季節・風景・植物

2018年8月 5日 (日)

猛暑が続く8月、小石川植物園の周りを散策


 今年の夏は厳しい猛暑です。東京地方でも連日真夏日が続き、先日の台風襲来で一時的に暑さが治まったのですが、台風通過後は再び酷暑が復活。日中の外出は危険ということで、小石川植物園内の散策はしばらく控え、その代わり早朝に植物園の周りの歩道を散歩したりしています。


 わが家のベランダからの小石川植物園の日中の眺望です。真夏日の猛暑が続いていて、まさに炎天下の深緑風景です。


 植物園の周りを散歩すると、3つの門に気がつきます。まずは正門です。通常はこの正門が植物園の出入口になります。


 簸川神社の近くには、総合研究博物館小石川分園(赤い建物)の門です。この門は植物園の外周の塀の一部ですが、博物館の出入りにのみ用いられ、植物園へ入園できません。


 また、千石2丁目方面に「小石川樹木園」の看板が掛かった古門も見かけました。植物園は理学部所属ですが、この看板には農学部の文字が見えます。


 古門の傍にキョウチクトウ( 夾竹桃;キョウチクトウ科キョウチクトウ属)の白い花が咲いていました。キョウチクトウは全身有毒ということで、最近はあまり見かけません。


 塀越しにつる性の多年草カラスウリ(烏瓜;ウリ科カラスウリ属)の白い花が盛んに咲いているのが見えました。


 わが家の庭先のサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)。今年の花付きは良く盛んに花を付けています。


 以下、近所の軒先の早朝風景を紹介します。赤花、白花のサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)が見事に咲いていました。


 フヨウ(芙蓉;アオイ科 ヒメフヨウ属)の薄赤紫色の花も見かけました。


 これはバンマツリ(蕃茉莉;ナス科バンマツリ属)です。ジャスミンのような芳香があります。


 軒先の手入れされた花壇では、季節の花々が綺麗に咲いていました。

 詳しくは、
    …> 季節のスケッチ(30年8月)


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2018年7月21日 (土)

涼夏の北海道の雄大な大自然


 7月中旬、猛暑の東京を離れ、涼夏の北海道の雄大な大自然を巡る旅に出かけてきました。今回はバス旅行でしたので、富良野・美瑛、大雪山、世界遺産の知床半島、阿寒湖、釧路湿原など道東地方の名だたるグリーンスポットを数多く訪ね、大自然の景観や高山植物を楽しむことが出来ました。


(富良野・美瑛)

 今回は千歳空港からゆったりバス旅行です。まずはラベンダー畑で有名な富良野の富田ファームへ。前日までは蝦夷梅雨ということで雨が続き、花の具合が心配されましたが、目を見張る美しい紫の世界が広がっていました。ラベンダー(シソ科ラベンダー属の半木本性植物)は、昭和期には香料原料として富良野地方などで盛んに栽培されて精油が生産されたが、今では美しいラベンダー畑が観光資源となっています。


 富田ファームの「彩りの畑」では、遠方の大雪山系を背景に紫色のラベンダーや赤、黄色のキンギョソウなどが色彩豊かに整然と配置されています。この日は平日でしたが、大勢の観光客で賑わっていました。


 富良野に隣接する美瑛の四季彩の丘です。カラフルなパッチワーク柄の花畑がその先の美瑛の原野の風景と一体となって大地に広がっています。丘が広大なので、トラクターが移動用に動き回っています。


 四季彩の丘からバスで約20分で白金青い池に着きます。青い池は水中のコロラド状の粒子が作用して水面が青く見える不思議な池で、立ち枯れたカラマツや白樺の木々が幻想的な雰囲気を醸し出しています。青い池の水はブルーリバーとも呼ばれる美瑛川に注ぎ込みます。


(大雪山層雲峡)

 翌朝は大雪山国立公園の散策です。早い時間に黒岳ロープウェイに乗って、層雲峡駅から5合目の黒岳駅へ。麓の層雲峡(左2)は頂上付近に雲を抱いていましたが、案の定黒岳駅周辺は雲(霧)の中でここからの眺望は断念。大雪山の秀峰黒岳の登山は、ロープウエイ、リフトを乗り継いで7合目まで進み、そこから徒歩で登ります。


