社会・政治

2024年1月 1日 (月)

謹賀新年2024



      【わが家テラスからの初日の出】

 内憂外患の厳しい環境は続いています。対外的にはロシアのウクライナ侵略、イスラエルとハマスの中東紛争、中国による周辺国への圧迫等々、至るところで争いが絶えません。また、国内では円安局面の長期化による生活物価の上昇、政治資金を巡る政権の不安定化、芸能界での数々の不祥事の露見など問題山積です。このような難局を打開し、わが国の繁栄を持続させるための本格的なチャートづくりが急がれます。


 → 季節のスケッチ(2024年1月)
 → 四季の植物(1月セレクション)
 → 1月の Photo Gallery

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2023年1月 1日 (日)

謹賀新年2023




 2023年の新春のお慶びを申し上げます。皆さまのご健勝とご多幸を祈念申し上げます。わが家では、お陰様でつつがなく結婚生活50年を迎えることができました。これからも野山に遊んだり、孫8人の世話をしたりしながら、残りの人生を楽しく平穏に過ごしていきたいと思っております。

  一方、3年を超えて長引く新型コロナの災禍、近年の激甚化する自然災害、大国ロシアによる隣国ウクライナへの理不尽な侵略戦争、世界経済の不安定化等々わが国を取り巻く内外環境には厳しいものがあります。これらの難局を打開すべく世界の英知を結集し、迅速に希望ある未来への賢明な選択がなされることを切望します。

 

 

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2022年10月 1日 (土)

10月の街中は金木犀のいい香りが漂う


 凶弾に倒れた安倍元総理の国葬、英国エリザベス女王の逝去、ロシアによるウクライナ領土の略奪といった大きな出来事が相次いだ9月が過ぎ、10月に入りました。
 このところ厳しい残暑も収まって快適な日々が多くなってきました。この季節の花々の代表格は金木犀です。東京の街中を散策しているとどこからともなく金木犀のいい香りが漂ってきます。


 中国南部原産の常緑小高木キンモクセイ(金木犀;モクセイ科モクセイ属)。わが国には江戸時代に渡来し、本州から九州にかけて栽培が広がった。公園木や庭木などに多く利用される。 新春のロウバイ、春のジンチョウゲウメ、夏のクチナシなどとともに代表的な芳香花木。2012.10


 この時期、橙黄色の花が満開になったキンモクセイの周りには甘くいい香りが漂い広がります。街中を歩いていても、この香りを感じて振り返るとそこには橙黄色のキンモクセイといったことがままあります。まさに秋の香りです。2014.10@隅田川テラス


 この季節、シュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の花が群生して可憐に咲き出します。秋の風情を感じさせる優雅な花です。シュウメイギクの名前からキク科のようですが、実はキンポウゲ科の植物です。中国から古い時代に渡来し、京都の貴船地方に野生化したものが見られる。2019.10


 シュウメイギク(秋明菊)には、よく見かける白花以外に勲章のように立派な形をした赤い花もあります。貴船菊や秋牡丹の別名があります。2009.10


 日本固有種で北海道~九州に分布する多年草ホトトギス(杜鵑草;ユリ科ホトトギス属)。山地の半日陰地に生育する。8月~10月頃、葉腋に数個の花を上向きにつける。漏斗状鐘形の花の紫色の斑点のようすが鳥のホトトギス(杜鵑)の胸にある斑点に似ることから和名が由来。2021.10


 ホトトギスの近縁種もよく見かけます。これは、タイワンホトトギス(台湾杜鵑;ユリ科ホトトギス属)。小さな紫色の花が咲いています。やはり、花に鳥のホトトギスの胸模様に似た紫色の斑点がありまる。沖縄県、台湾に分布する壮健な多年草。2007.10


 紀伊半島に自生するキイジョウロウホトトギス(紀伊上臈杜鵑;ユリ科ホトトギス属)。植物園のシダ園の石垣の上部から垂れ下がり黄色い花を下向きにつけています。同属のホトトギスタイワンホトトギスとは花の形状が少し違いますが、花の内側に斑点がついています。2019.10


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年10月)

