皇居東御苑

2018年2月12日 (月)

閑静な皇居東御苑に梅の香り広がる



 寒さは厳しかったのですが、澄み切った青空が広がった2月上旬の3連休の最終日、皇居東御苑を訪れてきました。苑内では梅の花が咲き出し、梅の香りが辺り一面に漂っていました。


 平川門から入苑してすぐの所に梅林があります。梅林では品種名は不明ですが、紅梅や白梅が華やかに咲き出していました。


 梅の木枝をよく見てみると、小鳥のメジロが楽しそうに花を啄んでいました。メジロは目の周りが白いのが特徴です。


 梅林を過ぎ二の丸ゾーンを進んでいくと、殆ど人出がなくひっそりとした二の丸庭園に行き着きます。背景は丸の内の高層ビル群です。


 初夏には緑一色になる二の丸雑木林。大部分が落葉樹で、まだ冬木の状態なので、春の陽光が十分に林床に差し込みます。日差しを受け、これから春の野の花が次第に開花してきます。


 二の丸ゾーンから本丸ゾーンに上っていくと、かつて江戸城の天守閣がそびえていた天守台が目に飛び込んできます。大勢の人が往来しています。手前にリュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)が見えます。


 リュウキュウカンヒザクラ(琉球寒緋桜)は強烈な濃紅色の花を付ける南国の桜ですが、ちょうど開花が始まったところでした。沖縄ではこの桜が新春に咲き出し、皆で花見を楽しみます。


 苑内ではツバキ科の花々があちこちに生えていました。これは普通にツバキと呼ばれ、昔から観賞用花木あるいは代表的な茶花として知られているヤブツバキです。ヤブツバキは日本のツバキの原種で、東北以南の暖地に生育します。


 ハルサザンカ(春山茶花)の高木も見かけました。普通のサザンカは秋口から年末にかけて咲き出しますが、ハルサザンカは年明けから花を付けます。


 本丸ゾーンと二の丸ゾーンを結ぶ汐見坂からの眺望です。江戸時代の頃は、この坂の下まで日比谷入江が入り込んできていて、海浜を眺めることが出来たそうです。

 皇居の後は少し離れた神田明神へ向かいました。
詳しくは 季節のスケッチ(2018年2月 皇居東御苑) をご覧ください。


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2017年10月 1日 (日)

秋晴れ下の皇居東御苑、赤い木の実が目立つ


 秋晴れが続いた日曜日(10/1)、都心の皇居東御苑を訪れました。澄み渡った秋空の下、二の丸ゾーン(庭園、雑木林)や本丸ゾーンを回り、心地よい散策を楽しむことができました。苑内ではクコ、ガマズミなど、所々に赤い木の実が目につきました。


 皇居東御苑の深まる秋の風景です。本丸ゾーンの天守台には相変わらず大勢の人が上り下りしていました。


 天守台前に広がる大芝生の風景。背景は丸の内の高層ビル群で、秋晴れの青空ととも全体がうまく調和しています。


 二の丸庭園にはススキの花穂も生えています。後方に丸の内の高層ビルが見えます。


 この日、苑内では赤い木の実、いろんな果実などを見かけました。これはクコ(枸杞;ナス科クコ属)の赤い実。果実酒などに用いられます。平川門から二の丸雑木林へ向かう途中の道沿いで見つけました。


 二の丸雑木林でも多くの木々が赤い実を付けていました。これはミヤマガマズミ(深山莢蒾;レンプクソウ科ガマズミ属 )。北海道〜九州の山地の樹林内や林縁に生えます。


 ゴンズイ(権萃;ミツバウツギ科ゴンズイ属)の赤い袋果が裂けて黒い種が出てきました。


 日当たりのよい原野などによく見られる落葉小高木のクサギ(臭木;シソ科クサギ属)。離れたところからは、樹木の頂上部分に赤い花が咲いているように見えますが、拡大してよく観察すると、赤く見えるのは花のガクで、この中に紺色の種子が付いています。


 クマノミズキ(熊野水木;ミズキ科 ミズキ属)。本州、四国、九州に分布する落葉の高木で、近畿以西に多い。枝先の花序に緑色や黒紫色の実が付きます。


 本丸ゾーンの南端の野草の島にいろんな山野草以外に季節の木々も生えていました。これは小粒の紫色の実を付けるコムラサキ(小紫;クマツヅラ科ムラサキシキブ属)です。


 シロミノコムラサキ(白実の小紫;クマツヅラ科ムラサキシキブ属)。コムラサキのすぐ隣に生えています。白実のものはあまり見かけません。


 本丸ゾーンの段々畑に植えられているチャノキ(茶の木;ツバキ科ツバキ属)に白い花が咲き出していました。

 この他にも苑内のいろんな写真をアップしています。
   …> 季節のスケッチ(29年10月)