 五合目には遊歩道がめぐらされていますが、濃い霧が出ていましたので駅集辺の高山植物の花畑だけを楽しんできました。


 花畑では珍しい花々を見かけました。霧の中の遊歩道沿いにチシマノキンバイソウ(千島の金梅草;キンポウゲ科キンバイソウ属)が群生していました。


 これは多年草のミヤマオダマキ(深山苧環;キンポウゲ科オダマキ属)。北海道から中部地方以北に分布する高山植物です。


 落葉小低木のチングルマ(バラ科ダイコンソウ属)。花後、花柱が伸びて放射状に広がっています。高山の雪渓周辺の草地や砂礫地に生えます。


 層雲峡に流れる石狩川の渓流が見事な渓谷の景観を作り上げています。昨日までの雨のせいで渓流が濁流になっています。


 層雲峡は柱状節理の崖が続いていて、頂部の岩に色んな名前が付いています。この頂部は不動岩と呼ばれています。不動岩の横に渓流に流れ込む銀河の滝が見えます。


(世界遺産の知床半島)

 知床半島に入ると、まずオシンコシンの滝が見えてきます。


 道路わきの駐車場から少し階段を登っていくと、標高70メートル、落差50メートルの瀑布が現れてきます。オシンコシンはアイヌ語で「エゾマツの群生する所」の意味になります。この滝は知床半島第一の大瀑で知床八景の一つ。また、滝が2本の流れになっていることから双美の滝とも呼ばれます。


 知床半島を進んで、世界遺産の区域に入る知床五湖を訪れました。知床五湖は、知床連山を背景に原生林の中にたたずむ5つの神秘的な湖です。多くの野生動物の生息地でもあり、知床の自然の豊かさを実感できる地域になります。


 この時期はヒグマの活動期になっているので、安全な高架木道を散策して知床一湖まで行ってきました。高架木道の両脇には電流が流れていてヒグマの接近を防いでいます。危険を避けるため、一湖から先はガイドツアーに参加する必要があります。


 この地域は自然豊かな世界自然遺産知床を象徴する景勝地として知られています。広大な原野の中で小さな湿地が点在しています。今回は一湖まででしたが、山、原野、湖など知床の大自然を存分に満喫することができました。


 翌朝、ウトロ港から観光船で約45分間の知床世界遺産クルージングを楽しんできました。知床半島の海食崖や奇岩、野生動物などを船上から眺めるコースです。


 このコースではカムイワッカ湯の滝まで行って出発地のウトロ港まで戻ってきます。途中群れをなすイルカが洋上を跳ねていましたが、残念ながら写真には撮れませんでした。洋上は穏やかでしたが、写真を撮るため何度も船内やデッキを行き来しているうちに、少し船酔いしてしまいました。


 クルージングを終えて知床峠へ。前に訪れた時は濃い霧がかかっていて一寸先も見えない状況でしたが、この日は峠付近に霧がなく安堵しました。


 峠から右方にわが国の北方領土の国後島が視認できるのですが、あいにく国後島が雲の中。ただ、目を凝らすとうっすらと島影が見えたような感じでしたが。


(釧路湿原)


 釧路湿原は面積が18,000haを超える日本最大の湿原です。人の手が加えられていない自然を残すため、天然保護区域やラムサール条約登録地など様々な保護区域に指定されています。


 釧路湿原では温根内木道を散策してきました。


 木道を進むとサバンナのような草原の景観が現れてきます。またハンノキが群生する林間地もあります。一見すると何の花も咲いていない草むらのように見えますが、注意深く眺めると、そうでもありません。


 湿原内では釧路川が大蛇行しています。今までこの地に大きな災害がなかったので、大蛇行が残っているとのこと。この景観は木道からではなく、ノロッコ号の車窓からのものです。


 ホザキシモツケ(穂咲下野;バラ科シモツケ属)。赤紫色の花を木道沿いの林間地の随所で見つけました。また、ノロッコ号の車窓からもあちこちに見かけました。ホザキシモツケは涼しい気候の湿地帯に分布します。