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2022年7月 1日 (金)

真夏の深緑の中にユリ、ハス、ムクゲなどの季節の花々



  (深緑に覆われた小石川植物園 2019.7)

 今年は早々と6月下旬に梅雨が開けました。観測史上最速とのことで、はや連日すさまじい猛暑が続いています。2月から続くロシアによるウクライナ侵攻は収まらず、一般の商業施設も無差別に爆撃するなどロシアの殺戮と破壊の蛮行は留まるところを知らないようです。早晩大きな代償を支払うことになると思います。
 さて、7月に入ると木々は深緑に覆われるようになりますが、濃い緑の炎天下でユリやハス、ムクゲなどの夏の花々が目立つようになります。


ユリ(百合;ユリ科)
 ユリ(百合;ユリ科ユリ属)は ユリ科ユリ属の植物を総称した名称です。北半球のアジアを中心にヨーロッパ、北アメリカなどの亜熱帯から温帯、亜寒帯にかけて広く分布し、山岳地帯を含む森林や草原に自生することが多い。鱗茎(球根)を有する多年草。茎を高く伸ばし、夏に美しい漏斗状の花を咲かせます。


 狭山市稲荷山公園の北斜面緑地に約千株ものヤマユリ(山百合;ユリ科ユリ属)が自生しています。地元の住民グループが下草刈りやクズの根の除去などの活動を進めることにより、自生する株数が増えてきているとのこと。2019.7@狭山市稲荷山公園


 那須塩原市のスキー場ハンターマウンテン塩原のゆりパークの3万坪の広大なゲレンデには約50種400万本ものユリの花が生えています。訪問したのは8月でしたが、遅咲きのユリが見ごろを迎えていました。2019.8@ハンターマウンテン塩原


 以下、いろんな種類のユリを紹介します。これは夏の最も暑い時期に満開となるヤマユリ(山百合;ユリ科ユリ属)。北海道と北陸地方を除く近畿地方以北の山地の林縁や草地に分布する。強い香り、赤い斑点など強烈な個性を感じます。2009.7@小石川植物園


 美しいオニユリ(鬼百合;ユリ科ユリ属)の花です。黒い斑点の大きな花は迫力があり、鬼の名が付いたのでしょう。オニユリは、大型の鱗茎をもつ多年草でいろんな薬効があります。2007.7@小石川植物園


 オニユリの変種で、黄金色のオウゴンオニユリ(黄金鬼百合;ユリ科)です。花弁は強く反り返り、黄地に赤の斑点があります。葉の付け根にムカゴを作るのが、オウゴンオニユリの大きな特徴。元々は対馬に自生。2011.7@小石川植物園


 北海道、本州、四国、九州の山地の草原等に生育するコオニユリ(小鬼百合;ユリ科ユリ属)が天元台高原に群生していました。コオニユリは近縁種のオニユリよりも花が小さくムカゴがつかない。2018.8@天元台高原


 カノコユリ(鹿の子百合;ユリ科ユリ属)の花も園内に咲いていました。四国・九州地方の山地に自生しています。花弁に鹿の子模様の斑点があることからこの名が由来。2013.7@小石川植物園


 クルマユリ(車百合;ユリ科ユリ属)が日光市の上三依植物園で咲いていました。北海道、本州、四国に分布し、標高の高い高地に生える。葉の付き方が車輪に似ていることから和名が由来しています。2016.7@上三依植物園


 白山神社に咲く一面のアジサイの花の中に、一輪だけ美しく紅色に咲くヒメユリ(姫百合;ユリ科ユリ属)の花を見つけました。「夏の野の繁みに咲ける姫百合の知らえぬ恋は苦しきものそ」という万葉の歌もあるほどのハッとした美しさです。2004.6@白山神社


 北海道、樺太、シベリア、中国北東部などに分布する多年草エゾスカシユリ(蝦夷透百合;ユリ科ユリ属)の薄オレンジ色の美しい花。花弁の根元部分が細くなっており隙間があるのが「スカシ」の名の由来です。2022.5@小石川植物園


