカケノキ、ボダイジュ、ケヤキなどの巨木、大樹などが立ち並んでいます。この空間の一角の風景です。紅葉、黄葉、落葉などこの季節の風情たっぷりでした。


 園の入口近くのイチョウ(イチョウ科イチョウ属)の大樹の黄葉風景です。大迫力です。


 最後に日本庭園の一角の赤い建物(旧東京医学校)の眺望です。右手前は先月見事に紅葉していたナンキンハゼですが、落葉がだいぶ進んでいました。やがて、園全体の木々が冬の装い(冬木立)に変貌していきます。

 上記以外の美しい風景の写真もアップしています。
     …> 季節のスケッチ(28年12月)

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2016年12月 3日 (土)

12月初旬、黄金色に輝く都心のイチョウの黄葉


 小春日日和の12月初旬の週末は、都心のイチョウの木々も見事に黄葉し、黄金色に輝いていました。


 本郷通りに面する東京大学正門を入ると、奥の安田講堂まで黄金色のイチョウ並木が続いています。安田講堂の時計台がイチョウの黄葉のすき間から垣間見えます。


 工学部6号館の前の中庭に、日本の機械工学、造船業の発展に貢献したCharles Dickinson West の像が設置されています。わが国は明治維新後、殖産興業を目指し海外から多くの研究者・技術者を招聘しましたが、Charles Dickinson West はその一人。アイルランド生まれで、英国のバルケンヘッド造船所設計技師長から明治15年に来日。以降25年間、東京帝国大学で船舶用機関学を担当し、海軍や民間の造船技術者を養成。


 Charles Dickinson West の像が設置されている工学部6号館の前の中庭の真ん中にイチョウの大木が生えています。この時季は美しく黄葉し、格好の撮影スポットになっています。


 重要文化財に指定されている朱塗りの東大赤門です。江戸時代、加賀藩が将軍家から姫を正室に迎えた際に建立された建造物。赤門の周りのイチョウの木も黄葉が見頃でした。


 丸の内の和田倉門交差点付近の風景です。東京駅から皇居前までの行幸通りの街路樹にイチョウの木が用いられています。


 この時期、イチョウの黄葉と周りの高層ビル群とが美しくコラボしています。この高層ビルは東京海上日動の建物です。


 和田倉門交差点付近の皇居外苑地区の一角に和田倉門噴水公園があります。オブジェと噴水もすっかり晩秋模様に囲まれていました。


 和田倉門交差点を南北に走る通りが日比谷通りです。この日比谷通り沿いには、ヤナギやイチョウの街路樹が植えられています。


 日比谷通りを北に進むと、お茶の水の聖橋付近に屋根の丸みが特徴的なギリシャ正教会の建物のニコライ堂が建っています。この付近の街路樹もやはりイチョウの木で、ニコライ堂が黄金色に輝いていました。


 四ツ谷駅近くの迎賓館赤坂離宮も晩秋の風情です。迎賓館は明治時代、一流建築家や美術工芸家が総力を挙げて建設した日本における唯一のネオ・バロック様式の西洋風宮殿建築で、世界各国からの国賓、公賓がこの迎賓館に宿泊します。迎賓館では接遇に支障のない時期に、館内を一般に公開しています。

 …> 季節のスケッチ(28年12月)


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2016年11月26日 (土)

11月下旬、小石川植物園は鮮やかな紅葉・黄葉が主役


 11月下旬は重大な気象の出来事が相次ぎました。まず22日朝方に福島県などで最大震度5弱を観測し、東北地方沿岸に津波が押し寄せました。東日本大震災の余震だとのこと、まだまだ油断が出来ません。それから2日後の24日には強大な寒気が日本列島に南下するとともに南岸低気圧の東進と相まって、都心でも降雪を観測。11月では何と54年ぶりだそうです。
 さて、週末の26日はすっきりと晴れ上がりましたので、風邪気味だったのですが、小石川植物園内を散策してきました。鮮やかな木々の紅葉・黄葉が園内の主役でした。以下、園内の風景を紹介します。


 入口から日本庭園へ向かう途中の池の風景。水面にイチョウの黄葉やモミジの紅葉が逆さに映っていて、晩秋の風情たっぷりでした。春の時期には、この池面は新緑とサクラの花に覆われていました。



