ツツジの花々:秘境に咲く聖紫花や済州島に咲くツツジもあります
サクラが散り終え、新緑が鮮やかになる初夏の頃になると、色とりどりのツツジの花が咲き出して、私たちの目を楽しませてくれます。俳句の世界では、ツツジの季語は晩春になっていますが、ツツジの仲間のシャクナゲ(石楠花)は初夏となっていて少しずれています。石楠花は山地に咲くイメージが強いからなのでしょうか。

(2010.4@小石川植物園)
小石川植物園では、さすがにいろんな種類のツツジの花が集まっています。今までに園内で多くの写真を撮ってきましたので、このたび、「ツツジの花々」のコンテンツ として取りまとめてみました。改めてツツジのことを調べ直しましたが、本当に多様なツツジの花々があることを再認識しました。

(2005.5@小石川植物園)
この時期、街路の植え込みなどによく見かけるヒラドツツジ(ツツジ属ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)の大紫です。ツツジといえばこの大紫のことを思い起こす人が多いと思います。分類学上では、ツツジ科ツツジ属に属する植物が、いわゆるツツジになります。

(2012.5@小石川植物園)
また、真紅のツツジはヤマツツジ(ツツジ属ツツジ亜属ツツジ節ヤマツツジ列)の仲間(このツツジは佐田躑躅)になります。まさに「ツツジ燃ゆ」のイメージにぴったりです。

(2003.4@小石川植物園)
同じヤマツツジの仲間に、篝火(かがりび)の名の珍しい形状のツツジがあります。花びらが無くなっていて、赤く色づいた雄しべと雌しべが篝火のように群っています。

(2008.5@小石川植物園)
これは、西表島の秘境に咲くという聖紫花(せいしか;ツツジ属セイシカ亜属)というツツジです。神秘的な語感の和名は、 山奥の渓流沿いという秘境に咲く花のイメージに似合います。実際、この花を間近で観察できる機会は非常に少ないということです。

(2012.4@小石川植物園)
韓国ドラマを観ていると、赤紫色のツツジの花をよく見かけます。このツツジは、韓国の済州島に自生する耽羅赤躑躅(たんなあかつつじ;ツツジ属ツツジ亜属ミツバツツジ節)です。ちなみに「耽羅」は済州島の古名だそうです。

(2012.5@小石川植物園)
中国に分布するテンモクシャクナゲ(天目石楠花)です。石楠花のツツジの仲間です。正確には、天目石楠花が属するツツジ属無鱗片シャクナゲ亜属シャクナゲ列の植物のことを石楠花といいます。

(2007.5@小石川植物園)
小さな鈴状の白い花が満天の夜空に輝く無数の星のように咲き出すドウダンツツジ(満天星躑躅)です。ツツジの名が付きますが、ツツジ科ドウダンツツジ属に属し、いわゆるツツジ属とは違う仲間になります。
この他にもいろんなツツジの花々があります。ツツジの分類も含めコンテンツでまとめて紹介しています。
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