小石川植物園

2026年3月 7日 (土)

3月上旬の小石川植物園、百花繚乱の美しい季節が到来



 春の陽気の3月上旬の一日、近くの小石川植物園を回ってきました。カメラ片手に2時間ほどの散策でした。園内では梅林の梅の花に代わって、カンヒザクラ、オオシマザクラ、オカメザクラ(上図)などの早咲きの桜の花が主役になってきました。また、ユキワリイチゲ、アマナ、ハナニラなどの春の野の花も咲き出してきて、いよいよ百花繚乱の美しい季節の到来です。


 基本野生種のサクラの一つで伊豆大島などに多く自生するオオシマザクラ(大島桜;バラ科サクラ属ヤマザクラ群)。園内の精子発見の大イチョウ近くの広場に咲き出しました。春に緑色の若葉と同時に白色の花を多数つけます。


 同じ広場に生えているオカメザクラ(阿亀桜;バラ科サクラ属カンヒザクラ群)。カンヒザクラマメザクラを交配して作出し、わが国に持ち込まれている。早春にあざやかなピンク色の小さな花を一斉に低木全体に下向きに咲かせ、華やいだ雰囲気を醸し出します。


 柴田記念館の近くに生えるカンヒザクラ(寒緋桜;バラ科サクラ属カンヒザクラ群)。沖縄に自生し、日本のサクラの基本野生種の一つ。満開になった濃い紅色の鐘状の花が強烈な印象を与えます。


 春の到来を感じさせるサンシュユ(山茱萸;ミズキ科ミズキ属)。中国及び朝鮮半島を原産とする落葉小高木。新葉の展開前、3月に無数の黄金色の花が大空に吹き出すように広がります。ハルコガネバナとも呼ばれる。観賞用として庭木などにも利用されます。


 春の野の花も賑やかになってきました。これはキクザキイチゲ(菊咲一華;キンポウゲ科イチリンソウ属)。本州近畿地方以北から北海道に分布し、落葉広葉樹林の林床などに生育する多年草。キクサキイチゲの葉は上向いていて、ちょうど菊の葉のように切れ込みが鋭いのが特徴。キクザキイチリンソウ(菊咲一輪草)とも呼ばれる。スプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つ


 早春に忘れずに黄金色の花を咲き出すフクジュソウ(福寿草;キンポウゲ科フクジュソウ属)。北海道から九州にかけて分布し山林に生育する多年草。キンポウゲ科フクジュソウ属の球根植物。スプリング・エフェメラル(春の妖精)の一つ。


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2026年2月 4日 (水)

春暖の立春の日、寒桜や梅の花が咲き出す


 今年の立春の日は青空が広がり、春暖の気持ちのいい一日でした。久しぶりに小石川植物園をぶらぶら回って来ました。園内では紅梅、白梅や寒桜に加えてロウバイ、シナマンサクなどの早春の花々が賑やかに咲き出してきました(上の写真は梅林の様子)。


 梅林では色んな品種のウメ(梅;バラ科スモモ属スモモ亜属)の花が、1月から3月にかけて次々に咲き出してきます(→ 梅百科)。この白梅の品種名は白加賀(しろかが)。実梅・花梅。江戸時代に加賀藩で盛んに栽培されていたとのこと。


 未開紅(みかいこう)。豊後系八重。野梅系とする見方もあります。淡紅色の中輪の花を早い時期につけます。


 中国雲南省原産の落葉低木のウンナンロウバイ(雲南蝋梅ロウバイ科ロウバイ属)。植物園入口付近で咲いていました。ウンナンロウバイは新春の時期に葉の展開に先立って開花します。花の色は淡い黄色で、内側の花被片は濃い紫色が特徴。


 園内の古井戸(小石川養生所の井戸)の近くに生えるカンザクラ(寒桜)。オオシマザクラカンヒザクラの自然交配種でカンヒザクラ系の品種。早春の頃に咲くのであまり人が集まりませんが、濃い目のしっかりとした花を咲かせ、青空によく映えます。バラ科サクラ属カンヒザクラ群。


 この時期は、大樹の冬木立がよく目立ちます。これはイチョウ&ニレの大樹の風景です。精子発見の大イチョウ(右)やウルムス・プロセア(ニレ科;左)などの冬木立の雄姿が青空に映えています。


