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2025年4月 2日 (水)

3月末、サクラの花が満開の小石川植物園



 東京のサクラの花は3月下旬に満開宣言が出ましたが、ちょうど末日(3/31)に小石川植物園では恒例の花見の特別招待会が開かれました。あいにくの寒い日でしたが、多くの招待客が集まり、川北小石川植物園長や種子田日光分園長から植物の面白い話を教えていただきながら、サクラが満開になった園内で花見を楽しんでいました。以下、この3月末の小石川植物園の様子を紹介します。


 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がると満開になったソメイヨシノ(染井吉野;バラ科サクラ属エドヒガン群)のサクラ並木が広がっています。ここが特別招待会の集合場所になっていました。ソメイヨシノはオオシマザクラエドヒガンとの交雑種。江戸時代の染井村(現在の豊島区駒込付近)の植木屋さんが作り出したもの。


 園内ではソメイヨシノの他にもいろんなサクラが楽しめます。サクラ並木のすぐ近くに生えているベニシダレ(紅枝垂れ;バラ科サクラ属エドヒガン群)も見頃になっていました。確か10数年前に植えられたと記憶しています。


 伊豆大島などに多く自生するオオシマザクラ(大島桜;バラ科サクラ属ヤマザクラ群)。基本野生種のサクラの一つ。春に緑色の若葉と同時に白色の花を多数つけます。また、この時期の和菓子の桜餅にはオオシマザクラの若葉を塩漬けにしたものを使用します。


 ヤマザクラ(山桜;バラ科サクラ属ヤマザクラ群)。日本のサクラの基本野生種の一つで和歌にも数多く詠まれている。サクラの仲間では長寿で大木も多い。開花のときは、花が先行するソメイヨシノと異なり、ヤマザクラは葉と花が同時に展開します。


 サクラ以外にも多くの木々の花を見かけました。これは日本庭園近くのハナズオウ(花蘇芳;マメ科ジャケツイバラ亜科ハナズオウ属)。小径を挟んで白いサクラの花と赤紫色のハナズオウの花がコラボする美しい構図です。


 コブシ(辛夷;モクレン科モクレン属 )も見頃になっています。北海道から九州まで広く分布する落葉高木。早春に白い花が咲き出し、春の訪れを謳歌するかのように大空の中で花が乱舞します。花はひらひらの白い6枚の花弁をもつ。開花の後、新緑が芽吹きます。


 本州の関東地方南部、東海地方、伊豆諸島に分布し、八丈島などの伊豆七島の山中に多く自生する落葉低木ハチジョウキブシ(八丈木五倍子)。木枝から花茎が垂れ下がり、一面に黄緑色の小さな花が房状になって咲いています。日本固有種のキブシ(木五倍子)の変種。


 春の野の花も盛んに咲き出してきています。これはツクシスミレ(筑紫菫;スミレ科スミレ属)。花の中央部が黄色で周りがうす紫色の珍しい色調の花です。元々九州地方に分布するスミレですが、園の研究用のものが野生化したようです。花が非常に小さく、うっかり見過ごしてしまいそうです。


 ヤブニンジン(藪人参;セリ科ヤブニンジン属)。北海道~九州に分布し、山野の日陰になる草むら、藪地などに生育する多年草。直立する茎は白いせん毛に覆われる。茎先に複散形の花序を形成し、ごく小さな白い5弁花を何個かつける。葉はニンジン葉に似る。


 詳しくは
 → 季節のスケッチ(2025年4月) Archive

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