房総・茨城

2017年4月22日 (土)

南房総の春の海辺の風景


 久しぶりの房総半島、2日間の行程の南房総ドライブでした。天気は曇り空でしたが、雨も降らず暑くもなくいい小旅行になりました。今回は、桜も終わったので春の海を見ようということで、足の向くまま南房総の灯台や館山城跡などの海辺を巡ってきました。


 まず、館山市の城山公園に向かいました。この公園の高台に館山城が建っています。館山城は、かつて戦国時代の武将である房総里見氏が築城し居城としていましたが、後の改易に伴い廃城となり、破却されています。現在建つ天守は近年再建された模擬天守だそうです。




 館山城跡の高台へは急な坂道を登っていくことになります。この道沿いが季節の花々で美しく彩られていました。写真上から、ソメイヨシノやツツジ、鬱金桜(うこんざくら)、文目(あやめ)。


 城山公園の高台からは館山市街が一望できます。



 城山公園の近くに洲埼灯台(すのさきとうだい)が立っています。洲埼灯台は、三浦半島最南端の東端にある剱埼灯台(つるぎざきとうだい)と共に東京湾へ出入りする船舶の目印となっていて、両灯台とを結んだ線が東京湾の境界をなしています。灯台の丘から三浦半島や伊豆半島が眺望できます。



 2日目は房総白浜の野島埼灯台(のじまさきとうだい)を回ってきました。2009年11月以来の訪問になりました。野島埼灯台は、房総半島の最南端野島崎に立つ白亜の八角形をした大型灯台です。「日本の灯台50選」に選ばれていて、国の登録有形文化財にも登録されています。


 野島埼灯台周辺は、南房総国定公園に指定されていて、雄大な太平洋のパノラマが望めます。朝日と夕陽の両方が見える格好の眺望ポイントです。


 灯台入り口付近にトビウオのようなモニュメント(右)が建っています。かつて、源頼朝公、里見義実公がこの地で再起を願ったことから、21世紀に飛翔する願いを込めて作られたそうです。



 灯台周りの散策路沿いにいろんな花々を見かけました。写真上は日本各地の海岸に分布するハマエンドウ(浜豌豆;マメ科レンリソウ属)で、紫色の花を付けています。写真下は群生するハマダイコン(浜大根;アブラナ科ダイコン属)です。ハマダイコンは、ダイコンが野生化したもので海岸の砂地に生えます。

 今回は、久々に海辺のドライブを楽しんできました。
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2016年10月 2日 (日)

10月はコスモス、キンモクセイ、栗の実などの秋の香り


 10月2日、孫の運動会があってつくば市まで出かけてきました。運動会の合間に保育園を運営する安福寺の近辺を回って、いろんな秋の香りを見つけてきました。この日は日差しが強くすっかり日焼けしてしまいました。


 この日は晴れ上がっていましたので、筑波山のくっきりとした山並みが見えました。市内のいろんな所から眺望できます。筑波山は昔から「西の富士、東の筑波」と愛称され、朝夕に山肌の色を変えるところから「紫峰」とも呼ばれています。男体山(左)と女体山(右)の2つの峰を持ち、古くから信仰の山として栄えてきました。また山中の梅林も有名です。


 保育園を運営する安福寺は、研究学園都市駅のすぐ近くに建つ名刹。境内は広大で四季折々の花が咲き、自然豊かで心癒される場所です。


 境内の周辺では、秋の香りをたっぷりと実感できました。これは風に舞うコスモス(秋桜;キク科コスモス属)の花。コスモスは熱帯アメリカ原産で、メキシコからスペインに渡りコスモスと名づけられた。日本には明治20年頃に渡来。今や代表的な秋の風物詩です。


 黄金色に染まり特有の芳香を放つキンモクセイ(金木犀;モクセイ科)を見つけました。甘い香りが漂っているのに気づき、振り返るとそこにキンモクセイということがままあります。


