自然災害

2018年10月 7日 (日)

台風24号の被害を受けた小石川植物園

 10月に入っても相次ぐ台風の襲来など荒れ気味の天気が続いていましたが、しばらくして秋らしい落ち着いた感じが戻ってきました。


 晴れ上がった10月上旬の一日、久しぶりに小石川植物園を回ってきました。園内はこの時季ならではの秋の花々が咲き、赤く色づく木の実を見かけました。その一方で、園内の樹木が台風24号の強風で太い木枝が吹き飛ばされている状況も散見されました。



 イチョウやニレの木の巨木(上)、メタセコイア林(下)などの様子を見ると、深緑の夏木立が少しづつ色づいてきました。


 この季節ならではの花々が咲いていました。これはショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の黄色の花。形状はヒガンバナとそっくりですが、ヒガンバナより遅れて咲き出します。


 コガネバナ(黄金花;シソ科タツナミソウ属)。ロシアの極東地方からモンゴル、中国北部、朝鮮半島にかけて分布する多年草。和名からは黄金色の花を連想しますが、実際は深い青色の花です。根の断面が鮮やかな黄色をしているのが和名の由来です。


 万葉の昔から日本人に親しまれてきた秋の野草フジバカマ(藤袴;キク科ヒヨドリバナ属)です。花に虫が集まっていました。


 チベットの高地に自生する多年草シュッコンソバ(宿根蕎麦;タデ科ソバ属)を草むらで多く見かけました。質素な白い花に清楚な趣があります。


 色づいた木の実も随所で見かけました。これは柴田記念館のすぐ近くに生えるピラカンサ(バラ科トキワサンザシ属)の園芸品種のローズデール。ずっしりとした無数の木の実が赤く色づき始めました。


 日本庭園の池辺に生えているモッコク(木斛;ツバキ科モッコク属)の木に赤い実が付いていました。しばらくすると実が裂開して赤い種子が出てきます。モッコクは庭木としてよく植えられています。

  9月30日夜間から10月1日未明に東京地方に来襲した台風24号の強風が小石川植物園の樹木にも被害をもたらしました。園内を回ってみると、太い木枝が吹き飛ばされている状況が散見されました。

 これは、巨木並木ゾーンのアメリカシナノキ。



  日本庭園近くのナンキンハゼ(上)。例年11月頃になると美しい紅葉(下、2017.11.17撮影)が見られるのですが、今年は心配です。


 カジノキも相当に枝木がやられていました。


 また、園入口からメタセコイア林へ入る散策路の入口にヤマザクラの大木が生えていて、例年3月頃に満開の花を楽しむことができるのですが、このヤマザクラの木が見当たりませんでした。倒木したものと思われ、大変残念です(上記写真は2018.3.28撮影)。


 詳細は
   …> 季節のスケッチ(2018年10月)


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2016年11月26日 (土)

11月下旬、小石川植物園は鮮やかな紅葉・黄葉が主役


 11月下旬は重大な気象の出来事が相次ぎました。まず22日朝方に福島県などで最大震度5弱を観測し、東北地方沿岸に津波が押し寄せました。東日本大震災の余震だとのこと、まだまだ油断が出来ません。それから2日後の24日には強大な寒気が日本列島に南下するとともに南岸低気圧の東進と相まって、都心でも降雪を観測。11月では何と54年ぶりだそうです。
 さて、週末の26日はすっきりと晴れ上がりましたので、風邪気味だったのですが、小石川植物園内を散策してきました。鮮やかな木々の紅葉・黄葉が園内の主役でした。以下、園内の風景を紹介します。


 入口から日本庭園へ向かう途中の池の風景。水面にイチョウの黄葉やモミジの紅葉が逆さに映っていて、晩秋の風情たっぷりでした。春の時期には、この池面は新緑とサクラの花に覆われていました。



 中国原産の落葉高木ナンキンハゼ(南京櫨;トウダイクサ科ナンキンハゼ属)。無数の木の葉が秋の日差しに輝く大樹の紅葉の姿は圧巻でした。下の写真にナンキンハゼの実が見えますが、種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 ナンキンハゼに隣接する落葉小高木のハゼノキ(ウルシ科ウルシ属)も美しく紅葉していました。ハゼノキはモミジ、カエデとともに山の紅葉の代名詞になっていて、四国・九州・小笠原・琉球などの温暖な場所に生育します。ハゼノキの房状の実からロウを採取、和ロウソクやクレヨンなどに利用されます。


 イロハモミジの並木径です。まだら模様ながらも紅葉がかなり進行していました。春には心地よい緑のトンネルに変貌します。



 並木径のイロハモミジの葉の様子を観察すると、真っ赤に紅葉しているものや、まだ緑葉のもの、橙色のものなど様々です。日当り加減などに左右されるそうです。


 ヌマミズキ科の木々の紅葉も見事です。これは北アメリカの東部から南東部の湿地に広く分布する落葉高木のヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)です。真っ赤に紅葉していました。


 ヌマミズキと同属のニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の紅葉も秋の日差しに輝いていました。ニッサボクは中国原産の落葉小高木で、欧米では街路樹や庭園樹に用いられています。


