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2010年9月

2010年9月23日 (木)

秋の七草、植物園内の写真が揃いました


 今日は秋分の日ですが、昨日までの猛暑日が一転、雨模様で気温も急降下して、ようやく秋の気候が始まった感じでホッとしています。そこで秋分の日にあたり、秋の七草の話題を提供します。秋の七草は、夏から秋の野に咲く野草の中で、かつて山上憶良が万葉集で詠んだ次の7つの野草を指します。

 オミナエシ(女郎花)オミナエシ科
 オバナ(尾花:ススキのこと)イネ科
 キキョウ(桔梗)キキョウ科
 ナデシコ(撫子)ナデシコ科
 フジバカマ(藤袴)キク科
 クズ(葛)マメ科
 ハギ(萩)マメ科

 秋の七草には、春先の「七草粥」のようなものはなく、ただ秋の野の野趣を楽しむものです。山上憶良が詠んだ2首の万葉集の歌は次のとおり(なお歌の中の朝貌の花は、桔梗の花と解釈するのが主流)。

秋の野に 咲きたる花を 指折り かき数ふれば 七種の花
萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌の花

 小石川植物園内にも野草が多いので、前から秋の七草の写真を集めようとしていたのですが、葛の花だけがなかなか見つけることが出来ませんでした。ところが、先日まだ暑い中で植物園を散策していたら、ズミの木をつる性の植物が覆っていて大きめの赤紫色の花が付いていました。その時は何気なく写真を撮ったのですが、家に帰ってから調べてみると、何と待望の葛の花だったことが分って大喜び。これで植物園内の秋の七草の写真がようやく揃ったことになります。

 以下、秋の七草をひと通り紹介します。

オミナエシ(女郎花;オミナエシ科)
 
 オミナエシの花を見ると秋近しの感がするようになります。直立した茎の先にあざやかな黄色の花が群生して咲きます。(2008.8@小石川植物園)
 
オバナ(尾花:ススキのこと;イネ科)
 
 風になびくススキの穂が秋の陽射しを受けキラキラと輝いていました。まさに秋の風景です。全国津々浦々に見かけます。(2006.9@小石川植物園)
 
キキョウ(桔梗;キキョウ科)
 
 秋の七草のひとつですが、むしろ盛夏の花といえます。青紫色の上品な和風の美しさを保っています。(2009.7@小石川植物園)
 
ナデシコ(撫子;ナデシコ科)
 
 繊細なカワラナデシコ(河原撫子)の花、単にナデシコとも呼ばれます。7月頃から秋にかけて花を咲かせます。まさに大和撫子の風情です。(2007.7@小石川植物園)
 
フジバカマ(藤袴;キク科)
 
 花色が藤の花に似ていることから「藤袴」の名が付いたとのこと。地味な感じですのでうっかり道ばたの雑草として見逃してしまいそうです。(2008.9@小石川植物園)
 
クズ(葛;マメ科)
 
 赤紫色の葛の花。つる性の植物クズはとても生命力が強く、中高木のズミの木がすっぽりと覆われていました。根からは葛澱粉が採れ、この根は葛根(カッコン)と呼ばれ、漢方薬として使われます。(2010.9@小石川植物園)
 
ハギ(萩;マメ科)
 
 ハギ(萩)の花です。秋の七草の一つですが、草本ではなく木本に属します。紅紫色の小さな花を細い枝に多数つけて枝垂れて咲いています。(2007.10@小石川植物園)

季節のスケッチHP秋の七草 のコンテンツを追加しました。

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2010年9月20日 (月)

連休は近場でドライブ、那珂湊お魚市場と笠間芸術の森公園


 今回は敬老の日を含んでの3連休。暑さも収まりつつあり格好のドライブ日和になってきましたが、すさまじい高速道路の大渋滞を考えると尻込みしてしまい、つい近場のドライブを選んでしまいます。

 そんなことで、北茨城の那珂湊お魚市場と笠間芸術の森公園を見てきました。特に両者の直接的な関係はないのですが、近接しているということで、那珂湊お魚市場で寿司を食べ魚を買って、笠間芸術の森公園では笠間焼を鑑賞してきました。


 那珂湊お魚市場までは、常磐自動車道、北関東自動車道を経て2時間程度のちょっとしたドライブです。ただ現地に着いても駐車場が少ないのでご覧のように車の大行列。この辺は路上駐車でも大丈夫のようです。


 現地では、どの魚も新鮮で安いので目移りしてしまいます。サンマ、ブリ、サケなどの鮮魚や、タラコ、スジコ、佃煮、一夜干しなどの加工品まで何でもあります。そしてどの魚やさんも食堂を併設していて、回転寿司コーナーではネタが特大で美味しく大人気です。


 お魚市場を後にして、北関東自動車道で20分くらいで笠間芸術の森公園につきました。笠間焼で有名な笠間市には窯がたくさんあってそれぞれ店を構えていますが、今回は公園内の笠間工芸の丘だけを訪れてきました。この丘からの眺望がすばらしく、遠方には名峰筑波山が望めます。