 東北地方~関東地方に分布する多年草ミヤマスカシユリ(深山透百合;ユリ科ユリ属)。石灰岩地帯の岩壁に生育する。6月~7月頃、茎の上部に総状花序を出し、橙色の花が上向きに咲く。花弁の根元部分が細くなっており隙間がある。絶滅危惧IB類、日本固有種。2021.6@小石川植物園


 九州南部~南西諸島が原産の多年草テッポウユリ(鉄砲百合;ユリ科ユリ属)。4月~6月頃、茎の頂上にラッパに似た筒状の純白の花が横向きに咲く。楕円形で長い葉をつける。沖縄では自生種が群生する。近縁種のタカサゴユリと酷似するが、やや小型で葉が太め。2021.4@小石川植物園


 台湾原産のヒメタカサゴユリ(姫高砂百合;ユリ科ユリ属)。タカサゴユリの高山性の多年草。2016.7@上三依植物園


ハス、古代ハス(蓮、古代蓮;ハス科)



 日曜の早朝、ハス(蓮)の花を見ようと上野公園の不忍池に出かけてきました。果たして池の所々にかなりの数の桃色のハスの花が咲いていました。ハスの花は東の空が白む早朝に開花し、午後には閉じてしまいます。大きな楯型の葉と天を向いて咲く大きな美しい花が幻想的な美しさを醸し出します。仏教では極楽浄土を象徴する花として蓮華(れんげ)ともいいます。水中の地下茎は野菜の蓮根(れんこん)です。ハス科ハス属の水生多年草。古典園芸植物の一つ。2013.7@上野不忍池



 行田市の天然記念物に指定されている古代ハス(古代蓮;ハス科ハス属、別名:行田蓮)。原始的な形態を持つ1400年~3000年前の蓮で、現代の蓮より花びらの枚数が少なく大きいのが特徴です。古代ハスとは、古えのハスの実から発芽・開花したハスのことを言います。ここ行田市の古代蓮の里一帯は、かつてたくさんの水生植物が茂る湿地帯で、このとき咲いていた蓮の実が地中深くもぐって長い眠りについていたのですが、昭和48年に近くの公共施設の造成工事で1400年以上前の地層から偶然掘り出された種が自然に発芽し池に開花しているのが発見されたそうです。2014.7@行田古代蓮の里


ムクゲ(木槿;アオイ科)


 中国原産の落葉低木のムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)。夏の代表的な花木で観賞用に栽培され、古典園芸植物の一つ。主に庭木や街路樹、公園などに広く植えられている。花期が長く、風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。隣の韓国ではムグンフアと呼ばれ人気があり、国花になっている。2018.7@小石川植物園


 英国のウィンザー城で、ピンク色のムクゲの花が風に揺れていました。クラシカルな城壁によく似合います。2002.7@英国


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年7月)

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2022年6月 1日 (水)

各地のアジサイ(紫陽花)の風景


 6月に入りました。2月から続いているロシアによるウクライナへの侵略戦争は一進一退の戦況が続いているようで、なかなか出口が見えません。建物やインフラの破壊、数多くの市民の虐殺、物資の略奪など目を覆いたくなるような出来事が相次いで報道されています。ロシアの早急な全面撤退を願いたいのですが。


 さて、6月は梅雨空の下で木々がしっとりとした緑に覆われる落ち着いた季節です。近所を散歩すると、軒先にアジサイの花が目立つようになります。以下、これまでの季節のスケッチから、各地のアジサイ(紫陽花)の風景をまとめてみました。

白山神社@文京区
 近所の白山神社では毎年6月に文京あじさい祭りが開かれ、大勢の人で賑わいます。この白山神社はもともと小石川植物園内に建っていましたが、徳川時代に綱吉の屋敷造営のため現在地に移ったといわれてます。


 約3千株の多様な紫陽花が、白山神社の境内から隣接する白山公園にかけて植えられています。この年も色とりどりのアジサイの花が咲き始めていました。2012.6


 多くのアジサイの花を集めた恒例の「あじさい富士」です。毎年、あじさい祭りのモニュメントとして境内に作られます。2010.6

小石川植物園
 面積は約16万㎡もの広大な緑地が東京中心部(文京区)の一角に広がっています。園内には台地、傾斜地、低地、泉水地などの地形を利用して様々な植物が配置されていて、来園者は野趣に富む山野を自由に歩き回るといった感じで四季折々の自然を楽しむことができます。