 精子発見で有名なイチョウの大樹の見事な黄葉です。かつて平瀬作五郎博士がこの大イチョウを観察して動く精子を発見し、世界的に有名な研究業績になりました。イチョウの大樹の左はニレ科のウルムス・プロセアの大樹ですが、落葉が進んでいました。


 中国原産の落葉高木シナユリノキ(支那百合の木;モクレン科ユリノキ属)です。黄色や褐色に輝く無数の木の葉が大樹を覆っていました。つい見落としがちですが、初夏に小さな花を付けます。


 植物園入り口近くに生えるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の黄葉が陽光に輝き、青空に美しく映えていました。新春にはふわふわした黄色の花を咲せてくれます。


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)も黄葉が進んでいました。春になると、シナミズキの小さく房状の黄色の花が周りの空間を埋め尽くすようになります。


 ラクウショウ(落羽松;スギ科ヌマスギ属:右)とメタセコイア(スギ科メタセコイア属:左)の高木が共に鮮やかな褐色に輝いていました。ラクウショウは水湿地に生育し気根を有する落葉針葉樹です。


 園入口付近のメタセコイア林。11月初旬の頃と比べるとかなり褐色が深まってきました。


 メタセコイア林のすぐ隣に咲くグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)の白い大輪の花。グランサムツバキは1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられたそうです。

 上記以外にもいろんな写真を撮りました。
           …>季節のスケッチ(28年12月)

 植物園の紅葉・黄葉は12月中旬頃まで、しばらく楽しむことが出来ます。


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2016年3月 5日 (土)

小石川植物園、鎮魂花のような真紅のカンヒザクラが満開

 あのすさまじい被害をもたらした東日本大震災の発生 (2011.3.11)からまもなく5年になり、テレビでは連日復興状況の特集番組が放映されています。かなり復興が進展しているものの、被災地の皆さんが元の生活を取り戻すにはまだまだ時間がかかりそうです。まさに未曾有の大災害だったことが再認識させられます。
 週末のこの日は春暖の陽気で小石川植物園内を気持ちよく散策してきました。園内では、真紅色のカンヒザクラが満開になっていて、壮観な眺めでした。いつもこの時期に満天星のように大空を覆いつくす光景は、東日本大震災の犠牲者の鎮魂花のように思えてなりません。
 春の野の花もハナニラ、オオイヌノフグリ、コスミレ等々、本当に賑やかに咲き出してきました。


  濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えるカンヒザクラ(寒緋桜)が満天星のように大空に広がっていました。カンヒザクラはサクラの原種の一つで沖縄に自生します。東日本大震災が発生したこの頃にいつも満開になります。


 満開の花は鳥たちの大好物のようです。鳥の多くは大食漢のヒヨドリなのですが、この中にインコも交じっていました。野生のインコとは思えないので、どこからか逃げ出して棲みついたのでしょうか。


 3月末頃に満開になるソメイヨシノが真打だとすれば、カンヒザクラも含め前座のサクラの花が次々に登場します。このあでやかなピンク色の小振りな花が咲き出したのは早春桜です。ピンク色なので華やいだ雰囲気を醸し出してくれます。この早春桜は、富士山や箱根などの山地に分布する富士桜(マメザクラともいう)の園芸種になります。


 このひそやかな落ち着いた感じのシナミザクラ(支那実桜)もサクラの仲間です。中国原産で実が食用になるので。カラミザクラ(唐実桜)の別名があります。中国では桜桃と呼ばれます。同じ食用種のサクラとしてはセイヨウミザクラ(西洋実桜)があり、わが国ではいわゆるサクランボとして栽培されています。シナミザクラの実は若干酸味が強いとのこと。


 黄金色の花々も目立ってきました。例年より少し早めですが、サンシュユ(山茱萸;ミズキ科)の花が見頃になってきました。小さな黄金色の花が木枝の至るところから吹き出している感じで、遠くから見ると林間の空間で細かく点描されているかのようです。中国、朝鮮半島原産の落葉小高木。江戸時代中期に薬用として渡来したとのことで、秋に付ける赤い実は、滋養・強壮の薬効があります。


 マンサクの花々も黄金色を放っています。これはアテツマンサク(阿哲満作;マンサク科マンサク属)です。アテツの名は最初に発見された岡山県阿哲地方にちなんで付けられています。


 メタセコイア林の近くでは同属で北米原産のハヤザキマンサク(早咲満作;マンサク科マンサク属)も咲いていました。ハヤザキマンサクの花は少し橙色が強く、小さくまとまって咲きます。


 園内の梅林では、まだ新しいウメの花が次々と咲き出していて、まだまだ賑やかです。1月から3月までの長い期間、ウメの香りと花を楽しむことができます。


 24節気の啓蟄の頃になると、虫たちだけでなく野の花も続々と地面から顔を出してきます。これはハナニラ(花韮;ユリ科イフェイオン属)。清楚な白い花が咲き始めました。ハナニラの花の形はアマナに似ていることからセイヨウアマナとも呼ばれます。これから園内の各所に咲き広がります。


 落ち葉の中から可憐な白い花が咲き出しているのは春の妖精の仲間のユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。先月数輪だけ咲き出していたが、この日は多くの花が顔を出してきました。


