社会・政治

2021年10月 1日 (金)

新展開の10月、小石川植物園の秋の風景


 10月に入って自民党の岸田新総理による新政権がスタートすることになります。厳しい内外情勢の中、安定した国政運営が強く望まれます。また、コロナの緊急事態宣言が解除され、いよいよ with コロナでの社会活動が始まろうとしています。ようやく明るい兆しが見えてきた感じがします。


 さて、小石川植物園の秋の風景です。暦の上では10月は晩秋となっていますが、実際には秋の入口といった感じです。鮮やかな木々の紅葉・黄葉が東京都心のような平地で見られるようになるのは11月から12月で、この頃が体感上の晩秋となります。四季の植物10月セレクションに小石川植物園の10月の風景が収録されていますが、その中から樹木の花、秋の野の花、木の実、紅葉など目につくものをいくつか紹介します。


 秋の山野に生える落葉低木ハギ(萩;マメ科マメ亜科ハギ属)。万葉集にも多く詠まれていて、古くから日本人に親しまれています。秋の野に紅紫色の小さな花を低木の細い枝に多数つけて枝垂れて咲きます。草本でなく木本だが、秋の七草の一つに数えられている。 2007.10


 落葉小高木ヘプタコディウム ジャスミノイドス(スイカズラ科ヘプタコディウム属)。中国原産で高地の崖地などに生える。8月~10月頃に白い唇状の花が木枝に咲きます。また中国名は七子花、英名はオータムライラック(autumn lilac)。春には新緑の葉が元気よく飛び跳ねているかのようです。2020.10


 日本固有種の落葉低木コツクバネウツギ(小衝羽根空木;スイカズラ科ツクバネウツギ属)。本州の中部地方以西、四国、九州に分布し、日当たりのよい丘陵地の雑木林などに生育する。2019.10


 背の高いセイタカアワダチソウ(背高泡立草;キク科アキノキリンソウ属)を園内の草むらで見かけました。形状のいい黄色の花穂を付けています。北米原産の帰化植物で河原や空き地などに群生する多年草。2012.10


 シュウメイギク(秋明菊;キンポウゲ科イチリンソウ属)の白い花が群生して咲いています。シュウメイギクの名前は、キク科のようですが、実はキンポウゲ科の植物です。中国から渡来し、京都の貴船地方に野生化した多年草。2019.10


 北海道~沖縄に分布する落葉小高木クサギ(臭木;シソ科クサギ属)。全国の日当たりのよい原野などに生える。8月頃に咲いた白い花の後、ピンク色の星形のガクの中心に紺色の種子が付く。ちょうど木の頂上部分に赤い花が咲いているかように見えます。
2019.10


 落葉高木トチノキ(栃の木;ムクロジ科トチノキ属。)。枝先の大きな葉は掌状複葉で、長い葉柄の先に倒卵形の数枚の小葉が掌状につく。晩秋に大樹の黄葉が輝き、木の下に栃の実が見つかります。日本原産で東日本を中心に分布し、特に東北地方に多く見られる。2006.10


 ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)。初夏には紅白の花を咲かせ、秋には木の葉が赤く色づいてきます。陽光で透かしてみると美しさが引き立ちます。北米原産の落葉高木でわが国のヤマボウシに似ることからアメリカヤマボウシともいう。2012.10


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年10月)


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2021年9月14日 (火)

9月中旬、少し早めにヒガンバナやキンモクセイが満開



 9月中旬になってパラリンピックが終わる頃にコロナの感染者数に減少傾向が見られるようになり、やれやれといったところです。天気のほうも暑くなく寒くなく秋の季節に入った実感があります。久しぶりに小石川植物園を回って来ましたが、例年よりも少し早めにヒガンバナやキンモクセイの花々が満開になっていました。

(樹木の花)


 ヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)はちょうど秋の彼岸の頃に満開になり、昔から墓地に植えられ、故人を弔っているような感じがします。ヒガンバナは曼珠沙華の別名がありますが、サンスクリット語からきたもので天界に咲く美しい花という意味です。


