小石川植物園

2022年6月 1日 (水)

各地のアジサイ(紫陽花)の風景


 6月に入りました。2月から続いているロシアによるウクライナへの侵略戦争は一進一退の戦況が続いているようで、なかなか出口が見えません。建物やインフラの破壊、数多くの市民の虐殺、物資の略奪など目を覆いたくなるような出来事が相次いで報道されています。ロシアの早急な全面撤退を願いたいのですが。


 さて、6月は梅雨空の下で木々がしっとりとした緑に覆われる落ち着いた季節です。近所を散歩すると、軒先にアジサイの花が目立つようになります。以下、これまでの季節のスケッチから、各地のアジサイ(紫陽花)の風景をまとめてみました。

白山神社@文京区
 近所の白山神社では毎年6月に文京あじさい祭りが開かれ、大勢の人で賑わいます。この白山神社はもともと小石川植物園内に建っていましたが、徳川時代に綱吉の屋敷造営のため現在地に移ったといわれてます。


 約3千株の多様な紫陽花が、白山神社の境内から隣接する白山公園にかけて植えられています。この年も色とりどりのアジサイの花が咲き始めていました。2012.6


 多くのアジサイの花を集めた恒例の「あじさい富士」です。毎年、あじさい祭りのモニュメントとして境内に作られます。2010.6

小石川植物園
 面積は約16万㎡もの広大な緑地が東京中心部(文京区)の一角に広がっています。園内には台地、傾斜地、低地、泉水地などの地形を利用して様々な植物が配置されていて、来園者は野趣に富む山野を自由に歩き回るといった感じで四季折々の自然を楽しむことができます。


 この年の東京地方の入梅は6月10日でした。植物園内でも、随所にアジサイの花が梅雨空にしっとりと咲いています。これは日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花)です。2009.6


 園内にはいろんなアジサイの花が咲いています。これはホンアジサイの花。観賞用には美しいアジサイですが、毒性があり摂食すると中毒を起こすので要注意。2019.6

郷土の森博物館@府中市

 郷土の森博物館は府中の自然と歴史を楽しみながら知ることのできるようになっています。約14万㎡の広大な敷地の中に、府中の自然、地形、風土を表現すべく昔の農家や町屋、歴史的な建物などが配置されています。都心からは車で甲州街道を走り、1時間ほどで到着です。


 敷地内の古い建物の前や「あじさいの小径」沿いに約1万株の赤、青、紫、白などの色とりどりのアジサイが植えられていて、毎年あじさいまつりが開催されるとのこと。6月中旬のこの時期にちょうど見頃を迎えていました。2019.6


 ホンアジサイガクアジサイヤマアジサイなどのいろんな種類の紫陽花の花々が一斉に咲き出していて、緑の木々と調和して見事な風景を醸し出していました。2019.6


皇居東御苑

 東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。この時季にはアジサイの花が所々に咲き出しています。2013.6

浜離宮恩賜庭園

 浜離宮恩賜庭園は潮入の池と二つの鴨場をもつ江戸時代の代表的な大名庭園で、現在は都立公園として親しまれています。汐留や築地に近くアクセスが便利です。潮入の池の中のお伝い橋と中島の御茶屋の風景です。池のほとりにアジサイの花が咲いていました。2017.6

 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年6月)

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2022年5月 1日 (日)

各所の初夏の風景(季節のスケッチより)


 大型連休に入りました。今年はコロナ感染による外出規制が3年ぶりに解除されたということで、各地で少しづつ賑わいが戻ってきているようです。しかしながら、まだ東京で数千人の感染者が毎日出ており、最後まで油断禁物です
 さらには、2月から続くロシアによるウクライナ侵略戦争、知床半島の観光クルーズ船の沈没など、気が滅入るような出来事が相次ぎ、なかなか気持ちが穏やかになりません。