 星くずのように可憐な青い小さな花のオオイヌノフグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属)が咲き広がってきました。この中にヒメオドリコソウ(姫踊り子草;シソ科オドリコソウ属)も見えます。


 コゴメイヌノグリ(ゴマノハグサ科クワガタソウ属 )が米粒のように小さな白い花を咲かせていました。花の形はオオイヌノフグリと似ていますが、ずっと小振りです。元々小石川植物園に研究用に持ち込まれたものが広がって野生化したそうです。


 先端に緑色の花序を形成するトウダイグサ(燈台草;トウダイグサ科トウダイグサ属)も多く見かけました。燈火の皿に見立てて和名が付いています。茎や葉を傷つけると白い乳液を出し、全草にわたり有毒。


 散策路でタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)の花が咲いていました。薄紫色の可憐な花が園内のあちこちに咲き出します。わが国では平地から低山に分布し、日当たりのよい道端や草原、林地などに普通に見られます。


 ヨーロッパから東アジアに分布する帰化植物のミチタネツケバナ(道種漬花;アブラナ科タネツケバナ属)の花も所々で見かけました。茎には葉がほとんど付かず、根生葉がロゼットをつくっています。

 これ以外にも、色んな花々を見つけました。これから園内の散策が快適で楽しい時期になります。

…> 季節のスケッチ(28年3月)




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2014年10月13日 (月)

10月の小石川植物園、黄色のヒガンバナを見つける


 10月に入って、週末毎に台風18号、19号と次々に大型台風が日本に襲来しました。さらには、その前の9月最後の週末は御嶽山の水蒸気噴火がありました。本来であれば暑くもなく寒くもなく絶好の行楽シーズンのはずですが、散々な状況です。この「大荒れの気象」はたまたまの一過性のものであって欲しいのですが、地球規模の気候変動の一環なのかも知れません。大いに気になるところです。

 さて、台風19号の襲来を翌日に控えた10/12(日)の東京は、曇天ながらもまだ穏やかな天気でしたので、急いで小石川植物園を回ってきました。

 園内の様子ですが、ショウキヒガンバナ(黄色のヒガンバナ)との初出会いがありましたし、晩秋の風物詩のサザンカの花が数輪咲き始めているのを見つけました。これ以外にも、先月から咲き続ける赤白のシュウメイギクや、シオン、ソメイヨシノ、セイタカアワダチソウなどの多くのキク科の花々を見かけました。




 形状はヒガンバナとそっくりですが、黄色の花を付けたショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)がヒガンバナより約1ヶ月遅れで咲いていました。何度も植物園に通っていますが、初めて見ました。ヒガンバナが群生する草むらの片隅に生えていましたので、近年ここに植え付けられたのかも知れません。

 ショウキズイセンは、ショウキランともいい、四国から沖縄などの山野に分布します。昔は沖縄の野山に沢山咲いていたそうです。名前のショウキは、立派な髭を生やし冠をつけた鍾馗様(中国の道教系の神様)のことです。

 黄色のショウキズイセンが加わり、ヒガンバナ科ヒガンバナ属に属する「ヒガンバナの仲間」がまた増えました。次のように赤、白、ピンク、橙、黄といったカラフルなコレクションになりました。

真紅に燃えるようなヒガンバナは9月の彼岸の頃に一斉に咲き出します。アゲハにとってヒガンバナの蜜が大好物なようで、舞いながら花から花へと次々に巡り回っていきます。(2013年9月)

ヒガンバナは赤い花が大多数ですが、白い花も少し咲いています。シロバナマンジュシャゲ(白花曼珠沙華)ともいわれます。(2013年9月)

ナツズイセン(夏水仙)は淡桃色の花を付けます。林地の暗い茂みの中で8月頃に見かけます。(2012年8月)

橙色のキツネノカミソリ(狐の剃刀)の花は、やはりの林地の涼しい所で8月頃に見かけます。面白い和名がですが、春先の伸びた葉をキツネの剃刀にたとえ、この名が付いたとのことです。(2012年8月)

 翌日台風が接近するということですが、この日はまだ大丈夫。暑くもなく寒くもなく程良い天気で、桜並木の下では家族連れが敷物を広げていました。


 ツバキ園を覗いてみたら、やはり10月です。白いサザンカ(山茶花)の花が咲き出していました。秋冬の花の少ない景色の中で赤や白のサザンカの花は貴重です。サザンカはこの季節の風物詩で、歌にもよく登場します。小学唱歌「さざんかさざんか咲いた道 たき火だたき火だ落ち葉たき」や、 演歌「赤く咲いても冬の花 咲いて寂しい山茶花の宿」などの歌はポピュラーです。これからどんどん咲き出してきます。



 先月咲き始めたシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が盛んになってきました。風にたなびく白花は可憐な野の花という趣があります。シュウメイギクの名前からはキク科のように思えますが、実はキンポウゲ科の植物です。
 一方、赤紫色の八重咲きの花は立派な勲章のような形状をしています。京都北山の貴船に自生していることから貴船菊の別名があります。


 ここからは正真正銘のキク科の花々が続きます。薄い紫色の花がゆらゆらと優雅に風にたなびいているのはシオン(紫苑;キク科シオン属)の花です。古い時代に薬草として渡来したが、花が美しいので薬草より観賞用として栽培が盛んになったとのことです。