 湿原の近くの農場で、子連れのつがいのタンチョウ(丹頂)を見つけました。正真正銘の美しい鶴の家族です。わが国では釧路湿原一体がタンチョウの有名な生息地になっています。

 今回は上記以外にも、めまんべつメルヘンの丘、網走海岸、霧の摩周湖、阿寒湖などを訪ねてきました。いろんな写真を以下のサイトにアップしています。

  …> 季節のスケッチ(30年7月 北海道)


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2018年7月 4日 (水)

7月上旬、日光の大自然の中に広がる日光植物園の風景



 東京の小石川植物園の分園で 高山植物や寒冷地の植物の研究と教育を主な目的とする日光植物園は、日光東照宮近くの約10万㎡の林地に広がっています。7月上旬に日光植物園を訪れる機会がありましたが、当日は小雨がぱらつく天気模様でしたので、園内を少し回っただけで帰らざるを得なかったのが少々残念でした。


 園内の遊歩道は鬱蒼と緑生い茂る原生林の中を周回しています。大自然の中で高山植物等を観賞するような感じです。


 園内ではいろんな花を見かけました。これはナツツバキ(夏椿;ツバキ科ナツツバキ属)。別名はシャラノキ(娑羅の木)。


 わが国の山地に自生するヒナウチワカエデ(ムクロジ科カエデ属)。少し紅葉が始まっていました。


 ヒマラヤ、中国南西部などを原産とするヒマラヤキンシバイ(ヒマラヤ金糸梅;オトギリソウ科オトギリソウ属)。


 日当たりの良い岩地に生育するイブキジャコウソウ(伊吹麝香草;シソ科イブキジャコウソウ属)。伊吹山に多く自生し、芳香があります。


 本州中部の高山や亜高山の草原に多く自生するカライトソウ(唐糸草;バラ科ワレモコウ属)。シッポのような花穂が下に垂れています。


 亜高山帯、温帯の林床や草原に生育するトリアシショウマ(鳥足升麻;ユキノシタ科チダケサシ属)。北海道、本州の中部地方以北に分布します。


 北海道、本州の中部以北に分布し、深山の湿原などに自生するヒオウギアヤメ(檜扇菖蒲;アヤメ科アヤメ属)。


 山地や河川敷の日当たりのよい草地に自生するトモエソウ(巴草;オトギリソウ科オトギリソウ属)。


 わが国原産で山地の草原によく見られる多年草シモツケソウ(下野草;バラ科シモツケソウ属)。

 これ以外の園内の写真もアップしています。
   …> 季節のスケッチ(30年7月)


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2018年7月 1日 (日)

ムクゲ、ヤブカンゾウ、ヤマユリなど盛夏の花々



 7月に入ってすぐの日曜日、小石川植物園を散策してきました。この日はかなり暑くなると予想されましたので、開園時間(9時)直後に入園し、急ぎ足で園内を回ってきました。園内の風景も先月と打って変わり、ムクゲ、ヤブカンゾウ、ヤマユリなどの盛夏の花々が咲き出していました。


 ムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)は夏の季節の代表的な花木です。いろんな色合いの花が随所に咲いています。風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。


 ヤブカンゾウ(薮萓草;ススキノキ科ワスレグサ属)。ノカンゾウの仲間で八重咲きの花です。この時季に草むら、樹木の根元、池の周りなど園内の随所で見かけますが、鮮やかな橙色の花がよく目立ちます。


 夏の最も暑い時期に満開となるヤマユリ(山百合;ユリ科ユリ属)。北海道と北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布します。強い香り、赤い斑点など強烈な個性を感じます。


 オニユリの変種で、黄金色のオウゴンオニユリ(ユリ科ユリ属)。花弁は強く反り返り、赤の斑点を生じる。オウゴンオニユリはもともと対馬に自生してましたが、乱獲や獣害により絶滅に近いとのこと。


 多年草キキョウ(桔梗;キキョウ科キキョウ属)の花が咲いていました。キキョウは秋の七草のひとつですが、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。


 北海道から九州に分布する多年草マツムシソウ(松虫草;スイカズラ科マツムシソウ属)の薄い青紫色の美しい花です。皮膚病に薬効があります。


 ヨーロッパ原産の多年草ハナハッカ(花薄荷;シソ科ハナハッカ属)。花に蝶が集っていました。ミントに似た刺激臭とピリッとした辛味があり、殺菌作用、鎮静作用などがあります。