 さて、5月の初夏の季節は木々の新緑が若葉・万緑へと移り変わり、美しい緑の世界が広がります。そして、ツツジ、ウツギ、トチノキ、アヤメ、シャクヤクなどの花々も落ち着て咲き出します。各所の5月の風景(季節のスケッチ)を以下にまとめてみました。

小石川植物園


 面積は約16万㎡もの広大な緑地が東京中心部(文京区)の一角に広がっています。園内には台地、傾斜地、低地、泉水地などの地形を利用して様々な植物が配置されていて、来園者は野趣に富む山野を自由に歩き回るといった感じで四季折々の自然を楽しむことができます。

 5月セレクション 5月の風景(フォトギャラリー)
 2020.5  2019.5 2018.5


皇居東御苑

 東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして季節の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。都心のど真ん中にあっても、都会の喧噪は全く感じられず、いつも落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。 2017.5  2014.5 2012.5


神代植物公園

 調布市の名刹深大寺のすぐ近くに広がる神代植物公園には約4,500種類、10万株の植物が植えられています。また、武蔵野の面影が残り、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができるようになっています。 2014.5 2013.5


都心の街路樹など

 まちを美しく彩る東京の街路樹・樹木は、木々の新緑や黄葉、春~夏に咲く花々など、季節の移り変わりを知らせてくれる自然のキャンパスです。普段は何気なく見過ごしてしまいがちですが、よく観察すると新鮮な出会いに驚くことがあります。

(この時期の街路樹の花々) 2021.5
  桜田門付近:トチノキ、浅草橋:マロニエ(トチノキ)
  飯田橋:ヤマボウシ、水道橋皀角坂:サイカチ
  銀座並木通り:シナノキ、迎賓館周辺:ユリノキ
  筑波大付高キャンパス:キリ
  サンシャイン公園:タイザンボク ほか


山形の風景

 郷里の山形は風光明媚な自然に恵まれています。山形盆地に立って四方を見渡すと、東には奥羽山脈が南北に走り、船形山、蔵王連峰などの山々が連なり、西方には出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)などの朝日連峰に連なる山々が眺望できます。また、芭蕉の句「五月雨や集めてはやし最上川」で有名な最上川は、吾妻山系を源とし、置賜地方、山形盆地、新庄盆地、最上峡、庄内平野と県内を229km縦走して日本海に注ぐ大河です。ここでは大自然に遊び心身ともにリフレッシュすることができます。 2019.5  2017.5 2015.5


山形野草園

 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、季節の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。 2018.5


上三依水生植物園

 上三依水生植物園は日光の山地につくられ、男鹿川沿いの敷地面積約2万2千平方メートルの広大な園内に約300種、3万本の高山植物、湿生植物などが季節を彩るように咲き競っています。 2019.5


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年5月)

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2022年4月 8日 (金)

4月の小石川植物園、新緑が美しい百花繚乱の季節



 4月に入りました。サクラの花が散り終えましたが、美しい新緑と百花繚乱の季節を迎えます。植物園内を回ると、ミズキ、イチョウ、イヌシデなどの大樹の鮮やかな新緑が目に飛び込んできます。また、ソメイヨシノの花は終わりましたが、ハナズオウ、オンツツジ、カリン、ニリンソウ、シャガ、オオアラセイトウなど木々の花や野の花が一斉に咲き出してきました。


 日本庭園の大池の周りの風景です。まだサクラの花が少し残っています。大池の手前では、常緑樹のクスノキの赤い新葉が盛んに生え出ているのが分かります。小石川植物園は文京区の一角に広がっていて、都会の中のオアシスのような場所です。後方には街の建物が垣間見えます。


 サクラ並木に並行してイロハモミジが立ち並ぶ小径の風景。この小径がアーチ状に連なっていてモミジのトンネルのようになっています。この時期、美しい新緑に覆われてきました。右側の建物は、最近リニューアルされた温室になります。