 静かな佇まいのカントウヨメナ(関東嫁菜;キク科ヨメナ属)の花を園内の随所で見かけるようにました。カントウヨメナはいわゆる野菊の一種です。木の根元でひっそりと群れて咲いていました。


 背の高いセイタカアワダチソウ(背高泡立草;キク科アキノキリンソウ属)を園内の草むらなどの各所に見かけました。スクッと立った枝先に形状のいい黄色の花穂を付けます。北米原産の帰化植物で各地の河原や空き地などに群生します。


 風になびくススキ(薄;イネ科ススキ属)の穂が秋の陽射しを受けゆらゆらと輝いていました。典型的な秋の風景です。ススキは秋の七草の一つとして古くから親しまれ、全国津々浦々に見かけます。


 先月細かい無数の黄色の花が地上に降り注いでいたフクロミモクゲンジ(袋実木欒;ムクロジ科モクゲンジ属)の大樹を見上げると、今度は沢山のベージュ色の花が咲いているように見えました。実は、色づいた花のように見えるのは黒い実の果実が収まった袋です。この大樹は姿・形を変えて色々と楽しませてくれます。

  …> 季節のスケッチ(26年10月)

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2014年9月28日 (日)

久しぶりの小石川植物園、スイフヨウ、ヒガンバナ、萩などの秋の花々


 9月下旬になってデング熱騒動がようやく収まりそうになってきました。やれやれと思っていたところ、昨日は秋の紅葉シーズンを迎えた木曽の御嶽山が噴石を伴う水蒸気噴火を起こし、数10名の被害者が出たようです。


  [NHK ニュースWEBより]

 自然は私たちに季節の喜びや生きるための癒やしを与えてくれます。が、同時に多くの試練を課してきます。当たり前のことですが、いろんな災害が発生するたびに再認識させられます。


(秋分の日の小石川植物園)

 さて、先日の秋分の日(23日)、久しぶりに小石川植物園を訪れてきました。デング熱対策として虫除けようのリストバンドを2カ所付けた重装備の格好で回ってきましたので、蚊には全く刺されませんでした。

 園内の様子ですが、季節は暦通りに進んでいて、スイフヨウ、ヒガンバナ、萩などの秋の花々を見かけることができました。

 まず、植物園に入って直ぐの所にスイフヨウ(酔芙蓉;アオイ科フヨウ属)の花が咲いていました。

 八重咲きのスイフヨウの花は一日花で、白色から薄赤色に徐々に変わってしぼみます。酒を飲んで顔がだんだん赤くなってくる様子から「酔う芙蓉」といい、この名になったとのこと。普通に見る花は白花か赤花ですが、この日はちょうど変身中の花を撮ることができ、ラッキーでした。

 スイフヨウの木から少しだけ離れた所にフクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科モクゲンジ属)の大樹があります。

 樹上を見上げると、黄色の花が盛んに咲いていました。黄色の細かい花がハラハラと舞い降りて、木の下の地面は黄色のオガクズを敷き詰めたようになります。まさに、英名の golden rain tree そのものです。

 次はこの季節の風物詩のヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)です。園内の至る所で真っ赤に広がっていました。

 ヒガンバナにはその美しさ、妖しさ等からいろんな呼び名があります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の呼び名が有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。一方、わが国ではちょうど彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。ヒガンバナは妖しく燃えるような真っ赤な花が大部分ですが、少しだけ白いヒガンバナも咲いています。白花曼珠沙華ともいいます。


 毒花、痺れ花の別名が付くヒガンバナは全草有毒なのですが、アゲハには無毒のようです。アゲハはヒガンバナの蜜が大好物で、舞うように次々にヒガンバナを巡っていきます。


 園内の至る所でヒガンバナを見かけました。ヨメイヨシノの大樹の根元でもこのように。日本に分布するヒガンバナは全て遺伝的に同一の三倍体のため、種子で増えることができず、球根を増やしながら広がります。


 ヒガンバナは昔から墓地に植えられ、故人を弔うための花といった感じもします。故人の霊が宿るようなヒガンバナの後方に見えるのはラクウショウ(落羽松)の気根ですが、まるで野辺に立つお地蔵さまのように見えます。

 秋の七草の一つである萩の花も盛んに咲き出していました。

 全国の山地に分布するマルバハギ(丸葉萩;マメ科ハギ属)が赤紫色の蝶形の花を付けていました。名のとおり丸い葉が特徴です。マルバハギや同属のヤマハギが、「秋の七草の萩」とされています。


 ミヤギノハギ(宮城野萩)が紅紫色の小さな花を細い枝に多数つけ、枝垂れて咲いていました。宮城県に多く自生することから和名が由来します。わが家の庭にも同じ萩の木がありましたが、旺盛な繁殖力でどんどん成長します。


 珍しい白い花を付けるシロバナハギ(白花萩)も見かけました。シロバナハギはミヤギノハギの変種です。


 白いシュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が可憐に咲いていました。シュウメイギクの名前からはキク科のように思えますが、実はキンポウゲ科の植物です。シュウメイギクには白い花と趣が異なる、勲章のように立派な形をした八重咲きの赤い花もあります。京都北山の貴船に自生していることから貴船菊の別名があります。