 ヒガンバナは大部分が赤花ですが、白い花も希に咲いています。全草有毒で、特に鱗茎にアルカロイドを多く含む球根植物です。


 日本庭園の旧東京医学校の赤い建物の前の池のほとりで、珍しい八重咲サルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属))の花が咲いています。通常のサルスベリの遺伝子変異体です。



 中国南部原産の常緑小高木キンモクセイ(金木犀;モクセイ科モクセイ属)の大樹が日本庭園の一角に生えています。例年10月頃に満開になりますが、今年は早くもこの時期に橙黄色の花が盛んに咲いていました。秋の代表的な芳香花木で、マスクを外すと甘くいい香りが漂っていました。




 中国原産の落葉高木のフクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科モクゲンジ属)。細かい黄色の花が盛んに咲いています。


 海外では golden rain tree と呼ばれていますが、まさにその通りに木の下の歩道の地面は黄金色のオガクズを敷き詰めたようになります。

(秋の野の花)

 ムラサキシロガネヨシ(イネ科コルタデリア属)の花穂がたなびいていました。真白なシロガネヨシの仲間で紫色がかっています。


 中国に自生する多年草ホソバオケラ(細葉朮;キク科オケラ属)。根茎は蒼朮という生薬に用いられる。


 つる性多年草クズ(葛;マメ科マメ亜科クズ属)。赤紫色の花を見かけました。根からは葛澱粉が採れ、この根は葛根(かっこん)と呼ばれ、漢方薬として使われます。秋の七草の一つ。


 インド原産の多年草ウコン(鬱金;ショウガ科ウコン属)。白い花が大きい葉の根元に咲いています。ウコンは黄色の色素をもち、カレー粉やタクアンの色づけに用いられます。また、肝機能増進、癌予防などの薬効があり、生薬(鬱金)として用いられる。


 ミズヒキ(水引;タデ科イヌタデ属)。全国各地の日当たりのよい林床や林縁、路傍等に生育する多年草。ミズヒキの和名は、紅白に見える花序が水引に似ていることに由来。

(秋の実り)


 フシノハアワブキ(節の葉泡吹;アワブキ科アワブキ属)。山口県、対馬、奄美諸島、沖縄に分布する落葉または半常緑の高木。暗赤色に熟した球形の核果が沢山付いています。 琉球泡吹の別名あり。


 山野に分布する落葉低木コムラサキ(小紫;シソ科ムラサキシキブ属)。紫色の小粒の実が付きます。


 中国原産の常緑高木ガビハナミズキ(峨眉花水木;ミズキ科ミズキ属ヤマボウシ亜属)。集合果で球形の赤い果実が付いています。


 常緑つる性木本のサネカズラ (実葛;マツブサ科サネカズラ属)。液果が球形に集まった集合果が付いています。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年9月)

 

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2021年9月 1日 (水)

9月に入って秋の気配が漂う

 9月に入って夏の猛暑が落ち着き、秋の気配が漂うようになってきました。一方、コロナウィルスの感染が日本中に広がっていて、なかなか終息の見通しが立ちません。これから私たちがコロナに対してどのように向き合い、どのように社会活動を維持していくべきか新たなビジョンの構築が必要かと思われます。

〔9月の風景〕
 さて、小石川植物園を散策すると、四季折々の季節感あふれる風景、植物を楽しむことができます。これらの写真を四季の植物としてアップしています。

 9月の風景については
  ●9月セレクション  ●9月の Photo Gallery
としてまとめています。

(小石川植物園の9月の風景の例)

 秋の彼岸の時期に、植物園内の随所で燃える炎のようなヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)が満開になって咲き出します。ヒガンバナには曼珠沙華(赤い花をあらわす梵語)の別名があります。昔から墓地に植えられ、本当に故人を弔っているような感じがします。2008.9


 秋の七草は、野を眺めて風情を楽しむ秋の野の花です。植物園内でも夏から秋かけて秋の七草を愛でることができます。これは秋の七草の一つのフジバカマ(藤袴;キク科ヒヨドリバナ属)。花色が藤の花に似ていることから「藤袴」の名が付いたとのこと。本州~九州に分布する多年草でうっかり道ばたの雑草として見逃してしまいそうです。2008.9


