山形・東北

2024年8月11日 (日)

紅花資料館@河北町で紅花染め体験



 8月中旬のお盆休み時に家族のものが山形河北町の紅花資料館を訪れ、紅花染めを体験してきました。かつて私も7月頃に咲き出す紅花の風景を求めて紅花資料館や周辺の紅花畑を回ってきたことがありますので、このときの写真も含めて紹介します。


 紅花資料館は、かつて近郷きっての富豪だった堀米四郎兵衛の屋敷跡にあります。堀米家は、米や紅花などの集荷出荷などによって財をなしてきました。園内には、当時を物語る武者蔵(農兵隊の武器蔵)、座敷蔵(客室用の蔵)、紅の館(紅花交易当時の品々を展示)などが配置されています。この写真は2008年7月当時のもの。


 紅花染が出来るまでの行程です。大まかに言うと、まず畑に咲き出した沢山の紅花を集めて紅餅を作り、この紅餅を炭酸カリウムとともに水に溶かして、紅花染用の水溶液を作ります。この水溶液に絹のハンカチ、綿のガーゼを浸すことによりしっとりと美しい紅花染が出来上がります。


 紅餅です。紅花の花びらを叩いて、餅の形にして何日もかけて発酵させるとのこと。紅餅作りだけでも大変な作業です。


 紅餅を炭酸カリウムとともに水に溶かして作った染色用の赤い水溶液です。作業に使った両手の手指も真っ赤に染まります。


 紅花染め体験で出来上がったシルクのハンカチです。なかなかいい具合に染まりました。

(過去の紅花探訪より)

 ベニバナ(紅花)を求めて郷里の東根市の近辺を探訪していたところ、河北町に咲き残っていた紅花を見つけて感激したことを覚えています。紅花は7月頃に枝先に頭状花をつけ、花は鮮やかな黄色から徐々に赤くなります。 一年草/越年草。キク科ベニバナ属。2008.7


 山形県の県花にもなっている紅花は古くから口紅の原料として盛んに栽培され、交易品として江戸や上方に運ばれていきました。今では、紅色染料や食用油の原料として、さらには観光用に栽培されています。2008.7


 羽州街道六田宿跡(今の東根市六田地区)に紅花を抱えた芭蕉像が置かれています。芭蕉は尾花沢から羽州街道を通って山寺に向かう途中、この地でもてなしを受けました。芭蕉は紅花を見て、「眉掃(まゆはき)を俤(おもかげ)にして紅粉(べに)の花」、「行末は誰が肌ふれむ紅の花」の二つの句を詠んでいます。2016.8


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  → 季節のスケッチ(2024年8月) Archive

 

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2023年8月13日 (日)

郷里(東根市)のお盆の頃の風景


 コロナ規制解除に伴い、久しぶりにお盆の時期に帰省し、墓参りをしてきました。帰省先の東根では、お墓参りや親戚への盆礼、庭掃除、家のごみ整理などで忙しく過ごしました。また、居間のエアコンの故障が見つかったので、家電ショップに飛び込みましたが、お盆の時期なので帰省期間中のエアコン交換は無理とのこと。ただ、天気の方は日中暑いものの降雨もあって何とかしのげました。いずれ時期をみて対応したいと思います。


 東根小学校の校庭(旧城址跡)にそびえ立つ日本一のオオケヤキの夏木立です。樹齢千年を超すとみられ、高さ約28mの巨木。この大ケヤキは、今でも昔と変わらず凛々しくそびえていまて、私のような帰省者も暖かく迎えてくれ、癒やしを与えてくれます。


 ただ、巨木であるがゆえに植物体を維持するのが大変なようです。樹中をよく見ると、太い木枝を補強しているのが分かります。確か2020年の年末、大雪で太い枝の一部が折れ、地上に落下する災難に見舞われています。


 東根から西方の眺望です。手前はわが国有数の米どころ山形盆地の田園風景。これから秋にかけて黄金色に変貌し、「つや姫」などの美味しいお米が産出されます。後方の山並みは葉山になります。また、左奥に月山の白く丸い山頂が見えるのですが、この日はあいにく雲に覆われていました。