 この年の東京地方の入梅は6月10日でした。植物園内でも、随所にアジサイの花が梅雨空にしっとりと咲いています。これは日本固有種のガクアジサイ(額紫陽花)です。2009.6


 園内にはいろんなアジサイの花が咲いています。これはホンアジサイの花。観賞用には美しいアジサイですが、毒性があり摂食すると中毒を起こすので要注意。2019.6

郷土の森博物館@府中市

 郷土の森博物館は府中の自然と歴史を楽しみながら知ることのできるようになっています。約14万㎡の広大な敷地の中に、府中の自然、地形、風土を表現すべく昔の農家や町屋、歴史的な建物などが配置されています。都心からは車で甲州街道を走り、1時間ほどで到着です。


 敷地内の古い建物の前や「あじさいの小径」沿いに約1万株の赤、青、紫、白などの色とりどりのアジサイが植えられていて、毎年あじさいまつりが開催されるとのこと。6月中旬のこの時期にちょうど見頃を迎えていました。2019.6


 ホンアジサイガクアジサイヤマアジサイなどのいろんな種類の紫陽花の花々が一斉に咲き出していて、緑の木々と調和して見事な風景を醸し出していました。2019.6


皇居東御苑

 東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。この時季にはアジサイの花が所々に咲き出しています。2013.6

浜離宮恩賜庭園

 浜離宮恩賜庭園は潮入の池と二つの鴨場をもつ江戸時代の代表的な大名庭園で、現在は都立公園として親しまれています。汐留や築地に近くアクセスが便利です。潮入の池の中のお伝い橋と中島の御茶屋の風景です。池のほとりにアジサイの花が咲いていました。2017.6

 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年6月)

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2022年5月 1日 (日)

各所の初夏の風景(季節のスケッチより)


 大型連休に入りました。今年はコロナ感染による外出規制が3年ぶりに解除されたということで、各地で少しづつ賑わいが戻ってきているようです。しかしながら、まだ東京で数千人の感染者が毎日出ており、最後まで油断禁物です
 さらには、2月から続くロシアによるウクライナ侵略戦争、知床半島の観光クルーズ船の沈没など、気が滅入るような出来事が相次ぎ、なかなか気持ちが穏やかになりません。

 さて、5月の初夏の季節は木々の新緑が若葉・万緑へと移り変わり、美しい緑の世界が広がります。そして、ツツジ、ウツギ、トチノキ、アヤメ、シャクヤクなどの花々も落ち着て咲き出します。各所の5月の風景(季節のスケッチ)を以下にまとめてみました。

小石川植物園


 面積は約16万㎡もの広大な緑地が東京中心部(文京区)の一角に広がっています。園内には台地、傾斜地、低地、泉水地などの地形を利用して様々な植物が配置されていて、来園者は野趣に富む山野を自由に歩き回るといった感じで四季折々の自然を楽しむことができます。

 5月セレクション 5月の風景(フォトギャラリー)
 2020.5  2019.5 2018.5


皇居東御苑

 東京丸の内・大手町に隣接する皇居東御苑は旧江戸城本丸・二の丸の跡地に広がり、庭園や芝生、雑木林などが見事に配置されています。そして季節の花木や野草を楽しむことが出来るようになっています。都心のど真ん中にあっても、都会の喧噪は全く感じられず、いつも落ち着いた雰囲気の中で散策を楽しめます。 2017.5  2014.5 2012.5


神代植物公園

 調布市の名刹深大寺のすぐ近くに広がる神代植物公園には約4,500種類、10万株の植物が植えられています。また、武蔵野の面影が残り、四季を通じて草木の姿や花の美しさを味わうことができるようになっています。 2014.5 2013.5