 山野の半日陰地にみられる多年草のホトトギス(杜鵑;ユリ科)も見かけました。面白い和名が付いていますが、花びらの斑点模様が鳥のホトトギスの胸の模様に似ていることに名が由来。

 秋の花々以外にも赤い実を付けている樹木を多く見かけました。秋の季節を実感します。

 初夏に美しい花を付け楽しませてくれるハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)ですが、頭上の木の枝をよく見ると、赤い実が点々と付いているのがわかります。葉も少しずつ色づいてきました。


 これは日本庭園の池の周りに生える落葉低木のゴンズイ(権萃;ミツバウツギ科ゴンズイ属)。赤い袋果の実が数多く付いています。やがて黒い種が出てきます。


 ニイタカガマズミ(スイカズラ科ガマズミ属)の低木にガマズミの赤い実が付いていました。植物園の名札にはViburnum betulifolium Batal.の英語名しか付いていませんでしたので、調べてみたらニイタカガマズミが和名のようです。ニイタカ山は台湾の最高峰ですので、台湾に多く自生していると思われます。


 秋に赤い実でなく、珍しい紫色の実を付けるのは落葉低木コムラサキ(小紫;クマツヅラ科ムラサキシキブ属)です。その名のとおり紫色の小粒の実が房状に連なって枝垂れながら枝中に付いていました。

  …> 季節のスケッチ(26年9月)

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2014年9月 7日 (日)

9月の花は真紅に燃えるヒガンバナ


(デング熱騒動)
 9月に入って暑さが納まってきましたが、蚊を感染媒介とするデング熱騒動が収まる気配がありません。感染場所とみられる都立代々木公園で採取した蚊から、デングウイルスが検出されたことを受け、代々木公園が閉鎖されました。さらに、新宿中央公園、神宮外苑、外濠公園などの蚊に刺された感染者が出て、波紋が広がっています。

 ただ、デング熱の症状を調べてみると一過性の熱性疾患であり、重症化することはあまりないようです。症状的には、発熱・頭痛・筋肉痛・関節痛など、はしかの症状に似た特徴的な皮膚発疹を含むとのこと。西アフリカのエボラ出血熱のイメージと重なって、大騒ぎになってしまった感があります。

 私にとって困ったことには、植物園に行きづらくなったことです。新宿御苑は閉鎖になったようです。また、小石川植物園は閉園になっていませんが、窓から園内の様子を覗いてみると、散策している人が皆無です。長袖、長ズボンの服装で虫除け器を持参すれば大丈夫かと思うのですが、万一の場合のことを考えた場合、植物園訪問をためらってしまいます。こんなわけで、今回はこれまでの季節のスケッチのコンテンツを用いて記事をまとめることにしました。

(季節の花ヒガンバナの紹介)

 9月になると次第に暑さも収まり、野山に咲く秋の花々を楽しむことが出来るようになります。いろんな秋の花々の中で、今回は妖しく真紅に燃えるように咲き出すヒガンバナ(彼岸花)を紹介します。

 ヒガンバナにはその美しさ、妖しさ等からいろんな呼び名があります。曼珠沙華(まんじしゃげ)の呼び名が有名ですが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花ということです。一方、わが国ではちょうど彼岸の時期に咲くことから、死人花、幽霊花などの異名が付いています。

            (2013.9@小石川植物園)

            (2004.9@小石川植物園)
 小石川植物園では、林地の林床部の草むらをはじめとして園内随所に真紅に燃えるようなヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花々が数多く咲き出します。毒花、痺れ花の呼び名もあるヒガンバナは全草有毒なのですが、アゲハには無毒のようです。ヒガンバナの蜜が大好物で、舞いながら花から花へと次々に巡り回っていきます。


            (2013.9@小石川植物園)
 ヒガンバナは赤花が大部分ですが、少しだけ白いヒガンバナも咲いています。白花曼珠沙華ともいいます。


            (2004.9@小石川植物園)
 ヒガンバナは昔から墓地に植えられ、故人を弔うための花といった感じもします。この写真は、かつて親が亡くなった直後に植物園で撮ったものです。故人の霊が宿るようなヒガンバナと、その後方に仏像群のように見えるラクウショウ(落羽松)の気根の組み合わせに不思議な符号を感じました。


            (2012.9@小石川植物園)

            (2008.9@小石川植物園)

            (2008.9@小石川植物園)
 この時期、植物園のいろんな所にヒガンバナを見かけます。まさに9月の花と言えます。
 ヒガンバナはその生長サイクルも独特です。すなわち、1週間ほどで花も茎も枯れてしまった後、球根から緑の葉がすくすくと伸びてきます。そして、翌年の春までしっかりと光合成をして球根に栄養をため込み、夏を迎える頃には、葉を枯らして休眠期に入ります。やがて秋の彼岸の頃に、再び地表に姿を現して、真っ赤な花を咲かせます。


            (2010.10@巾着田)