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2017年5月 3日 (水)

大型連休中の皇居東御苑、美しい緑や初夏の野の花


 大型連休中の憲法記念日の日に皇居東御苑を訪ねてきました。苑内では色鮮やかなツツジの花がアクセントになった美しい緑の世界が一面に広がっていました。また、雑木林などでは初夏の野の花を数多く見かけました。


 東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、四季折々の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。平川門から入苑して少し歩くと二の丸庭園が広がっています。美しい木々の緑と色鮮やかなツツジの花が見事に調和した風景です。


 二の丸庭園の池の周りには散策径が設けられていて、大勢の人がゆったりと初夏の風景を楽しんでいました。東御苑は観光バスのコースに入っているようで、海外からの人たちの姿が目立ちました。


 池の周りの散歩径のお休み所に藤棚が造られています。白色や青紫色の多数の房状のフジ(藤;マメ科フジ属)の花がちょうど満開になって棚から垂れ下がっていました。


 散歩径沿いにいろんな花々が咲いていました。フジ棚の近くの草むらでは無数のシャガ(著莪;アヤメ科 アヤメ属)の花が群落を成し、一面に咲き広がっていました。


 色鮮やかなナスヒオウギアヤメ(那須檜扇菖蒲;アヤメ科アヤメ属)。那須町と那須塩原市の一部にだけに咲く絶滅危機種です。


 リュウキンカの近縁のエンコウソウ(猿候草;キンポウゲ科リュウキンカ属)。茎が横に長く這って広がり、先が斜上して花をつけます。


 池の方を見やると、アヤメの後方にヒメコウホネ(姫河骨;スイレン科コウホネ属)の多くの黄色の小さい花が池面からポツポツと突き出しています。


 明治期の茶室風の建物として優雅な外観を持つ諏訪の茶屋の建物。当初吹上御所にお休み所として建てられましたが、その後、皇居東御苑の整備に伴い日本庭園の一角に吹上御所から移築されたものです。


 諏訪の茶屋の庭にボタン(牡丹;ボタン科ボタン属)やシラン(紫蘭;ラン科シラン属)の花が咲いていました。


 二の丸庭園に隣接して雑木林が広がっています。この雑木林でいろんな初夏の野の花を見かけました。これはキンラン(金蘭;ラン科キンラン属)。キンランが依存している菌が樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌であることから、人工栽培がきわめて困難とされています。


 白い花のギンラン(銀蘭;ラン科キンラン属)。雑木林の一隅に数多くの株が群性していました。キンランもギンランも日本の野生ランですが、乱獲などの影響で絶滅が危惧されています。


 やはりラン科のエビネ(海老根;ラン科エビネ属)の白い花も見つけました。エビネの和名は、地下茎が横に連なって海老のように見えることに由来します。


 可憐なチゴユリ(稚児百合;ユリ科チゴユリ属)の花が林床にひっそりと咲いていました。日本国内では全国で見られ、落葉樹林の木陰に生えます。球根はなく、白くてやや太い地下茎を持ちます。


 二の丸ゾーンの散策を終え汐見坂を上ると本丸ゾーンです。本丸ゾーンでは真っ先に天守台が目に入ります。かつて江戸時代初期には江戸城天守閣がこの天守台の上に建っていました。大勢の人が天守台を往来しています。


 前方に広がる大芝生では家族連れなどが自由にくつろぐことが出来るようになっています。丸の内の高層ビル群が背景となる美しい風景です。


 大芝生の一角に見事な樹形のケヤキの大樹が生えています。右端に白い雲に覆われているような樹木が見えます。



 その白雲がかかっているような樹木に近づいてみると、結構な大樹でした。この正体はハクウンボク(白雲木;エゴノキ科エゴノキ属)でした。よく見ると白い小さな花が群がり連なっていて遠くからは白雲のように見え、これが和名の由来になっています。ハクウンボクは全国の山地の落葉樹林に生育します。また、庭木や公園樹としてよく用いられています。


 ハクウンボクから少し歩いたところにタニウツギ((谷空木;スイカズラ科タニウツギ属)のピンク色の花が咲いていました。タニウツギは北海道や本州の日本海側の山野に自生し、特に谷間に多く生息します。


