季節・風景・植物

2018年10月 7日 (日)

台風24号の被害を受けた小石川植物園

 10月に入っても相次ぐ台風の襲来など荒れ気味の天気が続いていましたが、しばらくして秋らしい落ち着いた感じが戻ってきました。


 晴れ上がった10月上旬の一日、久しぶりに小石川植物園を回ってきました。園内はこの時季ならではの秋の花々が咲き、赤く色づく木の実を見かけました。その一方で、園内の樹木が台風24号の強風で太い木枝が吹き飛ばされている状況も散見されました。



 イチョウやニレの木の巨木(上)、メタセコイア林(下)などの様子を見ると、深緑の夏木立が少しづつ色づいてきました。


 この季節ならではの花々が咲いていました。これはショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の黄色の花。形状はヒガンバナとそっくりですが、ヒガンバナより遅れて咲き出します。


 コガネバナ(黄金花;シソ科タツナミソウ属)。ロシアの極東地方からモンゴル、中国北部、朝鮮半島にかけて分布する多年草。和名からは黄金色の花を連想しますが、実際は深い青色の花です。根の断面が鮮やかな黄色をしているのが和名の由来です。


 万葉の昔から日本人に親しまれてきた秋の野草フジバカマ(藤袴;キク科ヒヨドリバナ属)です。花に虫が集まっていました。


 チベットの高地に自生する多年草シュッコンソバ(宿根蕎麦;タデ科ソバ属)を草むらで多く見かけました。質素な白い花に清楚な趣があります。


 色づいた木の実も随所で見かけました。これは柴田記念館のすぐ近くに生えるピラカンサ(バラ科トキワサンザシ属)の園芸品種のローズデール。ずっしりとした無数の木の実が赤く色づき始めました。


 日本庭園の池辺に生えているモッコク(木斛;ツバキ科モッコク属)の木に赤い実が付いていました。しばらくすると実が裂開して赤い種子が出てきます。モッコクは庭木としてよく植えられています。

  9月30日夜間から10月1日未明に東京地方に来襲した台風24号の強風が小石川植物園の樹木にも被害をもたらしました。園内を回ってみると、太い木枝が吹き飛ばされている状況が散見されました。

 これは、巨木並木ゾーンのアメリカシナノキ。



  日本庭園近くのナンキンハゼ(上)。例年11月頃になると美しい紅葉(下)が見られるのですが、今年は心配です。


 カジノキも相当に枝木がやられていました。


 また、園入口からメタセコイア林へ入る散策路の入口にヤマザクラの大木が生えていて、例年3月頃に満開の花を楽しむことができるのですが、このヤマザクラの木が見当たりませんでした。倒木したものと思われ、大変残念です。


 詳細は
   …> 季節のスケッチ(30年10月)


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2018年9月17日 (月)

秋の彼岸の頃の風物詩、真紅のヒガンバナが園内に咲き広がる

 今年の7月から9月上旬まで、日本列島全域で猛暑、台風、地震など天気が大荒れでした。関西空港が台風21号の襲来で冠水、アクセス橋が破損するなど機能不全状態に陥ったり、北海道では震度7の地震(北海道胆振東部地震)が発生し、全道がブラックアウト(大停電)したりするなど各地で甚大な被害が発生しました。近年、異常気象の度合いが大きなってきているような気がします。


 さて、彼岸の時期が近い9月中旬になってようやく天気が落ち着いてきましたので、久々に小石川植物をブラブラしてきました。園内ではこの季節の風物詩のヒガンバナが真赤に咲き広がっていました。いつも通りの季節が巡る風景に接すると、安堵した気持になります。


 ヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)は、その名の通りいつも秋の彼岸の頃に満開になります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の別名が最も有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。一方、わが国では墓地などにも植えられ、ちょうど秋の彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。


