初夏の新宿御苑、ユリノキやハクウンボクの大樹が満開

やはりGW前半(4/30)に都内の新宿駅や千駄ヶ谷駅に隣接して展開する国民公園の新宿御苑を訪れてきました。この日は青空が広がり、苑内の樹木たちの生き生きとした初夏の営みを楽しむことができました。

新宿御苑の入口は新宿門、千駄ヶ谷門、大木戸門の3ヶ所。車で来たときは大木戸門が便利。新宿御苑は明治39年に皇室の庭園となりましたが、戦後の昭和24年に国民公園として一般に公開されました。苑内には風景式庭園、整形式庭園、日本庭園の異なる3つの庭園が巧みに配置されています。

ユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)のチューリップに似た花を見つけました。北米中部原産の落葉高木で初夏の頃にクリーム色の花が咲き出します。樹木の緑と色合いが似ているため、うっかりすると見過ごしてしまいます。

このユリノキ(百合の木)は温室近くの散策路脇に生えている大樹です。木枝をよく見てみると、なんと満開になった花が樹木全体を覆っているかのようで、圧巻の景観です。これまでユリノキの花は何度も見たことがありますが、これほど多くの花が一斉に咲き出している場面は初めてで、感動しました。

ハクウンボク(白雲木;エゴノキ科エゴノキ属)の樹木も白い花が満開になっていました。北海道から九州に分布し、山地の落葉樹林に生育する落葉小高木。遠方からみると白雲が覆っているかのようです。

初夏のこの時期、ハクウンボク(白雲木)は枝先に垂れ下がった総状花序に白い花を20個ほど下向きに付けます。エゴノキと似ていて葉が丸いのが特徴。庭木や公園木として用いられます。

北海道から九州までの各地に広く分布する落葉高木のミズキ(水木;ミズキ科ミズキ属)も花が満開になっていました。春の新緑の後、初夏の新しい枝先に白い細かい花が盛んに咲き出し、高木が粉雪に覆われているかのように見えます。

千駄ヶ谷門の近くに、見頃になった3種類のトチノキが隣接して生えています。これは日本原産のトチノキ(栃の木;ムクロジ科トチノキ属)です。総状のクリーム色がかった花がたくさん咲いています。葉がやや下向きにつく。

次はマロニエという別名のほうが有名なセイヨウトチノキ(西洋栃の木;ムクロジ科トチノキ属)です。緑葉が茂る枝先にトチノキによく似た大きい円錐状の白い花序が多数直立します。葉は多くの小葉をつけ、小葉の形はトチノキと比べてややふっくらとした感じで先端がツンと尖っています。

最後はベニバナトチノキ(紅花栃;ムクロジ科トチノキ属)。紅色の花が遠くからでもよく目立ちます。北米原産のアカバナトチノキと欧州原産のセイヨウトチノキ(マロニエ)との交配種の落葉高木。わが国では街路樹や庭園木などに用いられる。
詳しくは
→ 季節のスケッチ(2025年5月) Archive
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