四国・中国

2019年3月30日 (土)

四国周遊の春の旅(城、寺社、本四架橋、岬など)

 3月下旬(3/25-28)、仲間たちと四国周遊のドライブ旅行を楽しんできました。飛行機で徳島空港に降り立ち、その後レンタカーで徳島県、香川県、愛媛県、高知県の順に一周。最後に高知空港から戻ってきました。今回は開花した桜を観賞しながら、四国内の名城、寺社、本四架橋、岬などを巡る旅になりました。

(城、寺社)今治城
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 今治市はわが国有数のタオルの産地として有名ですが、しまなみ海道の四国の玄関口でもあります。今治市には立派な今治城がそびえ立っています。この城は、江戸時代初期に伊予の国を領国とする藤堂高虎により瀬戸内海に面した海岸に築かれ平城です。海水が引かれた広大な堀や、城内の港として国内最大級の船入を備えた日本屈指の海城でしたが、明治維新でほとんどが取り壊され、その後昭和55年以降に再建がなされました。

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 今治城からの市内の眺望です。しまなみ海道が遠くに見えます。

(城、寺社)松山城、道後温泉
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 松山城は標高132mの城山山頂に本丸が建っているため、普通はロープウェイやリフトを利用します。リフトで約6分間の空中散歩を楽しむと松山城に到着します。天守閣まではさらに10分間ほどの上り坂になります。松山城は、城山山頂に本丸があり、裾野に二之丸史跡庭園、三之丸(堀之内)がある広大な平山城です。城跡の主要部分は公園として整備され、大天守を含む21棟の現存建造物が国の重要文化財に、城郭遺構が国の史跡にそれぞれ指定されています。

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 松山城の城下に道後温泉があります。夏目漱石の小説『坊つちやん』にも描かれ、愛媛県の代表的な観光地となっています。重要文化財に指定され、道後温泉の中心にある温泉共同浴場の道後温泉本館は、道後温泉を象徴する建築物となっています。

(城、寺社)大洲城
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 伊予地方の交通の要所、大洲市の肘川に突き出た標高20mの地蔵ヶ嶽に立つ大洲城です。大洲城は藤堂高虎等によって大規模に修築がなされ、伊予大洲藩の政治と経済の中心地として城下町は繁栄していきました。明治維新後、城内のほとんどの建築物が破却されたものの、地元住民の熱意により2004年に復元されています。現在の天守は、古写真や資料に基づき伝統工法を用いて木造で復元された初の四重天守です。

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 大洲城からゆったりと蛇行して流れる肱川が眺望できます。桜のピンク色や菜の花の黄色で染まっています。

(城、寺社)宇和島城
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 大洲市から少し南下した宇和島市に築かれた宇和島城です。宇和島城は藤堂高虎が大半が海に面する地形を巧みに活かして創建したものです。現在、堀や三之丸などの城郭部分は失われていますが、本丸や二之丸などの郭を含む約10万平方メートルの城山は国史跡に、天守は国重要文化財にそれぞれ指定されています。

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 宇和島城の城山には450種の草木がうっそうと生い茂り、苔むした石垣群と織り成す幽玄の美の世界を形成しています。

(城、寺社)高知城
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 高知城は高知市にあり、江戸時代には土佐藩の藩庁が置かれていました。江戸時代に建造された天守や本丸御殿、追手門等が現存し、城跡は国の史跡に指定されています。少し咲き始めたソメイヨシノが悠然とそびえ立つ城の景観にマッチしていました。

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 公園の入口付近に明治維新の元勲で自由民権運動の主導者として知られる土佐藩士出身の板垣退助の銅像が建っています。銅像のすぐ後ろにセンダン(栴檀;センダン科センダン属)の大樹がそびえ立っています。センダンは南国の木で初夏に薄紫色の花を咲かせます。高知県内の各所で生育し、高知市では市民の木として選ばれ、親しまれています。