 山地の林の中などに生える多年草ヤブミョウガ(藪茗荷;ツユクサ科ヤブミョウガ属)。可憐な白い花を園内の草むらの随所に見かけました。葉の形がミョウガに似ています。


 この頃は木々の夏木立も見応えがあります。落葉樹は毎年、新緑から深緑、紅葉、冬木立へと衣替えを繰り返し、この時期は深緑の緑衣をまとっています。これはユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。園内の巨木ゾーンに大樹が生えています。


 プラタナスと呼ばれることの多いモミジバスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。スズカケノキとアメリカスズカケノキの雑種です。


 カツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート型に似た円形の小さな葉が特徴的です。わが国ではブナ林域などの冷温帯の渓流などに自生します。また、街路樹や公園樹に利用されることが多い。

 これ以外にも、いろんな季節の写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(30年7月)


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2018年6月 3日 (日)

6月初旬、アジサイ、ハナショウブ、タイザンボクなどの花々が咲き出す



 6月に入った週末、小石川植物園を回ってきました。九州、四国地方は早々と梅雨入りしましたが、ここ東京は青空が広がり、やや暑いものの梅雨入り前の貴重な散策日和の週末でした。園内はアジサイ、ハナショウブ、タイザンボクなどこの時季ならではの花々を楽しむことができました。


 アジサイの仲間の花々を多く見かけました。これは各地に自生する日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)です。西洋アジサイの球状の花と違って、花序の周縁を装飾花が額縁のように取り囲んでいて、これが和名の由来となっています。装飾花が八重上になっているヤエガクアジサイの花も見かけました


 伊豆天城地方にだけ自生する アマギアマチャ(天城甘茶)です。アマチャ(甘茶;アジサイ科アジサイ属)はガクアジサイの変種です。若い葉を乾燥・発酵させてお茶にすると、甘茶になります。また、仏教の花祭りに古くから用いられています。


 タイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の大樹を見上げると、今年も大輪の白い花が咲き始めていました。いつもながら威風堂々として神々しく感じます。


 これは炎暑の夏を延々と咲き続ける代表的な夏の花木のキョウチクトウ(夾竹桃キョウチクトウ科キョウチクトウ属)の赤紫色の花です。花は美しいのですが。枝も葉もすべて有毒なので要注意。


 ゴマノハグサ科フジウツギ属のコフジウツギ(小藤空木)の花を見かけました。小さな花が凝集して枝垂れて咲いている赤紫色の花穂には、チョウがよく集まってきます。


 日本各地の林などに自生する落葉低木のムラサキシキブ(紫式部;シソ科ムラサキシキブ属)の散房花序になった淡紫色の小花を初めて見かけました。秋になると果実が美しい紫色に熟し、観賞用にも用いられています。


 東アジア一帯に分布する落葉高木のケンポナシ(玄圃梨;クロウメモドキ科ケンポナシ属)がメタセコイア林のすぐ近くに生えています。樹上に小さな白い花がぎっしりと集散花序になって咲いていました。。ケンポナシ抽出物にはアルコール臭の抑制効果があるといわれ、チューイングガムなどに利用されています。


 この季節の野の花々もいろいろと咲き出していました。これは梅雨空によく似合うハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)。日本庭園の菖蒲田に咲き出していました。白、紫、黄、薄紅などの花菖蒲の優雅な姿は梅雨時のうっとうしさを忘れさせてくれます。


 ノカンゾウ(野萓草;ススキノキ科ワスレグサ属)の花。緑の草むらの中で鮮やかなオレンジ色がよく映えます。


 マツモトセンノウ(松本仙翁;ナデシコ科センノウ属)の鮮やかな赤い花。熊本県と宮崎県の固有種で、阿蘇山の外輪山の原野に分布するナデシコ科の多年草です。


 ハタザオキキョウ(旗竿桔梗;キキョウ科)の花。旗竿のようなまっすぐな茎に、うす紫色の小さな花が連綿と付いていました。


 上記以外にも、この時季の花々や木々の緑葉等の写真を沢山アップしています。

  …> 季節のスケッチ(2018年6月)