 境内の周りに生えているソメイヨシノのサクラの木を見上げると、少しだけ黄葉が始まっていました。


 寺の近くの栗畑を覗くと、少しだけイガに包まれた栗の実が残っていました。栗はブナ科クリ属の木になります。ブナのドングリと違って、栗の殻の中は種子ではなく果実です。

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2013年5月 6日 (月)

風薫る万緑の季節(続) 根津美術館、つくば植物園


 大型連休期間 (GW) は、万緑に惹かれて東京近辺をあちこち回ってしました。神代植物公園や小石川植物園については、紹介済みですので、ここでは連休後半の根津美術館とつくば植物園の風景を紹介します。

(根津美術館)

 5月4日に都内青山にある根津美術館を訪れました。決して広くない庭園ですが、きれいに手入れされていて、満開になった数多くのカキツバタ(杜若;アヤメ科アヤメ属)の花が庭園を美しく彩っていました。根津美術館は、東武鉄道の社長などを務めた実業家・初代根津嘉一郎(1860~1940)が蒐集した日本・東洋の古美術品コレクションを保存・展示しています。美術館鑑賞のあとは、都会のオアシスとも言われる緑豊かな庭園を散策することができるようになっています。


(つくば植物園)

 茨城県つくば市のつくば植物園にも行ってきました。つくば植物園は国立科学博物館に属し、多様な植物を収集・保全し、絶滅危惧種を中心とした植物多様性保全研究を行っている機関です。園内では、多種多様な植物に直に接することができます。これは、ヤマフジ(山藤;マメ科フジ属)です。大木の木枝から沢山の豊かな花穂が垂れていました。


 ノハナショウブ(野花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)の花が池の周りに群生していました。よく見ると紫色の花びらの基部に黄色のすじが入っています(カキツバタは白色から淡黄色のすじが入る)。これから6月にかけて寺社の池などでよく見かける、大柄で色とりどりの花を付けるハナショウブは、ノハナショウブの園芸種になります。


 日本各地の落葉広葉樹林に生育するエビネ(海老根;ラン科エビネ属)が生育していました。最近では採取」によって生息数が減少していてレッドデータに掲載されるようになった。地表近くにできる塊茎がエビのように曲がって連なっていることから、海老根の名前が由来。エビネのすぐ近くに、黄色い花のキエビネ(黄海老根)が咲いていました。  


 山間地の比較的湿潤な場所に生育するクリンソウ(九輪草;サクラソウ科サクラソウ属)の花が咲いていました。わが国に自生するサクラソウ科の植物のなかでは最も大きいもの。花が花茎を中心に円状につき、それが数段に重なる姿が仏閣の屋根にある「九輪」に似ていることが、この名前の由来です。花が大きく美しいため山野草として人気があります。


 北海道、樺太、シベリア、中国北東部などに分布する多年草エゾスカシユリ(蝦夷透百合;ユリ科ユリ属)の薄オレンジ色の美しい花。花弁の根元部分が細くなっており隙間があるのが「スカシ」の名の由来です。ニッコウキスゲやノカンゾウなどのユリ科ワスレ属の花々 ともよく似ています。


 最後にわが家の花壇から。クレマチス(キンポウゲ科センニチソウ属)を神代植物公園内で買い求めてきました。右隣りでは、ジャスミンの花が盛んに咲いていて、強い芳香を放っています。わが国では、大輪のクレマチスが鉢に仕立られ鑑賞に用いられます。クレマチスは人気のあるほとんどの種がつる性で、名前もギリシア語のクレマ(つる)に由来。


 このヒルザキツキミソウ(昼咲月見草;アカバナ科マツヨイグサ属)は昼間に開花するもので、やはり植物公園内で販売されていました。珍しかったのでつい買い求めてきました。普通のツキミソウは夕方に開花し、朝には花が萎みます。

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2013年2月 9日 (土)