 タニウツギに隣接してバイカウツギ(梅花空木;ユキノシタ科バイカウツギ属)の白い花が咲いていました。バイカウツギは山地に自生する落葉低木で、花の形が梅の花に似ています。


 ヒメウツギ(姫空木;アジサイ科ウツギ属)の小さな白い花が群がって咲いていました。ヒメウツギは温帯から暖帯にかけた河岸の岩上の日当たりのよい場所などに生育する落葉低木で、日本固有種。


 本丸ゾーンに珍しいバラの花を集めた一角があります。これは近現代バラの原種の一つといわれるコウシンバラ(庚申薔薇;バラ科バラ属)です。四季咲きで枝先に1個から数個の花を付けます。


 周りに甘い香りを放つサクラバラ(桜薔薇;バラ科バラ属)です。これ以外にも、モッコウバラキモッコウバラナニワイバラハマナスなどのバラの花が集まっています。


 本丸ゾーンの草むらでも季節の野の花を見つけることができます。休憩所の裏に赤紫色のレンゲソウ(蓮華草;マメ科ゲンゲ属、別名はゲンゲ)が群生しています。レンゲの花の蜜は、良質の蜂蜜の源となる蜜源植物として利用されています。


 ムラサキツメクサ(紫詰草;マメ科シャジクソウ属、別名アカツメクサ)の赤紫色の花も咲いていました。ヨーロッパ原産で牧草として導入されたが、各地で野生化している。


 小さく可憐なホウチャクソウ(宝鐸草;ユリ科チゴユリ属)の白い花も見かけました。宝鐸(ほうちゃく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾りのことで、花が垂れ下がって咲く姿がこの宝鐸に似ることが和名の由来。


 平川門から出て橋の上から眺めた左方の竹橋方面の風景です。若葉に入れ替わった常緑樹のクスノキや新緑のケヤキの木など街路樹も美しい緑の世界になってきました。

 上記以外にも多くの季節の写真があります。
   …> 季節のスケッチ(29年5月 皇居東御苑)

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2016年6月 5日 (日)

初夏の都心はハナショウブ、アジサイなどの季節の花々が見頃を迎える


 初夏の香りが広がる6月に入ってすぐの週末、小石川植物園、皇居東御苑と巡ってきましたが、この時季ならではのハナショウブやアジサイの花々がちょうど見頃を迎え、色とりどりに美しく咲き出していました。

(小石川植物園)

 土曜日(6/4)は梅雨入り前のさわやかな一日でした。小石川植物園を回ってきましたが、桜並木の木陰では、みんな座り込んで初夏の香りを存分に楽しんでいました。



 園内の菖蒲田では色とりどりにハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花が咲き出していました。ハナショウブの優雅な花は梅雨時のうっとうしさを忘れさせてくれます。





 また、アジサイ(紫陽花;ユキノシタ科アジサイ属)もやはりこの時季の旬の花です。園内ではいろんな種類のアジサイの花が咲いていました。上からガクアジサイ(額紫陽花)、ヤエガクアジサイ(八重額紫陽花)、西洋アジサイ、カシワバアジサイ(柏葉紫陽花)です。


(皇居東御苑)
 翌日の日曜日(6/5)は関東甲信地方の梅雨入りが発表され、朝方は雨模様だったのですが、昼前には上がりました。そこで皇居東御苑に出かけてきました。皇居は観光コースに入っているようで苑内はおおぜいの外国人観光客で賑わっていました。

 まず苑内の二の丸庭園にある菖蒲田を訪れました。ここでも色とりどりのハナショウブが美しく咲き競っていました。背景の現代的な丸の内高層ビルと和風のハナショウブは見事に調和しています。




 この菖蒲田のハナショウブは、1966年に明治神宮御苑の菖蒲田から株を譲り受け、以来84品種のハナショウブがしっかりと守り育てられているそうです。
 二の丸地域から汐見坂を上ると本丸地域です。本丸では天守台がすぐ目に入ります。当然この天守台には江戸時代初期の頃、天守閣がそびえ立っていたのですが、寛永年間の1657年に大火で焼失してから、そのままになっているとのこと。おおぜいの人が天守台に上り下りしています。


 天守台の前には大芝生が広がっていますが、大芝生をはさんで天守台と対極方向に樹形の良い2本のケヤキの木が仲良く並んでいます。


 本丸地域にはタイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の高木が生えています。その高木に神々しく堂々たる花が随所に咲き出していました。花の大きさ(直径20~30cm)に驚かされます。