 梅林手前の小さな池(中島池)。この周りにサクラ、イロハモミジなどの木々が生えていて、池の水面が四季折々に美しく変化します。今はちょうどサクラの花から新緑への主役交代中です。


 北海道から九州までの各地に広く分布する落葉高木のミズキ(水木;ミズキ科ミズキ属)。鮮やかな新緑が木枝から吹き出しています。早春に芽をふく時に地中から多量の水を吸い上げることから和名が由来します。


 園入口近くに生えるイチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大樹。イチョウは中国原産の落葉高木の裸子植物。新緑が吹き出し、やがて枝先の小さな新葉の下に雄しべが多数連なってきます。


 中国原産の落葉低木ハナズオウ(花蘇芳;マメ科ジャケツイバラ亜科ハナズオウ属)。鮮やかで美しい赤紫色の花が散策路のすぐ脇に咲いていました。花は葉が付く前に、枝から吹き出
すような感じになる。


 紀伊半島、四国、九州に広く分布するオンツツジ(雄躑躅;ツツジ科;ツツジ亜属ミツバツツジ節)。園内のツツジ園では満開になった見事な赤紫色の花が目に飛び込んできます。


 中国原産の落葉高木カリン(花梨;バラ科カリン属)。落ち着いた感じの薄紅色の小さな花が木枝に多く咲き出していました。秋になると、かなり大きな果実を沢山付けるようになり、木の上からボタボタと落ちてきます。


 北海道、本州、四国、九州に分布し、山麓の林の縁や林の中、土手などに生えるニリンソウ(二輪草、鵝掌草;キンポウゲ科イチリンソウ属)。ひとつの茎に通常2輪の白い花が咲くことからこの名がつく。スプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つ。


 中国四川省原産で谷沿いの陰地や竹林などに群生する常緑多年草のシャガ(著莪、射干;アヤメ科アヤメ属)。黄と青の幻想的な模様の入った白い花が次々に咲き出してきます。根茎が短く横に這い、群落を形成する。


 中国原産の一年草オオアラセイトウ(諸葛菜、紫花菜;アブラナ科オオアラセイトウ属)。園内の草むらに群生し、紫色の菜の花のような花が草むらを覆っています。わが国へは江戸時代に栽培用として導入されたが、繁殖力が強く野生化しています。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年4月)

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2022年3月28日 (月)

3月下旬の特別招待日、ソメイヨシノが満開



 ソメイヨシノが満開を迎えた3月28日、小石川植物園を回ってきました。休園日でしたが、この日は特別招待ということで、川北園長や邑田前園長らの方々に園内の植物について詳しくわかりやすく説明していただきました。


 江戸時代の染井村の植木屋さんが、葉をつける前に沢山の小さめの花が咲くエドヒガンと、大きめの花が葉と同じ頃に咲き出すオオシマザクラを交配させて、偶然にも大きめの花が葉がつく前に咲く出す1本のソメイヨシノが誕生したとのこと。そして、そのクローン株が全国に広がったそうです。


 たまたま誕生した1本のソメイヨシノのおかげで、すべての日本人が毎年春のこの時期、満開の桜に酔いしれることができるわけです。この奇跡の桜の誕生に改めて感謝! 植物園内ではサクラ並木を中心に多くのソメイヨシノが生えています。


 何年か前に植えられたベニシダレ(紅枝垂)が今では大きく成長しました。シダレザクラエドヒガンの栽培品種で、3月頃に天空を覆わんばかりの上品な白い花が美しく枝垂れます。淡紅色のシダレザクラのことをベニシダレという。


 わが家のテラスから見た植物園の眺望です。ちょうど満開になったサクラ並木が横に広がっています。また、手前のイロハモミジの小径がこれから新緑に染まってきます。


 ベニシダレに隣接して生えるイトヒバ(糸檜葉;ヒノキ科ヒノキ亜科ヒノキ属)。細枝や葉先が糸のように垂れ下がることから和名が由来。冬の頃は葉が茶色がかっていましたが、今は緑色に戻っています。