筑波山の南裾に福寿海が広がる


 初めて筑波山の南裾に広がるつくば植物園(筑波実験植物園)を訪れてきました。この植物園は、国立科学博物館が設置した植物研究のための機関で、およそ14ヘクタールの敷地に、筑波山で見られる植物も含め、内外の7000種類を超える植物が植栽されています。
 
 園内は入園者向けにもよく整備されていて、気温がまだ低いものの快晴でしたので、早春の陽射しを浴びながら心地よい散策を楽しむことができました。



 スプリング・エフェメラル(春の妖精たち)の代表格のフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)が咲き始めていました。春の陽だまりの中で思いっきり日光浴を楽しんでいるようでした。ところで、立て札にはフクジュカイ(福寿海)と粋な名前が書いてありました。福寿草がどんどんと咲き広がる様子を海に見立てているのでしょうか。


 園内にはサバンナ温室、熱帯雨林温室、水生植物温室が3種類の温室がそろっています。温室内では湿度が高いため、カメラのレンズがすぐに曇ってしまい、なかなか良い写真が撮れませんでした。


 この中でサバンナ温室だけは乾燥していました。この白い花はマダガスカル原産でキョウチクトウ科の多肉植物パキポディウム・エブルネウムです。植物全体が、まるで手のひら上に咲き出しているかのような奇妙な形状をしています。


 植物園の中央部が水生植物区画になっていて、ほどほどの大きさの池が作られています。この日はカモの群れがスイスイと泳ぎ回っていました。この区画では、ミズバショウやコウホネなどの水辺の植物が分布します。


 この水辺に咲く花はほとんど皆無でしたが、1点だけ黄金色に輝いている箇所がありました。近づいてみると、湿地などに育つリュウキンカ(立金花;キンポウゲ科リュウキンカ属)の花が一輪だけ咲いていました。普通には5月から7月頃に咲く花です。早咲きの理由は分かりません。

 つくばとは仕事で頻繁に往来していますが、このような立派な植物園があるとは思っていませんでした。今後は時間を見つけて、何回でも訪れてみたいと思います。

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2010年9月20日 (月)

連休は近場でドライブ、那珂湊お魚市場と笠間芸術の森公園


 今回は敬老の日を含んでの3連休。暑さも収まりつつあり格好のドライブ日和になってきましたが、すさまじい高速道路の大渋滞を考えると尻込みしてしまい、つい近場のドライブを選んでしまいます。

 そんなことで、北茨城の那珂湊お魚市場と笠間芸術の森公園を見てきました。特に両者の直接的な関係はないのですが、近接しているということで、那珂湊お魚市場で寿司を食べ魚を買って、笠間芸術の森公園では笠間焼を鑑賞してきました。


 那珂湊お魚市場までは、常磐自動車道、北関東自動車道を経て2時間程度のちょっとしたドライブです。ただ現地に着いても駐車場が少ないのでご覧のように車の大行列。この辺は路上駐車でも大丈夫のようです。


 現地では、どの魚も新鮮で安いので目移りしてしまいます。サンマ、ブリ、サケなどの鮮魚や、タラコ、スジコ、佃煮、一夜干しなどの加工品まで何でもあります。そしてどの魚やさんも食堂を併設していて、回転寿司コーナーではネタが特大で美味しく大人気です。


 お魚市場を後にして、北関東自動車道で20分くらいで笠間芸術の森公園につきました。笠間焼で有名な笠間市には窯がたくさんあってそれぞれ店を構えていますが、今回は公園内の笠間工芸の丘だけを訪れてきました。この丘からの眺望がすばらしく、遠方には名峰筑波山が望めます。


 笠間工芸の丘は、長い歴史を持つ笠間の文化的風土をもとに、笠間焼を中心とした地場産業振興と、だれもが参加体験でき伝統工芸に触れることができる観光拠点になっています。随所にいろんな工芸品が展示されています。


 優れた作品の展示や小物の焼物や工芸用品販売を行う「センタープラザ」です。作品の展示コーナーでは即売を行っていますが、百万円を超える工芸品もあり、思わずため息がでてしまいます。