 本丸地域の土手の斜面にいろんなアジサイの花が植えられていて紫陽花ロードの感がありました。
   
 初夏の小石川植物園、皇居東御苑はともに都心の緑のオアシスのようで、心身が本当にリフレッシュできました。

       …> 季節のスケッチ(28年6月)

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2015年6月 7日 (日)

6月初旬の皇居東御苑の花々、しっとりと美しい花菖蒲や威風堂々たる泰山木


 6月初旬、皇居東御苑を訪れました。まだ梅雨入り前の穏やかな時季で、苑内は落ち着いた雰囲気の風景が広がっていました。(→皇居東御苑略図


 皇居大手門から入って右手にある二の丸庭園。菖蒲田にしっとりと美しいハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)が色とりどりに咲き競っていて、大勢の人が集っていました。



 この菖蒲田には84品種のハナショウブが植えられていますが、1966年に明治神宮御苑の菖蒲田から株を譲り受け、以来しっかりと守り育てられているものだそうです。



 近くの二の丸雑木林を見ると、木々が雪を被ったかのように真っ白に覆われていました。よく見ると、満開になったヤマボウシ(山法師;ミズキ科ミズキ属)の白い花でした。ハナミズキとよく似ていますが、 ヤマボウシの方がが少し野性的な感じがします。また、花が少し小ぶりで、開花時期も遅れます。


また、庭園の池の中には水生植物が黄色の花を付けていました。これはアサザ(浅沙;ミズガシワ科アサザ属)です。アサザは浮葉性植物で地下茎をのばして生長し、スイレンに似た切れ込みのある浮葉をつけます。


 池の水面からポツンポツンとの黄色の花を突き出ているのはヒメコウホネ(姫河骨;スイレン科コウホネ属)です。ヒメコウホネは小さなコウホネの意味になります。コウホネ(河骨)の名は、根茎が白くゴツゴツしていて骨のように見えることに由来します。


 二の丸ゾーンから汐見坂を上った所が天守台や大芝生が配置された本丸ゾーンです。この天守台の上にそびえ立つ天守閣は寛永年間の1657年に大火で焼失してから、再建されることはありませんでしたが、徳川幕府の治世が安定してきたことの証左になります。


 天守台からの素晴らしい眺望です。大芝生が広がっていて、後方には丸の内から大手町の高層ビル群がそびえています。大都会と大自然が見事に融和しています。



 大芝生の周りに何本かのタイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の高木が生えています。高木を見上げると神々しく堂々たる花が随所に咲き出していました。この花は、子どもが在学した高校の校歌にも唱われていて、特別な思いがこみ上げてきます。


 アジサイ( 紫陽花;ユキノシタ科アジサイ属)もこの季節の代表的な花木です。青紫、赤紫、白など色とりどりの花が、土手の斜面に群生して咲いていました。


 この季節の野の花も見つけました。これは多年草のホタルブクロ(蛍袋;キキョウ科ホタルブクロ属)。伊豆半島の安山岩で作られた石室の上に咲いているのを 見つけました。釣り鐘状の花の形状が面白い。


 ドクダミ(ドクダミ科ドクダミ属)の白い花が苑内のあちこちの草むらに盛んに咲き出してきました。ドクダミは独特の臭気がありますが、十薬と呼ばれるように様々な薬効を有しています。


 トキワツユクサ(常磐露草;ツユクサ科ムラサキツユクサ属)の白い花弁の三角形の花が汐見坂の坂道の路傍に咲いていました。トキワツユクサは南アメリカ原産で、わが国には昭和初期に観賞用として持ち込まれ、その後野生化しています。

 まもなく梅雨入りですが、この時季の花々は雨に濡れても輝いていて、これまた風趣があります。梅雨時の散策は次回以降で。
    …> 季節のスケッチ(27年6月)

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2015年5月 1日 (金)

初夏の皇居東御苑は広がる新緑とツツジなどの色とりどりの花々


 いよいよ大型連休です。好天に恵まれたこの日(4/26)は、5月中旬の陽気になり、久々に皇居東御苑を訪れました。苑内ではあざやかな新緑が広がるとともに、ツツジなどの色とりどりの花々が美しく咲き競っていました。また、野草の宝庫になっている二の丸雑木林では、キンラン、ギンランなどが見つかりました。以下、綺麗に整備されている苑内の風景を紹介します。


 平川門から入ってすぐの所が二の丸ゾーンの平地です。二の丸庭園ではあざやかな新緑とカラフルなツツジの花が見事にコラボしています。


 二の丸庭園の諏訪の茶屋の建物周辺の風景です。さりげなくツツジや牡丹の花々が配置されてされています。諏訪の茶屋の建物は、明治45年に再建されたもので、明治期の茶室風の建物として優雅な外観を持っているため、皇居東御苑の整備に伴い吹上御所から移されたとのことです。