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2018年5月28日 (月)

新しい植物分類体系への対応


 季節のスケッチでは、植物の名前を表示する場合、できるだけ科名と属名も記入するようにしています。科名と属名の情報源は、植物園内の名前の表示板、植物事典、植物に関するWEBサイト、ウィキペディアなどになっていますが、科名について必ずしも統一されていないことが気になっていました。


 そこで、この件につき少し調べてみると、近年になって新たな植物分類体系の導入が進められていることが分かりました。すなわち、従来の分類体系(新エングラー体系、クロンキスト体系)は、目に見える外部形態(雌蕊・雄蕊の形質)に基づいた類似形態的分類体系であったが、1990年以降のDNA解析による系統学手法の進展により、欧米では植物図鑑などが新しい分類体系(APG植物分類体系)に変わってきているとのことで、わが国でも今後この手法が植物分類学の主流になると考えられています。

 具体的に見てみると、所属する従来の科がなくなり丸ごと別の科に編入されたり(カエデ科やトチノキ科→ムクロジ科、シナノキ科→アオイ科、イイギリ科→ヤナギ科など)、ユリ科のように寄せ集めだった一つの科の植物がいくつかの科に分散されたり(ユリ科のスズランやアマドコロ→キジカクシ科、エンレイソウ→シュロソウ科など)などの変更がなされています。

 これまでの季節のスケッチにおける名前の表記は旧分類のものが多く見受けられますが、幸いなことに小石川植物園のHPサイトやウィキペディアでは新分類表記になっているようなので、今後これらを参考にして新しい名前表記への変更を進めることにしたいと思います。

【今回の植物体系変更の対応リスト】
 ●木本:旧科名順 名前順 属名順
 ●草本:旧科名順 名前順 属名順

【参考】ウィキペディアより
 APG体系 新エングラー体系 クロンキスト体系


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2018年5月20日 (日)

緑豊かな小石川植物園、大樹ハナキササゲが満開



 緑が一層あざやかになってきた5月中旬の小石川植物園、多くのグループの人たちで賑わっていました。この日は、ハナキササゲの大樹が満開になっていました。また、ウツギをはじめこの季節の花々が数多く咲き出していました。


 日本庭園の池の辺に生えるハナキササゲ(花木大角豆;ノウゼンカズラ科キササゲ属)の大樹。満開になっていて木全体が白い花で覆われていました。


 白黄色のふわふわとふちが縮れたような花には紺や黄色のスジが入っていて独特な文様です。やがて秋になると、ササゲ(大角豆)に似た細長い果実を付けます。


 全国に広く分布して卯の花とも呼ばれ、この季節の風物詩のウツギ(空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)。白い花が盛んに咲いていました。


 園入口付近ではサラサウツギ(更紗空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)の花がにぎやかに咲いていました。サラサウツギはウツギの八重咲き種で白い花に淡いピンク色の文様が入っていて美しい色合いです。


 山地に自生する落葉性の低木バイカウツギ(梅花空木;アジサイ科(旧ユキノシタ科)ウツギ属)も満開で、数多くの白い花が咲き出していました。花の形が梅の花に似ています。


 ガビハナミズキ(峨眉花水木;ミズキ科ミズキ属)。中国雲南省の峨眉山が付くことから中国原産であることが判ります。花はヤマボウシによく似ていますが、葉の表面がつやつやしているのが異なります。


 山野に自生するシモツケ(下野;バラ科シモツケ属)。ふっくらとした感じのピンク色や白色の花が椀状に密集して咲いています。シモツケは庭木としてもよく用いられる。


 メタセコイア林の近くでハグマノキ(白熊の木;ウルシ科ハグマノキ属)の花が咲いていました。うす紅く煙っている霞がかかっているように見えていました。


 巨木ゾーンの奥の方に生えるシマサルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)が緑葉で覆われていました。夏になると高木の頂部に白い花が咲くようになります。


 ムシトリナデシコ(虫取り撫子;ナデシコ科マンテマ属)。小さい赤紫色の花が密集して咲いていました 。対生する葉のすぐ下の茎から粘液を出していて、そこに小さな虫がくっつきます。


