立夏の日、小石川植物園は緑あふれる初夏の風景
今年の大型連休はいい天気が続きます。5月5日はもちろん祝日(こどもの日)ですが、24節気では立夏に当たります。晴れ上がり暦どおりの初夏の陽気の中、緑あふれる小石川植物園を回ってきました。ひらひらと舞うハンカチノキや若葉に衣替えのクスノキなど初夏の風景を楽しんできました。以下、緑豊かになった園内の初夏の風景を紹介します。
ツツジ園に隣接する鎮守の森の主ようなクスノキ(楠木;クスノキ科ニッケイ属)の巨木が新鮮な緑葉に覆われていました。クスノキはそもそも常緑樹ですが、ちょうどこの時期に若葉に入れ替わるので、鮮やかな緑を楽しむことができます。
ツツジ園から見たイチョウやニレの大樹の風景も、4月上旬の頃と比べるとかなり緑が濃くなってきました。
イロハモミジの並木径も鮮やかな緑に覆われ、緑のトンネルのようです。多くの人が散策し、ベンチで休んでいたりしていました。晩秋には紅葉のトンネルに変貌します。
落葉高木のハンカチノキ(ミズキ科ハンカチノキ属)の樹を見上げると、白いハンカチのような花(実は葉が変形した苞)がまだ少し残っていました。ヒラヒラと舞う様子がたくさんの白鳩が飛び出そうとするようにも見えることから、海外では
Dove tree (鳩の木)といわれます。
ヒトツバタゴ(モクセイ科ヒトツバタゴ属)の高木全体がまるで細かい白雪に覆われているように見え、アッと驚かされる景観です。この景観の異様さからナンジャモンジャとも呼ばれます。ヒトツバタゴはわが国では絶滅危惧II類に指定されていて、長野県、木曽川流域、東美濃地方、対馬地方などに自生。
新緑に覆われたイヌザクラ(犬桜;バラ科 サクラ属ウワミズザクラ亜属、別名シロザクラ)の枝先をよく見ると、密生した総状の白い花を付けていました。イヌザクラはウワミズザクラと同じ亜属で、いわゆるサクラ(サクラ属サクラ亜属サクラ節)の仲間とは少し異なります。
園内の各所にツツジが生えていますが、今年は例年より早めに花が終わっている感じがします。それでも珍しいツツジの花がいくつか残っていました。これは秘境に咲く神秘的な花といわれるセイシカ(聖紫花;ツツジ科ツツジ属セイシカ亜属)。沖縄の西表島の渓流沿いに自生するツツジで、聖なる紫色の花を咲かせます。遠方に東京スカイツリーのシルエットが見えます。
北アメリカ産のツツジのロドデンドロン・アウストリヌム(Rhododendron Austrium;ツツジ科ツツジ属)。地元ではフロリダアザレアと呼ばれますが、和名はまだ付いていません。濃い黄色の花で何本もの長いオシベが特徴的。
シロバナエンシュウシャクナゲ(白花遠州石楠花)。ホソバシャクナゲとも呼ばれるエンシュウシャクナゲは日本固有種で、本州の静岡県、愛知県などに分布。山地の日当たりのよい岩場に生育します。
最後にわが家のブーゲンビリア(Bougainvillea;オシロイバナ科ブーゲンビリア属)。鮮やかな原色の花を付ける熱帯の花。植物園から戻って来ると、アゲハチョウが盛んに蜜を吸っていました。
この日のすべての風景写真は以下のサイトをご覧ください。
…> 季節のスケッチ(29年5月)
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