 笠間工芸の丘は、長い歴史を持つ笠間の文化的風土をもとに、笠間焼を中心とした地場産業振興と、だれもが参加体験でき伝統工芸に触れることができる観光拠点になっています。随所にいろんな工芸品が展示されています。


 優れた作品の展示や小物の焼物や工芸用品販売を行う「センタープラザ」です。作品の展示コーナーでは即売を行っていますが、百万円を超える工芸品もあり、思わずため息がでてしまいます。

 帰りは少しだけ渋滞がありましたが、それほど疲れずまあまあのドライブでした。

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2010年9月19日 (日)

ようやく彼岸花が咲き始め、秋の景色が出現


 今年は夏の猛暑が長引いたためか、秋の植物も出遅れ気味です。小石川植物園では、それでも秋の景色が少しずつ現れてきました。


 この時期の風物詩でもある彼岸花がようやく咲き始めてきました。まだポツポツといった感じですので、満開まであと半月位はかかりそうです。


 青空を見上げるとフクロミモクゲンジ(袋実木欒子; ムクロジ科)の樹上に黄色の花が盛んに咲いていました。この花が次々に散って落ちていきますので、地面がまるで黄色のおが屑を敷き詰めたようになります。


 夏の暑さと関係があるのでしょうか。今年はつる性の植物が随所で木々に絡んでいました。この赤紫色の花を付けているのはクズ(葛;マメ科)です。クズはとても生命力が強く、ここでも中高木のズミの木をすっかり覆っていました。クズは秋の七草の一つ。根からは葛澱粉が採れ、この根は葛根(カッコン)と呼ばれ、漢方薬として使われます。


 少し涼しくなってきましたので、園内のネコも気持ちよさげに昼寝を楽しんでいました。

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2010年9月12日 (日)

依然続く猛暑、花壇に秋明菊やガーベラを追加


 9月に入ってなお猛暑が続いています。先週の台風9号の襲来で一時的に暑さが収まっていましたが、再びぶり返してきました。今年の猛暑は本当にすさまじい限りです。
 このため、この土日も「小石川植物園の散策」を断念することにして、その代わり花壇の花を少しばかり追加しておきました。

 
 近くの花屋さんでシュウメイギク(秋明菊)を求めてきました。秋明菊はキクの名前がついていますが、キンポウゲ科の多年草です。八重咲きの勲章のように立派な形をした花が基本ですが、この花は園芸種で一重咲きです。貴船菊や秋牡丹の別名があります。白いシュウメイギクの花もあります。

 
 秋明菊とともにガーベラも買ってきました。ややこしいことに、秋明菊はキンポウゲ科ですが、ガーベラはキク科の多年草で春と秋に花を咲かせます。ガーベラは南アフリカ原産の品種をヨーロッパで品種改良されたものが元となり、現在では数多くの品種があるようです。買った直後、大輪の2つの花はバラバラの向きでしたが、やがて陽光の方向に向きが揃ってきました。
 

 わが家から見える植物園の夕景です。雲の様子は何となく秋の雰囲気です。天気予報によれば、もう少しで猛暑が終わり、明後日から大陸の冷たい高気圧が張り出し、ようやく涼しさを感じるようになるようです。来週からは植物園の散策が復活できそうで、楽しみです。

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2010年9月 5日 (日)

9月初旬の東根の風景:秋ソバの花、無人駅、ススキなど


 9月に入って初めての週末、法事のため郷里の東根に帰ってきました。真夏のような暑さは東京と同じように続いていましたが、夜になるとさすがに冷気が入ってきて、窓を開けるとエアコンなしでも睡眠をとることが出来、かすかに秋の気配を感じました。また、戸外でもいろんな秋の風景との出会いがありました。


 近所を廻ってみると、炎天下にもかかわらず秋ソバの花が満開になっていて、自然の営みに思わず感動しました。ソバの花は真っ白でまるで一面の雪景色のようです。山形はそば処で各地にそば街道があります。そして板そば、天ぷら蕎麦、蕎麦がきなど美味しいメニューが味わえます。田舎に帰った時にはそば屋に立ち寄るのが楽しみになっています。


 田園地帯の秋の風景です。今年の稲作は十分な日照時間があったので実りには問題ないのですが、このまま日照りが続くと米粒にひび割れが生じかねないということで、早めの稲刈りが奨励されていました。また、山形では今年から新ブランド米「つや姫」が登場することになっていますが、この異常気象にめげず高品質を保ち、「日本一の米」の評判を取って欲しいものです。


 近くの無人駅の東根駅に電車が止まっていました。かつては大勢の人が通勤通学に利用していて、私も高校時代、毎朝この駅から山形駅まで約40分間の列車通学をしていました。懐かしい駅舎です。


 東根駅から奥羽本線の線路が田園地帯を突っ切って一直線に北の新庄方面に延びています。右方の山々は奥羽山脈で、この山々と奥羽本線が交差する辺りが新庄市、金山町などの最上地方になって、最上川の船下り、最上の巨木などで有名です。


 線路脇の田んぼのあぜ道にススキの穂が群生していました。風になびくススキの穂を見ると、やはり秋を感じます。帰りの山形自動車道でも道沿いにずっとススキが立ち並んでいて、まるで手を振り見送ってくれているようでした。

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