 園内では群生地のメタセコイア林の林地をはじめ、随所に咲き広がっていて、池の辺などにも咲いています。池面に逆さヒガンバナが映っています。



 日本全域に分布するヒガンバナは全て遺伝的に同一の三倍体のため、種子で増えることができず、球根を増やしながら広がります。ヒガンバナは大部分が真赤な赤色ですが、少しだけ淡い黄色、白色のものも混じっています。


 園内ではヒガンバナ以外の花も数多く咲いています。これは園入口に生える八重咲きのスイフヨウ(酔芙蓉;アオイ科フヨウ属)です。スイフヨウの花は一日花で、白色から薄赤色に徐々に変わってしぼみます


 フクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科)の黄色の花が盛んに咲いていました。海外で golden rain tree と呼ばれますが、まさにその名の通り、細かい花がハラハラと降り注ぎ、木の下の地面は黄金色のオガクズを敷き詰めたようになります。


 ハギ(萩;マメ科ハギ属)の赤紫色の花。秋の七草の一つですが、草本ではなく木本に属します。小さな花を細い枝に多数つけて枝垂れて咲いています。


 秋の草本の花もいろいろと見かけました。これは秋の七草のオミナエシ(女郎花;スイカズラ科科オミナエシ属)です。直立した茎先に細かい黄金色の花が群生して咲きます。


 ヤブラン(薮蘭;キジカクシ科ヤブラン属)の薄紫色の穗状の小さな花。草むらとか木の根元など、園内の随所に群生しています。


 全国に分布する多年草のツルボ(蔓穂;キジカクシ科ツルボ属)が園内の草むらでも群生していました。小柄でピンク色の花穂を付けています。


 つる性草本のセンニンソウ(仙人草;キンポウゲ科センニンソウ属)も繁茂していました。ふわふわとした小さな白色の花が群がって咲き、他の植物によく絡みつきます。


 これ以外にも、いろんな写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(30年9月)
   …> Photo Gallery(ヒガンバナ)


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2018年8月22日 (水)

南東北の高原風景(天元台、裏磐梯、三ノ倉など)

 猛暑の東京を避けるため、この夏は少し長めに山形に帰省してきました。日中の気温は高いのですが、朝夕は涼しく過ごしやすいと思います。そして、帰省中に南東北(山形・福島)の天元台高原や裏磐梯高原、三ノ倉高原などを回ってきました。

(天元台高原)

 磐梯朝日国立公園の域内にある天元台高原は百名山の西吾妻山の登山口になっています。米沢市から西吾妻スカイバレーを上り、白布温泉の所に天元台ロープウエイの湯元駅が見えてきます。


 湯元駅(標高920m)からロープウエイに乗ると、所要時間5分で一気に天元台高原駅(標高1,350m)に到着です。高原の上は空気も乾燥していて初秋の気配を感じました。天元台高原からリフトに乗ると、西吾妻山の大自然トレッキングを楽しむことができます。この日は時間の都合上、リフトには乗らず天元台高原を散策しました。


 高原の展望台から東北のアルプスと言われる飯豊連峰の山並みや米沢市の全景を眺望できます。



 天元台高原の花畑の風景です。いろんな花が咲いていましたが、これは多年草のヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)です。


 エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆;リンドウ科リンドウ属)も咲いていました。北海道、本州中部以北の高山の草地や林縁に自生します。

(裏磐梯高原)

 天元台高原を離れ西吾妻山を越えると、磐梯山の北側に広がる裏磐梯高原が現れます。広大な森と桧原湖や五色沼などの湖沼群を抱く美しく変化に富む高原リゾート地です。裏磐梯からから見る磐梯山の山容は、1888年の山体崩壊の跡が残った荒々しい姿になります。


 今回は裏磐梯高原の休暇村に宿泊しました。広大な敷地の中に立っていて、周辺には散策路がめぐらされています。


 桧原湖は裏磐梯地域最大の美しい湖で、磐梯朝日国立公園に属しています。明治時代の山体崩壊のプロセスで生じた堰き止め湖で、南北約18km、東西約1kmの細長い形になっています。