都心の街路樹など

 まちを美しく彩る東京の街路樹・樹木は、木々の新緑や黄葉、春~夏に咲く花々など、季節の移り変わりを知らせてくれる自然のキャンパスです。普段は何気なく見過ごしてしまいがちですが、よく観察すると新鮮な出会いに驚くことがあります。

(この時期の街路樹の花々) 2021.5
  桜田門付近:トチノキ、浅草橋:マロニエ(トチノキ)
  飯田橋:ヤマボウシ、水道橋皀角坂:サイカチ
  銀座並木通り:シナノキ、迎賓館周辺:ユリノキ
  筑波大付高キャンパス:キリ
  サンシャイン公園:タイザンボク ほか


山形の風景

 郷里の山形は風光明媚な自然に恵まれています。山形盆地に立って四方を見渡すと、東には奥羽山脈が南北に走り、船形山、蔵王連峰などの山々が連なり、西方には出羽三山(月山、湯殿山、羽黒山)などの朝日連峰に連なる山々が眺望できます。また、芭蕉の句「五月雨や集めてはやし最上川」で有名な最上川は、吾妻山系を源とし、置賜地方、山形盆地、新庄盆地、最上峡、庄内平野と県内を229km縦走して日本海に注ぐ大河です。ここでは大自然に遊び心身ともにリフレッシュすることができます。 2019.5  2017.5 2015.5


山形野草園

 山形野草園は、西蔵王高原の中に「自然との共生」を図ることをねらいとして1993年に開園され、野草、樹木あわせて約1,000種類のさまざまな植物があり、季節の野草が群生しています。山形市の市政施行100周年の記念事業の一環として整備されたものです。 2018.5


上三依水生植物園

 上三依水生植物園は日光の山地につくられ、男鹿川沿いの敷地面積約2万2千平方メートルの広大な園内に約300種、3万本の高山植物、湿生植物などが季節を彩るように咲き競っています。 2019.5


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年5月)

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2022年3月25日 (金)

西多摩の瑞穂町に群生するカタクリの花


 3月下旬になり、東京都ではようやくコロナ禍の緊急事態宣言が解除になりました。解除になったとはいえ、感染者数はまだ毎日数千人規模ですので用心に越したことはありません。マスクを付けながら、近郊の西多摩郡瑞穂町のカタクリの群生地までドライブしてきました。



 瑞穂町に広がる「さやま花多来里(カタクリ)の郷」では約3,000㎡の斜面の一面に20万株以上ものカタクリが群生しています。まだ全体的に4分咲きといった感じでしたが、それでも多くの可憐な赤紫色のカタクリの花が咲き並んでいました。



 カタクリ(ユリ科カタクリ属)は落葉広葉樹林の林床などに生育する球根植物です。春になると6枚の花弁が反り返った赤紫色の可憐な花が咲き出します。まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようにも見えます。カタクリの鱗茎(球根)は澱粉を含み、片栗粉の原料になり、若葉は食用に供されます。春の妖精の代表格。


 カタクリの群生地を回った後は、屋敷森に囲まれ、武蔵野の旧家の佇まいを残す近くの耕心館(町が運営)で昼食。耕心館の庭園では、季節ごとに花をつける140種類ほどの山野草等を楽しむことができるようになっています。この日は珍しい春の野草を多く見かけました。


 ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。本州中部以西の暖かい地域の林内に生える多年草。春の妖精の仲間。


 ミスミソウ(三角草;キンポウゲ科ミスミソウ属)。本州の中部以西の山間地に多く生育する常緑の多年草。三角形状の葉が三つに分かれているのが特徴。



 キクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属) 。北海道~近畿地方の落葉広葉樹林の林床などに生育する多年草。菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴で、菊咲一輪草とも呼ばれる。春の妖精の仲間。



 ショウジョウバカマ(猩々袴;シュロソウ科ショウジョウバカマ属)。北海道から九州までのやや湿った場所に分布し、人里近くの田んぼの畦道から高山帯の高層湿原まで生える多年草。根生葉の重なりが袴(ハカマ)に似る。春の妖精の仲間。