 二の丸庭園に隣接して雑木林が広がっています。この雑木林内を散策しながら観察すると、四季折々の珍しい野草が見つかります。


 キンラン(金蘭;ラン科キンラン属)の可憐な花が何輪か咲いていました。キンランは、依存している菌が腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌であることから、人工的な栽培がきわめて困難とされています。


 キンランと同属で白い花のギンラン(銀蘭;ラン科キンラン属)。.数多くの株を雑木林の中で見つけました。キンランもギンランも日本の野生ランですが、乱獲などもあって絶滅が危惧されるようになっています。


 赤紫色のイカリソウ(メギ科イカリソウ属)の花も見つけました。イカリソウの和名は、花の形が錨(いかり)に似ていること由来します。イカリソウは元々薬草で、滋養・強壮に効力があります。


 二の丸ゾーンから汐見坂を上ると本丸ゾーンに到達します。汐見坂の途中から見た内堀の様子です。遠方には丸の内の高層ビルのシルエットが浮かんでいます。


 本丸ゾーンの風景です。かつて天守閣がそびえていた天守台の石垣には大勢の人が上り下りしていました。江戸城天守閣は1657年の寛永年間の江戸大火で焼失して、江戸の復興を優先させる必要があったことや幕府の治世が安定してきたので威光をを示す必要がなくなったことなどから、それ以降再建されることはありませんでした。


 天守台の前に大芝生が広がっていて、晴れ晴れとした風景に感動します。後背の高層ビル群が、素晴らしい大自然が大都会に中にあることを感じさせてくれます。



 本丸ゾーンでも新録や花々が見事です。



 本丸のバラ園には日本のバラの野生種が主に植えられています。上のバラは常緑つる性低木のモッコウバラ(木香薔薇;バラ科バラ属)の中で、黄色の花を付けるキモッコウバラです。また、うっすらとピンク色のサクラバラ(桜薔薇;バラ科、下図)も咲いていました。周りに甘い香りを放ちます。紅茶に浮かべると美味しいそうです。


 土手沿いにはゴージャスなシャクナゲ(石楠花;ツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列)の花が咲き並んでいました。


 土手の斜面のひな段の部分にチャノキが植えられていますが、新緑の茶葉がどんどん伸びてきました。タンポポの綿毛も見えます。


 キエビネ(黄海老根;ラン科エビネ属)が鮮やかな黄色い花を付けていました。キエビネは落葉樹林の林床に生育する常緑の多年草。同属のエビネより大ぶり。「エビネ」の名は、地下茎が横に連なって海老のように見えることに由来します。


 本丸野草の島でも、いろんな野の花が見つかりました。これはエビネ(海老根;ラン科エビネ属)です。エビネは同属のキエビネ同様、地上性のランで、ジエビネ、ヤブエビネと呼ばれることもあります。


 ホウチャクソウ(宝鐸草;ユリ科チゴユリ属)の野草も花を付けていました。宝鐸(ほうちゃく)とは寺院建築物の軒先の四隅に吊り下げられた飾りのことで、花が垂れ下がって咲く姿がこの宝鐸に似ることが和名の由来になります。


 オオアマナ(大甘菜;ユリ科オオアマナ属)も元気に星型の白い花を咲かせていました。小さい花ですが群生し、春の陽射しを浴びてとまぶしく輝いています。


 苑内の草むらにも、いろんな野の花が見つかります。この赤紫色の野の花はレンゲソウ(蓮華草;マメ科ゲンゲ属、別名はゲンゲ)。レンゲソウはかつては水田に緑肥として栽培されていましたが、今では、レンゲの花の蜜は良質の蜂蜜の源となる蜜源植物として利用されています。


 シロツメグサ(白詰草;マメ科シャジクソウ属)。シロツメグサはいわゆるクローバーでアイルランドの国花になっています。


 タンポポの綿毛。


 出入り口の平川門の近くでは、ウツギ(空木;ユキノシタ科)の花が咲き出していました。ウツギは「卯の花の匂う垣根に……」の唱歌に出てくる卯の花のことで、この季節の風物詩になっています。

  …> 季節のスケッチ(27年5月)

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2014年11月 9日 (日)

皇居東御苑も、晩秋の気配が深まる


 先の3連休の最終日(11/3)に晩秋の気配漂う皇居東御苑を訪ねてきました。苑内は紅葉・黄葉、色づいた木々の実など晩秋の風景が随所に見られました。また、フユザクラ、キチジョウソウ、ツワブキ等の季節の花々も見かけました。→ 苑内案内図