 温室内も案内してもらいました。これは奄美大島~琉球列島に分布する常緑低木のオオシマコバンノキ(大島小判の木;コミカンソウ科オオシマコバンノキ属)。葉柄の根元をみると、緑色で小さくあまり目立たない花が咲いています。


 紅色~淡紅色に熟した球形の果実(液果)も付いていました。オオシマコバンノキはハナホソガという昆虫の蛾と絶対送粉共生関係を有していて、ハナホソガの幼虫が赤い果実の中に入り込んでいるとのこと。


 フィリピンの限られた熱帯雨林に自生する常緑つる性木本ヒスイカズラ(翡翠葛;マメ科マメ亜科ヒスイカズラ属)。長い花房が垂れ下がり、オウムのくちばし状の形をした翡翠色の花を多数つけていました。花がついたのは温室のリニューアル後初めてだそうです。

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  …> 季節のスケッチ(2022年3月)

 

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2022年3月 1日 (火)

陽春の小石川植物園、いよいよ春本番


 3月に入り、ようやく春暖の日が続くようになりました。また、国内のコロナ感染(第6波)にピークアウトの兆候が見られ、少し安堵しています。その一方で、欧州ではロシアが隣国ウクライナに一方的に軍事侵攻するという衝撃的な戦争が勃発しました。今後の事態の推移が非常に憂慮されます。


 さて、春本番の3月の小石川植物園の様子を取りまとめてみます。小石川植物園では3月に入ると、美しい春本番の季節を迎えます。カンヒザクラ、ヤマザクラ、オオシマザクラなどのいろんな桜の花が次々に咲き出します。そして、月末にはソメイヨシノが満開になり、シナミズキ、サンシュユ、コブシなどの桜以外の木々の花も一斉に咲き出します。まさに園内は春爛漫の様相を呈するようになります。また、カタクリ、ハナニラ、オオイヌノフグリ、スミレなどの春の野の花も賑やかに咲き広がります。

(木々の花)

 沖縄に自生するカンヒザクラ(寒緋桜)。日本のサクラの基本野生種の一つ。満開になった濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与える。カンヒザクラを片親とする多くの栽培品種があります。2015.3


 植物園の入口近くのヤマザクラ(品種:群桜)。ヤマザクラは日本、台湾、韓国、北朝鮮に分布する落葉高木。日本のサクラの基本野生種の一つで和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では長寿で大木も多い。2018.3(なお、この群桜は残念なことにその後の台風により倒木)


 伊豆大島などに多く生息するカンザキオオシマ(寒咲き大島)。白く清楚な感じの花が咲いています。オオシマザクラの園芸品種で早春に開花する早咲きのサクラ。2008.3


 本州に分布するエドヒガン(江戸彼岸)。サクラの基本野生種の一つ。ソメイヨシノより早く彼岸の頃に美しく満開になる。葉が展開するより先に小さな白い花が無数に咲く。ヤマザクラとともに長寿。各地に巨樹エドヒガンの一本桜が多い。2018.3


 ソメイヨシノの花の見事さは、空間に突然出現する圧倒的なボリューム感にあります。週末でもあったのでまさに老若男女で大賑わいでした。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンとの交雑種でエドヒガン系の園芸品種。2008.3


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。細い枝がよく分枝し株立ち樹形を成す。3月頃、青空の下に無数の黄色の花が点描されるかのように一斉に咲き出す。2008.3


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)が満開になりました。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出しています。木全体が黄金色に輝くことからハルコガネバナとも呼ばれます。2012.3


 北海道から九州まで広く分布する落葉高木コブシ(辛夷)。早春に白い花が咲き出し、春の訪れを謳歌するかのように青空の中で花が乱舞する。花は小枝の先に咲き、ひらひらの白い6枚の花弁をもつ。開花の後、新緑が芽吹く。モクレン科モクレン属。2019.3