 上の写真の右側の風景。東根市を縦走する白水川の河畔のサクラ並木が立ち並んでいます。小さい頃はよくこの白水川で遊んだものです。


  詳しくは
  → 季節のスケッチ(2023年8月)

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2022年9月 5日 (月)

秋の野にはヒガンバナ、コスモス、ソバなどの季節の花々



 9月に入りました。さすがに35度を超えるような猛暑が収まってきて、少し暑さが残っているものの朝晩は過ごしやすくなってきました。この頃になると、ヒガンバナ(彼岸花)、コスモス(秋桜)、ソバ(蕎麦)などの季節の花々が秋の野に咲き出すようにになります。

 ちょうど秋の彼岸の時期に、植物園の随所で燃える炎のように美しいヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花が満開になって咲き出します。全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイドを多く含む有毒植物。球根植物。2003.9

 ヒガンバナは多くの呼び名があります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の別名が最も有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。ヒガンバナは大部分が赤花ですが、白い花も希に咲いています。2010.9

 わが国では墓地などにも植えられ、ちょうど秋の彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。特徴的な赤いヒガンバナの花を見渡すと、本当に故人の魂が漂っているような感じがします。2008.9

 9月下旬~10月上旬、奥武蔵野の巾着田で赤い絨毯を敷き詰めたように一面に咲き広がるヒガンバナに出会うことができます。巾着田とは、日高市内を流れる高麗川の蛇行により長い年月をかけて形成され、その形が巾着の形に似ていることから、そのように呼ばれています。2010.10

 秋の風物詩のコスモス(秋桜;キク科コスモス属)。各所に咲き出す無数の花が風に舞う。熱帯アメリカ原産でメキシコからスペインに渡りコスモスと名づけられた。日本には明治20年頃に観賞用として渡来。富士五湖の一つ精進湖の辺で、富士山のシルエットを背景にコスモスの花が風にたなびいていました。一年草。2005.9

 山形県内を縦走する最上川の河原に咲くコスモスの花。中流域のここ大石田町付近は陸路と水路の接点という地の利から、かつては最上川最大の舟着場として栄えました。2015.9

 立川近辺の180haもの広大な土地に広がる昭和記念公園。奥の方に進んでいくと、「花の丘」の斜面に何千本ものコスモスの花が一面咲いていて秋風に舞っていました。その風景は見事で圧巻です。2011.10

 北海道、東北地方〜中部の高冷地などで栽培される一年草のソバ(蕎麦;タデ科ソバ属)の白い花が咲いています。山形では最近のソバ人気もあって、ソバ畑の作付けが広がっています。ソバの栽培は春播きの夏ソバと夏播きの秋ソバがあって、これは夏ソバの花になります。2005.9

 近くからソバの花を見ると、白い小さな花が塊になって密生して咲いています。山形のあちこちに蕎麦街道ができていて、山菜蕎麦やソバガキなどの山形ソバのいろんな味が堪能出来ます。2005.9

 ソバには赤い花が咲くものもあり赤ソバと呼ばれます。長野県箕輪町の「赤そばの里」ではソバの赤い花が見事に色づいています。赤ソバは、ネパール原産のソバを品種改良したもので、遊休農地活用と景観形成を兼ねて栽培しているとのこと。(この赤ソバの写真は、地元出身のI氏からいただきました。)2006.9


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  …> 季節のスケッチ(2022年9月)

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2022年5月 1日 (日)

各所の初夏の風景(季節のスケッチより)


 大型連休に入りました。今年はコロナ感染による外出規制が3年ぶりに解除されたということで、各地で少しづつ賑わいが戻ってきているようです。しかしながら、まだ東京で数千人の感染者が毎日出ており、最後まで油断禁物です
 さらには、2月から続くロシアによるウクライナ侵略戦争、知床半島の観光クルーズ船の沈没など、気が滅入るような出来事が相次ぎ、なかなか気持ちが穏やかになりません。

 さて、5月の初夏の季節は木々の新緑が若葉・万緑へと移り変わり、美しい緑の世界が広がります。そして、ツツジ、ウツギ、トチノキ、アヤメ、シャクヤクなどの花々も落ち着て咲き出します。各所の5月の風景(季節のスケッチ)を以下にまとめてみました。