 中国原産の落葉高木ナンキンハゼ(南京櫨;トウダイクサ科ナンキンハゼ属)。無数の木の葉が秋の日差しに輝く大樹の紅葉の姿は圧巻でした。下の写真にナンキンハゼの実が見えますが、種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 ナンキンハゼに隣接する落葉小高木のハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)も美しく紅葉していました。ハゼノキはモミジ、カエデとともに山の紅葉の代名詞になっていて、四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所に生育します。ハゼノキの房状の実からロウを採取、和ロウソクやクレヨンなどに利用されます。


 イロハモミジの並木径です。まだら模様ながらも紅葉がかなり進行していました。春には心地よい緑のトンネルに変貌します。



 並木径のイロハモミジの葉の様子を観察すると、真っ赤に紅葉しているものや、まだ緑葉のもの、橙色のものなど様々です。日当り加減などに左右されるそうです。


 ヌマミズキ科の木々の紅葉も見事です。これは北アメリカの東部から南東部の湿地に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)です。真っ赤に紅葉していました。


 ヌマミズキと同属のニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉も秋の日差しに輝いていました。ニッサボクは中国原産の落葉小高木で、欧米では街路樹や庭園樹に用いられています。


 精子発見で有名なイチョウの大樹の見事な黄葉です。かつて平瀬作五郎博士がこの大イチョウを観察して動く精子を発見し、世界的に有名な研究業績になりました。イチョウの大樹の左はニレ科のウルムス・プロセアの大樹ですが、落葉が進んでいました。


 中国原産の落葉高木シナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)です。黄色や褐色に輝く無数の木の葉が大樹を覆っていました。つい見落としがちですが、初夏に小さな花を付けます。


 植物園入り口近くに生えるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の黄葉が陽光に輝き、青空に美しく映えていました。新春にはふわふわした黄色の花を咲せてくれます。


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)も黄葉が進んでいました。春になると、シナミズキの小さく房状の黄色の花が周りの空間を埋め尽くすようになります。


 ラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属:右)とメタセコイア(スギ科メタセコイア属:左)の高木が共に鮮やかな褐色に輝いていました。ラクウショウは水湿地に生育し気根を有する落葉針葉樹です。


 園入口付近のメタセコイア林。11月初旬の頃と比べるとかなり褐色が深まってきました。


 メタセコイア林のすぐ隣に咲くグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)の白い大輪の花。グランサムツバキは1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられたそうです。

 上記以外にもいろんな写真を撮りました。
           …>季節のスケッチ(28年12月)

 植物園の紅葉・黄葉は12月中旬頃まで、しばらく楽しむことが出来ます。


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2016年11月 5日 (土)

小石川植物園、11月に入り徐々に紅葉・黄葉が広がる



 11月に入ってすぐの週末は晴れ上がった秋空の下、小石川植物園で久しぶりに心地よい散策を楽しんできました。園内では徐々に広がってきた紅葉・黄葉が秋の日差しの中で輝いていました。




 園の入口から日本庭園の方に進むと、何本ものヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)の高木が集っている区域がありますが、このゾーンがヒロハカツラの黄葉で輝いていました。落葉からの独特な甘い香りと相まって壮観な眺めです。ヒロハカツラは、カツラよりも葉が丸みを帯び大きいのが特徴で、初夏の頃の緑葉の風景も美しい。


 アメリカ スズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)の巨木を見上げると、褐色の紅葉や黄葉、緑葉がまだら模様を呈していました。


 アメリカスズカケノキに隣接したユリノキ(モクレン科ユリノキ属)の巨木です。陽光に輝く黄葉が、日陰になった幹をバックによく映えていました。


 サクラ並木のソメイヨシノ(染井吉野)も紅葉が進み始めていました。抜けるような青空は写真の格好の背景になります。


 ハナミズキ(花水木;ミズキ科ヤマボウシ亜属)の紅葉。葉の表面からはくすんだ色でしかないのですが、裏側から陽光を透かして見ると真赤に輝やき出します。


 メタセコイア林の中に生えているヒッコリー(クルミ科ペカン属)の高木。部分的に褐色になった黄葉も見かけました。ヒッコリーは北米に広く分布する広葉樹で、アメリカでは、伝統的に燻製に使われています。


 晩秋には多くの木の実も見かけます。これは落葉高木イイギリ(飯桐;イイギリ科イイギリ属)。高木を見上げると真赤な木の実が房状なって、いくつも垂れ下がっていました。イイギリの赤い実は大食漢のヒヨドリの大好物です。