(春の野の花)

 カタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)。薄い赤紫色のカタクリの花が秘やかにかつ可憐に咲いています。花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようです。落葉広葉樹林の林床などに生育する球根植物。スプリング・エフェメラルの代表格。2008.3


 ハナニラ(花韮)の清楚な白い花が植物園内の各所に咲き広がります。花の形はアマナに似ることから、セイヨウアマナ(西洋甘菜)とも呼ばれます。南米原産で明治時代に観賞用として帰化。ヒガンバナ科イフェイオン属 or ハナニラ属の球根植物。


 春の園内にオオイヌノフグリの星くずのように可憐な青い小さな花が咲き広がります。秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がり、春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまうといった生態になっています。ヨーロッパ原産の多年草。日本に帰化し全国に分布。オオバコ科クワガタソウ属。2003.3


 コスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)の花を何株か見つけました。花姿がタチツボスミレによく似ているが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。2018.3


 代表的な春の野花のホトケノザ(仏の座;シソ科オドリコソウ属)です。葉の様子が仏像の蓮座を連想させます。赤紫のきれいな花を咲かせているので目立ちます。本州から沖縄に自生する多年草。2019.3


   詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年3月)

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2022年2月 3日 (木)

紅梅、白梅、シナマンサクなどの花が咲き出す


 寒さが続き、人出が少ない小石川植物園の園内を時々散策しています。立春の頃になると、園内は少しにぎやかになってきます。大樹・高木の落葉樹の木々は依然として冬木立のままですが、少しずつ咲き始めた紅梅、白梅、シナマンサク、ツバキなどの花が目立つようになってきました。



 落葉樹の大樹が立ち並ぶ巨木並木(上)や梅林近くの中島池(下)の風景です。まだ新年と変わらない様子。

(木々の花)

 園入口付近に生えるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)。枯葉が残る木枝からふわふわした黄色のリボン状の4弁花が青空に広がるように咲いています。中国原産の落葉小高木。



 梅林には多くの品種のウメ(梅;バラ科サクラ属スモモ亜属)の木が植えられていて、チラホラと咲き出してきました。上は紅梅の五節の舞(ごせちのまい)、下は白梅の長寿(ちょうじゅ)。これから3月中旬にかけていろんな梅の花が次々と咲きだし、梅林は華やかになります。


 ツバキ(椿;ツバキ科ツバキ属)には多くの品種がありますが、園内のツバキ園で楽しむことができます。この品種は角葉珍山(かくばちんざん)。


 イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)の翼果が木枝に残っているのを見かけました。秋の紅葉の代表格で春の緑葉も美しい。本州以南に分布する落葉高木です。

(温室の植物)

 ヤエヤマヒサカキ(八重山姫榊;モッコク科ヒサカキ属)。石垣島や西表島などの八重山山諸島固有の常緑低木。葉腋に白い小さな花が多数ついています。


 キンカチャ(金花茶;ツバキ科ツバキ属)。中国とベトナム原産の常緑低木。珍しい黄金色の花を咲かせるツバキ。


 アガペテス・ブルマニカ(Agapetes burmania;ツツジ科アガペテス属)。中国、ミャンマー原産の常緑低木。可愛らしい小さな花が木枝から多数垂れ下がっています。新種?の表示もありました。


 亜熱帯地域の渓流沿いなどに生育するつる性木本植物のサクララン(桜蘭、別名:ホヤ)。キョウチクトウ科サクララン属)。このホヤにはHoya gigas の名がつく。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年2月)

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2022年2月 1日 (火)

いよいよ春の始動、2月の小石川植物園の風景


 2022年の正月もあっという間に過ぎ、立春の2月を迎えました。暦の上では初春になりますが、まだまだ寒い日も多いこの頃です。さらに、新型コロナのオミクロン株による感染者が急増して第6波に突入しています。従来のコロナ株に比べ重症化する人の割合が少ないとはいうものの、油断禁物です。