小石川植物園


 面積は約16万㎡もの広大な緑地が東京中心部(文京区)の一角に広がっています。園内には台地、傾斜地、低地、泉水地などの地形を利用して様々な植物が配置されていて、来園者は野趣に富む山野を自由に歩き回るといった感じで四季折々の自然を楽しむことができます。

 5月セレクション 5月の風景(フォトギャラリー)
 2020.5  2019.5 2018.5


皇居東御苑

 東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして季節の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。都心のど真ん中にあっても、都会の喧噪は全く感じられず、いつも落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。 2017.5  2014.5 2012.5


神代植物公園

 調布市の名刹深大寺のすぐ近くに広がる神代植物公園には約4,500種類、10万株の植物が植えられています。また、武蔵野の面影が残り、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができるようになっています。 2014.5 2013.5


都心の街路樹など

 まちを美しく彩る東京の街路樹・樹木は、木々の新緑や黄葉、春~夏に咲く花々など、季節の移り変わりを知らせてくれる自然のキャンパスです。普段は何気なく見過ごしてしまいがちですが、よく観察すると新鮮な出会いに驚くことがあります。

(この時期の街路樹の花々) 2021.5
  桜田門付近:トチノキ、浅草橋:マロニエ(トチノキ)
  飯田橋:ヤマボウシ、水道橋皀角坂:サイカチ
  銀座並木通り:シナノキ、迎賓館周辺:ユリノキ
  筑波大付高キャンパス:キリ
  サンシャイン公園:タイザンボク ほか


山形の風景

 郷里の山形は風光明媚な自然に恵まれています。山形盆地に立って四方を見渡すと、東には奥羽山脈が南北に走り、船形山、蔵王連峰などの山々が連なり、西方には出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)などの朝日連峰に連なる山々が眺望できます。また、芭蕉の句「五月雨や集めてはやし最上川」で有名な最上川は、吾妻山系を源とし、置賜地方、山形盆地、新庄盆地、最上峡、庄内平野と県内を229km縦走して日本海に注ぐ大河です。ここでは大自然に遊び心身ともにリフレッシュすることができます。 2019.5  2017.5 2015.5


山形野草園

 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、季節の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。 2018.5


上三依水生植物園

 上三依水生植物園は日光の山地につくられ、男鹿川沿いの敷地面積約2万2千平方メートルの広大な園内に約300種、3万本の高山植物、湿生植物などが季節を彩るように咲き競っています。 2019.5


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年5月)

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2019年5月 5日 (日)

最上川の並走ドライブで鳥海山や月山の雄姿を拝む


 GW終盤の5/5、最上川に並走して東根から庄内地方までドライブしてきました。酒田市松山地区の眺海の森からは、日本海に注ぎ込む最上川河口付近、肥沃な庄内平野が眼下に一望できました。さらに、南北にそびえ立つ鳥海山、月山がくっきりと見え、雄姿を拝むことができました。

 最上川は米沢市の吾妻山系を源とし、置賜地方、山形盆地、新庄盆地、最上峡、庄内平野と県内を縦走して日本海に注ぐ大河で、日本三大急流のひとつとされています。かつて米、紅花などの物流の主役だった最上川は、いまでも県民にとって母なる川として親しまれています。今回は最上川中流域から河口にかけて、最上川を巡る新緑の風景を楽しんできました。

 最上川の中流域では、山形盆地の村山市大淀地区で大蛇行し、大石田へと北上します。大石田町は陸路と水路の接点という地の利から、かつては最上川最大の舟着場として栄えました。


 北上する最上川は新庄盆地で向きを変えて最上峡を西進し、庄内平野、日本海に向かいます。最上峡の古口地区から最上峡芭蕉ラインの観光船が出ていて、草薙地区まで舟下りを楽しむことができます。


 古口付近の最上川右岸の山腹です。新緑が美しい山腹に淡く色づいた山桜が点在しています。


 県内を229km縦走してきた最上川は、庄内平野の酒田港付近で日本海に注ぎ込みます。この地で芭蕉は「暑き日を海にいれたり最上川」と詠んでいます。このほか、最上川は「五月雨やあつめてはやし最上川」、「最上川逆白波のたつまでにふぶくゆふべとなりにけるかも」(茂吉)などの俳句や短歌でも有名です。