            (2010.10@巾着田)
 奥武蔵にある日高市の巾着田(きんちゃくだ)はヒガンバナの群生地として有名です。巾着田とは日高市内を流れる高麗川の蛇行により長い年月をかけて形成され、その形が巾着の形に似ていることから、そのように呼ばれています。かって訪れた時には面積約22ヘクタールの川に囲まれた巾着田の平地が、ちょうど赤い絨毯を敷き詰めたように一面が満開の彼岸花で真紅に染まっていました。あまりの美しさに息をのんだものです。この地は水田の休耕田でしたが、地元では彼岸花、菜の花、コスモスの種蒔き、球根手入れや草刈りを丁寧に行って整備しているとのことでした。


            (2008.9@皇居東御苑)
 皇居東御苑でも見かけました。典雅な感じの数寄屋風の書院茶室で、二の丸庭園に建つ諏訪の茶屋の前の草地に、紅白のヒガンバナが咲いていました。この他土手などにも咲いています。


            (2012.8@小石川植物園)
 次にヒガンバナの近縁種を紹介します。これはナツズイセン(夏水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の淡桃色の花です。林地の茂みに8月に見かけます。水仙の名を含んでいますが、水仙よりも彼岸花に似ています。


            (2012.8@小石川植物園)
 林地の涼しい所に見かける橙色のキツネノカミソリ(狐の剃刀;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の花。やはりヒガンバナの同属で、8月に咲きます。面白い和名がですが、春先の伸びた葉をキツネの剃刀にたとえ、この名が付いたとのことです。


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2014年3月11日 (火)

3.11 東日本大震災から3年経ちました


 今年も3月11月が巡ってきました。堅実な東北の人々の生活を一瞬にして崩壊させ、1万8千人を超える膨大な犠牲者を出した東日本大震災が発生から3年を迎えました。各地で追悼行事が催され、列島が鎮魂の祈りに包まれた。未曾有の被害をもたらした大震災ですが、次第に記憶が薄れ、普段の生活では思い出すことが少なくなりましたが、3月11日が近づきマスコミ・マスメディアの報道が増加するにつれ、あの時のすさまじい災害の光景が脳裏にフラッシュバックしてきます。
<甚大な被害状況>
 ブログ記事(2012.3.11)からの再掲


津波が押し寄せる仙台空港(海上保安庁資料)


破壊された仙台空港(気象庁資料)


がれきと化した大船渡市(気象庁資料)
 私は直接的な被害は無かったのですが、それでも当日たまたま筑波にいて大地震に遭遇し、入っていた建物が何回も激しい揺れに襲われたこと、東京に戻る交通手段が喪失しあっという間に帰宅難民と化してしまったこと、現実とは思えない悪夢のような光景がテレビから繰り返し放映されていたこと等、信じがたい体験がまじまじと思い起こされます。
  → 東北関東大震災すさまじい被害をもたらす (2011.3.14)

 あれから3年経って、色んな見方がありますが、復旧・復興は確実に進んでいるように思えます。港湾や鉄道などの公共インフラはほぼ復旧し、瓦礫と津波堆積物の処理も93%完了とのこと。一応、本格復興に向けた一里塚が築かれたといったところでしょうか。


(復興庁資料より)

 もちろん、まだ26万人もの避難生活をしている人たちの生活再建、複雑な様相を呈している原発問題の解決など、まだまだ多くの課題が残っているのも事実です。わが国の英知を結集し総力を挙げることにより復興を加速させ、早々に本格復興が実感できる日が来るものと信じています。


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2013年12月31日 (火)

2013年を振り返って

 2013年がいよいよカウントダウンになってきました。私なりの視点で今年の社会経済を振り返ってみたいと思います。

1. 景気回復、株価1万6千円を超える

 東京株式市場の大納会の30日、景気回復への期待感から買いが膨らみ、日経平均株価の終値が1万6291円と、今年の最高値を記録して取引を終えました。年間では57%も上昇し、田中角栄政権が列島改造論を打ち出した1972年(92%)以来、41年ぶりの伸び率になりました。

 
             (NHK NEWS-WEB より)

 ちょうど1年前に登場した安倍政権が財政、金融、経済成長の3本の矢を柱としたアベノミクスの経済政策を展開。当時わが国を取り巻く閉塞感を打破したいという国民の期待にも沿う形となり、政治的な安定状況の進展が経済環境にも好影響を与え、円安・株高が一気に進んだ1年となりました。

 今後は、来春の消費税増税を乗り越え、この景気回復感を本物の景気回復・経済再生の軌道に乗せていくことが喫緊の課題となります。

2. 企業の品格が問われる

 2020年の東京オリンピック開催が決まり、さあこれから日本全体で「お・も・て・な・し」と盛り上がっている最中に、今年も企業の品格が問われる出来事が起こりました。阪急阪神ホテルズから始まったレストランのメニュー表示偽装の問題です。連鎖が続き10月下旬以降に明らかになっただけで、ホテルではホテルオークラや藤田観光などの名門グループが名を連ね、百貨店でも、高島屋を皮切りに三越伊勢丹、大丸松坂屋百貨店、そごう・西武の大手4社が相次ぎ公表しました。ただし、そのほとんどが「偽装」ではなく「誤表示」との主張しています。