 キケマン(黄華鬘;ケシ科ケマンソウ亜科キケマン属)。関東から沖縄の海岸や低地に生える多年草。細長い形状の黄色の花が穂先に多く並んで咲く。全草に毒性あり。


 庭園の一角にある土蔵に豪華なひな人形が飾られていました。

 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年3月)

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2022年3月 1日 (火)

陽春の小石川植物園、いよいよ春本番


 3月に入り、ようやく春暖の日が続くようになりました。また、国内のコロナ感染(第6波)にピークアウトの兆候が見られ、少し安堵しています。その一方で、欧州ではロシアが隣国ウクライナに一方的に軍事侵攻するという衝撃的な戦争が勃発しました。今後の事態の推移が非常に憂慮されます。


 さて、春本番の3月の小石川植物園の様子を取りまとめてみます。小石川植物園では3月に入ると、美しい春本番の季節を迎えます。カンヒザクラ、ヤマザクラ、オオシマザクラなどのいろんな桜の花が次々に咲き出します。そして、月末にはソメイヨシノが満開になり、シナミズキ、サンシュユ、コブシなどの桜以外の木々の花も一斉に咲き出します。まさに園内は春爛漫の様相を呈するようになります。また、カタクリ、ハナニラ、オオイヌノフグリ、スミレなどの春の野の花も賑やかに咲き広がります。

(木々の花)

 沖縄に自生するカンヒザクラ(寒緋桜)。日本のサクラの基本野生種の一つ。満開になった濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与える。カンヒザクラを片親とする多くの栽培品種があります。2015.3


 植物園の入口近くのヤマザクラ(品種:群桜)。ヤマザクラは日本、台湾、韓国、北朝鮮に分布する落葉高木。日本のサクラの基本野生種の一つで和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では長寿で大木も多い。2018.3(なお、この群桜は残念なことにその後の台風により倒木)


 伊豆大島などに多く生息するカンザキオオシマ(寒咲き大島)。白く清楚な感じの花が咲いています。オオシマザクラの園芸品種で早春に開花する早咲きのサクラ。2008.3


 本州に分布するエドヒガン(江戸彼岸)。サクラの基本野生種の一つ。ソメイヨシノより早く彼岸の頃に美しく満開になる。葉が展開するより先に小さな白い花が無数に咲く。ヤマザクラとともに長寿。各地に巨樹エドヒガンの一本桜が多い。2018.3


 ソメイヨシノの花の見事さは、空間に突然出現する圧倒的なボリューム感にあります。週末でもあったのでまさに老若男女で大賑わいでした。ソメイヨシノはオオシマザクラとエドヒガンとの交雑種でエドヒガン系の園芸品種。2008.3


 中国原産の落葉低木シナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)。細い枝がよく分枝し株立ち樹形を成す。3月頃、青空の下に無数の黄色の花が点描されるかのように一斉に咲き出す。2008.3


 サンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)が満開になりました。小さな黄金色の花が点々と木枝の至るところから吹き出しています。木全体が黄金色に輝くことからハルコガネバナとも呼ばれます。2012.3


 北海道から九州まで広く分布する落葉高木コブシ(辛夷)。早春に白い花が咲き出し、春の訪れを謳歌するかのように青空の中で花が乱舞する。花は小枝の先に咲き、ひらひらの白い6枚の花弁をもつ。開花の後、新緑が芽吹く。モクレン科モクレン属。2019.3


(春の野の花)

 カタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)。薄い赤紫色のカタクリの花が秘やかにかつ可憐に咲いています。花は6枚の花びらが反り返っていて、まるで春の陽光の下で森の妖精たちが背中の羽根を羽ばたきながら遊んでいるようです。落葉広葉樹林の林床などに生育する球根植物。スプリング・エフェメラルの代表格。2008.3


 ハナニラ(花韮)の清楚な白い花が植物園内の各所に咲き広がります。花の形はアマナに似ることから、セイヨウアマナ(西洋甘菜)とも呼ばれます。南米原産で明治時代に観賞用として帰化。ヒガンバナ科イフェイオン属 or ハナニラ属の球根植物。