 桧原湖は遊覧船で楽しむこともできますし、自動車で湖の周りを一周することもできます。


 桧原湖と同時期に造られた大小30余りの小湖沼群は水質の影響や、植物・藻などにより、緑、赤、青などの様々な色彩を見せ、五色沼と呼ばれています。これはは五色沼の一つの柳沼です。五色沼自然探勝路も整備されています。

(三ノ倉高原)

 裏磐梯から西の方角に数10分ほど車を走らせると、ラーメンで有名な喜多方市に入ります。喜多方市の山間部に位置する三ノ倉高原では約250万本ものヒマワリが咲き広がっていました。息を呑むような美しい風景でした。ヒマワリは晴れ上がった暑い天気によく似合います。


 三ノ倉高原の花畑は、スキー場のゲレンデの約8ヘクタールを利用し、春には菜の花が、夏には東北最大級を誇るヒマワリが咲き誇ります。地元からも遠方からも大勢の人が続々と集まってきていました。


 ヒマワリ畑の高原からは会津盆地を眼下に眺望できます。ススキの穂先が揺らいでいました。


 三ノ倉高原からの帰りは表磐梯を通る磐越自動車道を走りましたが、表磐梯(磐梯山の南側)から見える磐梯山の山体は美しく整っています。

 詳しくは、
    …> 季節のスケッチ(30年8月 南東北)
    …> Photo Gallery(南東北の高原風景)

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2018年8月 5日 (日)

猛暑が続く8月、小石川植物園の周りを散策


 今年の夏は厳しい猛暑です。東京地方でも連日真夏日が続き、先日の台風襲来で一時的に暑さが治まったのですが、台風通過後は再び酷暑が復活。日中の外出は危険ということで、小石川植物園内の散策はしばらく控え、その代わり早朝に植物園の周りの歩道を散歩したりしています。


 わが家のベランダからの小石川植物園の日中の眺望です。真夏日の猛暑が続いていて、まさに炎天下の深緑風景です。


 植物園の周りを散歩すると、3つの門に気がつきます。まずは正門です。通常はこの正門が植物園の出入口になります。


 簸川神社の近くには、総合研究博物館小石川分園(赤い建物)の門です。この門は植物園の外周の塀の一部ですが、博物館の出入りにのみ用いられ、植物園へ入園できません。


 また、千石2丁目方面に「小石川樹木園」の看板が掛かった古門も見かけました。植物園は理学部所属ですが、この看板には農学部の文字が見えます。


 古門の傍にキョウチクトウ( 夾竹桃;キョウチクトウ科キョウチクトウ属)の白い花が咲いていました。キョウチクトウは全身有毒ということで、最近はあまり見かけません。


 塀越しにつる性の多年草カラスウリ(烏瓜;ウリ科カラスウリ属)の白い花が盛んに咲いているのが見えました。


 わが家の庭先のサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)。今年の花付きは良く盛んに花を付けています。


 以下、近所の軒先の早朝風景を紹介します。赤花、白花のサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)が見事に咲いていました。


 フヨウ(芙蓉;アオイ科 ヒメフヨウ属)の薄赤紫色の花も見かけました。


 これはバンマツリ(蕃茉莉;ナス科バンマツリ属)です。ジャスミンのような芳香があります。


 軒先の手入れされた花壇では、季節の花々が綺麗に咲いていました。

 詳しくは、
    …> 季節のスケッチ(30年8月)


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2018年7月21日 (土)

涼夏の北海道の雄大な大自然


 7月中旬、猛暑の東京を離れ、涼夏の北海道の雄大な大自然を巡る旅に出かけてきました。今回はバス旅行でしたので、富良野・美瑛、大雪山、世界遺産の知床半島、阿寒湖、釧路湿原など道東地方の名だたるグリーンスポットを数多く訪ね、大自然の景観や高山植物を楽しむことが出来ました。