 本州から九州の山地や草原に自生する多年草のナルコユリ(鳴子百合;キジカクシ科アマドコロ属)が可憐な花を付けていました。茎が丸く稜がないので、よく似たアマドコロと区別がつきます。


 草むらでダンドク(曇華;カンナ科カンナ属)の花がスクッと咲いていました。ダンドクはカンナの原種で南米原産。堅い実の形から、インデアンの弾丸と呼ばれています。


 熱帯アメリカ原産の一年草シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科アザミゲシ属)の花は、透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあります。


 ドクダミ(毒溜;ドクダミ科ドクダミ属)の白い花が咲き広がってきました。「十薬」ともいわれるドクダミは、様々な薬効があり、腫れ物、皮膚病などに利用されます。


 上記以外にも、いろんな5月中旬の小石川植物園の風景写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(2018年5月)



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2018年5月 6日 (日)

初夏の山形野草園の風景



 連休の合間に西蔵王高原に造られた山形野草園を訪ねてきました。北国のこの時季はちょうど新緑が美しい頃です。園内をゆっくりと散策し、世界で一本しかないというミヤマカスミザクラや今が見頃のアズマシャクナゲ、林間に咲き広がるシラネアオイ、サクラソウなどを楽しんできました。


 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、四季折々の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。この日はちょうど新緑が美しい時季で、暑くもなく寒くもなく絶好の散策日和でした。


 園内にはいろんな植物が生えていて、花を咲かせていました。これはミヤマザクラとカスミザクラが自然交配した新種のサクラで、世界に1本だけの貴重なサクラとのこと。ミヤマカスミザクラと命名されています。花期は過ぎていたものの、花が少しだけ咲き残っていました。


 日本固有種の一属一種の植物で中部地方以北の多雪地に生える多年草のシラネアオイ(キンポウゲ科シラネアオイ属)の群生が見られました。新緑の林の中で、薄紫色の花がしっくりと落ち着いた感じで咲き広がっていました。日光の白根山に多く生え、花がタチアオイに似ていることが和名の由来。


 山地の湿り気の多い所に生える多年草のサクラソウ(サクラソウ科サクラソウ属)も、シラネアオイの近くで群生していました。サクラソウは地中に根茎があり、高さ15~40cmの花茎を直立させ、5~10個の清楚な美しい花をつけます。花が美しいのでよく栽培され園芸品種も多く流通しています。


 地下茎で繁殖する多年草のクマガイソウ(ラン科アツモリソウ属)が林地で群生していました。袋状の花が源氏の武将熊谷次郎直実が背負った母衣に似ていることから和名が由来。


 トウゴクマムシグサ(サトイモ科)を見かけました。花のように見えるのは仏炎苞です。ウラシマソウミズバショウザゼンソウも同じサトイモ科の仲間。


 薄紅色や白色の数多くのアズマシャクナゲ(東石楠花;ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属)の花が満開になって咲き競っていました。アズマシャクナゲは東北地方(宮城県、山形県以南)、関東地方、中部地方(南部)に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生します。


 アズマシャクナゲの周辺の木々にはウワミズザクラ(上溝桜;バラ科サクラ属)の白い花が咲いていました。北海道、本州に自生するウワミズザクラは普通のサクラの花とは違い、ブラシのような白い花序に小さな花が凝集しています。


 ミズバショウとザゼンソウの群生するミズバショウの谷ですが、この時期はもう両者とも花が咲き終わっていて、青々とした大きな葉だけが繁茂していました。


 ミズバショウの谷では、山地の湿地や沼に生える一属一種の多年草のミツガシワ(ミツガシワ科ミツガシワ属)の白い花が群生していました。葉は複葉で3小葉からなります。寒冷地に分布し、氷河期の生き残りと考えられています。


 リュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)の花もミズバショウの谷で見かけました。本州、九州に分布し、水辺や湿地などに生育します。茎が直立し、黄金色の花をつけます。


 オキナグサ(翁草;キンポウゲ科オキナグサ属)も多く生育していました。山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育しますが、草地の開発が進んだことや山野草としても乱獲が進んだことから、各地で個体数が激減しているとのこと。オキナグサは花が終わると雌しべが羽毛状に伸び、老人の白髪のようになります。