 さて、春が始動する2月の小石川植物園の様子を取りまとめてみます。

 小石川植物園では2月に入ると、梅林が賑やかになってきます。紅梅、白梅の花が咲き始め、メジロなどの小鳥も誘われるかのように集まってきます。ウメの花以外にも、カンザクラ、ツバキ等の木々の花や、春の妖精といわれるユキワリイチゲ、アマナ、フクジュソウなどの春の野の花も咲き出し、園内の散策も楽しみが増えてきます。上の写真は春の色に染まり始めるヤナギ池(2012.2)。

(木々の花)

 園内の梅林には数多くのウメの木が植えられていますが、2月から3月にかけて早春の青空の下、次々と紅梅・白梅が咲き出してきます。2003.2


 白梅の芳流閣。梅の花が咲くと、早速小鳥が集まってきて、花や蜜をついばんでいます。この小鳥は目の周りの色が白く、メジロです。2008.2


 紅梅の五節の舞。小鳥が花や蜜に集まってきます。小鳥の色がうぐいす色なので、当初ウグイス(鶯)かと思いましたが、調べてみると目の周りが白いメジロでした。2004.2


 園内にはツバキ園もあります。ツバキ(椿)もいろんな品種があって、この鮮やかな赤い色のツバキ(左)には柊葉椿(ヒイラギバツバキ)の品種名が付いています。2011.2


 園内の古井戸の近くにはカンザクラの高木があります。早春の頃に咲くのであまり人が集まりませんが、濃い目のしっかりとした花を咲かせ、青空によく映える。暖地の庭木に多く用いられる。


 年明けに咲き始めるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の花が満開です。無数のふわふわした黄色の花びらが青空に伸び伸びと広がっています。満開の花は花びらの数も多く力強い感じがします。マンサクという名は、春にまず咲くことに由来します。2013.2


(春の野の花)

 ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。群生するユキワリイチゲが小さな白い花を咲かせています。本州中部以西の暖かい地域の林内に生える多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2010.2


 アマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の花を道ばたの草むらで見つけました。まるで小さなチューリップのようです。東北地方南部から九州、奄美大島に分布する多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2016.2


 フクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)。まばゆい黄金色に春の喜びを感じます。北海道から九州にかけて分布し山林に生育する多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2004.2


 春の七草の一つハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花が咲き出してきました。島崎藤村の千曲川旅情の詩に「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 とハコベが登場します。全国の路傍や田畑にごく普通にみられる一年草/越年草。2016.2


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年2月)

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2022年1月16日 (日)

1月中旬、ようやくロウバイの花が満開


 新年に入って寒い日が続いています。15日夜、日本から約8千キロ離れた南太平洋の島国トンガの海底火山が大噴火し、この影響で翌朝のわが国沿岸に高さ1m前後の津波が押し寄せました。当初この津波は気象庁でも予測することが出来ず、まったく経験したことのない未知の現象だったと発表。大噴火により周囲の大気圧が波のように振動し、その空振の衝撃波が遠く離れた各国の沿岸まで到達。それが海面に作用して津波を増幅させたようです。幸い、今回は大きな被害が出ませんでしたが、今後の防災対策に課題が残りました。

 さて、小石川植物園では、1月中旬になってようやくロウバイの花が満開になってきました。また、前のブログ記事でも取り上げた常緑の木立とともに園内の様子を紹介します。

 ロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花は迎春花ともいわれ、芳香を放つ蝋細工のような黄金色の花を咲かせます。


 ソシンロウバイ(蝋梅素心)。花の中心部も透きとおっています。近郊には、秩父長瀞町の宝登山安中市のろうばいの郷などのロウバイの名所がありますが、コロナ禍の現状ではなかなか出かけることが出来ません。