 春の園内にオオイヌノフグリの星くずのように可憐な青い小さな花が咲き広がります。秋に芽を出して他の植物が繁茂しない冬に横に広がり、春に多数の花をつけ、春の終わりには枯れてしまうといった生態になっています。ヨーロッパ原産の多年草。日本に帰化し全国に分布。オオバコ科クワガタソウ属。2003.3


 コスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)の花を何株か見つけました。花姿がタチツボスミレによく似ているが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。2018.3


 代表的な春の野花のホトケノザ(仏の座;シソ科オドリコソウ属)です。葉の様子が仏像の蓮座を連想させます。赤紫のきれいな花を咲かせているので目立ちます。本州から沖縄に自生する多年草。2019.3


   詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年3月)

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2022年2月 1日 (火)

いよいよ春の始動、2月の小石川植物園の風景


 2022年の正月もあっという間に過ぎ、立春の2月を迎えました。暦の上では初春になりますが、まだまだ寒い日も多いこの頃です。さらに、新型コロナのオミクロン株による感染者が急増して第6波に突入しています。従来のコロナ株に比べ重症化する人の割合が少ないとはいうものの、油断禁物です。

 さて、春が始動する2月の小石川植物園の様子を取りまとめてみます。

 小石川植物園では2月に入ると、梅林が賑やかになってきます。紅梅、白梅の花が咲き始め、メジロなどの小鳥も誘われるかのように集まってきます。ウメの花以外にも、カンザクラ、ツバキ等の木々の花や、春の妖精といわれるユキワリイチゲ、アマナ、フクジュソウなどの春の野の花も咲き出し、園内の散策も楽しみが増えてきます。上の写真は春の色に染まり始めるヤナギ池(2012.2)。

(木々の花)

 園内の梅林には数多くのウメの木が植えられていますが、2月から3月にかけて早春の青空の下、次々と紅梅・白梅が咲き出してきます。2003.2


 白梅の芳流閣。梅の花が咲くと、早速小鳥が集まってきて、花や蜜をついばんでいます。この小鳥は目の周りの色が白く、メジロです。2008.2


 紅梅の五節の舞。小鳥が花や蜜に集まってきます。小鳥の色がうぐいす色なので、当初ウグイス(鶯)かと思いましたが、調べてみると目の周りが白いメジロでした。2004.2


 園内にはツバキ園もあります。ツバキ(椿)もいろんな品種があって、この鮮やかな赤い色のツバキ(左)には柊葉椿(ヒイラギバツバキ)の品種名が付いています。2011.2


 園内の古井戸の近くにはカンザクラの高木があります。早春の頃に咲くのであまり人が集まりませんが、濃い目のしっかりとした花を咲かせ、青空によく映える。暖地の庭木に多く用いられる。


 年明けに咲き始めるシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)の花が満開です。無数のふわふわした黄色の花びらが青空に伸び伸びと広がっています。満開の花は花びらの数も多く力強い感じがします。マンサクという名は、春にまず咲くことに由来します。2013.2


(春の野の花)

 ユキワリイチゲ(雪割一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。群生するユキワリイチゲが小さな白い花を咲かせています。本州中部以西の暖かい地域の林内に生える多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2010.2


 アマナ(甘菜;ユリ科アマナ属)の花を道ばたの草むらで見つけました。まるで小さなチューリップのようです。東北地方南部から九州、奄美大島に分布する多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2016.2


 フクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)。まばゆい黄金色に春の喜びを感じます。北海道から九州にかけて分布し山林に生育する多年草。スプリング・エフェメラルの仲間。2004.2


 春の七草の一つハコベ(繁縷;ナデシコ科ハコベ属)の小さな花が咲き出してきました。島崎藤村の千曲川旅情の詩に「小諸なる古城のほとり 雲白く遊子悲しむ 緑なすはこべは萌えず ……」 とハコベが登場します。全国の路傍や田畑にごく普通にみられる一年草/越年草。2016.2


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2022年2月)

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2021年12月 1日 (水)

紅葉・黄葉本番の年末、国内のコロナ禍がほぼ収束


 いよいよ年末です。嬉しいことに、わが国の新型コロナウィルスはほとんど終焉の状況になってきました。しかし、諸外国の依然として高水準な感染状況と比較すると、非常に不可思議かつ稀有な現象のようです。明確な原因が解明されていないので、モヤモヤ感が残ったままでの年越しになりそうです。


