春の陽気が続き、いろんなサクラが満開に
このところ春の陽気が続き、気象庁は3/24(土)に東京の桜満開(靖国神社境内の染井吉野の標本木)を発表しました。1953年の統計開始後3番目に早い満開で、平年に比べると10日早いとのことです。
(いろんなサクラの花)
この週末に近くの小石川植物園に出かけましたが、ここではソメイヨシノが7分から8分咲きといった感じでした。
ぽかぽか陽気の好天にも恵まれ、桜並木の下では9時開園直後の朝早くから席取りが始まっていました。
桜の花の代表格は何といってもソメイヨシノ(染井吉野)です。園内に数多く植えられているソメイヨシノも徐々に満開に向かっています。
ソメイヨシノの研究過程や実生から多くの変種が生まれています。この品種名は伊豆吉野です。少し野性味が強いような感じがします。
ソメイヨシノ以外にも色んなサクラの花が咲いていました。これはヤマザクラ(品種名:群桜)。メタセコイア林へ向かう散策路の始まり付近に生えていて、見事に満開になっていました。
古井戸付近のヤマザクラの大樹も満開でした。赤い新葉とともに花を付けるのが特徴的です。
桜の野生種の一つのエドヒガン(江戸彼岸)。花のボリュームはソメイヨシノより少ないものの、細かい白い花が青空に咲き広がる様は美の極致のようです。
天空から降り注ぐかのように上品な白い花がに無数に枝垂るシダレザクラ(枝垂桜)の高木がエドヒガンに隣接して並んでいます。シダレザクラはエドヒガン系です。

3月中旬に満開になっていたサクラもありました。上がオカメザクラ(阿亀桜)。小振りのあざやかなピンク色の小さな花を一斉に咲かせます。下の白い花は伊豆大島に自生するオオシマザクラ(品種名:寒咲大島)。若葉と同時に白色の花を多数つけます。
(サクラ以外の木々の花)
サクラ以外の花木もにぎやかになってきました。これは無数の黄緑色の花が吹き出すトサミズキ(土佐水木;マンサク科トサミズキ属)。トサミズキは高知県原産で、蛇紋岩地帯や石灰岩地帯などに生育します。
トサミズキの同属のシナミズキ(支那水木;マンサク科トサミズキ属)もあざやかに開花しました。周りの空間を黄色の花で埋め尽くしているかのようです。
ツツジ園ではハヤトミツバツツジ(隼人三葉躑躅)が赤紫色の力強い花を咲かせていました。薩摩地方を中心に分布します。
ツツジ園からの巨木の冬木立の眺望です。左から、黄(シナミズキ)、赤(早春桜)、白(寒咲大島)とカラフルで美しい時季を迎えました。
メタセコイア林の風景。まだ冬木立のままですが、周りにはチョウセンレンギョウの黄色の花やサクラの桜色の花など、次第に色鮮やかになってきました。
(春の野の花)
春の野の花も次々に咲き出しています。
スミレの仲間を探してみました。これはタチツボスミレ(立坪菫;スミレ科スミレ属)。日当たりのよい道端や草原、林地など身近に見られます。丸い葉と立ち上がる茎が特徴。今までずっとコスミレと思っていたのですが、よく調べてみると違っていたようです。
これが本当のコスミレ(小菫;スミレ科スミレ属)です。花姿がタチツボスミレによく似ていますが、細長い葉の形状が異なります。本州から九州の人里や山野に分布します。
園入口の職員の方に開花を教えてもらったツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)をようやく見つけました。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。また、唇弁が小さく
上弁がひしゃげていないのも特徴のようです。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したと言われています。花が非常に小さいので、うっかり見過ごしてしまいそうになります。
春の妖精の女王といわれるカタクリ(片栗;ユリ科カタクリ属)の自生地を見やると、うすい赤紫色のカタクリの花が草の茂みの中で点々と咲いていました。自生地の中を小川が流れているのですが、生息地が小川の両岸に広がっています。
同じ春の妖精の仲間のニリンソウ(二輪草;キンポウゲ科イチリンソウ属)も、メタセコイア林の林床地で咲き始めていました。
これ以外にも様々な季節の花が咲いていました。
…> 季節のスケッチ(2018年3月)
…> Photo Gallery(サクラの花々など)
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