 九州や沖縄に分布する常緑高木ヒゼンマユミ(肥前真弓;ニシキギ科ニシキギ属)。この時期は橙黄色の果実の殻が木枝に多く残っていて、まるで花が盛んに咲いているように見えます。これから4月~6月にかけて新芽が出て、目立たない小さな黄緑色の花がつく。


 果実の殻が裂け、中から赤い種が露出しています。


 温室でヒメサザンカ(姫山茶花;ツバキ科ツバキ属)の花を見かけました。琉球列島の固有種の常緑小高木。沖縄本島、久米島、石垣島、西表島、沖永良部島に見られ、山地の森林の川辺りに生育する。冬に小さな白い花をつけ、花には芳香がある。花木として栽培されるとともに、香りのあるツバキを作出するための交配親として用いられる。


 常緑低木モクセンナ(マメ科センナ属)。やはり、温室で花をつけていました。熱帯アジア原産の常緑低木。沖縄では各島の庭園で栽培されている。花の形がスクランブルエッグに似ることから、海外では
Scrambled eggs tree と呼ばれる。


(常緑の木立)

 タイワンアカマツ(台湾赤松;マツ科マツ属)。台湾、中国南部に広く分布する常緑針葉樹。日本の アカマツに似て幹が赤っぽい。針状の葉が長く、ウマの尾を連想させることからバビショウ(馬尾松)とも呼ばれる。中国では松脂を採取するため計画的に植林されている。


 タカネゴヨウ(高嶺五葉;マツ科マツ属)。台湾、中国原産の常緑針葉高木。標高1200m~3500mの高山に自生する。五葉松系なので、線形の葉が1ケ所から5本束生し、長く枝垂れる。雌雄異花で4月~5月頃目立たない花をつけ、果実(松笠状の球果)が翌年秋に結実します。


 常緑針葉高木のアイグロマツ(間黒松;マツ科マツ属)。アカマツクロマツの交雑種で、両者の中間的な形態をしている。赤褐色の樹皮はアカマツに、濃緑色で硬直な葉はクロマツに似る。東日本大震災で生き残った「奇跡の一本松」(岩手県陸前高田市)はアイグロマツです。


 エンピツビャクシン(鉛筆柏槇;ヒノキ科ビャクシン属)。北アメリカ東部に分布する常緑針葉高木。幹は直立し、樹形は円錐形。葉は十字対生し、針葉と鱗葉が混生する。公園樹、庭園樹、庭木として植えられ、木材は装飾材や鉛筆の材料として用いられる。


 メキシコラクウショウ(ヒノキ科ヌマスギ属)。米国南部、メキシコなどに分布する常緑針葉樹。河岸や湿地などに生える。樹皮は褐色で縦の裂け目がある。枝は横に伸び、広い樹冠を形成する。小枝は下垂し、羽状の葉は互生する。
メキシコの国の木。


 カンニンガムモクマオウ(モクマオウ科モクマオウ属)。豪州原産で沖縄の海岸にも多く見られる。灰色がかった緑色の針様群葉を持つ常緑高木(針葉樹ではない)。雌雄異株で秋に開花し、小さな球果がつく。川岸や沼沢地の日当たりのよい場所で見られる。


 関東地方~九州、沖縄の暖地に分布する常緑高木バクチノキ(博打の木;バラ科バクチノキ亜属)。絶えず古い灰白色の樹皮がうろこ状に剥がれ落ち、黄赤色の幹肌が現れる。この様子を博打に負けて衣を剥がれることに例え、和名が由来。


 クロキ(黒木;ハイノキ科ハイノキ属)。関東地方南部~トカラ列島に分布する常緑小高木。海岸近くの照葉樹林内に生える。葉の間についた新芽(花の蕾)は開花が近づくと徐々に白っぽくなり、3月~4月頃にハイノキに似た花が咲く。枝葉を燃やした後の灰汁を黒の染料に用いることから和名が由来したとも言われる


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年1月)

 

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2022年1月 7日 (金)