 秋の野にひっそりと咲くいろんな野菊の花を見かけるようになります。菊まつりなどに展示される観賞用の和菊、洋菊などと異なり、豊かな秋の風情があります。左は、野菊のハコネギク(箱根菊;キク科シオン属)。箱根駒ヶ岳の山頂で見られることから、和名が由来。箱根を中心に富士火山帯の山地に多く分布します。2012.9


 9月に咲く樹木の花です。これは、秋口に細かい花を盛んに付ける落葉高木のフクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科モクゲンジ属)。木の下の地面は黄金色のオガクズを敷き詰めたようになる。まさに、英名の golden rain tree そのものです。晩秋に真丸の種子が入った袋果が付く。中国原産の落葉高木。2014.9


 赤白色が交じったアオイ科フヨウ属の落葉低木スイフヨウ(酔芙蓉)の花です。一日花で、はじめは白色、のちに赤色に変わってしぼみます。「酔う芙蓉」ということから、この風流な名がついています。日本や中国、台湾などに自生するフヨウの園芸種。2005.9


 樹木に木の実を多く見かけるようになります。台湾に多く自生する落葉低木のニイタカガマズミ(レンプクソウ科ガマズミ属)にも赤い実が付いていました。ニイタカ山は台湾の最高峰です。2014.9

(各地の9月の風景)
 小石川植物園以外の9月の風景は以下の通り。
  2019.9  おわら風の盆 
  2015.9 信州(白馬五竜、戸隠神社)
  2011.9 箱根湿生花園(秋の山野草)


  詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年9月)


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2021年8月22日 (日)

夏空が戻った小石川植物園の深緑の風景


 五輪閉幕後、日本上空に線状降水帯が発生し、各地に豪雨災害をもたらしました。さらに、コロナウィルスのデルタ株による感染が急拡大し、これも災害級の事態と喧伝されており、大変な8月となっています。
 さて、8月下旬になってようやく夏空が戻り、久しぶりに深緑に覆われた小石川植物園を回ってきました。



 久しぶり訪れた植物園は全体的に深緑に覆われていました(上は桜並木、下は巨木並木の風景)。早くも桜の木の下では落葉がチラホラと見えるようになっています。深緑の中にいろんな木々の花や野の花が咲いていました。



 日本庭園の池の周りにサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)の真紅や薄紫色の花が咲いています。サルスベリは花期が長く、炎暑下の強い日差しの中で咲き続けます。


 北海道~沖縄に分布する落葉小高木のクサギ(臭木;シソ科クサギ属)。この時期に咲く5弁の白い花を初めて見かけました。


 クサギは秋になると、ピンク色の星形のガクの中心に紺色の種子が付くようになり、一見するとこれが花のように見えます(2019.10)。クサギの和名は葉に悪臭があることから由来。


  日当たりの良い草地に生える多年草オミナエシ(女郎花;スイカズラ科オミナエシ属)。直立した茎の先にあざやかな黄色の花が群生して咲いています。秋の七草の一つ。


 ワレモコウ(吾亦紅;バラ科ワレモコウ属)。秋の高原の風物詩の多年草で、北海道~九州の日当たりのよい草原に見られる。花は穂の先端から咲き始め、独特の暗赤色の丸く短い花穂を付けます。


 タヌキノカミソリ(狸の剃刀;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)。中国原産の球根植物。同属のヒガンバナナツズイセンキツネノカミソリと同様、春に葉が出て夏には枯れ、その後花茎だけが直立するようになり、花茎の先に薄い桃色の花をつける。 花の形はキツネノカミソリとよく似るが、花の色が異なる。


 これはキツネノカミソリ(狐の剃刀;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)。林床や林縁などに自生する球根植物。タヌキノカミソリの近くに生えています。タヌキ……とかキツネ……とか面白い名前が登場しますが、深い理由がある訳ではなく、単に区別用に使われているようです。


