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2025年4月

2025年4月 4日 (金)

サクラ満開の中、新緑の世界が広がる



 3月下旬に満開となったソメイヨシノですが、その後寒い日が続いたせいで満開の状態が続いています。朝方わが家のテラスから小石川植物園サクラ並木が一望できますが、手前のイロハモミジの新緑も鮮やかになってきました。この日はこのアト植物園を訪れ、園内の桜と新緑を楽しんできました。

(樹木の花)

 ソメイヨシノ(染井吉野;バラ科サクラ属エドヒガン群)のサクラ並木。寒い日が続いて、満開の桜が長持ちしています。


 浪速桜(なにわざくら)@ソメイヨシノ。伊豆大島の実生から作出されたソメイヨシノの品種。サクラ並木のすぐ近くに生えています。


 温室、冷温室ではツバキ属の花がいくつか見つけました。これはサキシマツツジ(先島躑躅;ツツジ亜属モチツツジ節モチツツジ列)。石垣島、西表島に分布する固有種。山地の渓流沿いなどに自生する。


 中国雲南省西部・北西部原産の常緑低木で高山に自生するマツゲガクツツジ(睫毛萼杜鵑;ツツジ科ツツジ属シャクナゲ亜属)。広い漏斗状~鐘形の白くふんわりとした大きな花が咲いていました。若葉の葉縁が睫毛状の剛毛で覆われていることから和名が由来。


 日本固有種の落葉低木コブシモドキ(辛夷擬、這辛夷;モクレン科モクレン属シモクレン節)。コブシの品種とされるコブシモドキは形状がコブシに似る。4月頃、葉の展開に先立って大きめの白い花を咲かせます。コブシが2倍体であるのに対し、コブシモドキは3倍体で結実しない。

(新緑の広がり)

 新緑がまぶしいイロハモミジの小径。サクラ並木に並行して温室側にイロハモミジが立ち並ぶ小径です。この並木がアーチ状に連なっていてモミジのトンネルのようになっています。


 東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木イロハモミジ(ムクロジ科カエデ属)。4月~5月、新緑に覆われた木枝をよく見ると、暗紫色の小さな花が咲いています


北米中部原産の落葉高木のユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属。春に新緑が芽吹き、その後初夏になって、大樹のかなりの高所の枝中に形がチューリップに似たクリーム色の花が咲き出す。大樹の姿形が美しく、全国に街路樹や公園樹として利用される。


 ヒメグルミ(姫胡桃;クルミ科クルミ属)。わが国の山地に自生し、川沿いによく生える落葉高木。オニグルミの変種で本州中部以北でよく植栽されている。新葉の展開が始まりました。


 シダレカツラ(枝垂桂;カツラ科カツラ属)。カツラの変種で多数の細い枝が枝垂れています。数百年前に岩手県の早池峰山山麓で発見され、その後各地に広まったとのこと。春の新緑が美しい。

 詳しくは
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2025年4月 2日 (水)

3月末、サクラの花が満開の小石川植物園



 東京のサクラの花は3月下旬に満開宣言が出ましたが、ちょうど末日(3/31)に小石川植物園では恒例の花見の特別招待会が開かれました。あいにくの寒い日でしたが、多くの招待客が集まり、川北小石川植物園長や種子田日光分園長から植物の面白い話を教えていただきながら、サクラが満開になった園内で花見を楽しんでいました。以下、この3月末の小石川植物園の様子を紹介します。


 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がると満開になったソメイヨシノ(染井吉野;バラ科サクラ属エドヒガン群)のサクラ並木が広がっています。ここが特別招待会の集合場所になっていました。ソメイヨシノはオオシマザクラエドヒガンとの交雑種。江戸時代の染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木屋さんが作り出したもの。


 園内ではソメイヨシノの他にもいろんなサクラが楽しめます。サクラ並木のすぐ近くに生えているベニシダレ(紅枝垂れ;バラ科サクラ属エドヒガン群)も見頃になっていました。確か10数年前に植えられたと記憶しています。


 伊豆大島などに多く自生するオオシマザクラ(大島桜;バラ科サクラ属ヤマザクラ群)。基本野生種のサクラの一つ。春に緑色の若葉と同時に白色の花を多数つけます。また、この時期の和菓子の桜餅にはオオシマザクラの若葉を塩漬けにしたものを使用します。


 ヤマザクラ(山桜;バラ科サクラ属ヤマザクラ群)。日本のサクラの基本野生種の一つで和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では長寿で大木も多い。開花のときは、花が先行するソメイヨシノと異なり、ヤマザクラは葉と花が同時に展開します。


 サクラ以外にも多くの木々の花を見かけました。これは日本庭園近くのハナズオウ(花蘇芳;マメ科ジャケツイバラ亜科ハナズオウ属)。小径を挟んで白いサクラの花と赤紫色のハナズオウの花がコラボする美しい構図です。


 コブシ(辛夷;モクレン科モクレン属 )も見頃になっています。北海道から九州まで広く分布する落葉高木。早春に白い花が咲き出し、春の訪れを謳歌するかのように大空の中で花が乱舞します。花はひらひらの白い6枚の花弁をもつ。開花の後、新緑が芽吹きます。


 本州の関東地方南部、東海地方、伊豆諸島に分布し、八丈島などの伊豆七島の山中に多く自生する落葉低木ハチジョウキブシ(八丈木五倍子)。木枝から花茎が垂れ下がり、一面に黄緑色の小さな花が房状になって咲いています。日本固有種のキブシ(木五倍子)の変種。


 春の野の花も盛んに咲き出してきています。これはツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したようです。花が非常に小さく、うっかり見過ごしてしまいそうです。


 ヤブニンジン(藪人参;セリ科ヤブニンジン属)。北海道~九州に分布し、山野の日陰になる草むら、藪地などに生育する多年草。直立する茎は白いせん毛に覆われる。茎先に複散形の花序を形成し、ごく小さな白い5弁花を何個かつける。葉はニンジン葉に似る。


 詳しくは
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