正月の雪景色(小石川植物園)


 今年の東京都心では、新年早々に初冠雪が見られました。上空の厳しい寒気と太平洋岸を東進する南岸低気圧が重なって、1/6の正午頃からチラホラと雪が降り始め、夕刻には積雪5cmまでになりました。郷里の山形などの日本海地方の積雪と比べると何のことない程度の雪なのですが、備えのない都心ではこれでも交通は大混乱です。幸い今朝(1/7)は晴れ上がり、気温も上がる予想ですので、夕方位には積雪も消えるものと思われます。

 さて、いい機会ということでわが家のテラスから眺望した小石川植物園の雪景色を写真に収めましたので、以下に紹介します。

 左からヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)&モミジバスズカケノキ(紅葉鈴懸の木)&クスノキ(楠)の大樹群。


 中央は米国原産のテーダマツ(タエダ松、Loblolly Pine)、右はヒマラヤ地方原産のヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉)。


 同じアングル、前日の降雪時の景色。


 ブナ(橅)の若木。


 後方は桜並木のソメイヨシノ(染井吉野)、前方はイロハモミジ小径のイロハモミジ(イロハ紅葉)。


 雪に染まる木々の雪模様です。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年1月)

 

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2022年1月 4日 (火)

新年の小石川植物園、目立つ冬木立の雄姿や青々と茂る常緑樹

 

 小石川植物園は正月明けの4日から開園です。健康維持も兼ね、新年早々に園内を回ってきました。木々の落葉が進んだ園内は、スッキリとして見晴らしが良くなっていて、高木・大樹の冬木立の雄姿や青々と茂る常緑樹が目立っていました。

(冬木立の雄姿)
 スズカケノキユリノキケヤキなどの巨木が数多く立ち並ぶ巨木並木の風景。四季折々の風景が楽しめます。今は冬木立の雄姿が見事です。

 メタセコイア林。園入口から左方に曲がって少し進むと、天空に向かって直伸するメタセコイアが林立しています。秋の褐色の紅葉がわずかに残っていますが、今や素顔の冬木立になっています。

 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がった所に立ち並ぶソメイヨシノの桜並木。春の満開時には大勢の人出で賑わい、緑葉や紅葉も見応えがありますが、この時期は閑散としています。


(青々と茂る常緑樹)
 本州西部の太平洋側、四国、九州に広く分布する常緑高木ククスノキ(樟、楠;クスノキ科ニッケイ属)。鎮守の森の主のようにクスノキの巨木がそびえ立っています。クスノキは常緑樹ですが、5月頃に新葉と入れ替わります。

 タラヨウ(多羅葉;モチノキ科モチノキ属)。静岡県以西~四国、九州に分布する常緑高木。雌雄異株ですが、雄株は負担が少ないので上方に伸びやすく、樹形が見事な三角錐になります。

 タラヨウのすぐ隣にトキワマンサク(常磐満作;マンサク科トキワマンサク属)の大樹が生えています。日本、中国などが原産の常緑高木。静岡県、三重県、熊本県などに分布。絶滅危惧IB類。

 4月~5月、大樹がひも状の白色、淡黄色の無数の小さな4弁花に覆われます。満開時には、まるで滝のように花が流れている感じになります。(2011年4月)

 福島・新潟県〜九州の山地に生える常緑高木シラカシ(白樫;ブナ科コナラ属)。関東地方の照葉樹林帯に多くみられる。互生する厚い葉は長楕円形でつやがある。秋にはドングリの実(堅果)がつき、公園樹、庭木、防風林などに用いられる。

 九州南部に自生する常緑高木シュロ(棕櫚;ヤシ科シュロ属)。ワジュロともいう。円柱形の幹が分岐せずに垂直に伸びる。幹の先端に扇状に葉柄を広げ、熊手型の葉を多数つける。南国風の雰囲気を持つことから、洋風庭園、公園などに多く用いられる。

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