猛暑一服の7月中旬、小石川植物園は深緑の世界

今年は梅雨明け前から猛暑が到来し、大変な日々が続いていますが、7月中旬に入って、ようやく猛暑が一服しました。この日は夏空からはほど遠い曇り空でしたが、深緑で覆われた小石川植物園の園内をぶらぶら回ってきました。

植物園本館に隣接するソメイヨシノのサクラ並木の樹下も緑一色です。桜満開の頃は敷物を広げ団らんする多くのグループで賑わっていますが、夏のこの時期は閑散としています。

園入口付近のイチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大木です。手前は精子が発見されたというソテツ(蘇鉄;ソテツ科ソテツ属)。また、右方はモチノキ(黐の木;モチノキ科モチノキ属)、左方はバショウ(芭蕉;バショウ科バショウ属)。一面緑の世界ですが、植物によって緑の色合いが異なります。

いろんな木々の花も見かけました。これはムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)。中国原産の落葉低木。夏の代表的な花木で観賞用に栽培される。花期が長く、風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。

キョウチクトウ(夾竹桃;キョウチクトウ科キョウチクトウ属)。インド原産の常緑低木。炎暑の夏を延々と咲き続ける夏の花木で赤花と白花がある。葉の形状が竹に似て狭く、花が桃に似ていることから和名が由来。木枝に強い毒性を有するので要注意。

わが国の山地に自生し、川沿いによく生える落葉高木のヒメグルミ(姫胡桃;クルミ科クルミ属)。木枝に青い実が沢山ついています。このアト秋に熟します。実の内部の種(クルミ)は風味豊かで食用になります。

春に見事な花で楽しませてくれたツバキ(椿;ツバキ科ツバキ属)の木にも青い実が沢山付いていました。熟した実の中の種子から椿油が抽出されます。椿油は食用のほか、化粧品、薬品、また石鹸などの原料としても用いられます。

野の花(草本)も数多く見かけました。これは日本、中国、朝鮮半島、サハリンが原産の多年草ノカンゾウ(野萓草;ワスレグサ科ワスレグサ属)の橙色の花。一重のすっきりした形状です。ユリの花が上を向いたような形をしています。

キクイモモドキ(菊芋擬き;キク科キクイモモドキ属)。ヒマワリと比べ小さめの花でヒメヒマワリ(姫向日葵)の別名で親しまれています。夏の暑さにも負けずに力強く咲き続ける丈夫な宿根草です。北米原産で日本には明治時代に渡来。

カワラナデシコ(河原撫子;ナデシコ科ナデシコ属)の繊細な花。別名はヤマトナデシコ(大和撫子)。また単にナデシコ(撫子)とも呼ばれます。秋の七草の一つで、7月頃から秋にかけて花を咲かせます。

最後にわが家の庭先の植物です。これはホンコンカポックやシェフレラとも呼ばれるヤドリフカノキ(ウコギ科シェフレラ属)。オレンジ色の小さな丸い果実が花のアトに沢山ついています。5月頃から枝先や葉腋に小さな淡緑色の花を多数つけていました。革質で光沢がある美しい緑葉が多数つき、観葉植物として人気があります。

ニチニチソウ(日々草;キョウチクトウ科ニチニチソウ属)とセンニチコウ(千日紅;ヒユ科センニチコウ属)の寄せ植えです。近所の花屋さんからポットで購入し、適当に並べたものです。
詳しくは
→ 季節のスケッチ(2025年7月)
→ アーカイブ(2025年7月)


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