 山地の草地に生える多年草のアマドコロ(甘野老;キジカクシ科アマドコロ属)も見かけました。茎に6本の稜があり、触ると角ばった感じがします。茎や根茎には甘みがあり、山菜として食用にされます。


 山形野草園の出入口付近です。山野草祭りが催されていたこともあり、お年寄りのグループも多く見かけました。野草園には珍しい野の花が多く、これからもリピートしたいと思います。


 上記以外にも、いろんな野草園の風景写真をアップしています。  …> 季節のスケッチ(2018年5月 山形野草園)


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2018年5月 1日 (火)

万緑の中にユリノキやナツロウバイの初夏の花々



 今年は暑い大型連休のスタートです。前半の三連休 (4/28-4/30) から東京では真夏日が続き、季節もぐんぐん進んでいます。小石川植物園の新緑の風景は緑が日に日に鮮やかになり、あっという間に万緑の世界に一変しました。園内では豊かな緑の中でユリノキやナツロウバイなどの初夏の花々が咲き出していました。


 ニュートンのリンゴの木の前を通るイロハモミジの小径も見事な緑のアーチになっていました。年末には真赤なアーチに変貌します。


 ひと月前は満開だったソメイヨシノの並木も様変わり。暑い日に格好の緑陰を提供してくれます。


 メタセコイア林の近くの小さな池の周りの木々が池面を緑色に染めています。この池は秋になると、木々の紅葉で赤、橙、黄に染まります。


 園内の木々も新緑から夏木立に変身中です。これは巨木ゾーンの林間地のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)の大樹です。樹上にかすかに花が見えます。


 よく見てみると、樹上のあちこちに緑葉に囲まれるようにしてユリノキの花が咲いていました。花の形は百合の花というよりもチューリップに似ています。


 初夏に咲くナツロウバイ(夏蝋梅;ロウバイ科ナツロウバイ属)の花も咲き出しました。新春に咲く同じロウバイ科のロウバイソシンロウバイとは花の形があまり似ていません。


 ツツジ園のツツジの花は残り少なくなっています。後方では精子発見のイチョウ(右)とニレ科のウルムス・プロセア(左)の大樹が夏木立に変貌中です。


 この頃は〇〇ウツギの名の付いた花を沢山見かけ ます。これはシロバナヤエウツギ(アジサイ科ウツギ属)。ウツギの変異種で枝先に八重の白い花を咲かせます。


 ハマナス(浜梨;バラ科)の赤紫色い花があざやかに咲き出しました。浜(海岸の砂地)に生え、果実がナシに似た形をしていることが名の由来になります。


 草本の草花や野の花もいろいろと咲いていました。これは、マンシュウキスゲ(満州黄菅;ススキノキ科ワスレグサ属)の黄色い花。ニッコウキスゲ、ノカンゾウなどのキスゲの他の仲間より早い時期に咲きます。


 アヤメ属の花々も咲き出してきました。これはイチハツ(一八、鳶尾草;アヤメ科アヤメ属)。アヤメの仲間の中で「いち早く咲く」ことからこの名が付く。


 ヨーロッパ原産の西洋あやめの代表種の一つジャーマンアイリスの美しい花。日本のアヤメと比べて大柄、花弁にはフリルが入って華やかです。


 山林に分布する山野草のフタリシズカ(二人静;センリョウ科チャラン属)。白い2本の穂状の花序が付いています。


 カタバミ科の花も多く見かけました。これはカタバミ(傍喰;カタバミ科カタバミ属)の黄色の花。3枚のハートの小葉を連ねた葉が特徴的です。


 赤紫色の花のイモカタバミ(芋紫傍喰;カタバミ科)がメタセコイアの林地に群生して咲いていました。イモカタバミは地下に芋状の塊茎を持ちます。白花のものも見かけます。イモカタバミの花の中心部の雄しべが黄色っぽく、この部分が白っぽいムラサキカタバミと区別できます。