 そもそもメニュー表示偽装は、最近になって急に表面化したものではなく、長期にわたって横行していたと思われます。それが、「みんなで渡れば怖くない」とばかりに一斉にメニュー表示偽装を公表した訳です。今後、消費者庁がガイドラインを定めるということですが、政府に責任を転嫁したようで情けない限りです。食品業界一丸となって厳しい自主ガイドラインを作成するなど自浄作用を発揮してもらい、日本の消費者はもちろん、海外の人にも信頼される業界、品格ある企業に「成長」して欲しいと思います。

3. 東日本大震災発生から1000日経過

 2011年3月11日の東日本大震災発生から、12月4日で1000日が経過しました。次第にあのすさまじかった災害の記憶も薄れていますが、現実には災害復興はまだ道半ばです。復興庁が11月にとりまとめた、復興状況は以下の通りです。

  • 当初約47万人に上った避難者は約28万人となり、そのほとんどが仮設住宅等に入居。仮設住宅等への入居戸数は減少しはじめており、住まいの再建への動きが進みつつある。
  • 公共インフラは、おおむね復興施策に関する事業計画と工程表に基づき、着実に推進。高台移転や土地のかさ上げ等の事業は、大半について事業計画の策定が完了し、順次着工が始まりつつある。住まいの復興には、時間を要する見通し。
  • 被災地域の鉱工業生産指数は震災前の水準にほぼ回復し、有効求人倍率も1を超えているが、津波被災地域等における産業の復興や一部の沿岸部の雇用者数の回復等の課題がある。
  • 原子力災害からの復興については、避難指示区域の見直しが完了。これに併行して、除染、インフラ復旧、長期避難者に対する支援、放射線による健康不安の解消に向けた取組等が行われているが、帰還の見通しを持つには至っていない。
4. 国内外で相次ぐ異常気象・自然災害

 今年の日本は夏の猛暑、巨大竜巻、スーパー台風と尋常でない異常気象が相次ぎました。しかし、異常気象は日本だけではなく海外でも頻発しています。地球全体の自然環境のバランスが狂い始めたような気がします。

(国内の異常気象・災害)
  • 関東地方では夏には35度を超す猛暑日が続き、また四国の四万十市で41度という史上最高気温を更新。
  • 9月の越谷市と野田市では突然の巨大竜巻が発生。600棟を超す住宅や学校の校舎などが破壊され、電柱がなぎ倒されるなど大きな被害が発生した。
  • 9月の大型台風18号関西地方を中心に被害が出した。特に京都・嵐山の河川があふれ、名勝の渡月橋が今にも崩れそうになったのは記憶に新しい。
  • さらに10月には、「10年に一度の強い勢力を有する」台風26号が伊豆大島を直撃。火山灰から成る三原山の斜面から土石流が発生し、集落を飲み込む。犠牲者多数。
(海外の異常気象・災害)
  • ヨーロッパでは、5月以降、広範囲に雨が降りやすい状況となり、各地で大雨となった。
  • インドでは、広い範囲で多雨となった。特に、6月中旬に北西部のウッタラカンド州周辺で大雨となり、大きな被害が発生。
  • 7月以降、アムール川流域の広い範囲で多雨となる。このため、ロシア極東域では、アムール川の水位が上昇し、洪水の被害が発生。アムール州とハバロフスク州になまたがる広い地域で7000棟が浸水、3万人近い人々が避難。
  • 7月中旬に南米各地を強烈な寒波が襲い、ブラジルなどで季節外れの大雪を観測。凍死者も発生。この時期にブラジルで雪が降るのはきわめて異例。
  • 中国では、上海など東部地方で7月から記録的な暑さが続く。
  • 9月以降、インドシナ半島の広い範囲で多雨となり、タイやベトナムでは洪水の被害が発生。
  • 11月に台風30号がフィリピン中部を直撃。台風が高潮を発生させ、まるで大津波のような甚大な被害をもたらす。
 12月に入っても、異常気象が続いています。
  • 普段は降雪を見ないベトナム北部(ラオカイ省)あたりを中心に降り続ける異常な降雪により、畜産などが大きな被害。
  • 全米が尋常でない気象。大雪と寒波で混乱し犠牲者が出る地域もあれば、洪水で交通が麻痺している地域もある。
  • 南半球のオーストラリア(ニューサウスウェールズ州とビクトリア州など)でなんと真夏に大雪が降る。
  • アルゼンチンでは、全土が異常な熱波に見舞われている。連日 38度以上の気温が続き、クリスマスには首都ブエノスアイレスで43度というとんでもない気温を記録。
 

 このような異常気象は偏西風(ジェット気流)の蛇行により発生するようですが、そもそもの原因は地球温暖化に起因するらしいとのこと。地球温暖化問題については後日改めて。

 これ以外にも、気になった出来事が沢山ありましたが、そろそろ時間切れになりそうですので、この辺で「中締め」にしたいと思います。それでは皆さん、どうぞ良いお年をお迎え下さい。


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2013年9月16日 (月)

台風18号が列島横断、この後は本格的な秋へ


 大型の台風18号が暴風域を伴ったまま、16日早朝に豊橋市付近に上陸して、その後夕方にかけて関東から東北地方を通過、各地で大雨、突風が発生し、洪水、土砂崩れ、建物崩壊などの大きな被害をもたらしました。


            (日本気象協会HPより)