 帰りは少しだけ渋滞がありましたが、それほど疲れずまあまあのドライブでした。

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2010年8月22日 (日)

関東平野の名峰筑波山を訪ねて

 休日を利用して名峰筑波山を訪れてきました。「つくば」とは長いつき合いで仕事でもプライベートでも数え切れないほど往復していますが、どうしたものか筑波山は今回が初めての訪れでした。


 筑波山はつくば市北端に位置する標高877mの双峰で、東側の頂が女体山で標高877m、西側の頂が男体山で標高871m。その美しい姿から富士山とも対比され、「西の富士、東の筑波」と並び称されています。古くは『万葉集』にも詠まれ、日本百名山、日本百景の一つに挙げられている名峰です。


 筑波山の西方に位置する筑西市の明野ひまわりの里には何千本もの向日葵やキバナコスモスの花が咲き誇っていました。ここで筑波山を背景にした向日葵の写真を撮ろうと畑の中を奔走したのですが、ほとんどの向日葵は西の太陽の方向ではなく筑波山の方を向いていたので期待はずれでした。


 その代わりキバナコスモスはいろんな方向を向いていたので、まあまあの写真が撮れホッとしました。ただ、この時は炎暑下でしたのでキバナコスモスのオレンジ色は暑さを倍加させるような感じもありました。

 山岳信仰の対象とされてきた筑波山の拝殿が筑波山南面の中腹にあります。すぐ近くまで車で登っていくことが出来るので便利です。本殿は男体山山頂と女体山山頂にあってそれぞれイザナギノミコトとイザナミノミコトを祀っています。この神社のところからケーブルカーで山頂まで登ることができるようになっています。


 筑波山というとガマの油売りが有名です。油売りの口上が正しければ「鏡の前におくと己の醜い顔を見て驚き、タラリタラリと脂汗(油)を流す」とのこと。耳後腺および皮膚腺からの分泌物と推測されているようです。私はがまの油ではなく、がまの置物を買ってきました。実際のがまがどうなっているか分かりませんが、筑波のがまは前足が4本指、後ろ足が6本指の「四六のがま」として有名です。置物の前足も確かに4本指でした。 → 四六のがまのエッセイ

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2009年11月23日 (月)

南房総の海辺の風景(11月下旬)

 11月下旬の連休、南房総のフラワーラインをドライブしてきました。南房総の花摘みは12月中旬頃から本格化して、ポピー、菜の花、ストック、キンセンカ、水仙、パンジー、デイジー、ガーベラ、金魚草等々が咲き乱れますが、この時期は植え替えの真っ最中で花々との出会いはお預けでした。
 それでも花畑の代わりに、地元ならではの海の幸や広大な太平洋の風景などを楽しんできました。


 宿泊したホテルで出された海鮮料理の舟盛りです。食べ始めてから思いついて写真を撮ったので少し形が崩れていますが、新鮮で本当に美味しい刺身でした。これにアワビの踊り焼き、金目鯛の煮付けなどが付いて大満足でした。


 宿泊は白浜町でしたが、ここに野島崎灯台があります。房総半島の最南端の地だそうです。この灯台の周りが国定公園としてきれいに整備されていて、気持ちよく散策できました。


 白い野島崎灯台が夕陽に映えています。この海岸からは広大な太平洋のパノラマが展望でき、自然の雄大さを実感できます。水平線から昇る翌朝の日の出も楽しみにしていましたが、あいにく雲が厚くて次回に見送りです。


 国定公園内には、いろんな海辺の植物が生育していました。薬効豊富なキダチアロエも群生していました。この辺では家々の軒先でもキダチアロエを見かけます。厳しい海の仕事には必需品だったのかもしれません。この時期ちょうど朱赤色の花が開花しつつありました。このアト12月頃から満開になります。

  …> 季節のスケッチ(21年11月 南房総)

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