 最上川右岸から少し離れて酒田市松山地区の丘陵地帯につくられた眺海の森に車で登ってきました。眺海の森からは、北方に鳥海山、南方に月山が眺望でき、素晴らしいビュースポットでした。

 鳥海山は秋田県との県境に位置し、出羽富士とも呼ばれる美しい山容を有する名峰です。


 月山は羽黒山、湯殿山とともに出羽三山を成す霊山です。万年雪で夏スキー客で賑わうことでも有名です。月山は山形盆地からも眺望できますが、庄内平野からは異なった趣があります。



 さらに、眺海の森から日本海に注ぎ込む最上川(上)や肥沃な庄内平野(下)が眼下に一望できます。夏の夕陽が最上川河口の日本海に沈み込む光景をこの地から見ることが出来るとのこと。是非一度来てみたいと思っています。



 眺海の森を下り、次は庄内平野を南下して鶴岡市に向かいましたが、道の途中、左手に月山(上)、右手に鳥海山(下)の雄姿がくっきりと見えました。庄内平野はこれらの山々からの水の恵みを受け、豊かな穀倉地帯になっています。


 上記以外にも、多くの写真をアップしています。
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2019年5月 4日 (土)

改元令和の10連休、郷里の山形で新緑の大自然を満喫


 今年の大型連休(GW)は、平成から令和への改元の諸行事のため10連休になりました。私の場合は、混雑しそうな東京都心を離れ、郷里の山形で過ごすことにしました。山形では新緑が広がる大自然の中でハナミズキやサクランボ、モモなどの花々が咲き出していて、美しい季節を存分に楽しむことが出来ました。


 郷里の東根小学校の校庭(かつての小田島城址)にそびえ立つケヤキの巨樹です。樹齢千年を超すとみられ、高さ約28mで日本最大。この大ケヤキは、今でも昔と変わらず悠然とかつ凛々しくそびえ、東根の地の人々の営みを見守っています。GW時に新緑の大ケヤキを飾る横綱を台車で運ぶパレードが行われました。


 山形盆地は豊かな穀倉地帯になっていて全国有数の米どころになっています。最近では日本一を目指すブランド米「つや姫」が栽培されています。広がる田んぼはちょうど耕されていて、これから水張り、田植えと進んでいきます。遠方に最近の寒波で冠雪した葉山や月山などの山並みが見えます。


 山形蔵王ラインの蔵王半郷地区からの月山の眺めです。東根市からは白い山頂の部分しか見えませんが、ここからは見事な山容が眺望できました。


 郷里の東根市はサクランボ生産が日本一です。山形新幹線の駅名も「さくらんぼ東根」と付いているほどです。この時期、サクランボの木枝に白い花がぎっしりと咲いていました。これから6月の収穫期までサクランボ農家は大忙しです。


 東根で多く生産されている品種はサクランボの王者といわれる佐藤錦です。さくらんぼ東根駅の駅前に、佐藤錦の生みの親の佐藤栄助翁の像が立っています。


 東根市は果樹王国と言われるように、モモの栽培も盛んです。近所を車で回ると、あでやかな桃色の花を付けたモモの木々を所々で見かけます。後背の青々とした山並みと美しく調和した風景になっています。


 郷里の実家の庭では、ちょうど紅色のハナミズキ(花水木; ミズキ科ミズキ属)の花が満開になっていました。ハナミズキは東根市の花になっていて、市内の街路樹などにも多く使われています。


 やはり庭のサクラの木。満開が過ぎていましたが、まだ白い花が咲き残っていました。サクラの種類がよくわからないのですが。チョウジザクラ(丁字桜)のような気がします。


  上記以外にも、多くの写真をアップしています。
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2019年1月 5日 (土)

心に残る美しい山形の風景(セレクション)


 わが故郷の山形県は南東北の日本海側に位置し、県内を縦走する最上川、出羽三山、蔵王連峰などの山々、実りの秋に黄金色に輝く田園地帯等々、風光明媚な豊かな自然に恵まれています。