 シナノアキギリ(信濃秋桐;シソ科アキギリ属)。長野県松原湖周辺と群馬県の一部でのみ自生する多年草。絶滅危惧Ⅱ類に指定されている。種の保全を図るため、小石川植物園が長野県の協力を得て移植したもの。


 木の実もボチボチ見かけるようになりました。これはボダイジュ(菩提樹;アオイ科シナノキ属)。中国原産の落葉高木。この実は菩提子といい、数珠をつくります。


 関東~沖縄に自生する落葉小高木マルバチシャノキ(丸葉萵苣の木;ムラサキ科チシャノキ属)。多くの黄色の実が塊状になって付いています。


 中国原産の落葉高木エンジュ(槐;マメ科マメ亜科エンジュ属)。ササゲのような細長い果実が多数枝先から垂れ下がっています。


 わが家のテラスから見た小石川植物園の風景です。ようやく晴れ上がった夏空が見られるようになりました。



 わが家の庭ではサルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属:上)の花やハイビスカス(アオイ科フヨウ属:下)の花が色鮮やかに咲いています。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年8月)

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2021年8月 1日 (日)

猛暑下の8月、熱戦の東京五輪とコロナ禍の不安



 猛暑下の8月です。先月下旬から始まった東京五輪では、連日熱戦が繰り広げられています。早くも日本チームの金メダル獲得数が過去最高とのこと。やはり、若い選手たちの活躍は素晴らしいですね。コロナ禍の不安が広がる私たちに勇気と希望を与えてくれます。大会の無事終了と早期のコロナ終息を祈っています。

〔8月の風景〕
 さて、小石川植物園の四季折々の季節感あふれる風景、植物の写真を中心に四季の植物としてアップしています。この中で季節の花々、深緑の夏木立などの数多くの8月の風景を楽しむことができます。
 ●8月セレクション  ●8月の Photo Gallery

(小石川植物園の8月の風景の例)

 小石川植物園の日本庭園の一隅に建つ旧東京医学校の赤い建物の前にサルスベリの花が咲いています。2010.8


 サルスベリ(百日紅;ミソハギ科サルスベリ属)は炎天下で長く咲き続ける代表的な夏の花木です。2010.8


 北米原産の多年草キクイモ(菊芋;キク科ヒマワリ属)の鮮やかな黄色の花。地中に塊茎ができ、菊の花と似ていることから和名が由来。2012.8


 深緑に覆われた巨木のユリノキ(モクレン科ユリノキ属)の夏木立。2012.8


(過去の8月の月別スケッチ)
 また、過去の8月の風景(月別の季節のスケッチ)は以下の通りです。
   2020.8
   2019.8    8月植物園 塩原ゆりパーク
   2018.8    南東北
   2017.8+山形
   2016.8+山形
   2015.8
   2014.8+山形
   2013.8+会津
   2012.8+山形  蓼科・霧ヶ峰


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年8月)

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2021年7月16日 (金)

東京五輪開幕を前に梅雨明け、夏空が広がる


 東京は長かった梅雨がようやく開け、目の前の小石川植物園の上空には待ち遠しかった夏空が広がりました。一方、東京五輪の開幕が迫っていますが、コロナの感染拡大が続いていることから、一向に盛り上がりません。ワクチン接種を進め、国民の不安感を払拭することが早急に求められます。


 わが家のテラスからの眺望です。ようやく梅雨が明け、南側の小石川植物園の上空には夏雲と青空が広がってきました。


 東側の夏空の中に東京スカイツリーの姿が見えます。


 日没後の景色です。空があかね色に染まっています。


 夜になると、ヒマラヤスギの上空に半月が見えます。


 最後に、わが家の花壇の様子です。季節感を添えようと、ヒマワリの花も加えておきました。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年7月)

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2021年5月28日 (金)

東京の樹木の風景(サンシャイン公園)