(富良野・美瑛)

 今回は千歳空港からゆったりバス旅行です。まずはラベンダー畑で有名な富良野の富田ファームへ。前日までは蝦夷梅雨ということで雨が続き、花の具合が心配されましたが、目を見張る美しい紫の世界が広がっていました。ラベンダー(シソ科ラベンダー属の半木本性植物)は、昭和期には香料原料として富良野地方などで盛んに栽培されて精油が生産されたが、今では美しいラベンダー畑が観光資源となっています。


 富田ファームの「彩りの畑」では、遠方の大雪山系を背景に紫色のラベンダーや赤、黄色のキンギョソウなどが色彩豊かに整然と配置されています。この日は平日でしたが、大勢の観光客で賑わっていました。


 富良野に隣接する美瑛の四季彩の丘です。カラフルなパッチワーク柄の花畑がその先の美瑛の原野の風景と一体となって大地に広がっています。丘が広大なので、トラクターが移動用に動き回っています。


 四季彩の丘からバスで約20分で白金青い池に着きます。青い池は水中のコロラド状の粒子が作用して水面が青く見える不思議な池で、立ち枯れたカラマツや白樺の木々が幻想的な雰囲気を醸し出しています。青い池の水はブルーリバーとも呼ばれる美瑛川に注ぎ込みます。


(大雪山層雲峡)

 翌朝は大雪山国立公園の散策です。早い時間に黒岳ロープウェイに乗って、層雲峡駅から5合目の黒岳駅へ。麓の層雲峡(左2)は頂上付近に雲を抱いていましたが、案の定黒岳駅周辺は雲(霧)の中でここからの眺望は断念。大雪山の秀峰黒岳の登山は、ロープウエイ、リフトを乗り継いで7合目まで進み、そこから徒歩で登ります。


 五合目には遊歩道がめぐらされていますが、濃い霧が出ていましたので駅集辺の高山植物の花畑だけを楽しんできました。


 花畑では珍しい花々を見かけました。霧の中の遊歩道沿いにチシマノキンバイソウ(千島の金梅草;キンポウゲ科キンバイソウ属)が群生していました。


 これは多年草のミヤマオダマキ(深山苧環;キンポウゲ科オダマキ属)。北海道から中部地方以北に分布する高山植物です。


 落葉小低木のチングルマ(バラ科ダイコンソウ属)。花後、花柱が伸びて放射状に広がっています。高山の雪渓周辺の草地や砂礫地に生えます。


 層雲峡に流れる石狩川の渓流が見事な渓谷の景観を作り上げています。昨日までの雨のせいで渓流が濁流になっています。


 層雲峡は柱状節理の崖が続いていて、頂部の岩に色んな名前が付いています。この頂部は不動岩と呼ばれています。不動岩の横に渓流に流れ込む銀河の滝が見えます。


(世界遺産の知床半島)

 知床半島に入ると、まずオシンコシンの滝が見えてきます。


 道路わきの駐車場から少し階段を登っていくと、標高70メートル、落差50メートルの瀑布が現れてきます。オシンコシンはアイヌ語で「エゾマツの群生する所」の意味になります。この滝は知床半島第一の大瀑で知床八景の一つ。また、滝が2本の流れになっていることから双美の滝とも呼ばれます。


 知床半島を進んで、世界遺産の区域に入る知床五湖を訪れました。知床五湖は、知床連山を背景に原生林の中にたたずむ5つの神秘的な湖です。多くの野生動物の生息地でもあり、知床の自然の豊かさを実感できる地域になります。


 この時期はヒグマの活動期になっているので、安全な高架木道を散策して知床一湖まで行ってきました。高架木道の両脇には電流が流れていてヒグマの接近を防いでいます。危険を避けるため、一湖から先はガイドツアーに参加する必要があります。