 クロガネモチ(黒鉄黐;モチノキ科)の大木にも赤い実が点々と沢山付いていました。クロガネモチは関東以西の山野に生える常緑高木で、庭木にも用いられます。また比較的都市環境にも耐えることから、公園樹や街路樹として植えられています。


 氷河期の生き残りといわれる落葉低木ハナヒョウタンボク(スイカズラ科スイカズラ属)の木枝を見やると、透き通った赤い珠玉のような実が静かに輝いて付いていました。よく見ると2個または3個の赤い実が繋がっています。初夏には楚々とした花を咲かせます。



 晩秋でも木々の花が咲いています。園内の古井戸の近くのあるツバキ園を覗いてみると、紅白のサザンカ(山茶花;ツバキ科ツバキ属)が咲いていました。上の写真の白花の品種名は雪山、下の赤花は根岸紅です。


 同じツバキ園の一角では茶の園芸種で主に観賞用に栽培されるベニバナチャ(紅花茶;ツバキ科ツバキ属)が淡紅色の小柄の花を咲かせていました。


 キク科の花も幾つか見かけました。これはコンギク(紺菊;キク科シオン属)の小さな可憐な花です。コンギクが野生化したのがノコンギクで、ごくありふれた野菊の1つ。道ばたでもよく見かけます。


 各地の山中の岩場に生える多年草イワギク(岩菊;キク科キク属)。マーガレットの花を小さくしたような白い花を咲かせていました。


  ツワブキ(石蕗;キク科ツワブキ属)が鮮やかな黄色の花を咲かせていました。 ツワブキはツヤツヤとした葉が特徴で、形状は蕗(ふき)の葉に似ています。日本庭園の石組みや木の根元などに好まれます。


 園の入口付近に林立するメタセコイアは、まだ緑葉が優勢でした(右の黄葉はヒッコリー)。やがて年末から新年にかけて褐色に輝き直立した冬木立に変貌していきます。

 これ以外にもこの時季のいろんな風景写真があります。
   …> 季節のスケッチ(28年11月)


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2016年11月 3日 (木)

深まりつつある郷里の秋を実感


 10月末の週末、山形に帰郷してきました。山形地方は冬の足音が近づいているかのようにかなり冷え込みました。実家では急ぎこたつを引っ張り出し、暖を取りました。最近の寒さもあって平地でも紅葉・黄葉があちこちに見られ、深まりつつある秋を実感してきました。


 東根小学校の校庭にそびえる大ケヤキは樹齢1500年以上と推定され、樹高28m、幹周り16mと日本一のケヤキの巨木です。この時季、紅葉が少しづつ進行していました。



 市民の憩いの場になっている堂の前公園(上)や大森山の麓に建つ市民体育館の周りのケヤキ並木(下)でも紅葉・黄葉が始まっていました。




 東根市に隣接する天童市内に整備されている山形県総合運動公園の秋の風景です。公園には県内のすべての市町村の木を始め数百本もの樹木が植栽されていて、イチョウ、ユリノキ、カエデ、モミジなどの樹木の紅葉・黄葉を十分に楽しむことができました。



 東根は果物の産地です。特にサクランボが日本一の生産額で有名ですが。この季節はフジリンゴ、ラフランス(洋ナシ)、ブドウ、柿などがどんどん出荷されています。

 詳しくは、HPへ。
    …> 季節のスケッチ(28年11月 山形)


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2016年10月10日 (月)

体育の日の神代植物公園、多くの秋の野草が賑やか



 10月10日の体育の日、久しぶりに調布の神代植物公園を訪れました。今年は台風の影響もあって夏の暑さが長く続き、寒露の頃を迎えてようやく時候が秋らしくなってきました(例年は秋の彼岸過ぎ)。この日は暑くもなく寒くもなく格好の散策日和で、始まったばかりの秋のバラフェスタを大勢の人が楽しんでいました。

     〔園内マップ〕 → 拡大図(pdf)


 私としては美しく咲く秋バラよりも、秋の野草が賑やかに咲いていたのが強く印象に残りました。

 芝生広場の中央部に背の高いシロガネヨシ(白銀葭;イネ科シロガネヨシ属)が群生していました。この前で老夫婦がゆったりと食事をしていました。シロガネヨシはブラジル南部などのパンパス地帯に大群落を作っているのでパンパスグラスともいう。