 すでに、「季節のスケッチ」の風景写真の中から山形関係のものを抽出して、「山形の風景」のコンテンツとして取りまとめていますが、写真の数が多くなって全体を一望するのが難しくなっていました。



 そこで、この度「山形の風景」から心に残る美しい風景を厳選して「山形の風景(セレクション)」と称する Photo Gallery を用意しました。この Photo Gallery はスライドショー形式ですので、最初に起動すればアトは自動的に写真をめくってくれます。お楽しみ下さい。




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2018年10月26日 (金)

紅葉広がる青森の大自然(八甲田、奥入瀬、十二湖、岩木山など)

 10月下旬、大自然の紅葉を求めて八甲田、奥入瀬渓流、白神山地十二湖、岩木山など青森各地をクルマで縦走してきました。紅葉の具合は地域や高度によって異なりますが、山麓付近はまさに紅葉見頃といった感じで、スケールの大きい青森の秋を存分に満喫できました。

(八甲田)

 青森空港に降り立ち、レンタカーでまず八甲田へ向かいました。八甲田連峰の山並みがよく見える萱野高原に立ち寄ると、カエデやモミジなどがきれいに紅葉していました。


 萱野高原から車で少し走ると八甲田ロープウェイに着きます。観光客で満員のロープウェイに乗って山頂公園駅へ上ります。


 この駅付近は紅葉の時期を終えていました。右遠方を見やると青森市街と陸奥湾が眺望できます。


 八甲田ロープウェイを下り、山麓の酸ケ湯温泉付近の風景です。ここも紅葉がかなり進んでいました。

蔦野鳥の森)

 十和田湖から北へ約10kmのブナの原生林にあり、野鳥の宝庫としても知られる蔦野鳥の森の中に、蔦温泉を起点とする遊歩道(沼めぐりの小路)が張り巡らされています。


 遊歩道はブナの森に点在する湖沼群をめぐるトレイルで約1時間で周回できます。起点から約10分程歩くと蔦沼に着きます。蔦沼は澄んだ水をたたえ、湖面には紅葉する森の木々を映しています。


 蔦沼から遊歩道を進むと長沼に出会います。落葉が水面を覆っています。


 遊歩道の周囲の赤、黄に染まるヤマモミジなどの木々を眺めながらトレッキングを楽しむことができました

(奥入瀬渓流・十和田湖)

 奥入瀬渓流は、青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖の十和田湖から唯一流れ出る奥入瀬川の上流部分に当たり、いつ訪れても四季折々に大自然の醍醐味を味わうことができます。この日は紅葉見頃直前の状況で、周辺の木々の紅葉と水量豊かな渓流の調和は素晴らしい景観です。


 渓流には多くの眺望スポットがありますが、この銚子大滝はその中でも人気の高いスポットです。近づいてみると相当に迫力があります。


 渓流には両岸の岸壁からも滝となって山水が注ぎ込みます。左は九段の滝の名が付いています。


 青森・秋田の両県にまたがるカルデラ湖で奥入瀬渓流の水源となっている十和田湖です。十和田湖の湖畔の木々も紅葉が進んでいました。

(白神山地十二湖)

 白神山地の一角に位置し青森県深浦町にある複数の湖を総称して十二湖という。十二湖を構成する湖群は、1704年の能代地震による崩山の崩壊で塞き止められた川から形成されたのではないかと推定されていて、今では美しい自然の景観を創出しています。上の風景は王池です。


 これは鶏頭場の池です。


 人気の高い青池。小さな池ですが、透明度の高い透き通ったブルーが観られる神秘的なスポットです。


 上記の青池、沸壺の池を含むトレッキングコースの中にブナ自然林の区域もあります。ここのブナ林の紅葉は少し先のようです。



 ブナの代わりに盛んに紅葉しているのが、トチノキ(黄;上)やヤマモミジ(赤;下)です。


 白神山地に生息するニホンザルを見かけました。群れを成していて、ここで越冬するのでしょうか。

(岩木山)


 標高1,625 mの岩木山は青森県弘前市と鰺ヶ沢町に位置する火山で、青森県の最高峰です。その美しい山容から津軽富士とも呼ばれ、県内各地から眺望できます。上は弘前城本丸からの眺望、下は弘前市百沢方面からの眺望になります。