 この地域は自然豊かな世界自然遺産知床を象徴する景勝地として知られています。広大な原野の中で小さな湿地が点在しています。今回は一湖まででしたが、山、原野、湖など知床の大自然を存分に満喫することができました。


 翌朝、ウトロ港から観光船で約45分間の知床世界遺産クルージングを楽しんできました。知床半島の海食崖や奇岩、野生動物などを船上から眺めるコースです。


 このコースではカムイワッカ湯の滝まで行って出発地のウトロ港まで戻ってきます。途中群れをなすイルカが洋上を跳ねていましたが、残念ながら写真には撮れませんでした。洋上は穏やかでしたが、写真を撮るため何度も船内やデッキを行き来しているうちに、少し船酔いしてしまいました。


 クルージングを終えて知床峠へ。前に訪れた時は濃い霧がかかっていて一寸先も見えない状況でしたが、この日は峠付近に霧がなく安堵しました。


 峠から右方にわが国の北方領土の国後島が視認できるのですが、あいにく国後島が雲の中。ただ、目を凝らすとうっすらと島影が見えたような感じでしたが。


(釧路湿原)


 釧路湿原は面積が18,000haを超える日本最大の湿原です。人の手が加えられていない自然を残すため、天然保護区域やラムサール条約登録地など様々な保護区域に指定されています。


 釧路湿原では温根内木道を散策してきました。


 木道を進むとサバンナのような草原の景観が現れてきます。またハンノキが群生する林間地もあります。一見すると何の花も咲いていない草むらのように見えますが、注意深く眺めると、そうでもありません。


 湿原内では釧路川が大蛇行しています。今までこの地に大きな災害がなかったので、大蛇行が残っているとのこと。この景観は木道からではなく、ノロッコ号の車窓からのものです。


 ホザキシモツケ(穂咲下野;バラ科シモツケ属)。赤紫色の花を木道沿いの林間地の随所で見つけました。また、ノロッコ号の車窓からもあちこちに見かけました。ホザキシモツケは涼しい気候の湿地帯に分布します。


 湿原の近くの農場で、子連れのつがいのタンチョウ(丹頂)を見つけました。正真正銘の美しい鶴の家族です。わが国では釧路湿原一体がタンチョウの有名な生息地になっています。

 今回は上記以外にも、めまんべつメルヘンの丘、網走海岸、霧の摩周湖、阿寒湖などを訪ねてきました。いろんな写真を以下のサイトにアップしています。

  …> 季節のスケッチ(30年7月 北海道)
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     知床半島  大雪山層雲峡 
     釧路湿原  富良野・美瑛


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2018年7月 4日 (水)

7月上旬、日光の大自然の中に広がる日光植物園の風景



 東京の小石川植物園の分園で 高山植物や寒冷地の植物の研究と教育を主な目的とする日光植物園は、日光東照宮近くの約10万㎡の林地に広がっています。7月上旬に日光植物園を訪れる機会がありましたが、当日は小雨がぱらつく天気模様でしたので、園内を少し回っただけで帰らざるを得なかったのが少々残念でした。


 園内の遊歩道は鬱蒼と緑生い茂る原生林の中を周回しています。大自然の中で高山植物等を観賞するような感じです。


 園内ではいろんな花を見かけました。これはナツツバキ(夏椿;ツバキ科ナツツバキ属)。別名はシャラノキ(娑羅の木)。


 わが国の山地に自生するヒナウチワカエデ(ムクロジ科カエデ属)。少し紅葉が始まっていました。


 ヒマラヤ、中国南西部などを原産とするヒマラヤキンシバイ(ヒマラヤ金糸梅;オトギリソウ科オトギリソウ属)。


 日当たりの良い岩地に生育するイブキジャコウソウ(伊吹麝香草;シソ科イブキジャコウソウ属)。伊吹山に多く自生し、芳香があります。


 本州中部の高山や亜高山の草原に多く自生するカライトソウ(唐糸草;バラ科ワレモコウ属)。シッポのような花穂が下に垂れています。


 亜高山帯、温帯の林床や草原に生育するトリアシショウマ(鳥足升麻;ユキノシタ科チダケサシ属)。北海道、本州の中部地方以北に分布します。


 北海道、本州の中部以北に分布し、深山の湿原などに自生するヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲;アヤメ科アヤメ属)。