 巨木ゾーンに生える高木スズカケノキ(鈴懸の木;スズカケノキ科スズカケノキ属)の冬木立です。白い木肌とニョキニョキと空中に伸びる木枝がよく目立ちます。アジア西部が原産の落葉高木で、明治年間に日本に渡来。街路樹や公園樹、庭園樹として利用され、プラタナスとも呼ばれます


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2025年12月 7日 (日)

年末の小石川植物園、木々の紅葉・黄葉が輝く



 12月上旬の小春日和の休日、小石川植物園を回ってきました。ポカポカ陽気で休日でしたので、結構多くの入園者で賑わっていました。昼下がりの陽光の中で、年末の園内の木々は紅葉・黄葉が輝いていました。上の写真はメグスリノキ(目薬の木;ムクロジ科カエデ属)の紅葉です。


 植物園入口から真っ直ぐ坂道を上り左に曲がるとソメイヨシノの桜並木が広がっています。春の満開時には大勢の人出で賑わいます。この時期はほとんど落葉していて静かです。樹下は枯葉のじゅうたんのようです。このじゅうたんを踏みしめて歩くのも心地いいものです。


 園内にはイチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大樹が何本も生えていますが、不思議なことにそれぞれ黄葉の進み具合が異なります。園入口付近のイチョウの高木はちょうど絶好の黄葉風景が見られました。


 ヨーロッパカエデ(ムクロジ科カエデ属)の黄葉です。ヨーロッパから西アジアに分布する落葉高木で欧州の街路樹に多く見られ、ノルウェ-カエデとも呼ばれる。


 北海道から九州の日本海側に多く分布する落葉中高木のカシワ(柏;ブナ科コナラ属)の紅葉。端午の節句で食べる柏餅を包む大きな葉(柏葉)で馴染みがあります。葉の縁に沿って丸い鋸歯が波状になった独特の形状が特徴的。


 本州〜沖縄の山地に生える落葉高木のイイギリ(飯桐;ヤナギ科イイギリ属)。秋~晩秋にブドウの房状になった多数の赤い実が垂れ下がってきて、遠くからでもよく目立つようになります。この実は小鳥たちの好物。


 北海道から九州まで自生する落葉高木ケンポナシ(玄圃梨;クロウメモドキ科ケンポナシ属)。樹中に多くの小さな実が残っていますが、この実を支えている柄の部分が膨らんで甘くなり食用になります。肝臓を守り、二日酔いにも効くといわれています。


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2025年11月24日 (月)

11月下旬、小石川植物園では木々の紅葉・黄葉が本格化



 11月後半の秋晴れの日、運動も兼ねて小石川植物園をぶらぶら散策してきました。高木・大樹が立ち並ぶ園内では木々の紅葉・黄葉が本格化してきました。晴れ上がった青空が晩秋の風景の格好の背景になっています。この写真は、精子発見のイチョウの大樹の見事な黄葉です。


 ユリノキスズカケノキなどの大樹が立ち並ぶ巨木並木ゾーンです。かなり晩秋色が濃くなってきました。落ち葉が広がる大樹の下のベンチは人気があって、なかなか座ることができません。


 褐色に紅葉するユリノキ(百合の木;モクレン科ユリノキ属)。北米中部原産の落葉高木でかなり落葉が進んでいます。大樹の姿形が美しく、全国に街路樹や公園樹として利用されています。


 メタセコイア(曙杉;ヒノキ科セコイア亜科メタセコイア属)の高木と左側のケヤキ(欅;ニレ科ケヤキ属)の大樹。ともに褐色の紅葉が進んでいます。


 ヨーロッパ原産の落葉高木イタリアヤマナラシ(西洋箱柳、ポプラ;ヤナギ科ヤマナラシ属)の黄葉。のっぽの樹形のポプラの高木ですが、絡みついていたナツヅタが今やすっかり枯れ落ちて、ポプラの「素の姿」が見えています。


 中国・台湾原産の落葉高木ナンキンハゼ(南京櫨;トウダイグサ科ナンキンハゼ属)。美しく紅葉し、この葉が陽光でキラキラと輝いています。木の実は種皮が蝋状の物質で覆われ、ハゼノキと同じようにロウを採取します。