 東京の街路樹・樹木めぐりが続いています。今回は久しぶりにサンシャイン60ビルに隣接する小さな森のようなサンシャイン公園(東池袋中央公園)を回ってきました。


 この公園の正面入口付近に24本のラクウショウ(落羽松;ヒノキ科ヌマスギ属)が植樹されています。ラクウショウの並木は珍しく、秋には見事な紅葉の景観が見られるそうです。


 ラクウショウは北米原産の落葉針葉樹で、湿地に生育し、木元が少し水につかった状態で自生することが多く、ヌマスギ(沼杉)とも呼ばれます。葉の形状はメタセコイアによく似るが、葉のつき方はメタセコイアが対生でラクウショウは互生。



 この地は太平洋戦争の戦犯者が収容された巣鴨プリズンの跡地になっていて、公園の一隅に東京裁判の慰霊碑(平和の碑)がひっそりと置かれています。戦勝国による理不尽な裁判にかけられた人たちの無念さに思いを馳せ、手を合わせてきました。



 慰霊碑のすぐ近くに生えるタイサンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)の高木に純白の大きな花が点々と咲いていました。一つ一つの花が崇高な魂のようにも思えます。


 詳しくは
  …> 季節のスケッチ(2021年5月)

 

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2021年1月 7日 (木)

新年早々の小石川植物園、冬木立に明るい陽光が差し込む


 今年に入って首都圏のコロナ禍が急拡大しているということで、さらなる巣ごもり生活を強いられています。また、日本海地方への暴風雪襲来、米国の民主主義の動揺など、連日気が休まらない内外の重大ニュースが飛び込んできます。
 このような状況にあって、近隣の小石川植物園の散策は心身の免疫力アップに大いに役立ちます。


 新年早々(1月上旬)の小石川植物園の風景です。園内の木々はすっかり落葉し冬木立となり、新春の日差しが地表まで差し込み、林の中は明るい感じです。まもなく2月に入れば、春の妖精と呼ばれる野の花たちが陽光に誘われ、地上に出てきます。

(木々の花、木の実)

 植物園の正面から入るとすぐの所に、迎春花といわれるロウバイ(蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の蝋細工のような黄金色の花がひっそりと咲き出していました。顔を近づけると、梅の香のような芳香を放つ。中国原産の落葉低木。


 ロウバイの木の隣ではソシンロウバイ(素心蝋梅;ロウバイ科ロウバイ属)の花が数輪だけ咲いていました。花全体が黄色で中央部の色の変化のないのが特徴です。


 園内の古井戸近くに生えるカンザクラ(寒桜;バラ科カンヒザクラ群)の花が新年早々に咲き出しました。この時期はあまり人目につきませんが、濃い目のしっかりとした花が咲き、青空によく映えます。日本のサクラの基本野生種の一つ。オオシマザクラカンヒザクラの自然交配種でカンヒザクラ系の品種。


 三浦半島や伊豆大島などに自生する常緑高木のシロヤブツバキ(白藪椿;ツバキ科ツバキ属)。ツバキの原種のヤブツバキの白花種。巨木ゾーンの一角に大木が生えています。


 タラヨウ(多羅葉;モチノキ科モチノキ属)の雌株に赤く熟した実がたくさん付いています。静岡県以西〜九州の山地に分布する常緑高木。


 センリョウ(千両;センリョウ科センリョウ属)。冬に赤い果実をつける常緑小低木。マンリョウ(万両)などとともに正月の縁起物とされる。

(温室の花)

 ムニンシャシャンボ(無人子子ん坊;ツツジ科スノキ属)。花期は1月~4月で、上部の枝の葉腋から総状花序を出し、釣り鐘状の小さな白い花を多数つけます。小笠原諸島の固有種で岩場に生育する常緑低木。絶滅危惧Ⅱ類。


 ムニンタイトゴメ(無人大唐米;ベンケイソウ科キリンソウ属)。花期は12月~3月で、小さな黄色の5弁花を咲かせる。米粒のような葉が付く。小笠原諸島の固有種。環境の厳しい山頂部の岩場に生える多年草。絶滅危惧IB類。