 山地や河川敷の日当たりのよい草地に自生するトモエソウ(巴草;オトギリソウ科オトギリソウ属)。


 わが国原産で山地の草原によく見られる多年草シモツケソウ(下野草;バラ科シモツケソウ属)。

 これ以外の園内の写真もアップしています。
   …> 季節のスケッチ(30年7月)


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2018年7月 1日 (日)

ムクゲ、ヤブカンゾウ、ヤマユリなど盛夏の花々



 7月に入ってすぐの日曜日、小石川植物園を散策してきました。この日はかなり暑くなると予想されましたので、開園時間(9時)直後に入園し、急ぎ足で園内を回ってきました。園内の風景も先月と打って変わり、ムクゲ、ヤブカンゾウ、ヤマユリなどの盛夏の花々が咲き出していました。


 ムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)は夏の季節の代表的な花木です。いろんな色合いの花が随所に咲いています。風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。


 ヤブカンゾウ(薮萓草;ススキノキ科ワスレグサ属)。ノカンゾウの仲間で八重咲きの花です。この時季に草むら、樹木の根元、池の周りなど園内の随所で見かけますが、鮮やかな橙色の花がよく目立ちます。


 夏の最も暑い時期に満開となるヤマユリ(山百合;ユリ科ユリ属)。北海道と北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布します。強い香り、赤い斑点など強烈な個性を感じます。


 オニユリの変種で、黄金色のオウゴンオニユリ(ユリ科ユリ属)。花弁は強く反り返り、赤の斑点を生じる。オウゴンオニユリはもともと対馬に自生してましたが、乱獲や獣害により絶滅に近いとのこと。


 多年草キキョウ(桔梗;キキョウ科キキョウ属)の花が咲いていました。キキョウは秋の七草のひとつですが、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。


 北海道から九州に分布する多年草マツムシソウ(松虫草;スイカズラ科マツムシソウ属)の薄い青紫色の美しい花です。皮膚病に薬効があります。


 ヨーロッパ原産の多年草ハナハッカ(花薄荷;シソ科ハナハッカ属)。花に蝶が集っていました。ミントに似た刺激臭とピリッとした辛味があり、殺菌作用、鎮静作用などがあります。


 山地の林の中などに生える多年草ヤブミョウガ(藪茗荷;ツユクサ科ヤブミョウガ属)。可憐な白い花を園内の草むらの随所に見かけました。葉の形がミョウガに似ています。


 この頃は木々の夏木立も見応えがあります。落葉樹は毎年、新緑から深緑、紅葉、冬木立へと衣替えを繰り返し、この時期は深緑の緑衣をまとっています。これはユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。園内の巨木ゾーンに大樹が生えています。


 プラタナスと呼ばれることの多いモミジバスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。スズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種です。


 カツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の小さな葉が特徴的です。わが国ではブナ林域などの冷温帯の渓流などに自生します。また、街路樹や公園樹に利用されることが多い。

 これ以外にも、いろんな季節の写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(30年7月)


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2018年6月 3日 (日)

6月初旬、アジサイ、ハナショウブ、タイザンボクなどの花々が咲き出す



 6月に入った週末、小石川植物園を回ってきました。九州、四国地方は早々と梅雨入りしましたが、ここ東京は青空が広がり、やや暑いものの梅雨入り前の貴重な散策日和の週末でした。園内はアジサイ、ハナショウブ、タイザンボクなどこの時季ならではの花々を楽しむことができました。


