梅雨前線が依然活発な7月、幻想的な合歓の花が満開です
7月に入りました。梅雨前線が活発で九州地方中心に大きな豪雨災害をもたらしています。また、この梅雨前線は、わが国のみならず中国浙江省、バングラディシュ、インドのアッサム州まで東西に延びていて、各国でも洪水、地すべりなどの災害が発生しています。本当に世界的に気象が荒くなっているような気がしてなりません。

一方、植物の世界では先月までの梅雨空に似合うアジサイ(紫陽花)やハナショウブ(花菖蒲)などの花が主役の座を降り、キョウチクトウ(夾竹桃)やムクゲ(木槿)などの夏の花木が咲き出すようになります。また、木々の緑も一層濃くなり、大樹の夏木立も見応えがあります。

7月に入ってすぐの週末(6/30、7/1)に小石川植物園を半月ぶりに訪れてきました。半月は短いようでも、植物の世界の様子は大きく変わっていました。アジサイ(紫陽花)の花はまだ少し咲き残っていましたが、ハナショウブ(花菖蒲)やタイザンボク(泰山木)の花は跡形もなくなっていて、ちょっぴり残念な気分でした。
その代わり、合歓(ねむ)の花が満開になっていて樹木いっぱいに美しく咲き広がっているのを見つけて、大いに感激しました。大満足でした。



夜になると葉が眠ったように閉じてしまうことから名が由来するネムノキ(合歓木;マメ科)の花です。このときは午前10時頃でしたので、もう目が覚めたようで樹木いっぱいに花を付けていました。一つ一つの花をよく見ると、幻想的な美しさを感じさせます。
かつて芭蕉は、奥の細道の旅程で秋田県の象潟を訪れています。そして雨にうたれる合歓の花に、中国の悲劇の美女西施を思い 浮かべ「象潟や 雨に西施が ねぶの花」と詠んでいます。 ちなみに、当時の象潟は、「東の松島と西の象潟」と言われるように海に小さな島々が浮かぶ景勝地だったとのことですが、その後、文化元年(1804年)の大地震で隆起し、以後平地となって現在にいたっているそうです。
植物園内では、合歓の花以外に、キョウチクトウ、ベニバナ、タチアオイ、アザミゲシなどのこの時期ならではの花々も見かけました。
…> 季節のスケッチ(24年7月)
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