 二の丸庭園の一角にたたずむ諏訪の茶屋。入口付近にナンテンの赤い実が見られ、この時季の風情が漂っていました。


 今回も平川門から入苑しました。堀端の桜の木も紅葉が始まっています。


 天守閣がそびえていた天守台も晩秋の風情です。相変わらず天守台に上る人が多い。


 見事なガマズミ(莢蒾;スイカズラ科ガマズミ属)の赤い実です。初夏に白い花を咲かせます。ガマズミは焼酎に漬けた果実酒用や観賞用の庭木として用いられます。


 真っ赤なクコ(枸杞;ナス科クコ属)の実を見つけました。クコは、ビタミンB1、B2、Cのほかにルチン、ベタインを豊富に含んでいて、薬効があり、クコ茶やクコ酒などに用いられます。


 苑内にはいろんなクマツヅラ科ムラサキシキブ属の木々が実を付けていました。これは落葉中低木のムラサキシキブで、美しい紫色に色づいた実がたわわに付いていました。


 ムラサキシキブを小振りにしたようなヤブムラサキ。低木で、木の実も小粒です。


 シロミノコムラサキ。コムラサキの白い実の変種になります。


 バラ科リンゴ属の落葉低木のヒメリンゴ(姫林檎)に小さな赤い実が沢山付いていました。リンゴを小さくしたような果実は食用としては不向きなので、主に観賞用樹木や盆栽として利用されています。


 ハゼノキの紅葉も始まっていました。緑の木々の中でよく目立ちます。



 清楚なフユザクラ(冬桜)の花が咲いていました。フユザクラは、マメザクラと他のサクラとの交配種。開花は10月くらいからポツポツと咲き出し、12月には満開になります。


 チャ(茶;ツバキ科)の白花が咲いていました。この場所は、かつて江戸城で刃傷沙汰があった松の廊下跡になるそうです。


 家に植えておいて花が咲くと縁起がよいといわれるキチジョウソウ(吉祥草;スズラン亜科)が、野草の島に沢山咲いているのを見かけました。



 苑内の随所にツワブキの黄色の花を見かけました。一面に群生する様子は、まるで春の菜の花のようでした。

 私にとって皇居東御苑は、どの時季に訪れてもたっぷりと楽しむことができる格好の自然公園です。

 詳しくは …> 季節のスケッチ(26年11月 皇居東御苑)

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2014年5月 3日 (土)

皇居東御苑の雑木林でチゴユリ、ギンランなどの新たな野草を見つける


 後半の大型連休も好天に恵まれました。今年は近場で楽しむことにして5月3日の憲法記念日は皇居東御苑へ出かけてきました。
 東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして四季折々の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。
 今まで何回か訪れていますが、この日は二の丸雑木林でチゴユリ、キンラン、ギンランなどの新たな野草を見つけたのが大きな収穫でした。高台の所の本丸地区では、家族連れがくつろいぐ大きな芝生が広がっています。また、珍しいバラが集まるバラ園には多くの人が集まっていました。


 東御苑の二の丸庭園です。色とりどりのツツジの花が目を引きました。後方の大手町の高層ビル群が庭園の背景になっています。


 庭園の一角にたたずむ諏訪の茶屋の前の草地にシャガ(著莪;アヤメ科アヤメ属)の花が群生していました。



 庭園の二の丸池の周りは散策コースになっています。池の水面からポツンポツンとヒメコウホネ(スイレン科コウホネ属)の黄色の花が突き出ていました。


 鮮やかな赤紫色のシラン(紫蘭;ラン科シラン属)が池の周りの所々に配置されています。


 池の端の部分にリュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)を見つけました。輝くような黄金色の花を咲かせていました。


 二の丸池に隣接して雑木林が造られていて、この時期は新緑で覆われています。この雑木林は山野草の宝庫になっています。この日は新たな野の花を見つけることが出来、感激しました。


 林床にひっそりと咲くチゴユリ(稚児百合;ユリ科チゴユリ属)を初めて見ました。名前の通り、可愛らしく小さな白い花です。横に伸びる地下茎で増えます。


 雑木林の中で、キンラン(金蘭;ラン科キンラン属)の花が一輪だけ咲いていました。多くのラン科植物は、落ち葉や倒木などを栄養源にして独立生活している腐生菌に依存するが、キンランが依存している菌は腐生菌ではなく、樹木の根に外菌根を形成する樹木共生菌であることから、人工的な栽培がきわめて困難とされています。