 岩木山にはスカイラインが整備されていて、八合目まで車で簡単に上れるようになっています。中腹から山頂付近まで紅葉はすっかり終わっていました。


 スカイラインの山麓付近は、ヤマモミジの紅葉やブナの黄葉など紅葉が見頃でした。


 この時期、岩木山を抱く津軽平野は美味しいリンゴの収穫期です。一面赤いリンゴがたわわに付いたリンゴ畑が広がっていました。


 詳細は
   …> 季節のスケッチ(2018年10月 青森)


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2018年8月22日 (水)

南東北の高原風景(天元台、裏磐梯、三ノ倉など)

 猛暑の東京を避けるため、この夏は少し長めに山形に帰省してきました。日中の気温は高いのですが、朝夕は涼しく過ごしやすいと思います。そして、帰省中に南東北(山形・福島)の天元台高原や裏磐梯高原、三ノ倉高原などを回ってきました。

(天元台高原)

 磐梯朝日国立公園の域内にある天元台高原は百名山の西吾妻山の登山口になっています。米沢市から西吾妻スカイバレーを上り、白布温泉の所に天元台ロープウエイの湯元駅が見えてきます。


 湯元駅(標高920m)からロープウエイに乗ると、所要時間5分で一気に天元台高原駅(標高1,350m)に到着です。高原の上は空気も乾燥していて初秋の気配を感じました。天元台高原からリフトに乗ると、西吾妻山の大自然トレッキングを楽しむことができます。この日は時間の都合上、リフトには乗らず天元台高原を散策しました。


 高原の展望台から東北のアルプスと言われる飯豊連峰の山並みや米沢市の全景を眺望できます。



 天元台高原の花畑の風景です。いろんな花が咲いていましたが、これは多年草のヨツバヒヨドリ(キク科ヒヨドリバナ属)です。


 エゾオヤマリンドウ(蝦夷御山竜胆;リンドウ科リンドウ属)も咲いていました。北海道、本州中部以北の高山の草地や林縁に自生します。

(裏磐梯高原)

 天元台高原を離れ西吾妻山を越えると、磐梯山の北側に広がる裏磐梯高原が現れます。広大な森と桧原湖や五色沼などの湖沼群を抱く美しく変化に富む高原リゾート地です。裏磐梯からから見る磐梯山の山容は、1888年の山体崩壊の跡が残った荒々しい姿になります。


 今回は裏磐梯高原の休暇村に宿泊しました。広大な敷地の中に立っていて、周辺には散策路がめぐらされています。


 桧原湖は裏磐梯地域最大の美しい湖で、磐梯朝日国立公園に属しています。明治時代の山体崩壊のプロセスで生じた堰き止め湖で、南北約18km、東西約1kmの細長い形になっています。


 桧原湖は遊覧船で楽しむこともできますし、自動車で湖の周りを一周することもできます。


 桧原湖と同時期に造られた大小30余りの小湖沼群は水質の影響や、植物・藻などにより、緑、赤、青などの様々な色彩を見せ、五色沼と呼ばれています。これはは五色沼の一つの柳沼です。五色沼自然探勝路も整備されています。

(三ノ倉高原)

 裏磐梯から西の方角に数10分ほど車を走らせると、ラーメンで有名な喜多方市に入ります。喜多方市の山間部に位置する三ノ倉高原では約250万本ものヒマワリが咲き広がっていました。息を呑むような美しい風景でした。ヒマワリは晴れ上がった暑い天気によく似合います。


 三ノ倉高原の花畑は、スキー場のゲレンデの約8ヘクタールを利用し、春には菜の花が、夏には東北最大級を誇るヒマワリが咲き誇ります。地元からも遠方からも大勢の人が続々と集まってきていました。


 ヒマワリ畑の高原からは会津盆地を眼下に眺望できます。ススキの穂先が揺らいでいました。


 三ノ倉高原からの帰りは表磐梯を通る磐越自動車道を走りましたが、表磐梯(磐梯山の南側)から見える磐梯山の山体は美しく整っています。

 詳しくは、
    …> 季節のスケッチ(2018年8月 南東北)
    …> Photo Gallery(南東北の高原風景)