 今回最も驚いたのは、台風の進路から外れて北側にある京都、滋賀、福井に「特別の警戒を要する大雨」が降り、観光地で知られる京都嵐山の渡月橋が冠水して今にも橋が流されそうになったことです。幸いにも、橋は流されずに残ったようで、ひと安心です。気象庁によると、日本の北の上空で気圧の谷が西から東へ移動し、乾燥した冷たい空気が流れ込んでいたため、南からの湿った空気とぶつかり合って日本海側に前線ができ、雨雲が発達したためだそうです。

      (京都嵐山の渡月橋、2010年10月撮影)

 台風一過というように、明日からは全国的に朝は涼しい空気に包まれ、カラッとした秋晴れになりそうです。いよいよ秋到来ですね。

 次に小石川植物園の風景ですが、この3連休は台風などの影響で訪れることが出来ませんでしたので、先週の7日の様子を紹介します。


 9月に入ってもサルスベリ(百日紅)の花が咲き続けていて、まだ夏の佇まいが残っていました。その一方で、秋の気配が確実に広がってきています。


 園内の柴田記念館の周りには、マリーゴールドトレニアキバナコスモスなどの秋の草花がきれいに植えられていました。


 マメ科のつる性植物のクズ(葛)が大きな木々をすっぽりと覆っていました。すさまじい風景です。クズは繁殖力が旺盛で、海外ではグリーンモンスターと呼ばれています。


 近くに寄ってみると、赤紫色のクズの花を見つけました。クズの花は秋の七草の一つです。根からは葛澱粉が採れ、葛湯とかくず餅などに用いられます。また、葛根として漢方にも使われます。


 また、彼岸の頃に草むらを真紅に染めるヒガンバナ(彼岸花)が咲き始めていました。とは言っても、まだほんの数輪だけです。今月の下旬には見頃になると思います。

    …> 季節のスケッチ(25年9月)

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2013年8月 4日 (日)

残暑の8月、小石川植物園はサルスベリ、ムクゲなど夏の花や緑衣の夏木立が目立つ


 いよいよ8月に入りました。先月の後半は、日本列島の北部に残った梅雨前線と蛇行する偏西風の影響で、東日本から西日本の広範な地域で局所的な集中豪雨が続き、河川の氾濫、土砂崩れ等の甚大な被害をもたらしました。日常生活では野菜の高騰をもたらし、また東北地方では異常な冷夏が続いているようです。

 しかしながら東北地方もようやく梅雨明けし、今週の立秋(7日)頃からは太平洋高気圧が日本列島を覆うようになり、厳しい残暑が戻るとのことで、ようやく平年のこの時期の気候になりそうです。

 4日の休日に小石川植物園に出かけてきましたが、猛暑ではないのですがムシムシとした天候のせいか、少ない人出でした。この時期の園内は落ち着いた雰囲気で、サルスベリやムクゲなどの夏の花木が静かに花を咲かせ続けていました。そして、高木・大木の緑衣の夏木立も見応えがありました。また、オミナエシやキキョウなどの秋の七草も見かけました。


 園内の日本庭園の奥の方に旧東京医学校の赤い建物が立っています。この建物の周りは季節ごとにいろんな花が咲くようになっていますが、この時期の花はサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)です。ただ、この真紅の花を付けるサルスベリの大木ですが、ここ数年花の付き具合が芳しくなく心配です(→ 平成16年の様子)。


 真紅のサルスベリの近くには、薄紫色のサルスベリの大木があります。この大樹は以前と同じように盛んに花が咲いていました。


 先月から咲き続けているムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)の花。ムクゲも代表的な夏の花木です。落ち着いた雰囲気の中で、風雅な趣のムクゲの花が園内の随所で夏中咲き続けます。


 この時期、花の数が少なくなりますが、緑衣をまとった夏木立は見応えがあります。葉の形から木の名前が分かるようになります。この夏木立は、アメリカスズカケノキ(アメリカ鈴懸の木;スズカケノキ科スズカケノキ属)です。


 ヘラノキ(箆の木;シナノキ科シナノキ属)の夏木立。


 ヒロハカツラ(広葉桂;カツラ科カツラ属)の夏木立。

 ケヤキ(欅;ニレ科ケヤキ属)の夏木立。


 立秋が近づいてきましたが、秋の七草のオミナエシ(女郎花;オミナエシ科オミナエシ属)の花を見つけました。直立した茎の先にあざやかな黄色の花が群生して咲いていました。


 やはり秋の七草のひとつのキキョウ(桔梗;キキョウ科キキョウ属)の花です。キキョウは秋の花というより、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。


 草むらもこの時期ならではの風景を見かけました。これは北アメリカ原産の帰化植物のオオハンゴンソウ(大反魂草;キク科オオハンゴンソウ属)。園内の随所に群生しています。


 つる性の植物を多く見かけました。これは、藪を覆って枯らしてしまうほど生育が旺盛といわれるヤブガラシ(藪枯らし;ブドウ科ヤブガラシ属)。ヤブガラシの花にチョウが止まっていました。


 やはりつる性の多年草、カラスウリ(烏瓜;ウリ科カラスウリ属)。レース状の白い花で夜間だけ開くとのことですが、朝早い時間でしたので、まだ咲いていました。

    …> 季節のスケッチ(25年8月)

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