 道端や河原に生えるコメツブツメクサ(米粒詰草;マメ科シャジクソウ属)。シロツメクサに似ているが全体的に小さい。小米詰草、黄花詰草の別名があります。


 春の野の花のハルジオン(春紫苑;キク科ムカシヨモギ属)が至る所で咲き広がっていました。ハルジオンは春に咲く紫苑(しおん)という意味です。


 道端にノアザミ(野薊;キク科アザミ属)の赤紫色の花を見かけました。葉の縁にとげがあります。草むらや河川敷にふつうに見られ、比較的早い時期に咲き出します。


 上記以外にも、いろんな初夏の風景の写真をアップしています。   …> 季節のスケッチ(2018年5月)


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2018年4月27日 (金)

4月下旬の青森小旅行(弘前公園、岩木山麓、奥入瀬渓流) 


 このたび(4/25~4/27)仲間が企画した青森小旅行に参加させてもらい、弘前公園、岩木山麓、奥入瀬渓流などを回ってきました。

(桜満開の弘前公園)

 わが国有数の桜の名所といわれる弘前公園は、幸運なことにちょうど桜が満開になっていました。この日(4/26)は見頃とあって平日でしたが、大勢の人出で賑わっていました。


 公園の中心部に立つ弘前城は江戸時代に建造された天守や櫓などが現存し、国の重要文化財に指定されています。天守付近の本丸石垣の膨らみや天守の傾きがあることから修理が必要ということで、現在仮天守台に移動されています。城から満開の桜に飾られた岩木山を望むことができます。


 公園にはソメイヨシノやシダレザクラなど約2,600本の桜の木が立ち並んでいます。風格ある見事な桜の古木を数多く見かけました。


 弘前公園の桜は城の周りの堀沿いにもすき間なく配置されていて、この時期はまるで桜の花が城を包み込んでいるようになります。弘前市公園緑地課に桜を守り育てるための桜守(さくらもり)のチームが作られていて、この人たちの長年にわたる活動のお蔭でどの桜の木も元気に立派な花を咲かせ続けているとのことです。

(岩木山麓にミズバショウが群生)

 弘前の桜を見た後は、近くにそびえ立つ岩木山の山麓にあるホテルに宿泊しました。ホテル周辺の常盤野農村公園(ミズバショウ沼公園)まで足を伸ばしてみたところ、群生するミズバショウはちょうど見頃になっていて、春空に似合う無数の白い花がが出迎えてくれました。木々のすき間から岩木山が見えます。


 弘前地方ではどこにいても岩木山がよく見えます。この地方の人々にとって原風景の中心に位置する存在かと思われます。上の写真は市内から百沢温泉に向かう途中の桜並木からの眺望です。


 湿地帯になっているミズバショウ沼公園は、雪渓が残る落葉樹林の中を雪解け水が流れ、水生のミズバショウの生育に格好の場所になっています。


 ミズバショウの白い花のように見える部分は、実は花ではなく仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ぶ葉が変形した苞です。そして真ん中の緑の部分に粒々のような小さな花が結集しています。

(早春のたたずまいの奥入瀬渓流)

 弘前、岩木山を後にして南下し、十和田湖、奥入瀬渓流を回ってきました。今回の訪問は、2004年11月(紅葉時)2012年10月(紅葉前) に次いで3回目になります。奥入瀬渓流は、青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖の十和田湖から唯一流れ出る奥入瀬川の上流部分に当たり、北東に約14kmにわたり渓流が延びています。


 今回はは新緑の奥入瀬を見たかったのですが、新緑は5月中旬過ぎとのことです。しかしながら、どの時期に来ても奥入瀬渓流の迫力に圧倒され、大自然の醍醐味を感じ取ることが出来ます。




 渓流沿いの落葉樹はこの時期まだ冬木立の状態のものが多く、陽光が十分に差し込むことから春の妖精といわれる山野草の花々が姿を現わします。この日は、キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属、キクザキイチゲともいう)、カタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)、オトメエンゴサク(乙女延胡索;ケシ科キケマン属)などを渓流沿いの遊歩道で見かけました。奥入瀬はまさに早春のたたずまいでした。


 楽しかった青森小旅行もいよいよ終了です。奥入瀬渓流から青森空港へ帰路につきましたが、八甲田山を越える必要があります。八甲田山の山中には相当の雪渓が残っていて、ここは春まだ遠しの感がありました。


 これ以外にも、小旅行の多くの写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年4月 青森)

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