(城、寺社)金刀比羅宮
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 金刀比羅宮は昔から讃岐のこんぴらさまとして親しまれている海の神様ですが、参道の長い石段(本宮まで785段、奥社まで1,368段)を上るのが大変です。老若男女の誰しもが黙々と上っていきます。私も何とか本院までたどり着き、無事参拝を済ますことができました。

(城、寺社)善通寺
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 金刀比羅宮から車で10~20分走ると、善通寺(四国霊場第75番札所、弘法大師空海の生誕の地)に着きます。広大な境内の中に善通寺の本堂となる金堂や、国内の木造塔として3番目の高さを誇る五重塔などの立派な建造物が建ち並んでいます。

(本四架橋、岬)大鳴門橋・うず潮
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 本四架橋のひとつの大鳴門橋です。鳴門海峡のうず潮を見るため、大鳴門橋の橋桁空間を利用した全長450mの空中遊歩道「渦の道」を潮風に吹かれながら、展望室まで進みます。

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 展望室から眼下に迫力あるうず潮や激しい潮流の絶景を見渡すことができました(左1,2,3)。鳴戸大橋が架かる鳴門海峡は鳴戸と淡路島との間約1,300mの狭い瀬戸です。潮の干満により瀬戸内海側と紀伊水道側とに潮位の差が生じて早い潮流が起こり、複雑な海底地形と相まってうず潮が発生するとのことです。

(本四架橋、岬)しまなみ海道
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 今治市の来島海峡展望台まで車を走らせると、世界初の三連つり橋である雄大な来島海峡大橋の景観と、日本三大急潮の一つに数えられる来島海峡の箱庭のような多島海景の自然美が織り成す絶景が一望できます。

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 しまなみ海道(この場所は来島海峡大橋 )はサイクリングも楽しむことが出来るようになっています。

(本四架橋、岬)足摺岬
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 足摺岬です。3日目までは好天でしたが、この日はあいにくの小雨模様です。小雨にめげず、足摺岬の周りを少し歩いてみることにしました。遊歩道を少し進むと岬の白い灯台が出現します。土佐清水市に属する足摺岬は足摺半島の先端の岬で、ほぼ四国最南端の地(岬)となります。

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 足摺の漁師で幕末の政局に大きな役割を果たしたジョン万次郎(中浜万次郎)の銅像が建っています。ここが駐車場になっていて、遊歩道の入口になります。

(植物との出会い)ムサシアブミ
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 宇和島城の石段脇の草地にムサシアブミ(武蔵鐙;サトイモ科テンナンショウ属)が群生していました。初出会いで感激ひとしおでした。花(仏炎苞)の形が鐙に似ていることから和名が由来。ムサシアブミは関東以西、四国、九州、沖縄に分布し、やや湿った林下、特に海岸近くの林で見られるようです。2個の長い葉柄、その先の大きな3個の小葉が特徴的です。同属の近縁種にウラシマソウやトウゴクマムシグサがあります。

(植物との出会い)ユキモチソウ
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 足摺岬のビロウ自生地の周りに、前日宇和島で見つけたムサシアブミ(武蔵鐙)に似た野草が白い花を付けて群生していました。ただ、仏炎苞の様子などが少し違うようなので、案内所の人に聞いたところ、同じサトイモ科テンナンショウ属のユキモチソウ(雪餅草)であることが判明。ここでも初の出会いで、再び感激。ユキモチソウは花の中央部に雪のように白い餅に見える付属体があるのが特徴です。世界的に見ても日本の三重、奈良、四国の限られた地域にのみ自生します。

(植物との出会い)陽光@サトザクラ
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 ソメイヨシノは開花したばかりの感じでしたが、四国各地で鮮やかなピンク色の花を咲かせている桜を多く見かけました。これは陽光@サトザクラで、東京ではまず見かけません。陽光はアマギヨシノ(天城吉野)とカンヒザクラ(寒緋桜)の交配から生まれた園芸種になります。


 上記以外にも、多くの写真をアップしています。
    …> 季節のスケッチ(2019年3月 四国)


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