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2018年5月 6日 (日)

初夏の山形野草園の風景



 連休の合間に西蔵王高原に造られた山形野草園を訪ねてきました。北国のこの時季はちょうど新緑が美しい頃です。園内をゆっくりと散策し、世界で一本しかないというミヤマカスミザクラや今が見頃のアズマシャクナゲ、林間に咲き広がるシラネアオイ、サクラソウなどを楽しんできました。


 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、四季折々の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。この日はちょうど新緑が美しい時季で、暑くもなく寒くもなく絶好の散策日和でした。


 園内にはいろんな植物が生えていて、花を咲かせていました。これはミヤマザクラとカスミザクラが自然交配した新種のサクラで、世界に1本だけの貴重なサクラとのこと。ミヤマカスミザクラと命名されています。花期は過ぎていたものの、花が少しだけ咲き残っていました。


 日本固有種の一属一種の植物で中部地方以北の多雪地に生える多年草のシラネアオイ(キンポウゲ科シラネアオイ属)の群生が見られました。新緑の林の中で、薄紫色の花がしっくりと落ち着いた感じで咲き広がっていました。日光の白根山に多く生え、花がタチアオイに似ていることが和名の由来。


 山地の湿り気の多い所に生える多年草のサクラソウ(サクラソウ科サクラソウ属)も、シラネアオイの近くで群生していました。サクラソウは地中に根茎があり、高さ15~40cmの花茎を直立させ、5~10個の清楚な美しい花をつけます。花が美しいのでよく栽培され園芸品種も多く流通しています。


 地下茎で繁殖する多年草のクマガイソウ(ラン科アツモリソウ属)が林地で群生していました。袋状の花が源氏の武将熊谷次郎直実が背負った母衣に似ていることから和名が由来。


 トウゴクマムシグサ(サトイモ科)を見かけました。花のように見えるのは仏炎苞です。ウラシマソウミズバショウザゼンソウも同じサトイモ科の仲間。


 薄紅色や白色の数多くのアズマシャクナゲ(東石楠花;ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属)の花が満開になって咲き競っていました。アズマシャクナゲは東北地方(宮城県、山形県以南)、関東地方、中部地方(南部)に分布し、亜高山帯の林内、稜線上などに自生します。


 アズマシャクナゲの周辺の木々にはウワミズザクラ(上溝桜;バラ科サクラ属)の白い花が咲いていました。北海道、本州に自生するウワミズザクラは普通のサクラの花とは違い、ブラシのような白い花序に小さな花が凝集しています。


 ミズバショウとザゼンソウの群生するミズバショウの谷ですが、この時期はもう両者とも花が咲き終わっていて、青々とした大きな葉だけが繁茂していました。


 ミズバショウの谷では、山地の湿地や沼に生える一属一種の多年草のミツガシワ(ミツガシワ科ミツガシワ属)の白い花が群生していました。葉は複葉で3小葉からなります。寒冷地に分布し、氷河期の生き残りと考えられています。


 リュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)の花もミズバショウの谷で見かけました。本州、九州に分布し、水辺や湿地などに生育します。茎が直立し、黄金色の花をつけます。


 オキナグサ(翁草;キンポウゲ科オキナグサ属)も多く生育していました。山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育しますが、草地の開発が進んだことや山野草としても乱獲が進んだことから、各地で個体数が激減しているとのこと。オキナグサは花が終わると雌しべが羽毛状に伸び、老人の白髪のようになります。


 山地の草地に生える多年草のアマドコロ(甘野老;キジカクシ科アマドコロ属)も見かけました。茎に6本の稜があり、触ると角ばった感じがします。茎や根茎には甘みがあり、山菜として食用にされます。


 山形野草園の出入口付近です。山野草祭りが催されていたこともあり、お年寄りのグループも多く見かけました。野草園には珍しい野の花が多く、これからもリピートしたいと思います。


 上記以外にも、いろんな野草園の風景写真をアップしています。
  …> 季節のスケッチ(2018年5月 山形野草園)
  …> Photo Gallery


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