 イロハモミジ(いろは紅葉;ムクロジ科カエデ属 )。東アジアに自生し、わが国では本州以南に分布する落葉高木。秋の紅葉の代表格ですが、今年は夏の猛暑のせいか、例年に比べ紅葉があまりパッとしません。


 中国原産の落葉小高木のシナマンサク(支那満作;マンサク科マンサク属)。陽光を受けた黄葉の裏側から見ると葉脈もくっきり浮かび上がり、美しい。


 中国安徽省の宣州に自生し、石灰岩山地に生えるセイタン(青檀;アサ科セイタン属)。美しく黄葉が進んでいます。青檀の木は同地で産出される良質な書画紙(宣紙)の原料となっています。宣紙は青檀の樹皮を主原料に藁を加えて作られます。


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2025年11月 7日 (金)

朝晩の冷え込み続き、植物園でも木々の紅葉が始まる



 このところ、朝晩の冷え込みが厳しくなり、秋が本格化してきました。スッキリした秋晴れの天気が少ない中、11月上旬のこの日は久しぶりに日差しが戻ってきましたので、小石川植物園をぶらぶらと散策してきました。園内では、木々の紅葉・黄葉が始まり、秋の木の実もあちこちで見られるようになってきました。上の写真はハゼノキの実です。


 巨木並木ゾーンの風景です。これは北米東部原産の落葉高木アメリカスズカケノキ(スズカケノキ科スズカケノキ属)。緑色、黄色、褐色の大きな木の葉がコラボしていて、壮観な眺めです。


 日本各地、中国、朝鮮半島に分布する落葉高木カツラ(桂;カツラ科カツラ属)。ハート形の円い形状の黄葉が陽光に美しく輝いていました。カツラの落ち葉は甘い香りを呈するので、少し離れた所からでもカツラの存在に気がつきます。


 北米原産の落葉高木で庭木や街路樹として利用されているハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)の紅葉です。ハナミズキ初夏には紅白の花が美しく咲き出します。


 北米に広く分布する落葉広葉樹のヒッコリー(クルミ科ペカン属)。独特の形状の大きな木の葉が見事に褐色に色づいています。ヒッコリーは材質が良く、建築家具、工芸材やスキー用材として使用されます。


 中国原産の落葉高木フクロミモクゲンジ(袋実木欒子、オオモクゲンジ;ムクロジ科モクゲンジ属)。一見すると花のように見えますが、袋果です。まん丸の黒い種子がこの袋の中に入っています。


 関東以西~沖縄の山野に生える常緑高木クロガネモチ(黒鉄黐;モチノキ科モチノキ属)。晩秋に赤い実が樹木全体にたわわにつく。公園樹、街路樹として用いられる。


 最後に我が家の庭の風景。常緑樹キンカン(金柑;ミカン科キンカン属 or ミカン属)の樹木にたわわに小さな果実が付いていて、次第に黄色が濃くなってきました。


 キンカンは、ミカン科の果実の中で果皮のまま食べられるのが特徴。果皮のついたまま甘く煮て甘露煮にすると、美味しく食することができます。葉の成分には精油が含まれています。


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2025年10月17日 (金)

10月中旬、キンモクセイやショウキズイセン等の季節の花々



 10月中旬に小石川植物園を回ってきましたが、秋の季節が少しずつ進んできました。園内の巨木、大木が立ち並ぶ巨木並木の風景です。中央部のスズカケノキ(鈴懸の木、プラタナス;スズカケノキ科スズカケノキ属)の樹木上方を見ると、うっすらと黄葉し始めているのが分かります。


 秋の代表的な芳香木のキンモクセイ(金木犀;モクセイ科モクセイ属)。キンモクセイのいい香りは季節の風物詩で、この芳香を楽しみにし植物園に出かけたのですが、約1週間前に満開だったそうで、残念ながらこの日は花はほとんど終わり。今年はかすかな残り香で我慢せざるを得ませんでした。


 ヒガンバナの群生地に立ち寄ってみたら、姿形がそっくりですが、花が橙色のショウキズイセン(鍾馗水仙;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)が盛んに咲いていました。中国からの帰化植物で九州、四国、沖縄などで自生する球根植物。形状から黄花彼岸花とも言われる。ヒガンバナに遅れてこの時期に咲き出します。