 貴船菊や秋牡丹の別名がある可憐なシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花。白い花赤い八重咲の花は何度も見かけていますが、赤紫色の花とは初めての出会いです。シュウメイギクの名前からはキク科のように思えますが、実はキンポウゲ科の植物です。


 秋の七草の幾つかの花も見かけました。これはフジバカマ(藤袴;キク科ヒヨドリバナ属)です。花色が藤の花に似ていることから「藤袴」の名が付いたとのこと。


 これも秋の七草の一つオミナエシ(女郎花;オミナエシ科オミナエシ属)。8月頃によく見かけますが、この日も咲いていました。直立した茎の先にあざやかな黄色の花が群生して咲きます。


 やはり秋の七草のキキョウ(桔梗;キキョウ科キキョウ属)の白花。7~8月の盛夏の花です。青紫色の花はよく見かけますが、白花は珍しい。


 ワレモコウ(吾亦紅;バラ科ワレモコウ属)。秋の高原でよく見かけ、暗赤色の丸い花穂を付けます。


 全国の路傍や草むらに多く見かけるイヌタデ(犬蓼;タデ科タデ属)。子どものままごとで赤飯の代わりに使われたことからアカマンマの別名が付いています。


 ミズヒキ(水引;タデ科イヌタデ属)の赤い花も見かけました。ミズヒキの和名は、紅白に見える花序が水引に似ていることに由来します。全国各地の日陰地に自生する野草です。



 全国の草地に分布するキンミズヒキ(金水引;バラ科キンミズヒキ属)。細い花穂に黄色の花が付いています。細長い花穂がタデ科のミズヒキに似ています。


 タデ科の多年草サクラタデ(桜蓼)も花を付けていました。タデ科の仲間は地味な花が多いのですが、サクラタデは可憐なピンク色の花を咲かせます。


 面白い形状の果実を見かけました。これはツノナス(角茄;ナス科ナス属)の黄色の果実。ツノナスはブラジル原産で、独特な形の果実をつける植物です。主に観賞用として栽培されていて、生け花などにも用いられる。果実の形状がキツネの顔に似ていることからフォックスフェイスやキツネナス(狐茄子)の別名あり。


 ヒョウタン(瓢箪;ウリ科ユウガオ属)の実が成っていました。ヒョウタンはアフリカ原産で食用や加工材料として全世界に広まったと考えられています。果肉部分を除去し乾燥させた瓢箪は、土産物などとしてよく見かけますが、本物を見るのは初めてです。


 園内の樹木ゾーンではジュウガツザクラ(十月桜)の花が咲いていました。春の時期の華やかなソメイヨシノと異なり、楚々とした風情です。エドヒガン系の園芸種です。


 タイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の大木を見上げると、袋果が裂けて赤い種子がむき出しになっていました。泰山木は6月頃に威風堂々として清らかな芳香の白い大きな花を咲かせます。


 バラ園の奥の方に大温室が建っています。この大温室は本年5月にリニューアルオープンしたばかりです。


 従来からのベゴニア・ランのコーナーに加え、チリのビーニャ・デル・マル植物園の協力によりチリ植物のコーナーを増設し、またサボテン類などの貴重な乾燥地の植物や、世界自然遺産である小笠原諸島の植物の展示を拡充するなど、合計約1,300種・品種を展示しています。

 大温室に展示中の植物などは、季節のスケッチ(28年10月神代植物公園)にアップしています。





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2016年10月 7日 (金)

ススキの穂が揺れ秋の風情たっぷりの小石川植物園


 先日、東京工業大学栄誉教授の大隅良典氏が「オートファジー」の研究でノーベル医学・生理学賞を受賞し、明るい話題で国内が沸き立ちました。一方、秋晴れのここ小石川植物園もススキの穂が揺れ、秋の風情がたっぷりになってきました。


 園内のサクラ並木では、少しづつ黄葉、落葉が進んでいて、夏の木々の濃い緑とは様変わりです。園内では秋の花々、木の実なども多くみられ、秋の深まりを実感します。


 白いシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が可憐に咲いていました。シュウメイギクの名前は、キク科のようですが、実はキンポウゲ科の植物です。


 シュウメイギクには、勲章のように立派な形をした赤い花もあります。貴船菊や秋牡丹の別名があります。


 キク科の花々にチョウやハチなどの昆虫が盛んに集まっていました。これは、薄い紫色の花が優雅にたなびくシオン(紫苑;キク科シオン属)の花です。古い時代に薬草として渡来したが、現在では薬草より観賞用として多く栽培されている。