 白い花のギンラン(銀蘭;ラン科キンラン属)もキンランと同属になりますが、数多くの株を見つけました。キンランもギンランも日本の野生ランですが、乱獲などもあって絶滅が危惧されるようになっています。


 山林に分布するフタリシズカ(二人静;センリョウ科センリョウ属)が2本の穂状の白い花序をつけていました。同属のヒトリシズカは、先月箱根の湿生花園で見つけたばかりです。


 本丸の天守台。江戸城天守閣がこの天守台の上に建っていました。大勢の人が天守台に上り下りしています。前方に広がる大芝生では家族連れなどが自由にくつろぐことが出来るようになっています。


 本丸のバラ園には日本のバラの野生種が主に植えられています。これは近代バラ、現代バラの原種の一つといわれるコウシンバラ(庚申薔薇;バラ科バラ属)。四季咲きで、枝先に1個から数個の花を付けます。


 これは常緑つる性低木のモッコウバラ(木香薔薇;バラ科バラ属)。バラ特有の刺が無く小ぶりの八重咲きの花をびっしりと付けます。


 落葉樹林の林床に生育する常緑の多年草のキエビネ(黄海老根;ラン科エビネ属)が鮮やかな黄色い花を付けています。同属のエビネより大ぶり。「エビネ」の名は、地下茎が横に連なって海老のように見えることに由来します。


 赤紫色のレンゲソウ(蓮華草;マメ科ゲンゲ属、別名はゲンゲ)の花も咲いていました。中国原産でかつては水田に緑肥として栽培されていました。現在、レンゲの花の蜜は、良質の蜂蜜の源となる蜜源植物として利用されています。


 平川門への帰り道、草むらでマツヨイグサ(待宵草;アカバナ科マツヨイグサ属)を見つけました。どこか文学的な香りがする可憐な花です。夕方(宵)を待って咲くことからこの名が由来。

 皇居東御苑は広大で、まだまだ「未知の花々」との遭遇がありそうです。何回でも訪れてみたい所です。

  …> 季節のスケッチ「26年5月 皇居東御苑」

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2013年6月23日 (日)

梅雨の合間、緑の皇居東御苑の風景


 23日の日曜日は梅雨の合間の晴天で、久しぶりに緑あざやかな皇居東御苑を訪れてきました。あまり暑くもないまあまあの気候でしたので、広大で落ち着いた雰囲気の苑内をゆったりと散策して、花菖蒲、紫陽花、泰山木など季節の花々が鑑賞できました。


 皇居には、地下鉄竹橋駅近くの平川門から入りました。梅林を過ぎ、道に沿ってしばらく歩いていくと、緑広がる二の丸庭園が見えてきます。江戸時代の庭絵図面をもとに池泉庭園として復元されたとのこと。後方には、丸の内の高層ビルがそびえています。


 二の丸庭園の一角にある菖蒲田では、明治神宮から株分けされたというハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の青紫色の花が咲いていました。


 二の丸庭園近辺で、多くの野の花を見かけました。この橙色の花はノカンゾウ(野萱草;ユリ科ワスレグサ属)。有名なニッコウキスゲと同属です。


 オカトラノオ(丘虎の尾;サクラソウ科オカトラノオ属)の花も見つけました。野山や丘陵などの草地に生えます。花穂の先端が虎の尾のように垂れ下がっています。


 ネジバナ(捩花;ラン科ネジバナ属)の花。小さな花をよく見ると、鐘状で横向きに咲きます。これらの花が花茎の周りに螺旋状に並んで咲き、ちょうどネジのようです。


 二の丸庭園から汐見坂を登っていくと、江戸城本丸の天守台が見えてきます。天守閣の土台部分だけが残っています。この天守台を望むように広大な芝生が広がり、それを囲むように多様な植物が配置されています。


 アジサイ(紫陽花;アジサイ科アジサイ属)の花がまだ随所に残っていました。しっとりとした美しさを醸し出しています。


 タイザンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の細長い厚い葉の中を覗くと巨大な花が見つかります。直径数10cmの花が堂々と咲いていました。周りを圧倒するような威厳があります。


 本丸休憩所の近くでは、ニワウメ(庭梅;バラ科サクラ属)に赤い実が付いていました。生食や果実酒に利用されます。


 ヤマモモ(山桃;ヤマモモ科ヤマモモ属)の木にも赤い果実が付いていました。この実は甘酸っぱく、ジャムや果実酒に用いられます。ヤマモモは温暖な山地に生えています。


 モクゲンジ(木欒子;ムクロジ科モクゲンジ属)の樹上には、細かい黄金色の花がぎっしりと付いていました。モクゲンジの種子で数珠を作ります。


 散策を終え平川門から出ると、皇居周りの道路は大勢のマラソン人や自転車ライダーであふれんばかり。横断歩道を横断するのにも気をつける必要があります。

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2012年5月20日 (日)