 アジサイの仲間の花々を多く見かけました。これは各地に自生する日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)です。西洋アジサイの球状の花と違って、花序の周縁を装飾花が額縁のように取り囲んでいて、これが和名の由来となっています。装飾花が八重上になっているヤエガクアジサイの花も見かけました


 伊豆天城地方にだけ自生する アマギアマチャ(天城甘茶)です。アマチャ(甘茶;アジサイ科アジサイ属)はガクアジサイの変種です。若い葉を乾燥・発酵させてお茶にすると、甘茶になります。また、仏教の花祭りに古くから用いられています。


 タイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の大樹を見上げると、今年も大輪の白い花が咲き始めていました。いつもながら威風堂々として神々しく感じます。


 これは炎暑の夏を延々と咲き続ける代表的な夏の花木のキョウチクトウ(夾竹桃キョウチクトウ科キョウチクトウ属)の赤紫色の花です。花は美しいのですが。枝も葉もすべて有毒なので要注意。


 ゴマノハグサ科フジウツギ属のコフジウツギ(小藤空木)の花を見かけました。小さな花が凝集して枝垂れて咲いている赤紫色の花穂には、チョウがよく集まってきます。


 日本各地の林などに自生する落葉低木のムラサキシキブ(紫式部;シソ科ムラサキシキブ属)の散房花序になった淡紫色の小花を初めて見かけました。秋になると果実が美しい紫色に熟し、観賞用にも用いられています。


 東アジア一帯に分布する落葉高木のケンポナシ(玄圃梨;クロウメモドキ科ケンポナシ属)がメタセコイア林のすぐ近くに生えています。樹上に小さな白い花がぎっしりと集散花序になって咲いていました。。ケンポナシ抽出物にはアルコール臭の抑制効果があるといわれ、チューイングガムなどに利用されています。


 この季節の野の花々もいろいろと咲き出していました。これは梅雨空によく似合うハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)。日本庭園の菖蒲田に咲き出していました。白、紫、黄、薄紅などの花菖蒲の優雅な姿は梅雨時のうっとうしさを忘れさせてくれます。


 ノカンゾウ(野萓草;ススキノキ科ワスレグサ属)の花。緑の草むらの中で鮮やかなオレンジ色がよく映えます。


 マツモトセンノウ(松本仙翁;ナデシコ科センノウ属)の鮮やかな赤い花。熊本県と宮崎県の固有種で、阿蘇山の外輪山の原野に分布するナデシコ科の多年草です。


 ハタザオキキョウ(旗竿桔梗;キキョウ科)の花。旗竿のようなまっすぐな茎に、うす紫色の小さな花が連綿と付いていました。


 上記以外にも、この時季の花々や木々の緑葉等の写真を沢山アップしています。

  …> 季節のスケッチ(2018年6月)
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2018年5月28日 (月)

新しい植物分類体系への対応


 季節のスケッチでは、植物の名前を表示する場合、できるだけ科名と属名も記入するようにしています。科名と属名の情報源は、植物園内の名前の表示板、植物事典、植物に関するWEBサイト、ウィキペディアなどになっていますが、科名について必ずしも統一されていないことが気になっていました。


 そこで、この件につき少し調べてみると、近年になって新たな植物分類体系の導入が進められていることが分かりました。すなわち、従来の分類体系(新エングラー体系、クロンキスト体系)は、目に見える外部形態(雌蕊・雄蕊の形質)に基づいた類似形態的分類体系であったが、1990年以降のDNA解析による系統学手法の進展により、欧米では植物図鑑などが新しい分類体系(APG植物分類体系)に変わってきているとのことで、わが国でも今後この手法が植物分類学の主流になると考えられています。