 ギボウシズイセン(ヒガンバナ科アマゾンユリ属)の白い花。コロンビア・ペルーのアンデス山系原産。ギボウシのような長い柄を持った光沢のある葉をもつ。


 ヒイロサンジコ(緋色山慈姑;ヒガンバナ科アマリリス属)の橙色の百合のような花が咲く。南米原産の多年草。アマリリスの原種のひとつとされる。


 メディニラ・マグニフィカ(ノボタン科メディニラ属)。ピンク色の大きな苞の中に小さな花がたくさん咲く。フィリピン原産の熱帯花木。

(冬木立)

 ソメイヨシノのサクラ並木。すっかり落葉し閑散としています。春の桜満開時には大勢の人で賑わいます。


 イチョウ (銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大樹の冬木立。正面入口のすぐ近くにそびえています。中国原産の落葉高木で裸子植物。


 落葉高木フクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科モクゲンジ属)の冬木立。木枝につく無数の袋実が花のように見えます。


 八重咲サルスベリ(ミソハギ科サルスベリ属)の冬木。通常のサルスベリのC遺伝子が欠損する珍しい変異種。小石川植物園の旧東京医学校の赤い建物の前に池の周りに生えています。


 中国南部原産の落葉高木のキジュ(喜樹; ヌマミズキ科カンレンボク属)の冬木に黄葉が少し残っています。カンレンボク(旱蓮木)とも呼ばれる。キジュの果実や根には制癌作用を有するカンプトテシンというアルカロイドを含む


 落葉中高木カシワ(柏;ブナ科コナラ属)。冬木に褐色の鋸歯がある大きな柏葉がまだ残っています


 メタセコイア(ヒノキ科メタセコイア属、別名アケボノスギ)の冬木立。凛として天に伸びるような見事な樹形が目を引きます。


 本州中部~九州に分布する針葉樹のヒノキ(檜;ヒノキ科ヒノキ属)。常緑樹なので日差しがあまり入ってきません。植物園の深奥部にヒノキ林が広がっています。


 メタセコイア林を少し先のところの小さな池の風景。シダレヤナギ、ラクウショウなどの木々の冬木が池の周りに生えています。


 詳しくは、
  …> 季節のスケッチ(2021年1月)

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2019年4月 1日 (月)

新元号が「令和」に決まる


 本日午前11時41分、新元号が「令和」に決まったと、菅官房教官から発表がありました。
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        〔NHK News WEBより〕

【出典】日本最古の歌集『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文にある『初春の月(れいげつ)にして、気淑(きよ)く風らぎ(やわらぎ)、梅は鏡前(きょうぜん)の粉(こ)を披き(ひらき)、蘭(らん)は珮後(はいご)の香(こう)を薫(かお)らす』から引用

 

 この新元号は、新天皇の即位に伴い5月から使用されることになります。新元号「令和」の出典も同時に発表されました。日本最古の歌集『万葉集』の梅花の歌、三十二首の序文から引用したとのことです。

 最初に新元号が「令和」と発表された時はやや意外感がありましたが、時間が経つにつれ、なかなか味があると思えてきました。まず、語感がクールな響きをもっています。新春の清らかな大気の頃の美しい自然の雰囲気を醸し出していて、自然との共生の意味合いがあるとも考えられます。

 「和」の漢字は、もちろん平和を連想させるもので、現在の自国第一主義の風潮に対峙する概念になりうるものです。昭和の元号にも使われましたが、良い漢字だと思います。

 それから、最後に私なりの勝手な解釈です。「令」を「零(ゼロ、レイ)」と置き換えて非常に小さいもの(ミクロな細胞、あるいは個人)と考えます。「和」は、つながるとか加えるの意味がありますので、小さいものたちが輝き、力を合わせて素晴らしい全体(人の体、国や世界の形)を作り上げると考えることが出来ます。

 いずれにしても、「令和」の時代は個が輝き、世界が平和になるように念じたいと思います。

 なお、出典の万葉集が出された奈良時代の頃は、春の花といえば桜の花よりも梅の花が主役だったものと思われます(桜が主役になるのは平安時代から)。新元号に引用された三十二首の歌会は九州大宰府の梅の花を前にして行われたそうです。上の写真は大宰府天満宮の梅の花(2008年2月撮影)です。