 巨木並木以外にも園内各所に巨木や高木が生えています。園入口すぐ近くのメタセコイア(曙杉;ヒノキ科セコイア亜科メタセコイア属)もうっすらと黄葉が見られます。


 イタリアヤマナラシ(西洋箱柳、ポプラ;ヤナギ科ヤマナラシ属)の高木。かなり黄葉が進んでいるように見えますが、これは木の幹に巻き付いているナツヅタ(夏蔦;ブドウ科ツタ属)の黄葉です。一見すると間違いそうになります。


秋の野の花も見かけました。これはシラヤマギク(白山菊、婿菜;キク科シオン属)です。秋の山地に咲く野菊の一つで、北海道から九州、朝鮮・中国に分布する多年草。



チベットの高地に自生する多年草のシュッコンソバ(宿根蕎麦;タデ科ソバ属)が、園内の草むらに盛んに咲いています。シュッコンソバの白い花は普通のソバの花と似ていて、清楚な趣があります。地下に黄赤色の根茎を残し越冬します。


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2025年10月 3日 (金)

10月に入った小石川植物園、ようやく秋の気配が広がる



 10月に入ってすぐ小石川植物園を回ってきましたが、各所に咲き広がるヒガンバナや色づいてきたイチョウの銀杏の実など、ようやく秋の気配が広がってきました。ただ、ヒガンバナは例年9月後半が見頃なので、季節が半月程遅れているような気がします。


 園内の随所でヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の燃える炎のように美しい花が半月遅れで咲き出します。ヒガンバナは大部分が赤花ですが、白花も希に咲いています。


 春のサクラ満開のときは大勢の人で賑わうソメイヨシノ(染井吉野)のサクラ並木の様子。サクラの紅葉はまだですが、涼しくなってきたので、ベンチで佇む人を少し見かけるようになりました。


 八重咲きのスイフヨウ(酔芙蓉;アオイ科フヨウ属)。日本や中国、台湾などに自生する落葉低木フヨウの園芸品種です。スイフヨウの花は一日花で、白色からピンク色に徐々に変化してしぼみます。この様子がちょうど酔って赤くなるかのようで、和名の由来となります。


 北米原産の落葉高木ハナミズキ(花水木;ミズキ科ミズキ属)。初夏には美しい紅白の花が咲き、秋には紅葉を楽しむことができますが、現在はうっすらと紅葉が見られ、これからが本番です。


 中国原産の落葉高木イチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)。この樹木は精子発見で有名なイチョウの大木です。イチョウの葉はまだ青々としていますが、イチョウの実が熟し、黄色に色づいてきました。この実から美味しい銀杏が採れます。

(温室・冷温室)


 奄美大島~琉球列島に分布する常緑低木のオオシマコバンノキ(大島小判の木;コミカンソウ科オオシマコバンノキ属)。球形の果実(液果)が紅色~淡紅色に熟しています。昆虫のハナホソガの幼虫がこの赤い果実の中に入り込み、オオシマコバンノキの種子の一部を食べて育ちます。そして親の蛾が授粉を媒介するといった共生関係が見られます。


 南アメリカ原産の耐寒性常緑低木のコバノセンナ(マメ科センナ属)。鹿児島県南部、奄美、沖縄に分布する。10月~12月頃、枝先に多くの鮮やかな黄色の花がまとまって咲きます。小さな丸い葉が互生する。同属(草本)のハブソウエビスグサと花が似る。沖縄では公園等でよく見かけます。


 アサガオガラクサ(朝顔柄草;ヒルガオ科アサガオガラクサ属)。国内では沖縄本島、宮古諸島、八重山諸島等に分布し、海岸近くの草地に生育します。地面を匍匐して横に広がる多年草。6月~11月頃、小柄な青色の花が咲きます。


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2025年9月15日 (月)

9月中旬の小石川植物園、ようやく彼岸花が咲き始める



 9月中旬の敬老の日に小石川植物園を訪れてきました。7月から続いていた酷暑がなかなか収まらないのですが、家の中で連日エアコン下でじっとしているのも耐え難いものがあります。この日は少しだけ気温が下がりそうでしたので、開園早々に短時間だけ急いでひと回りしてきました。園内は人もまばらで全体的には夏の雰囲気でしたが、季節の風物詩のヒガンバナ(彼岸花)が少しづつ咲き始めていました。


 ヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属、別名:曼珠沙華)の群生地の一角で、真っ赤な花が少しだけ咲いていました。例年ちょうど秋の彼岸の時期に満開になって咲き広がりますので、こんな感じかとも思いますが、長引いた猛暑のせいで咲き具合が少し後れているようです。


 群生地のヒガンバナ(彼岸花;ヒガンバナ科ヒガンバナ属)の多くの株はまだ茎がツンツンの状態でした。9月中には満開になると思われます。


 園入口近くに生えるオオモクゲンジ(大木欒子;ムクロジ科モクゲンジ属、別名:フクロミモクゲンジ(袋実木欒子))。中国原産の落葉高木。高木の樹木全体に黄色の細かい花を盛んに付けていて目を引きます。


 オオモクゲンジにはgolden rain tree との英名が付いています。園の外側の路面にも花が降り注ぎ、黄金色のオガクズを敷き詰めたようになっています


 古井戸近くに生えていたヤマザクラ(山桜;バラ科サクラ属サクラ亜属)の古木が倒壊していました。樹木の剪定部分などから雨水が木の内部に侵入し、腐食を早めたようで、数日前に突然倒れたとのことです。


 このヤマザクラの2019年12月時点の写真です。見事な紅葉で楽しませてくれていました。植物にも寿命があるとはいえ、今回の倒木は残念なことです。長い間本当に有難うございました。


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2025年7月12日 (土)

猛暑一服の7月中旬、小石川植物園は深緑の世界



 今年は梅雨明け前から猛暑が到来し、大変な日々が続いていますが、7月中旬に入って、ようやく猛暑が一服しました。この日は夏空からはほど遠い曇り空でしたが、深緑で覆われた小石川植物園の園内をぶらぶら回ってきました。


 植物園本館に隣接するソメイヨシノサクラ並木の樹下も緑一色です。桜満開の頃は敷物を広げ団らんする多くのグループで賑わっていますが、夏のこの時期は閑散としています。


 園入口付近のイチョウ(銀杏;イチョウ科イチョウ属)の大木です。手前は精子が発見されたというソテツ(蘇鉄;ソテツ科ソテツ属)。また、右方はモチノキ(黐の木;モチノキ科モチノキ属)、左方はバショウ(芭蕉;バショウ科バショウ属)。一面緑の世界ですが、植物によって緑の色合いが異なります。


 いろんな木々の花も見かけました。これはムクゲ(木槿;アオイ科フヨウ属)。中国原産の落葉低木。夏の代表的な花木で観賞用に栽培される。花期が長く、風雅で落ち着いた雰囲気で夏中咲き続けます。


 キョウチクトウ(夾竹桃;キョウチクトウ科キョウチクトウ属)。インド原産の常緑低木。炎暑の夏を延々と咲き続ける夏の花木で赤花と白花がある。葉の形状が竹に似て狭く、花が桃に似ていることから和名が由来。木枝に強い毒性を有するので要注意。


 わが国の山地に自生し、川沿いによく生える落葉高木のヒメグルミ(姫胡桃;クルミ科クルミ属)。木枝に青い実が沢山ついています。このアト秋に熟します。実の内部の種(クルミ)は風味豊かで食用になります。


 春に見事な花で楽しませてくれたツバキ(椿;ツバキ科ツバキ属)の木にも青い実が沢山付いていました。熟した実の中の種子から椿油が抽出されます。椿油は食用のほか、化粧品、薬品、また石鹸などの原料としても用いられます。


 野の花(草本)も数多く見かけました。これは日本、中国、朝鮮半島、サハリンが原産の多年草ノカンゾウ(野萓草;ワスレグサ科ワスレグサ属)の橙色の花。一重のすっきりした形状です。ユリの花が上を向いたような形をしています。


 キクイモモドキ(菊芋擬き;キク科キクイモモドキ属)。ヒマワリと比べ小さめの花でヒメヒマワリ(姫向日葵)の別名で親しまれています。夏の暑さにも負けずに力強く咲き続ける丈夫な宿根草です。北米原産で日本には明治時代に渡来。


 カワラナデシコ(河原撫子;ナデシコ科ナデシコ属)の繊細な花。別名はヤマトナデシコ(大和撫子)。また単にナデシコ(撫子)とも呼ばれます。秋の七草の一つで、7月頃から秋にかけて花を咲かせます。