万緑が広がる皇居東御苑の風景


 5月も中旬が過ぎ、万緑が広がる中、東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑を訪れてきました。東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして四季折々の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。都心のど真ん中にあっても、都会の喧噪は全く感じられず、いつも落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。

 ここは、東御苑の二の丸庭園です。後方の大手町の高層ビル群が庭園の風景に調和しています。この庭園の池には水生植物が生育しています。


 カキツバタ(杜若;アヤメ科アヤメ属)の花が池の周りに咲いていました。カキツバタは湿生を好み、5月から6月にかけて紫系の花を咲かせます。


 一方、「いずれがアヤメかカキツバタ」と言われるように、カキツバタによく似るアヤメ(菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花も近くに咲いていましたです。アヤメは乾いた所に育ちます。


 池の中には、水生植物のアサザ(浅沙;ミズガシワ科アサザ属)の黄色の花が咲き出していました。アサザは浮葉性植物で、地下茎をのばして生長します。アサザの近くには、やはり浮葉性植物のヒメコウホネの花も咲いていました。


 この季節の風物詩でもある卯の花ことウツギ(空木;ユキノシタ科ウツギ属)です。雑木林に静かに咲いていました。


庭園や雑木林が配置される二の丸から坂道を登っていくと、ゆったりとした本丸跡のスペースが広がっています。天守閣が建っていた天守台はしっかりとした石垣で作られていて、大勢の人が上っていきます。


本丸跡の一角がバラ園になっていて、いい香りが漂ってきます。これはカノコ(鹿の子)の園芸品種名が付く小振りのバラです。一つの株に何百個もの花が枝垂れている姿はゴージャスで感動的です。


ナニワノイバラ(浪速野茨;バラ科バラ属)の白い花です。生け垣などにも用いられますが、葉が普通のバラと違いますので、一見何の花か戸惑ってしまいます。


うっすらとピンク色のサンショウバラ(山椒薔薇;バラ科バラ属)。日本固有種で、富士箱根の山地に自生し、ハコネバラとも呼ばれる。


ハマナス(浜梨;バラ科バラ属)のシロバナのものを初めて見つけました。赤花のハマナスは普通に見かけます。ハマナスは北海道に多く自生。果実は生食ができて、ジャムや果実酒にも利用されます。


本丸跡のモミジ林では、木陰のベンチで一休み。爽やかな緑風が通り抜けていきます。散策路の向こうには丸の内・大手町の高層ビル群です。


モミジ林のすぐ近くにキエビネ(黄海老根;ラン科エビネ属)の花が咲いていました。キエビネは西日本に自生し、落葉樹の林床に生育する常緑の多年草です。


深紅のカルミア(ツツジ科カルミア属)の花を見つけました。カルミアの花は普通は薄ピンク色ですので、この深紅の花は驚きでした。


いろんな野の花も見つけました。これはハハコグサ(母子草;キク科ハハコグサ属)です。人里の道端などに普通に見られる野の花で、春の七草の一つ御形のこと。茎葉の若いものを食用にします。


ムラサキツメクサ(紫詰草;マメ科ジャコウソウ属)の花が群生していました。ムラサキツメクサは赤クローバーとも呼ばれ、シロツメクサよりやや背が高く、上に伸びる。


ムラサキカタバミ(紫片喰;カタバミ科カタバミ属)の花も随所に咲いていました。地下に鱗茎があり、地上には葉と花柄だけを伸ばします。


トキワツユクサ(常磐露草;ツユクサ科ムラサキツユクサ属)の3弁の白い花が大樹の根元に咲いているのを見つけました。南米原産の帰化植物で日陰や水辺に生育。ツユクサの仲間の花は青系、紫系のものが多いが、この花は珍しく白花です。


ナガミヒナゲシ(長実雛芥子;ケシ科ケシ属)のオレンジ色の花が苑内にも潜入していました。ナガミヒナゲシは帰化植物で、現在では温暖な地方の都市周辺を中心に繁殖地が広がっています。ナガミヒナゲシは他のヒナゲシと同様、アルカロイドを含んでいないので、栽培は問題ないそうです。

 この他にも、万緑の苑内にはいろんな花々が咲いていました。
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