 

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2017年12月 2日 (土)

輝く木々の紅葉・黄葉、晩秋の野趣あふれる小石川植物園


 いつの間にか慌ただしい年末になってしまいました。相変わらず内外でいろんな出来事が起きていますが、その中で12/1に皇室会議が開かれ、私たちの日常生活に影響を及ぼす改元の日取りが決まりました。2019年4月30日平成天皇退位、翌5月1日改元となります。この季節のスケッチでも平成の年号を使用していますので、それなりの「システム改変」が必要になります。どうするか少しづつ考えていこうと思います。


 さて、12/2は晩秋の野趣あふれる小石川植物園を回ってきました。園内は木々の紅葉・黄葉で輝いていました。




 林地の小径や池の周り、池面など園内の至るところが紅葉・黄葉で覆われ輝いていました。まさに野趣あふれる晩秋の風景でした。


 入園してすぐ左手。見事に黄葉しているイチョウの大樹の迫力に圧倒されます。


 入口からの坂道の途中の右手のイヌザクラ(犬桜;バラ科サクラ属、別名シロザクラ)。橙色に紅葉していました。


 坂を上りきるとソメイヨシノ並木が広がっています。その多くが落葉し、樹下は一面褐色の落葉に覆われていました。


 その一方、まだ紅葉が残っている何本ものソメイヨシノも見かけました。



 イロハモミジ並木の小径も真赤に染まってきました。大勢の人が散策し、写真を撮って楽しんでいます。





 紅葉・黄葉するイロハモミジを園内の随所に見かけました。思いがけない出会いに感動の連続です。


 イロハモミジと同じカエデ属の仲間のカジカエデ(梶楓;カエデ科カエデ属)の黄葉です。葉が大きく、オニカエデ、オニモミジともいわれます。


 やはりカエデ属の仲間のメグスリノキ(カエデ科カエデ属)。大樹を見上げると、今年も鮮やかに真赤に染まっていました。日本に自生するメグスリノキは、その名の如く葉を煎じて服用したり、洗眼すると目の病気に良いと言われています。


 メグスリノキに隣接する陽光に輝くイヌブナ(ブナ科ブナ属)の大樹。イヌブナは日本の寒くない山野に自生します。材質がブナより劣ることからこの和名が由来します。


 イヌブナ(黄)&メグスリノキ(赤)&シラカシ(緑)のコラボです。


 これ以外にも、園内の多くの大樹、高木が美しく紅葉・黄葉していました。これはヘラノキ(箆の木;シナノキ科シナノキ属)です。


 ボダイジュ(菩提樹;シナノキ科シナノキ属)の黄葉。ボダイジュの実から数珠をつくります。


 落葉高木ムクロジ(無患子;ムクロジ科ムクロジ属)の黄葉。木の実には沢山のサポニンが含まれ、石鹸のように泡立ちます。


 フウ(楓;マンサク科フウ属)の高木の黄葉も鮮やかです。フウは中国・台湾原産の落葉高木で、木の葉の形が同じ漢字名をもつカエデに似ています。


 北アメリカ原産の落葉高木ヌマミズキ(沼水木;ヌマミズキ科ヌマミズキ属)の鮮やかな紅葉(左、中)です。


 ヌマミズキと同属のニッサボク(ヌマミズキ科ヌマミズキ属)も秋の日差しに真っ赤に輝いていました(右)。ニッサボクは中国原産の落葉小高木で、欧米では街路樹や庭園樹に用いられています。



 園の入口から左方に広がるメタセコイア林の風景です。メタセコイア(スギ科メタセコイア属)の褐色が日に日に濃く鮮やかになってきました。このアト、凛とした冬木立に変貌していきます。

 この日は上記以外にも多くの木々の紅葉・黄葉を楽しむことができました。
   …> 季節のスケッチ(29年12月)

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