 11月末頃から冷え込みがグッと厳しくなってきました。東京の平地での紅葉・黄葉はこれから本番となり、晴れ上がる青空の下で枯葉を踏みしめながらの散策は最高の気分です。

 四季の植物12月セレクションに小石川植物園の12月の風景が収めていますが、その中から木々の紅葉・黄葉、色づく木の実、季節の花など目につくものを選んで紹介します。

(木々の紅葉・黄葉)

 イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)は東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木。秋の紅葉の代表格です。隣接する大樹の黒い幹を、まるで無数のイロハモミジの紅葉が覆い尽くし、ラップアップしているようです。
2017.12


 植物園の各所に赤色、橙色、黄色など色とりどりのイロハモミジを見かけます。鮮やかな黄金色に輝くイロハモミジもあります。2015.12


 落葉高木メグスリノキ(ムクロジ科カエデ属)の鮮やかな紅葉が始まっています。奥まった場所に生えているため気が付く人も少ないようです。メグスリノキは日本に自生し、その名のごとく葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に良いとのことです。
2017.12


 植物園正門の近くで見事に黄葉している大樹イチョウ(イチョウ科イチョウ属)の迫力に圧倒されます。イチョウは中国原産の落葉高木で裸子植物。街路樹など全国で普通に見かけ、晩秋には見事に黄葉し、街中が黄金色に輝き出します。2017.12


 落葉高木ヘラノキ(箆の木;アオイ科シナノキ属)の黄葉が空中に点在しています。本州(紀伊半島、中国地方)、四国、九州に分布する日本固有種。ボダイジュやアメリカシナノキと同じ仲間で、ヘラ型の苞が付くことから和名が由来。2007.12


 ドウダンツツジ(灯台躑躅、満天星;ツツジ科ドウダンツツジ属)。日本原産の落葉性花木。初夏に小さな鈴状の白い花が満天星のように咲き、秋には美しく紅葉する。刈り込みに耐え小枝が密に出るので、生け垣等に多用されます。2012.12

(木々の花・木の実)

 インド、中国、ビルマなどのヒマラヤ付近の高地に分布するヒマラヤザクラ(バラ科サクラ属)。サクラの野生種の一つ。わが国にはネパール王室から贈られ、熱海市に植樹された。年末に可憐な花が咲き出す。2010.12


 香港の九竜半島が原産のグランサムツバキ(ツバキ科ツバキ属)。メタセコイア林に隣接した場所で大輪の白い花が咲いています。1955年に香港で発見され、当時の香港総督グランサム卿にちなんでこの名が付けられた。2004.12


 東アジアに分布する落葉高木イイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)の赤い実がまだかなり残っています。年によっては、小鳥たちに食べ尽くされている時もあります。2018.12


 ムラサキシキブ(紫式部; シソ科ムラサキシキブ属)の紫色の木の実。北海道から九州、沖縄まで広く分布し、各地の林などに自生する落葉低木。初夏に散房花序になった淡紫色の小花が咲く。秋の紫色の果実は美しく、観賞用に栽培される。2018.12


 常緑低木コトネアスター(バラ科コトネアスター属)。5月~6月に白い花が盛んに咲き、晩秋に赤い実が付く。葉の部分に鋸歯がない、枝に棘が生えないなどが特徴。コトネアスターの栽培は比較的容易で生け垣などに用いられる。2005.12

(年末の野の花)

 黄金色のシマカンギク(島寒菊;キク科キク属)の無数の小輪の花が陽光を受け、ゆらゆらと輝いていました。近畿地方から九州の山麓の日当たりのよいところに生える野菊。九州北部一帯の海岸や島々などに大きな群落が見られたことから和名が由来。2004.12


 ワジキギク(鷲敷菊;キク科キク属)の小さな白い花が群れて咲いています。ナカガワノギクとシマカンギクの雑種。那珂川流域の鷲敷で発見されたのでこの和名が付く。2004.12


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年12月)

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