 具体的に見てみると、所属する従来の科がなくなり丸ごと別の科に編入されたり(カエデ科やトチノキ科→ムクロジ科、シナノキ科→アオイ科、イイギリ科→ヤナギ科など)、ユリ科のように寄せ集めだった一つの科の植物がいくつかの科に分散されたり(ユリ科のスズランやアマドコロ→キジカクシ科、エンレイソウ→シュロソウ科など)などの変更がなされています。

 これまでの季節のスケッチにおける名前の表記は旧分類のものが多く見受けられますが、幸いなことに小石川植物園のHPサイトやウィキペディアでは新分類表記になっているようなので、今後これらを参考にして新しい名前表記への変更を進めることにしたいと思います。

【今回の植物体系変更の対応リスト】
 ●木本:旧科名順 名前順 属名順
 ●草本:旧科名順 名前順 属名順

【参考】ウィキペディアより
 APG体系 新エングラー体系 クロンキスト体系


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2018年5月20日 (日)

緑豊かな小石川植物園、大樹ハナキササゲが満開



 緑が一層あざやかになってきた5月中旬の小石川植物園、多くのグループの人たちで賑わっていました。この日は、ハナキササゲの大樹が満開になっていました。また、ウツギをはじめこの季節の花々が数多く咲き出していました。


 日本庭園の池の辺に生えるハナキササゲ(花木大角豆;ノウゼンカズラ科キササゲ属)の大樹。満開になっていて木全体が白い花で覆われていました。


 白黄色のふわふわとふちが縮れたような花には紺や黄色のスジが入っていて独特な文様です。やがて秋になると、ササゲ(大角豆)に似た細長い果実を付けます。


 全国に広く分布して卯の花とも呼ばれ、この季節の風物詩のウツギ(空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)。白い花が盛んに咲いていました。


 園入口付近ではサラサウツギ(更紗空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)の花がにぎやかに咲いていました。サラサウツギはウツギの八重咲き種で白い花に淡いピンク色の文様が入っていて美しい色合いです。


 山地に自生する落葉性の低木バイカウツギ(梅花空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)も満開で、数多くの白い花が咲き出していました。花の形が梅の花に似ています。


 ガビハナミズキ(峨眉花水木;ミズキ科ミズキ属)。中国雲南省の峨眉山が付くことから中国原産であることが判ります。花はヤマボウシによく似ていますが、葉の表面がつやつやしているのが異なります。


 山野に自生するシモツケ(下野;バラ科シモツケ属)。ふっくらとした感じのピンク色や白色の花が椀状に密集して咲いています。シモツケは庭木としてもよく用いられる。


 メタセコイア林の近くでハグマノキ(白熊の木;ウルシ科ハグマノキ属)の花が咲いていました。うす紅く煙っている霞がかかっているように見えていました。


 巨木ゾーンの奥の方に生えるシマサルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)が緑葉で覆われていました。夏になると高木の頂部に白い花が咲くようになります。


 ムシトリナデシコ(虫取り撫子;ナデシコ科マンテマ属)。小さい赤紫色の花が密集して咲いていました 。対生する葉のすぐ下の茎から粘液を出していて、そこに小さな虫がくっつきます。


 本州から九州の山地や草原に自生する多年草のナルコユリ(鳴子百合;キジカクシ科アマドコロ属)が可憐な花を付けていました。茎が丸く稜がないので、よく似たアマドコロと区別がつきます。


 草むらでダンドク(曇華;カンナ科カンナ属)の花がスクッと咲いていました。ダンドクはカンナの原種で南米原産。堅い実の形から、インデアンの弾丸と呼ばれています。


 熱帯アメリカ原産の一年草シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科アザミゲシ属)の花は、透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあります。


 ドクダミ(毒溜;ドクダミ科ドクダミ属)の白い花が咲き広がってきました。「十薬」ともいわれるドクダミは、様々な薬効があり、腫れ物、皮膚病などに利用されます。


 上記以外にも、いろんな5月中旬の小石川植物園の風景写真をアップしています。
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