 背の高いキク科アキノキリンソウ属のセイタカアワダチソウ(背高泡立草)にヒョウモンチョウが止まっていました。セイタカアワダチソウは形状のいい黄色の花穂を付けます。北米原産の帰化植物で河原や空き地などに群生します。


 ノゲシ(野芥子;キク科ノゲシ属)の花にモンキチョウが止まり、蜜を吸っていました。ノゲシは花期は春から秋で黄色のタンポポのような花が咲きます。各地の路傍や空き地などに分布。背丈は高めです。


 山地に生える多年草カリガネソウ(雁金草;クマツズラ科カリガネソウ属)が多くの薄青紫色の小さく優雅な花を付けていました。花の形が水鳥の雁(かり)に似ています。


 北海道から九州の山野に生える多年草ナンテンハギ(南天萩;マメ科ソラマメ属)の青紫色の花。ナンテンハギは草原や林縁部など、比較的日当たりのよい場所に生えます。2枚の小葉を付けることからフタバハギの別名あり。


 秋の七草の一つのハギ(萩;マメ科ハギ属)の花です。花の形がよく似るナンテンハギは草本ですが、ハギは木本に属します。紅紫色の小さな花を細い枝に多数つけて枝垂れて咲いています。


 木の実や果実も多く見かけました。コムラサキ(クマツヅラ科ムラサキシキブ属)が紫色の実をつけていました。木の実は赤色のものが多いのですが、植物の世界は奥深いですね。


 園内には多くのイチョウの大木が生えています。この時期ちょうどイチョウの実が熟し、木の下にも多数落ちています。少々臭いが気になりますが、これから美味しい銀杏(ぎんなん)が作られるとは妙なものです。


 マルバチシャノキ(丸葉萵苣の木;ムラサキ科ムラサキ科チシャノキ属)の大樹に黄色の実の大きな塊が随所に付いていました。木の下に落ちている実の皮をむいてみると、バナナの香りに似た果肉が出てきます。


 アジア原産のヒメザクロ(姫石榴;ザクロ科ザクロ属)に小さな赤紫色の実がポツンと付いていました。ヒメザクロは6月頃に小さな赤い花を咲かせ、園芸用として栽培されています。チョウセンザクロ、ナンキンザクロなどの別名あり。


 山地の林の中などに生える多年草ヤブミョウガ(藪茗荷;ツユクサ科ヤブミョウガ属)が黒い実が点々と付けていました。葉の形がミョウガに似ていることがヤブミョウガの名の由来になります。

 これら以外にもいろんな写真があります。
     …> 季節のスケッチ(28年10月)



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2016年10月 2日 (日)

10月はコスモス、キンモクセイ、栗の実などの秋の香り


 10月2日、孫の運動会があってつくば市まで出かけてきました。運動会の合間に保育園を運営する安福寺の近辺を回って、いろんな秋の香りを見つけてきました。この日は日差しが強くすっかり日焼けしてしまいました。


 この日は晴れ上がっていましたので、筑波山のくっきりとした山並みが見えました。市内のいろんな所から眺望できます。筑波山は昔から「西の富士、東の筑波」と愛称され、朝夕に山肌の色を変えるところから「紫峰」とも呼ばれています。男体山(左)と女体山(右)の2つの峰を持ち、古くから信仰の山として栄えてきました。また山中の梅林も有名です。


 保育園を運営する安福寺は、研究学園都市駅のすぐ近くに建つ名刹。境内は広大で四季折々の花が咲き、自然豊かで心癒される場所です。


 境内の周辺では、秋の香りをたっぷりと実感できました。これは風に舞うコスモス(秋桜;キク科コスモス属)の花。コスモスは熱帯アメリカ原産で、メキシコからスペインに渡りコスモスと名づけられた。日本には明治20年頃に渡来。今や代表的な秋の風物詩です。


 黄金色に染まり特有の芳香を放つキンモクセイ(金木犀;モクセイ科)を見つけました。甘い香りが漂っているのに気づき、振り返るとそこにキンモクセイということがままあります。


 境内の周りに生えているソメイヨシノのサクラの木を見上げると、少しだけ黄葉が始まっていました。


 寺の近くの栗畑を覗くと、少しだけイガに包まれた栗の実が残っていました。栗はブナ科クリ属の木になります。ブナのドングリと違って、栗の殻の中は種子ではなく果実です。

       …> 季節のスケッチ(28年10月)


 

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