 最後にわが家の庭先の植物です。これはホンコンカポックやシェフレラとも呼ばれるヤドリフカノキ(ウコギ科シェフレラ属)。オレンジ色の小さな丸い果実が花のアトに沢山ついています。5月頃から枝先や葉腋に小さな淡緑色の花を多数つけていました。革質で光沢がある美しい緑葉が多数つき、観葉植物として人気があります。


 ニチニチソウ(日々草;キョウチクトウ科ニチニチソウ属)とセンニチコウ(千日紅;ヒユ科センニチコウ属)の寄せ植えです。近所の花屋さんからポットで購入し、適当に並べたものです。


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2025年6月 6日 (金)

梅雨入り直前の小石川植物園、ハナショウブが見頃


 6月に入り暑い日が続いていますが、そろそろ梅雨入りです。小石川植物園では日本庭園の一角にある菖蒲田のハナショウブ(花菖蒲)が見頃になっていました。また、梅雨空に似合うとされるアジサイ(紫陽花)の花や高木の上方にタイサンボク(泰山木)の特大の花などが咲き出しています。


 ちょうど満開になった菖蒲田のハナショウブ(花菖蒲;アヤメ科アヤメ属)です。江戸系を中心とする約70種類の花菖蒲が植栽されています。普段は静かな雰囲気ですが、この時期だけは華やかな景観に多くの人が見入っています。


 花菖蒲の系統研究は小石川植物園を中心として進められてきました。花菖蒲には地域ごとに独自の発展を遂げてきた3つの系統(江戸系、伊勢系、肥後系)があります。現在、園内の温室前の所で古典的な花菖蒲が展示中です。


 江戸系の「五湖の遊」。江戸系は江戸時代に変異個体を元に改良されてきた品種群で、群生美を鑑賞します。


 伊勢系の「朝日空」。伊勢系は伊勢松阪地方で発達した品種群で、垂れ咲きの三英花とか花弁の縮緬地が特徴。


 梅雨空にはアジサイ(紫陽花;アジサイ科アジサイ属)がよく似合うとされています。この時期、園内各所ではいろいろなアジサイの花が咲いていますが、多くはわが国固有種のガクアジサイです。


 ガクアジサイ(額紫陽花;アジサイ科アジサイ属)は日本固有種で房総半島、伊豆半島、三浦半島などの海岸地に自生します。花序を見ると、中心部の多数の両性花の周りに装飾花が額縁のように縁取っています。


 北米原産の常緑高木タイサンボク(泰山木;モクレン科モクレン属)。大木の樹上に威風堂々の白い大きな花が上向きに咲き並んでいます。木の下からはよく見えませんが、花の中心部に黄色の雄しべが密生します。高所に神々しく咲くタイサンボクの花は神々しい風格を感じさせます。


 この季節、いろんな草本の花々も見かけます。熱帯アメリカ原産の一年草シロアザミゲシ(白薊芥子;ケシ科アザミゲシ属)。透き通ったような白い色で妖美な感じがします。茎や葉にアザミのような鋭いトゲがあって、間違って触るとピリッとした痛みを感じます。


 ドクダミ(毒溜、十薬;ドクダミ科ドクダミ属)が草むらに群生しています。ドクダミは道ばたや草むらの半日陰地に分布する多年草。葉茎に独特の強い匂いがあるが、様々な薬効があり、腫れ物、皮膚病などに利用されます。また、北米東部に分布する多年草のオオムラサキツユクサ(大紫露草;ツユクサ科ムラサキツユクサ属)もポツポツと交じっています。


 近所の白山神社を回ってきました。神社へは石段を上って境内に入ります。あじさい祭りが開催される直前でしたので、まだ静かでした。この白山神社は、江戸時代に小石川植物園内にありましたが、5代将軍綱吉の屋敷造営のため、現在地に移ったとのこと。白山神社はこの縁で、綱吉と生母桂昌院の厚い帰依を受けたと言われています。


 この時期、白山神社の境内から隣接する白山公園にかけて、約3,000株のアジサイが咲き誇ります。ガクアジサイホンアジサイカシワバアジサイなど多様な紫陽花を楽しむことができます。ユリの花も交じっています。


 境内に中国革命の父といわれる孫文の座石の碑が建っています。かつて孫文はこの石に腰掛けながら、たまたま夜空に流星を見て、祖国の革命を心に誓ったとされています。

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